観客賞スポットライト 同声合唱部門 その4

 

 



さて、同声部門のご紹介は今日と明日で終わりです。



今回は観客賞の投票について!



参加資格:「大学ユース部門」「室内合唱部門」
     「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
      それぞれ全団体を聴いていること。
      (その部門の出演者は投票できません)



投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ

#同声合唱17

を付けて
20日同声合唱の部終演(予定13:04)から
審査発表が始まる前の19:30まで
良かった2団体を書いてツイート。


その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします!

 


ツイート投票の例:

メンズヴォーカル●● 漢を感じる迫力ある演奏!
▲▲レディースコア 繊細で正確なハーモニーに聴き惚れました。
#同声合唱17

 

 

 



ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!

ご投票よろしくお願いいたします!



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慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団公式ツイッター様より転載

 

 

 


合唱団お江戸コラリアーずさん出演後は
20分の休憩をはさんで、同声部門の後半です。

 

 

 

 

 



高校の名門合唱部と
室内合唱部門のチャンピオンの合同団体、
2年ぶりの参加です!











6.佐賀県・九州支部代表

Choeur Nature

(女声43名・2年ぶり・第68回大会から2回目の出場)




クール・ナチュール。
2年前の出場時、私は

 


オルガンを使ったF2から圧倒。
声楽的練度の高さ、優美な音楽。
自由曲、堅田優衣先生の
「樋口一葉日記~書いて、生きるから」より
「1.我が身一代の」「3.なかなかにおもうことは」
分断された主旋律とBGMの関わり、
要所に挟まれる独特な和音が面白い。
これだけの難曲をよくここまで仕上げられるな〜と
感嘆のため息が漏れました。


…などと感想を書いています。
実力は折り紙付きのこの団体。

今年の課題曲はF4 鈴木輝昭先生「朱の小箱」。
さて、自由曲は?


団員さんからメッセージをいただきました。

 


クール・ナチュールは
佐賀女子高校と女声合唱団ソレイユの合同合唱団です。
合同での練習は、
あまり回数をたくさんできないので
集中して行っています。
と言っても、
いつまでも立って歌い続けられる高校生に対して、
隙あらば座ってしまうソレイユ年長組の私たちです(笑)。

今回は、池辺晋一郎先生に委嘱した
「東洋民謡集Ⅴ」を皆様に紹介したく
2年ぶりにコンクールに参加しました。

1曲目は沖縄のわらべうた「じんじん」
(「じんじん」とは沖縄の方言で「ほたる」)、
2曲目は「しっちょこはっちょこ」
佐賀と長崎のわらべうた(6曲)を元に作られています。

「しっちょこはっちょこ」は
指揮の樋口先生は小さい頃
お母様から歌ってもらっていたと言われていました。
団員にも数名知っている者がいました。
どちらの曲も、歌う度に新たな発見があり
練習していてとても楽しいです。

11月に音楽之友社より楽譜が発行されまして、
全国大会当日に会場でも販売されるとのことなので、
ぜひお手にとって楽譜とともに聴いてみて下さい!

 

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団員さん、ありがとうございました。

「隙あらば座ってしまうソレイユ年長組」
…と書かれていますが(笑)
前日の室内部門に続き、連日の本番!凄い!


自由曲の「東洋民謡集Ⅴ」はこのシリーズ初の女声合唱で、
しかも日本の民謡だけを素材にしているとのこと。

いただいた初演時のプログラムに
池辺先生は全国大会の審査員として
佐賀女子高の演奏を聴いて感銘を受けたことを
作曲の動機のひとつとして挙げ、


樋口久子先生の音楽作りに瞠目している。
それが「V」作曲のモチヴェイションであった。
佐賀から発信できることも、大きな歓びである。

…と記されています。

関わりの深い地元の歌を題材にした委嘱作品を、
全国大会という場で発信する。
素敵なことだと思います。

演奏に佐賀という地の力が強く宿りますように!


 

 






続いてはこちらも高校の名門合唱部と縁の深い、
初出場の団体です。









7.福島県・東北支部代表

合唱団L'alba

(女声25名・初出場)


初出場おめでとうございます!

さて、私も含め団名やその成り立ちに
興味津々の方がいらっしゃるかと。
団員さんからメッセージをいただきました。

 

 

 

皆さまこんにちは。そして初めまして。
福島県から参りました女声合唱団、
合唱団L'alba(ラルバ)です。

わたしたち合唱団L'albaは、
「黎明の、あなたたちの声で
 もう一度女声合唱の世界がみたい。
 あなたたちにしかできない女声合唱の素晴らしさを
 世に知らせたいんだ。
 これがわたしの描いている夢なんだ。
 力を貸してくれないか。」
と高校時代の恩師である星英一先生
(現福島県立福島東高校教諭)のお声掛けのもと
福島県立安積黎明高校コーラス部のOGが集い結成し、
2年目を迎えました。
L'albaはイタリア語で「黎明」の意味をもちます。


今回演奏いたします曲は
鈴木輝昭先生の「朱の小箱」、
石島正博先生の「女歌」
(序歌 さねさし、二 髪ながき、四 雪の日の、
 終歌 シッチハタバルヤ)です。

わたしたちは高校時代に
鈴木輝昭先生の多くの作品に出会い、
魅了されてきました。
高校を卒業してもまた先生の作品に取り組めることに
幸せを感じております。
また、石島正博先生の「女歌」は、
2006年に合唱団はるかさんにより委嘱初演された作品です。
今回は、25名で18声…団員一人ひとりが
大切な存在であるということを再確認させられました。
この2つの作品を通して乙女心をもつ少女、
熱くも切ない恋心をもつ女性、
神職者としての女性…。
わたしたちならではの、
わたしたちにしかできない音楽をお届けいたします。

団員は大学生から社会人までと、
高校時代には接点のなかった先輩や後輩と
一緒に活動しております。
またこのメンバーで歌う機会をいただけたこと。
大好きな星先生の指揮で歌えること。
わたしたちの演奏を楽しみにしてくださる方がいること。
すべての巡り合わせに感謝し、
わたしたちの音楽をしたいと思います。


舞台裏で順番を待っているあの空気
暖かい拍手に包まれながら入場するあの高揚感
歌い始めの星先生の表情
眩しいほどにキラキラした照明のあの感じ


26日東京芸術劇場で
どんな景色が見られるのか楽しみでなりません。
聴いてくださる方々にとってもわたしたちにとっても
幸せな時間となりますように。

 

 

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団員さん、ありがとうございました。
なんと「L'alba」はイタリア語で「黎明」の意味を持つんですね!
課題曲の鈴木輝昭先生の作品演奏は、
多くの委嘱作品、名演を生み出されてきた
安積黎明高校のOG合唱団ということで期待してしまいます。

自由曲の作曲者、石島正博先生の作品は
コンクールではあまり演奏されないかもしれませんが
平成4年女声の課題曲で高田敏子さんの詩に作曲された
「忘れもの」という名曲がありまして。
安積黎明さん前身の安積女子さんの演奏が素晴らしく
毎年夏が終わるたびに聴き返しております(笑)。


東北支部大会を聞かれた人の感想は


L'albaは安積黎明OGということもあり、
既に実力はお墨付きといったところでしょうか。
コンクール初参加の昨年も東北支部大会で
L'Aube des Tempsと室内部門同順位で
惜しくも全国出場を逃していましたので。
星先生世代のOGが中心ということもあり、
サウンド作りに長けた演奏だったと思います。
一方で大人の女性の色っぽい表現も随所に感じられ、
高校生のそれとは一線を画した演奏だったかなと。

…というものでした。


今回の「女歌」はメッセージにも記されているように
式子内親王、歌人、俳人など
さまざまな女性の言葉をテキストにした作品。
どことなく和の香りもする繊細な楽曲です。

18声を25人で演奏する・・・
きっとL'alba団員さん
ひとりひとりが息づく演奏となることでしょう。

一般部門では初めての全国大会。
どうかすべての力を出し切れることを願っております。




(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その3




同声合唱部門、今日は3団体をご紹介するのですが
まず初めましての団体が2団体続きます!


