2007年 聴いた演奏を振り返る

 過去のHP掲示板を遡って、
今年1年で聞いた演奏を振り返ってみようと思います。



 <2月>
 合唱団MIWO&合唱団ある ジョイントコンサート2007
 「ある、MIWOな1日」
 2月11日(日) 広島:セシリアホール


 「ある」のオルガン版「鴎」が良かったですねー。
 向日性と感じる、あるの明るさは
木下先生のこれらの選曲に実に合っていた。
 そして合同演奏のリドホルムもスゴかった。


 極めつけはMIWOの「地上の平和」でしょうか。
 今年は、この演奏に匹敵したのは東京で聞いた
“アレ”ぐらいしか無かったような気がします。
 感動の深さで言うと、また別の演奏が思い浮かぶのですが
楽曲への尊重、つまりその質の高さ。
 そしてこれ以上無いほど、密度の濃い、
大谷先生とMIWOの正に入魂の演奏でした。
 感想も書きましたけど、
言葉が全く及ばないでああいう形に逃げてしまった、という
後悔の念でいっぱいです。
 私が今まで聴いたMIWOの演奏の中で「良かったもの」として、
まず最初に挙げるとしたらこの演奏でしょうね。
 アマチュア合唱の最高峰、とでも言うべき演奏でした。



 <3月>
 「淀川混声、合唱団まい、CANTUS ANIMAE」のジョイントコンサート
 3月4日(日) 大阪:いずみホール


 ・・・これねえ、結局感想書けなかったんだよなあ・・・。

 
 私の感想読んだ方はお分かりだと思うのですが、
1つの演奏会で「物語」を作ろうと思ってるのですよ。


 そういうわけで合同演奏で
 「もっ、もう食べられましぇ〜〜ん!」となってしまい
私の中で物語が破綻してしまった、と。
 (いやカタストロフィに向かう演奏会感想も、
  ホラー小説みたいで面白いかもしれないのですが。
  ・・・演奏した人とは、もう顔、合わせられないよね?)


 よどこんはサワヤカだったし、
まいはホールの特性を掴め切れなかったようですが
「ほら貝」は全国の演奏に勝るとも劣らず、でした。
 そしてCANTUS ANIMAEの「おらしょ」!
 私の中で、この演奏が今まで聴いたCAの演奏の中で
一番!でしたね。
 作曲者の千原先生が絶賛したのも頷ける演奏でした。
 「涙ぐむとか、そういう表面的なものでは無く
  生きる力を与えてくれるような根源的な演奏だった」

 この演奏はライブ盤としてCDで出しても良いんじゃないかな。 


 そしてアンコールの「夕焼け小焼け」(唱歌の四季)!


 雨森先生がこの作品の最後にソプラノのHi-Cがあることに言及し、


 「三善先生は戦争で友人を、ピアノを失い、
  疎開するために最後、東京で見た夕焼けを忘れられない、と。


  2度とこのようなことを繰り返さない。
  “ お手々つないで みな帰ろう ”という
  平和を希求する強い思いがこの曲に込められているんだ」
  

 ・・・いやもう素晴らしく感動的な名演でした。
 ステージから夕陽があふれ出し、ホールいっぱいに広がるような。
 からだ全体で震えて涙腺が絞られるような・・・。



 最近、ますます思うんですが、
演奏を聞くのも「体力勝負!」ですよねえ。
 うーん、村上春樹に倣って走るべき?



 <5月>
 なにわコラリアーズ第13回演奏会
 5月4日、京都コンサートホール大ホール


 ちょっと辛口の感想になってしまって申し訳なかったなあ。
 初めて聞く人の感想は大感激!…だったので
あまりにも私の耳がなにコラの凄さに慣れてしまったのかも。
 耳に新鮮さを取り戻すために2、3年、聞くのを休むべきかな?


 それでも「雪と花火」は、本当に素晴らしかった。
 あまり詩の方面から感想を書くのは自重しようと思ってるのだけど
伊東さん、なにコラのタダタケ演奏は、
扱うテキストを実に彫深く演奏しているので、つい・・・。
 ここまで「大人の男」というものを演奏へ表出させるのって
凄いことですよ。


 
 私には珍しく、聞いていた人と京都観光をしたのも良い思い出。
 いいなー、京都。また行きたいなあ。
 (あの時お会いしたみなさんに改めて感謝!楽しかった!!)



 クール・シェンヌ第9回演奏会感想 
 5