 

 

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慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団公式ツイッター様より転載

 

 

 



3.岡山県・中国支部代表

Coro Piace

(女声18名・初出場)



初出場おめでとうございます!

私の住む岡山の団体ということです。
どんな合唱団なんでしょう?

団員さんからメッセージをいただきました。

  

 

初めまして、岡山の“コロピア”こと“Coro Piace”です!
普段は人間の心情を描く邦人作品を多く歌っていますが、
ここ数年音楽の原点を学ぶため、
古典作品のレッスンを受けるなど、
心から音楽を愛し、高みを目指し歌い続けています。

課題曲に選んだF2『Ave verum corpus』も、
そんな私たちの成長のために挑戦した曲です。
プーランクの繊細かつ情熱的な和声に
心をやきもきさせながら、
湧き上がる“喜び”や“愛”を
アツい音としてお届けしたいなぁ~と日々模索中…。

そして自由曲は、ファンの団員が多い、
信長貴富作曲
「女声とピアノのための
『不可思議のポルトレー与謝野晶子の四つの詩ー』」より
『伴奏』『明日』です。

この曲集は『みだれ髪』などの著者、
与謝野晶子の生き様を描いた作品。
四篇の詩、それぞれに異なる顔を見せる晶子像を、
私たちなりに解釈し音楽作りを行なっています。
特に『伴奏』は男性を待つことしかできない、
当時の女性ならではの葛藤を表現した曲。
色恋経験の少ない若手団員には
「色気って何!?」
「彼氏作ります!(そして振られます!)」
な~んて言葉が飛び交う始末…。
しかしMっ気強い私たち、
この深めていく作業がまた幸せだったり…。
女心のためにスカートを履こう期間があったり、
何時間も曲や練習について討論したりすることも。
例え、指揮者・大森友美子先生からの
熱~い愛のムチが飛び交おうとも…

12/24(日)には、なかにしあかね先生をお迎えし、
コール ファミーユのジョイントコンサートも控え
(倉敷芸文館にて。新曲委嘱作品の初演もあり!
 こちらもどうぞよろしくお願いしますね。)
慌ただしい毎日ですが、
憧れの全国初舞台を団員皆楽しみにしています。
コロピアパワーと色気(!?)に溢れた演奏を
お届けできるよう頑張りますので、
どうぞ応援よろしくお願い致します。

 

 

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 山口での中国支部大会の写真ということ。

 

 


団員さん、楽しいメッセージをありがとうございました。
まさか作品が実生活にまで影響を及ぼすとは…。
与謝野晶子さんも信長先生も驚くことでしょう(笑)。


Coro Piaceさんと協演されたこともある
ピアニストの平林知子先生からも
メッセージをいただきました。

 


Coro Piaceさんは、
指揮者の大森先生ご自身が声楽家でもあり、
そのキャラクターは華やかでありながらお茶目さん。
歌い手の皆さんも真面目で熱心でありながら
明るく朗らかで、素敵な女声合唱団です。
(個人的には、初演に関わった「不可思議のポルトレ」が、
彼女たちの歌声でまた全国の皆さんに
聴いて頂ける事を幸せに思います。)

 

平林先生、ありがとうございました。
「明るく朗らか」!
団員さんからのメッセージでもそれが伝わる気がしますね。



「伴奏」と「明日」は昨年、同じく同声部門の
monossoさんが演奏されていましたが
コロピアさんの演奏でまた違った魅力を発見できそうです。

初出場の全国大会、
コロピアさんの魅力がすべて伝わりますように。
私も岡山在住民として応援します!









続いて初めましての団体第2弾!









4.大阪府・関西支部代表

CLARICE

(女声42名・初出場)



初出場おめでとうございます!


課題曲はF3「再会」
そして自由曲は
Brahms作曲「Vier Gesänge」より
「Gesang aus Fingal」

へえ~、自由曲にブラームスとは!
どんな団体なのでしょう。

こちらの団体も平林先生から
メッセージをいただいております。

  

 

CLARICEさんは、
指揮者さんが大阪市内の中学校の先生、
しかも合唱団ことのはさんの団員でもあります。
関西コンクールで私が出番を終えて会場に入った時に、
ちょうど彼女たちの演奏が始まったのですが、
生き生きとした若さと透明感溢れる歌声で、
関西コンクールの空気が
澄み渡っていくような気がしました。
しかも自由曲はブラームス!渋い!

 

 

平林先生、ありがとうございました。
中学校の先生ということで
団員さんも中学校合唱部のOGさんが多いのでは?
それなのにブラームスという選曲。
確かに渋い!(笑)

「生き生きとした若さと透明感溢れる歌声」で
どうブラームスの世界が紡がれるのか、期待ですね。



 

 

 

 

 

 



今日ご紹介する最後は
昨年同声部門のチャンピオン!

 

 

 

 

 

 

 

 



5.東京都・東京支部代表

合唱団お江戸コラリアーず

http://oekora.net/


(男声83名・第62回大会から9年連続出場)





合唱団お江戸コラリアーず、通称「おえこら」。
昨年の座談会では



大人の男声合唱でしたね。

歌い手にすごく合唱をわかっている人たちがいるな。
そんな印象を持ちました。

そして自由曲に信長貴富先生への委嘱曲。
「無伴奏男声合唱のための Credo」が大変なインパクトで。

生演奏を聴けて良かった!と思わせる大変な曲。
音の移動、ステレオ効果など
本当に「瞬きができない」くらい
集中して聴いてしまいました。

 

http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/01/09/124902



…などと毎回、演奏に強い印象を残される団体です。
マネージャーさんからメッセージをいただきました。

 


おかげさまで九回目の全国大会、
巡り巡って東京でお迎えする方となりました
(出演者ですが、おえコラは一部下準備担当でもあるです)。

2009年の札幌から昨年の鳥取まで思い返せば、
各地の美味しいモノwと
スタッフの皆さまの温かい歓迎が浮かび、
はて今回はどう楽しんでもらおうかなと
思いめぐらせてる次第です。

今回70回記念ということもあり、
当日会場ではこれまでのコンクールのパンフレット(コピー)や
写真の展示を予定しています。
また審査発表待ちの時間に
藤井宏樹先生指揮による
過去の課題曲からのコンサートが予定されてます。
伺っているところだとかなりの力の入れようで
来てくれるそうです。
スケジュールの都合で25日だけで、
聞けなさそうなのがすごく残念なんですけどね(苦笑)

コンクールの意義やら価値やら
いろいろ意見はあると思いますが、
全国から一堂に会した団体が
たった10分ちょいに気持ちを込めたラインナップが
まとめて聴ける演奏会、ぜひお聴き逃しなく。

ついでだから?ちょっとお願いです。
今回会場都合もあり全席指定で
部門ごとに入場券が分かれています。
大学職場一般部門では初めてかな?
会場の入れ替えが発生いたします。
指定席で荷物を置いておきたい気持ちもわかるのですが、
残っていると会場スタッフがどうしていいか
困ってしまいますのでご注意ください。

また特に二日目ですが、スケジュールがタイトなのです。
各出場団体さんについてもステージの入退場や移動など、
できるだけ軽やかかつ速やかに行っていただきますよう、
ご協力をお願いいたします。


え、おえコラのほう?
プーランクのフランス語と
落下傘のリズムに毎度ながら苦労して、
直前までもがき苦しむ未来しか見えません(泣 

26日の出演団体の皆さんは
練習やらで聴いてもらえないかもしれませんが、
客席の皆様、スタッフの皆様よろしくお願いいたします!

 

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今年の11月、熊本演奏旅行で地元のみなさんと共に。

 



マネージャーさん、ありがとうございました。
なんと出演者なのに下準備担当の方もいるとは。
そんなおえコラさんの心意気に報いるためにも
「客席への荷物置き」、気を付けましょうね!

そして出演者のみなさま!
ホール内のクロークのキャパがそれほど大きくないので、
出演者側は極力外部のロッカーを利用してくださると
大変助かるそうです。
ご協力よろしくお願いいたします。

↓リンクが参考になるかと。

池袋駅のコインロッカー攻略!
安くて絶対空いてる穴場スポットを紹介!

http:// http://tokyolucci.jp/ikebukuro-coinlocker

 



あと言及されている
「藤井宏樹先生指揮による
 過去の課題曲からのコンサート」詳細はこちら!

 

 



今年のおえコラさんの課題曲は
プーランクのM2 Seigneur, je vous en prie
自由曲は高嶋みどり「感傷的な三つの奏鳴曲」より
「3.落下傘」。

戦時中の軍部への批判を皮相的に書いた
金子光晴の詩がテキスト。
今年5月のTokyo Cantatで
同じ曲集の「くらげの唄」と共に
おえコラさんの演奏を聴かせていただきましたが
緊張感ある始まりと対比させるように
中間部が暖かく優しく歌われ、
またそれがおえコラさんの声に
とても合っていたのが印象に残っています。

混声版も含めて全国大会で
何度も演奏されてきた名曲ですが
おえコラさんなら
初めて聴いたような印象を与えてくれるでしょう。
期待です!

 


(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その2




今回は香川県の月1回練習の女声合唱団、
monossoさんの訪問記です。



2.香川県・四国支部代表
 

monosso

(女声45名・2年連続出場)


 


2017年10月22日、日曜日 午前9時半。
台風21号が接近する中、
岡山から快速マリンライナーに乗り、
高松に降り立った。

 

 

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ちょっと風があるとすぐ運休することに定評がある瀬戸大橋線。
私は岡山に帰れるのだろうか・・・。

などと悩んでもしょうがない。
今日は誕生して2年経っていない女声合唱団、
monossoさんの練習見学に来たのだ。


高松駅から徒歩5分。
サンポート高松内のビルに入り6階の第3リハ室へ向かう。

リハ室そばのソファに指揮者の山本啓之さんを発見!
「今日は台風だから人数少ないよ、ごめんね」「いえいえ!」
などとご挨拶をしたところ、ある団員さんが通りがかった。

山本さん「Hちゃん! 発声やってよ!!」

「え~」とHちゃんと呼ばれた女性は困った顔をしながら
リハ室に入っていく。

「彼女は地元が高松で、
 いま広島の大学に通ってるんだよ。
 卒業したら高松に戻るだろうから、
 発声やってもらうのも育成の意味がある(笑)」

今日の練習予定などのお話を聞き、
10時半になったところで私もリハ室に。


指揮者の机を取り囲むように、
椅子と譜面台が団員分用意されている。
さらに首からは名札を下げ。
この時点の人数は17名。
しかも(私以外の)見学者が2名いらっしゃるそうだ。


来月の全国大会に向けての練習ということで
最初は課題曲F3、萩原英彦先生の「再会」
「まずは歌詞を付けないで『ラララ…』で行こうか」


monossoさんは単一パートの指摘時だけ
他パートが座り、
あとは基本立ちっぱなしで歌う練習スタイル。



しばらく歌わせてから
「アルト! もう少し音が欲しい!
 あ、メンズはがんばらなくていいから。
 ウィメンズがんばって!」

そう、monossoには2人の男性がアルトに入ってました。
これは一般の女声合唱団では珍しいのでは?



山本さんの指導は流れの中で笑いを交え、
指導なんだか山本さんワンマンショーなのか
わからなくなる時があったが、
それでも印象に残った言葉が2つあった。



ひとつは「必ず息を流して!」「息が動くように!」

これは解説が必要かもしれないが
私が感じたのは

「楽譜のリズム割りで機械的にならず、
 もっと自然な歌にしてや!」

じゃないかと。

自然なニュアンスの、身体が入った歌にするため
山本さんはあらゆる手管を使う。
流れる旋律を実感させるため、
ピアノだけを聴かせて音楽の共通点を説く。
アクセントにはインチキ外国人が出現して笑いを生む。

ーれも、イーナいー!じゃないでしょ!(笑)」


後から話をお聴きすると

「歌はやっぱりレガートが必要だからさ。
 monossoは同じメソッドの発声で
 育った子たちばかりじゃないし。
 レガートができていない子もおる。
 そういう子たちを育てていかないとね」




ふたつ目は「自分で動いてや!」


ソプラノ、メゾ、アルト、バラバラにして歌ってから
ふたたびパートごとに集まらせ歌わせて
「…文吾くん、どう思う?」

「え?! …前の方が・・・良かったような」

「そやろ! 隣に同じパートの人がおるから
 頼って弱くなってしまう。
 それじゃダメなんだよね!」



「再会」の「誰もいない」の出だしに注意した後
歌うのを止めた人が幾人かいて音が弱くなってしまった。

「『注意されたから歌わないでおこう…』
 そうじゃないんだよ!
 全員が、絶妙のあんばいで出るようにしよ!

 考えてみ? たまたまその日のコンディションで
 『これは揃わなそうだから私は休んどこう…』
 って全員が思ったらどうするの!!」


一同(笑)。


「まあ、ありえないけど(笑)。
 揃わずに失敗したっていいじゃない!
 全員で出そう!」


この言葉は響きました。
「一人で歌えないから合唱する」という人は多いと思うけど、
山本さんは一人で歌わせることこそ滅多にしなかったが
それでも歌う人の近くまで迫り、
ひとりずつの歌を探ろうとする。


「最後は一人やから!
 合唱は集団芸術だと思うんだけど
 最後はひとりひとりの関わり方次第!

 指揮者と団員は1対45じゃなくって
 1対1かける45…にしたいけど
 そんなん無理やもんね、オレ、千手観音じゃないし(笑)。

 やっぱりひとりひとりが発信してる音楽が愛おしい。

 金魚のフンみたいに他人の後をついてくんじゃなくって
 自分で動かす!その方が楽しかろ?」




「再会」の詩は病気で夭折した矢澤宰の作品。

「『校庭をめぐって』
 ちょっとそこに喜びが欲しいんだよな。
 知らないところをどきどきわくわくしながら回るような。

 『めぐる』って普通、校庭や学校に言わんやろ。
 だってさ、矢澤宰さんは
 病気でなかなか学校に行けなかったやろ?
 だから未知の学校、校庭が楽しい。

 自分も1年間入院して、
 半年ベッドの上から降りられなかったから
 その気持ち若干わかるんだよね・・・」


(…と少ししんみりさせて、
 半年後車椅子に乗ってすぐタバコを吸い、
 ぶっ倒れた話で笑いを取るのが山本流! 笑)




「『誰もいない』のフレーズ、
 3回同じことをしていると思われないように。
 でも2回目を濃い目にするのもおかしいし
 かと言って何もしないのもおかしい」


確かにそうだ。
この表情記号も音量も全く同じ3回のリフレイン、
山本さんはどう色付けするのか?と見ていると



「あなたたちが同じことを
 2回言う時はどんなときやろう?
 2回目を作為的に言うのは盛り上がるけど、
 ここはそういうところじゃないでしょ。

 誰もいない・・・。
 音はどっちにも聞こえて欲しい。
 『誰もいなくて寂しい』でもいいし
 『こんなに誰もいない学校初めて…』でもいいし
 いろんなもんに聞こえて欲しいな」


考えさせ、ひとりひとりの表現を引き出そうとする。
「再会」を最後に通すと
最初とは別団体のように
音楽が生きているのを感じた。






午後からはピアニスト酒井信先生がいらっしゃって
自由曲の信長貴富先生「百年後」の練習。


酒井先生にも私が紹介される。
「ホラ、あのmonossoの感想を
 ブログに書いていた文吾くんです」

酒井先生「あぁ、あの・・・」という反応。
読んでらっしゃるんですね~。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/01/05/192900


私が「山本さんはピアニストに厳しい、とウワサが」
と言うと山本さんが

「全然厳しくないですよ!優しいですよ!」


酒井先生クールに「そうですか?」


一同(笑)。


山本さん焦って
「いやいや! 酒井先生には
 『好きなよ~うにやってください!
  ・・・でも、こうもやってくださいね』
 って言ってるだけです(笑)』



「百年後」を演奏したHIKARI BRILLANTEさんが
いかに若くて可愛かったかを力説し、
団員さんから大ブーイングを受ける山本さん。

「酒井先生、僕を助けて・・・」


酒井先生クールに「難しいですね」


一同(笑)。


このふたり、
なかなか良いコンビなんじゃないでしょうか(笑)。


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「百年後」はインドの詩人タゴールが書いた詩に
信長貴富先生が作曲された作品。
あっという間に大人気となり、
練習中にも聴き惚れてしまうぐらい良い曲なのだけど
山本さんは

「確かに良い曲!
 でも、良い曲なんで
 歌う側が酔ってしまう危険性があるんだよね。
 だから楽譜上の指示をしっかり歌わないと」


酒井先生のピアノが入り、次に合唱…
という時に山本さんは全く動かない。
歌は当然抑え気味になる。
「自分から動いてや!」 えー?!(笑)

「指揮で歌ってないか?
 酒井先生、お願いします」


そしてフレーズに入る前のアルペジオを弾いてもらい、
歌わせる。

「それだよ!
 吟遊詩人が歌う前に、
 リュートをひと弾きして歌に入るやん。
 そういう歌が欲しい!

 歌曲での伴奏と同じだよね。
 指揮者はいらない(笑)。
 指揮者が支配するんじゃなくて
 ピアノの音楽を感じて自分から発信する…
 『ライブ』にして欲しいなあ」



出だしの「いまから百年後に…」

「その歌だとね、
 (手を少しだけ上げて)この辺にあるの。
 『いまから百年後に!』って言ってる距離感が欲しいの!
 『詩を読んでくれる人』と
 『伝えたい人』に向かって響きを増やして!

 …この曲には『ありがとう』という
 気持ちが入っていると思うんだよね。
 百年後に詩を書いてくれる人にも、
 そして、百年後に聴いてくれる人にも。
 ぜんぶ含めて人に対して
 『ありがとう!』という気持ちを込めて!」


酒井先生のピアノだけを何回も聴かせ、
メロディライン、息の流れ、音楽の流れを意識させる。

練習の最後にはぶつ切りにならない
先を見据えた音楽が入ってきたような。

最後になっても練習に参加する人数は
20人を少し越えるぐらいでしたが
ずっと立って歌うのも含め、
団員さんひとりひとりが
真摯に音楽へ向かおうとする姿が印象的でした。

 

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あっという間の6時間練習が終わり午後5時。
「台風で列車が止まるかもしれんよ?」との言葉に
急いで駅へ向かい着いたら17:05。
なんと17:10が岡山行き最終だった!ラッキー!
monossoのみなさん、山本さん、酒井先生、
ありがとうございました!


* * * * * * * * * * * * *


「まあ、あの後、2時間後に運転再開したんだけどね(笑)」
後から話をお聴きすると山本さんは
そう言って笑った。


「monossoは香川で合唱をしていた子たち、
 合唱をやりたい子たちの受け皿にしたいんだよ。
 吹奏楽をしてたけど合唱をやりたくて
 monossoで初めて合唱をする子もおるし。

 だから今の選曲は
 『言葉も意味もわからんけど一生懸命やる』じゃなくって
 本人たちが想いを込めて歌える作品を
 選んでやらんといかんな、と思ってね。
 自分はこういう気持ちでこう歌うんだという
 心と体がリンクする作品をまずはやっていきたい。

 …自分の音楽を強制するんじゃなく
 彼女たち自身の想いを生かして歌にしてあげたいな」



monossoの出番は同声部門2番目。
26日午前10:49の予定です。
みなさん、お聴き逃しなく!





(monossoさんの訪問記はこれでおわりです。
 ブログ記事は明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その1

 

 

 

 


室内合唱部門のご紹介も終わり、
次は同声合唱部門!なのですが
お江戸コラリアーず団員のくーらさんから
大変有難いことに「東京芸術劇場への行き方」を
多くの写真と共に送ってもらったので掲載しますね。

 

 

 

 

 

まず、池袋駅地上へ出た場合は
とにかく【西口】を目指してください!

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「なるべく外に出てしまうのがコツです。
 地下は人も多く、集団移動にも向きません。
 建物は大きいから目立ちますので
 雨でない限りは外へ出ましょう」

 

 

 

 


…これで終わってしまうのもなんなんで、
「南改札口」から行く方法をご説明。

 

 

「南改札から出る所です。
 駅員がいない方もありますがこちらの方が西側です」

 

 (文吾:「メトロポリタン方面」
 「東京芸術劇場」の文字が見えますね!)

 

 

 

 

 

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 「南改札を出ると
 このような感じの見た目になるので右に行きます」

 

 

 

 

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 「最大のポイント。
 有楽町線の改札にさしかかる細い道。
 合っているのか不安になりますが直進」

 

 

 

 

「やがて東京芸術劇場方面と記された出口表示が見えます。
 短いエスカレーターを下り、更に直進」

 

 

 

 

「道なりに進みます」

 

 

 

 

 

2bの出口が目的地です」

 

 

 

 

「左に折れるとこんな見た目になります」

 

 

 

 

「左手に見えるエスカレーターを上がります」

 

 

 

 

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「長いエスカレーターを上がります。(1分かかるとか!)
 エレベーターもありますので念の為。
 上の写真の左奥側にあります」

 

 

 

 

 

「結構高いので怖い方はエレベーターで」

 

 

 

 

「ホール入り口へ到着です。
 ホールは中に入って
 左手のエスカレーターで上がったところが一階席です」

 

 

 

 

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「では東京池袋でお会いしましょう!」

 

 

 

 くーらさん、ありがとうございました。

 

 

 

 

さて、同声部門は26日の日曜日、
10:30から開会式が始まります。


10:36から出場の最初の団体は…
男声合唱の登場です!


 

 

 



1.東京都・東京支部代表

 

創価学会しなの合唱団

http://www.shinano-choir.org/

 

 

(男声63名・2年ぶりの出場・第58回大会から9回目の出場)




2年前の長崎大会では
今年、同志社グリークラブさんが演奏される
「音速平和」を演奏し、


色男の声! 
さわやかイケメンって感じでしたね。

課題曲も自由曲も「一音全力!」
とばかりに集中していて。

明るくて、ちょっと捻ったユーモアがあって。
でもラストは爽やかに盛り上がるという…。

この作品の持つユーモア、シュールな世界を
明晰な発語でしっかり表現していました。


…などと評判でした。

今回の課題曲はM3「葉月のお月」
自由曲は長崎大会で
合唱団お江戸コラリアーずさんが演奏された
信長貴富先生「起点」より「飛ぶものへの打電」


副代表の古作敦さんからメッセージをいただきました。 

 

 

■楽曲への想い

課題曲「葉月のお月」については、
同志社グリークラブさんが
曲の紹介をされているので簡潔に。
ほとんどが首都圏出身者のため、
関西弁の独特の言い回しや表現をするのに
今でも試行錯誤を繰り返し、
悪戦苦闘しています(笑)。

自由曲「飛ぶものへの打電」は、
1957年のソ連による人類初の人工衛星
"スプートニク1号"の打ち上げを描いたものです。
スプートニク1号は宇宙空間と地上との
無線の送受信の実験を行い成功し、
詩人の木島始は飛翔するスプートニク1号と、
取り残される人類の運命を重ね合わせ、
地球(人類)全体に対する警鐘を鳴らしています。

奇しくも、
スプートニク1号が打ち上げられた1957年は、
創価学会の戸田城聖第二代会長が
「原水爆禁止宣言」を発表した年でもあります。
絶対悪である原水爆の実験・使用の禁止を
訴えた宣言であり、私たちの平和運動の原点です。
世界は今も、核の脅威にさらされ
凄惨なテロや紛争が頻発するなど、
暴力が吹き荒れています。
スプートニク1号の打ち上げ、
原水爆禁止宣言から60年を迎える本年、
私たち創価学会しなの合唱団が
「飛ぶものへの打電」を演奏する意義を
深く感じています。
世界平和への思いを込めて演奏します。



■パーカッションとの協演で大変だったこと

初めてパーカッションの先生方と合わせたのが
8月11日だったのですが、
何が大変って、先生方があまりにもうますぎるんです(笑)。
粒の揃った完璧な演奏に、
合唱団のリズムの曖昧さがこれでもか
というくらい露骨に出てしまい…

自分達の力の無さを突きつけられた感じでした。
このままではマズイ!と一念発起し、
もう一度リズム練習等にも取り組みながら
なんとか都大会を突破できました。

全国大会では、
素晴らしい指揮者・ピアニスト・パーカッションの先生方と
一緒に演奏できる喜びを噛み締めながら、
私たちの思いを乗せて歌いたいと思います。

 

 

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今年1月に宮城県多賀城市で開催した
被災地復興支援の「希望の絆コンサート」だそうです。



古作さん、ありがとうございました。

この「飛ぶものへの打電」には
10を越える打楽器が必要です。
ステージが壮観!

座談会でも触れられていましたが「一音全力」!とばかりに
真面目に演奏されるしなのさんの集中度は凄いものが。
世界平和の祈りと共に、
打楽器奏者さん、ピアニストさんとの
絶妙なアンサンブルを聴かせていただけることでしょう。
同声部門も遅刻厳禁ですよ!





(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 室内合唱部門 その5

 

 

 

 

 室内合唱部門、今回で最終回です。

 

 

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夜の芸術劇場。

 



さて、室内部門のトリを飾るのはこちらの団体!



 


10.神奈川県・関東支部代表

マルベリー・チェンバークワイア

(混声19名・2年連続出場・第51回大会から13回目の出場)


 

昨年は自由曲の「Coonawrin(クーナウリン山)」が
インパクト強く!

 


 もうクーナウリンクナウリンくなうりん♪
 頭から離れなくって!

 クナウリン山ってなんなの?
 どこにあるの?
 なんかもうググんなきゃだめかなッ?!

 「クナウリン山」は
 スピード感があり、さらにリズムもしっかり、
 歌い分けも完璧!


…などと観客賞座談会でいつまでも話題に上っていました。
早口言葉の「Kaisa Isa Niyan(たったひとつ)」も
余裕まで感じさせる演奏。


毎回、選曲も楽しみな
マルベリー・チェンバークワイアさん。
課題曲はG2のプーランクですが自由曲は?

今回も音楽監督:桑原春子先生に解説をお願いしました。

 


自由曲1曲目は「Dies Irae 怒りの日」
チェコのZdeněk Lukáš (1928-2007) の
『レクイエム』の中の一曲です。
キリスト教の「最後の審判」の様子を描いたもので、
地面が揺れトランペットが響きわたる
激しく厳しい場面を歌います。
ルカーシュは10年前に亡くなるまで
チェコの合唱界を牽引しており、
声の扱いに秀でた作品を書くことで知られています。

この作品はチェコの合唱団が1993年に
日本に演奏旅行に行くために
前年1992年に委嘱したものです。
楽譜には
「この『レクイエム』は人間の死を嘆くものではなく、
 魂が生き抜くことを信じ、
 生きることを愛した作曲家の深い思いが
 表されている作品である」
と記されています。


自由曲の2曲目「Beerburrum ベアーブラム山」は
オーストラリアのStephen  Leek (1959-  )
作詩・作曲の合唱組曲
『Glasshouses グラスハウス・マウンテンズ』の3曲目です。
昨年の全国大会でも同じ組曲から
2曲目「Coonawrin クナウリン山」を演奏し、
今回はその続きになります。

グラスハウス・マウンテンズというのは、
オーストラリアのクイーンズランド州にある
12の死火山から成る美しい山脈で、
カビカビ族(ガビガビ族) という
アボリジニの部族が元々は所有者とされ、
会合や儀式を行ってきた神聖で大切な場所でした。
現在は国立公園になっています。
この「ベアーブラム山」はこの山脈の一つです。

1770年に白人の船が近づいてくることに警戒して
カビカビ族が様々な音を出すシーンから始まり、
波に乗ってどんどん近づいてくる船の様子、
白人が上陸し原住民を征服(略奪・虐殺)する様子、
それでもカビカビ族は聖なる場所や儀式を夢見て
長年プライドを失わなかった様子、
今も続いているカビカビ族の生活の様子
(オビ・オビという土地には
 バンヤ・バンヤという松の木が今もそびえ、
 コンダリーラ滝は今も森に水を落とし、
 ムガナ草は籠を編むたびに今も空中に舞うなど)を、
ジャングルの動物や鳥の鳴き声とともに、
にぎやかに歌います。

最後の部分では
「山々には、
 長年の人間と自然が分かち合ってきた喜びがあり、
 月日が経った美しさと、
 歴史からのメッセージがある」と、
アボリジニの人々の屈しない姿と誇りを
山の美しさに重ねて歌います。

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「先日の5月の定期演奏会のときのものです。
 フィリピン・マドリガル・シンガーズ風に座ってみました」
…と春子さんから。

 

 

 


春子さん、ありがとうございました。
なんと昨年の「クナウリン山」の続編とは!
今年は「ベアーブラム」が耳に残ってしまうのでしょうか?(笑)
リークの作品として有名な
「コンダリーラ滝(Kondalilla)」も出てきて
聴く前から興味が惹かれます。

自由曲1曲目のルカーシュ「Dies Irae」
大音量で鳴り響く鋭く激しいリズムで
短いながら強い印象を残す曲。

 

基礎技術がとても高く、
声の演技力もあるマルベリーさんだから
さまざまな要素を含むこれらの曲を見事に演奏し、
この室内部門の最後を飾って下さるに違いありません。

 

 

 

 

 



さて、これで室内合唱部門が終了し、
あとは審査結果を待つだけ・・・じゃないんです。

休憩と客席入れ替えの56分が過ぎてから
コンクール全国大会70回記念企画として
藤井宏樹先生指揮、「樹の会」さんによる
「70回記念特別コンサート」と題された
過去の課題曲の演奏が18:10から行われるんです!



藤井宏樹先生と言えば
コンクールの全国大会では
合唱団ゆうかさん、女声アンサンブルJuriさん、
山梨大学合唱団さんで
素晴らしい演奏を聴かせていただいた覚えがあります。
今年5月のTokyo Cantatで藤井先生が指揮された
廣瀬量平先生「五つのラメント」は心に刻み込まれました。

プログラムが課題曲演奏?ということで
今年の課題曲を樹の会さんがすべて演奏し、
出場した合唱団が
「まいりましたー!」と白旗を上げる展開なのでは…と
予想したのですがそうではなく。
(…そういう選曲でも聴いてみたかった 笑)

 

 

演奏曲目


1948年(昭和23年) 
第1回 【女声】
山のかなた
平井 保喜(康三郎)作詞曲

1963年(昭和38年) 
第16回 合唱曲集No.16【男声/高校・職場用】
夜明け
伊藤 整 作詞/髙田 三郎 作曲

1973年(昭和48年) 
第26回 合唱名曲シリーズNo.2【混声】
O magnum mysterium 永遠の奇蹟
Tomás L. de Victoria/皆川 達夫 訳詞・編

1996年(平成8年) 
第49回 合唱名曲シリーズNo25【混声】
春愁三首(公募入選作)
大伴家持詩/信長貴富曲

2005年(平成17年) 
第58回 合唱名曲シリーズNo.34【混声】
Letztes Glück (”Fünf Gesänge”より)
Max Kalbeck 詩/Johannes Brahms 曲

 

 
ピアノは浅井道子先生。
そして司会は清水敬一先生ということですから
軽妙な司会で課題曲の歴史を演奏で知ることになりそう。
個人的には「日本語のビクトリア」が気になります!



さて、この樹の会さんの演奏ということで
中心団員のおひとり、
雨宮昌子さんからメッセージをいただきました。

 

 

合唱連盟さまからお話をいただき、
みなさまの素晴らしい舞台に
ご一緒させていただくことになりました、
合唱団樹の会の雨宮昌子と申します。

私たちは、指揮者 藤井宏樹を音楽監督とする
12の合唱団の集合体である
《樹の会》のメンバーで構成されています。

15年ほど前まで、コンクールに毎年出場させていただき、
たくさんのことを学ばせていただきました。
今回はさまざまな形態、
時代から選ばれた曲を演奏いたします。

 

歌詞を語ること、音をつむぐこと、
全てを演奏に昇華していきたい。
ずっとたどり着けない
音楽のかみさまがいる場所に向かっていける、
たった一つの方法だと思っています。

どうか、一歩でも近づいていくことができますように。

 

 


雨宮さん、ありがとうございました。
高い志を持った樹の会さんの演奏、
とても楽しみですね。


そして「樹の会」を構成される団体のひとつ、
「合唱団ゆうか」さんが
全国大会の3日前に演奏会を開きます!





合唱団ゆうか演奏会 

日本の混声合唱 珠玉の名作展


2017年11月22日(水)
19:30開演


於:大和田さくらホール
http://www.shibu-cul.jp/sakurahall

 

一般:2,500円 学生:1,500円 高校生以下:500円
(全席自由)

チケットは雨宮昌子さんのFacebookまでお願いいたしします。
https://www.facebook.com/masako.amemiya


合唱団ゆうかHP
http://yuukachoir.web.fc2.com/


<演奏曲>


混声合唱組曲『愛のプロローグ』 
谷川俊太郎 作詩/髙嶋みどり 作曲

混声合唱組曲『ひたすらな道』 
高野喜久雄 作詩/ 髙田三郎作曲

混声合唱組曲『光る砂漠』 
矢澤宰 作詩/萩原英彦 作曲


指揮  藤井宏樹
ピアノ 安次嶺景子、岩本果子


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「愛のプロローグ」「ひたすらな道」「光る砂漠」…
くーっ! オールド合唱ファンにはよだれが垂れそうな選曲!
水曜日に休みが取れるなら是非聞きたかった!

「光る砂漠」には
今年の女声課題曲F3「再会」が含まれていますから
今回の「70回記念特別コンサート」のアンコールに
ぜひ演奏していただけませんかね?(笑)

聴きに行けるみなさまはぜひどうぞ!!

         

 

   

 

(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 室内合唱部門 その4

 

  




さてみなさま。
この時期、風邪などひかれていませんか?
今日、風邪をこじらせて肺炎になった方が
病をおして原稿を送って下さいました(涙)。
この場でも心から感謝いたします。
どうかご無理なさらず、お大事になさって下さいね!


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Photo by A.Yamaguchi

 



毎年恒例?某合唱団MLに流れた看護師さんたちの
「なんちゃって健康のお便り」をご紹介します。

↓ こちらは昨年の分。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2016/11/16/200553

 

皆様お疲れ様です。
なんちゃって健康のお便りの時期が来ました。
皆様、お仕事も年末に向けて忙しくなり
全国大会も近いとあって
体調管理に苦慮されているようですね。
そこで、これをやれば治るわけではありませんが、、、
日常生活に多少の変化をつけて
全国大会に少しでも良いコンディションで臨めるようにしませんか?



1、急激な気温の低下と乾燥に注意!


気温の上がり下がりが激しく
日々の服装に困っている方も多いと思いますが、
なるべく寒くなったとき困らないように準備してください。
特に首回りの保温は大切です。

また野外も室内も乾燥傾向にあります。
こまめに飲み物をとりうがいをして
喉の乾燥は避けるようにしましょう。
マスクやのど飴も良いと思います。
特に公共交通機関を利用されているかた、
お隣の人が咳をする確率上がってませんか?
なるべくウイルスの侵入を許さない!
入ってきても流してしまえる口腔内環境を作りましょう!

加湿器は掃除してからスイッチオンです。
そしてこまめな換気も重要です。
新鮮な空気を入れて気持ちもリフレッシュです。

ついでに少し元気のある方は結露後の窓枠も拭いてみてください。
カビてる可能性大です。。。うちはカビました。





2、喉が痛い方、
仕事の忙しさにかまけて放置してませんか?


最近は夜遅くや土日にやっているクリニックも増えています。
自己判断で俺は強いから大丈夫!(うちの主人です)
とかやっていると段々症状が悪化して辛くなることが多いです。
その前に受診しましょう。
(私はクリニックの手先ではありません。)

また喉が痛いかたは内科より耳鼻咽喉科をオススメします。
診察もスピーディーなところが多いです。




3、バイ菌を吹き飛ばすからだ作りをしましょう。


とりあえず食べ物ですが、
体調が悪いときは無理やり栄養をつけようと
頑張らなくていいです。
食べられるものを口にして水分だけはしっかりとりましょう。
そして良く寝てください。

体調が悪くない方は、
風邪をひかないよう
常に体を暖めることを意識した食事をとりましょう!
乳酸菌の入ったものもオススメです。
腸内環境が整うと風邪をひきにくくなるとか。。
乳製品の他にもキムチや味噌などの発酵食品、
生姜や香辛料の入ったものも今の季節美味しいし、
体も暖まります。
季節の野菜は他の野菜に比べ栄養価が高く
これまたビタミン豊富な豚肉の組み合わせは
無数にあると思いますが、めんどくさいひとは鍋です!
とにかく野菜をひたすら切ってちぎって
豚肉でも入れて煮れば良いんです!



というわけでズラズラ書きましたが
絶対これを実践しなければならないわけではないです。
ただの読み物として良いかもと
思ったことだけやってみてください!
少しでも素敵な全国大会になりますように!


なんちゃって看護師会より

 


なんちゃって看護師会のみなさん、ありがとうございました。
私も先月、風邪をひいてしまい、
貴重な有休を2日間無駄にしてしまいました。
トシとると治りが遅くてねえ~。

睡眠・栄養・うがい・手洗い・保湿で
なんとか全国大会、年末までがんばりたいものです!



今回は2団体をご紹介します。

イナカモノの私が思う「トーキョー」を体現したような
「スマート」な団体と言えば?









8.東京都・東京支部代表

 

混声合唱団 鈴優会


(混声24名・3年ぶりの出場・第56回大会から5度目の出場)





3年前の高松ではドイツの作曲家S.Wawerの2作品を演奏し
2曲の確かな歌い分け、
表現の繊細さが印象に強く残りました。
「スマート」「スタイリッシュ」…
鈴優会さんの演奏を聴くとそんな言葉が浮かびます。

ベースパートマネージャー 池田大樹さんから
メッセージをいただきました。

 


こんにちは、混声合唱団鈴優会(りんゆうかい)です!
私たち混声合唱団鈴優会は常任指揮者の名島啓太先生、
アンサンブルトレーナーの市原俊明先生のご指導のもと、
10代から60代の、年代も職業も様々な、
個性豊かなメンバーで日々楽しく活動をしています。
全国大会へは2014年の香川県大会以来3年ぶり、
初出場となった2003年の三重県大会から数えると
5回目の出場になります。

思い起こせば2003年、当時はみんな若かった(笑)。
名島先生を始め、メンバーは全員10代から30代前半まで。
私も含め、団員の半分以上は学生だったと記憶しています。
あれから十数年、団員の入れ替わりもありながら、
就職、結婚、出産、転職・・・。
様々な人生経験を積み、
その歌声も、少しは大人になった(?)
と感じる今日この頃。
そんな団としての成長も感じて頂けるよう、
芸術劇場では頑張りたいと思います。


さて、もう一つ。
鈴優会の特徴として紹介したいのは選曲です。
毎年、名島先生は、コンクールの自由曲候補に、
たくさんの曲を譜読みされ、
その年の鈴優会に合う曲を選んで下さります。
そしてその多くが、出版されて間もなかったり、
まだあまり知られていない曲なのですが、
これがいつも本当に“素敵”なのです!
その年のコンクールの結果にかかわらず、
鈴優会の演奏した曲が、
その後のコンクールや演奏会などで流行っているのを見ると、
心の中で「やったね!」とガッツポーズをして、
密かに喜んでいます(笑)。

今回演奏する自由曲の2曲も、初合わせの時から、
「これは良い作品だ!」と団員一同確信し、
今日まで取り組んできました。
鈴優会の演奏を聴いて「歌ってみたい!」
と思ってくださる方が増えるような、
その曲の魅力を伝える演奏をするのも一つの目標です。

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池田さん、ありがとうございました。

そんな鈴優会さんの
「特徴として紹介したいのは選曲」として
今回選ばれたのは


課題曲はG3「こどもは…」
自由曲はAve Maria(Daniel Elder作曲)
I cannot Dance
(Larry Nickel作曲 / Mechthild of Magdeburg詩 )


池田さんによると
Ave Mariaはアメリカの作曲家Daniel Elderの作品。
 8声に分かれた各声部の光が、
 次々に天から降ってくるようなイントロから、
 繊細なハーモニーが紡がれます」

まさに始まりから印象的。
神秘的で優しい響きが魅力です。


続いて「I cannot Dance」は池田さんによると

「カナダの作曲家Larry Nickelの作品。
 神への陶酔、あふれる喜びや感謝を歌っているのですが、
 『percussively(打楽器のように)』や
 『alla Swingle Singers(スイングルシンガーズのように)』
 などの指示もあり、
 スタイリッシュなかっこよさも兼ね備えた作品です。
 高雅な雰囲気をまとった6/8拍子の舞踏のリズム、
 歌われる女声の旋律と男声の合いの手、
 『Alleluia』を経て、
 最後は神に包まれる喜びを高らかに歌い上げます」とのこと。

音楽がお洒落に変化しつつ
池田さんの書かれるように
「スタイリッシュなかっこよさも兼ね備えた作品」。

2曲とも「コンクールに勝つ!」というのではなく、
そのまま演奏会の1ステージにできそうな魅力的な選曲。
そしてどちらも鈴優会さんの個性が発揮できそうな曲です。


「良い曲!」と思わせるには「良い演奏」が必要。
鈴優会さんなら、きっと軽やかに作品の魅力を伝え、
その後「鈴優会さんが演奏したあの曲良かったなあ…」
となるのでは。


レパートリーを探しているみなさん、要注目ですよ!











続いては昨年の室内部門のチャンピオン!
4年連続金賞1位受賞のシード団体の登場です。













9.佐賀県・九州支部代表

女声合唱団ソレイユ

https://www.facebook.com/soleilsaga/

(女声24名・12年連続出場・第59回大会から12回目の出場)





昨年はコダーイ「山の夜」を
曲全体の構成、音色や歌い方が実に深く考えられ。
自由曲のエベン「永遠の美容法」は
細やかな音の軽重、力感、音量にふさわしい歌い分けなど
難曲をサラリと演奏されることに実力の高さを感じました。

今年はどんな選曲なんでしょう?
課題曲はF4「朱の小箱」ですが…。
(室生犀星 作詩/鈴木輝昭 作曲)
ソレイユ団員さんからメッセージをいただきました。

 

 

毎年選曲は頭をかかえますが、
現在注目の若手作曲家エセンヴァルズの作品が目にとまり、
女声版の楽譜も出版されたと知り、
取り組んでみようと思いました。

「The Northern Lights」は、
作曲家自身が北極圏の国々を自らの足で巡り、
オーロラにまつわる民謡などを採譜してまわって作った
曲達の中の一曲だそうです。

ラトビア語で歌う美しい民謡の部分と、
探検家であり政治家としても活躍し、
ノーベル平和賞を受賞したナンセンによる
英語のテキストの部分によって構成されています。

この曲はトーンチャイムとグラスハープを使用します。
グラスハープは、グラスハープ専用のグラスとしては
販売されておらず、
指定の音の高さの出るグラス探しが大変でした。

県大会では、水の入ったグラスを持って歩く私たちを見た
他の出演者さん達から、
(ソレイユは本番前もマイグラス持参で水を飲むのね)、
みたいに思われてたらしいです(笑)

肉食系、とか肉付きがいいとか言われる私達の演奏、
若干の自覚もあります(笑)が、
空が燃えるように輝くという神秘の現象オーロラを、
この私達の声で表現できたらいいな、と思います。

最後にもう一つ!

今回、New ドレスデビューをします!
何色のドレスかお楽しみに!!



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練習前のヒトコマとのこと。



団員さん、ありがとうございました。
Ēriks Ešenvalds「The Northern Lights」ですと!
昨年、宝塚の国際室内合唱コンクールで
ラトビアの合唱団Youth Choir "Kamēr"が演奏し、
本当に魅了された覚えがあります。

グラスハープは今年も混声部門で出場する
scatola di voceさんが2年前の初出場時、
同じくエセンヴァルズの「Stars」を演奏されたのが
一般部門で最初でした。

水の入ったグラスのふちをこする…
それだけですが、幾つも音が重なると
予想以上の響きが生まれます。
(飲み屋で友人とやった経験アリ 笑)


 

 

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団員さんと指揮者:樋口先生の食器棚から持ち寄ったそうです。





「The Northern Lights」はそれに加え、
トーンチャイムの神秘的な響き、
どこか切なさを含むソリストの歌唱が絡み、
ドラマティックな音響世界が繰り広げられます。

混声版は何度も聴いたことのある曲ですが
女声版を聴くのは初めてなのでとても楽しみ。
Newドレスと共に、
ソレイユさんの奏でるオーロラを耳で、
そして目でも味わい尽くしたいと思います!



(明日に続きます)

 

 

観客賞スポットライト 室内合唱部門 その3

 

 

 

 

今日は若い人、合唱に興味の無い方にこそ
聴いて欲しい団体をご紹介!

 

 

 

 

 


7.京都府・関西支部代表

 アンサンブルVine

 

(混声24名・6年連続出場・57回大会以来13回目の出場)
(※上の団名リンクはVine指揮者:伊東恵司さんのHP
「~目をひらく 耳をすます つぶやく~」内のものです)

 


昨年はユッカ・リンコラ「The Joiku」を編曲委嘱。

 

観客賞座談会では 

 
観客の「Vineってこうあって欲しい」期待に
ちゃんと応えているよね。

その期待に演出も含めて裏切らない!

芸達者でしたよね~。

課題曲も含めてプログラムが
すべて考え抜かれて構成されているのは凄い。

3曲通してVineならではのキラキラ感があるんですよね。

観客に、楽しさとかそういう感情を届けるのに
本当に優れている団体だと思います。

 

 
…などと観客賞で毎回大人気。
客席を大いに沸かせる団体、アンサンブルVine。
大学生のみなさん、他の団体はもちろんだけど
Vineさんは絶対聴いてください!


 

 

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<今年も団員のふじもりさんにお話をお聴きしました>

課題曲はG1のAdorna thalamum tuum, Sionですが。

 


「言葉の意味と音楽がとても密接していて、
 さらに言葉と音型が一致している音楽なので
 意味を理解して歌うという、
 当たり前のことをしっかりやりたいですね」



VineさんのG1は個性的で面白いので
楽しみにしています。



「自分たちとしては
 オーソドックスのつもりなんですけどね(笑)」



そうなんだ(笑)。
自由曲は今年も3曲です。



「自由曲のパターンとして  

 1.鳴らせる曲
 2.ハーモニーの美しい曲
 3.エンターテイメント  

 という3曲の並びですね」




では1曲目のリゲティ作曲「朝」
この作品は別の「夜」と2曲続けて
演奏することが多いそうだけど、
今回は「朝」だけで。
時計がチクタク鳴って鶏が鳴く、
「朝だよー!」って曲ですね。




「コケッコッコーじゃないけど
 『キキリキー!』と鶏が鳴きます(笑)。
 面白い曲なんですけど、
 リゲティらしい音使いもあって」



2曲目はエセンヴァルズ作曲「The Heavens' Flock」
この題はどう訳せばいいかな?



「単純に『天の一群』と訳してますけど。
 テキストはポートランドの詩人Paulann Petersenで
 『Stars your The Heavens' Flock
  星よ、あなたは天の一群』
 …薄い羊毛がもつれたような夜空を渡る。
 天の川っぽいイメージですね。  
  大いなる星と自分が灯す小さな火は
 違うけど同じものでもある。
 神と自分との一体感。
 キリスト教的な宗教観が感じられます」



音楽の始まりから美しいハーモニーに
圧倒されますね。



「いやぁ、さすがですよね。
 4声で同じテキストを歌うことが多い曲で。
 しかも英語なんですけどこれが大変で・・・」



そんなに大変?



「僕は苦手です!(笑)
 英語の発音でフレーズ感を損なってしまう。
 そして、英語は暗譜がとにかく大変。
 英語の詩って韻を踏んでいることが多いじゃないですか。
 そうすると、どの単語かわかんなくなるんですよね。
 『graze…blaze… あっれ、どっちだっけ?!』(笑)」 



英語の発音にもご注目!?(笑)
さて、課題曲がラテン語、
自由曲がマジャール語、英語と来て
3曲目のランスタッド「Nyon Nyon」
「ニョンニョン、ニャンニャン」?
…これは・・・何語?



「スキャット…ですかね?
 自分たちは『ニョンニョン』と言ってます」



アフリカ、いや中南米のような雰囲気があって
面白い曲だね。
めっちゃ流行ってる曲です。



「関西大会で3回演奏されましたからね」



え! まさかの「Nyon Nyon」かぶり?!
そんな支部、他にないよ!(笑)



「自分たちもビックリしました(笑)」



あ、Vineさんと言えばパフォーマンスだけど?



「それはもう、いつも通りに(笑)」



「お楽しみに!」ということで(笑)。



「でも、指揮者の伊東さんが大事にしているのは
 奇をてらったものではなく、
 曲の流れに合って自然に想起されるような動き、
 そういうものでありたいと」



ああ、それは見ていてわかる気がしますね。
課題曲と自由曲3曲。
「Vineの世界」を今年も期待しています。

 

 




<Vineさん合唱シンポジウムに参加する>

 

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今年の7月にスペイン・バルセロナで開催された
第11回世界合唱シンポジウムのことを
せっかくだから聴きたいんですが。



「カタルーニャ音楽堂で
 柴田南雄先生の『追分節考』を演奏したんですけど、
 これがウケましたねー」



ほぅ!



「尺八は、日本で尺八を学んだ
 現地のスペイン人が演奏してくれて。
 羽織袴、紋付きでその人が一番日本人っぽかったです」



よくそんなスペイン人がいたね!(笑)。


 

 

 

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カタルーニャ音楽堂にて。左下にいるのが噂のスペイン人さん。

 

 


「あとタウンコンサート的な
 観光地のライブハウスでも演奏をして。
 お客さんは現地の人や観光でたまたま訪れた人たち。  
 演奏が終わりステージから降りて
 着替えを始めてもまだ拍手が鳴りやまなかったんです。
 だからみんな、ふたたびステージに戻って。

 そこで小田美樹先生作曲、
 信長貴富先生編曲の『群青』を演奏したんですよ。
 ぼくらの感覚ではメロディはきれいだけど
 言葉は通じないし、
 面白くないんじゃないかなと思っていたんです」



そういう予想になるよね。



「でも、本当にみなさん泣いてらして。  
 曲前に震災のことを言ったのもあるかもしれませんが。
 あ、やっぱり音楽って凄いもんなんだなあ、
 通じるんだな!と」



は~・・・。
「想いは言葉を越える」ってことがあるんだね。
貴重な体験談、ありがとうございました!




(Vineさんのご紹介はこれで終わり、
 明日に続きます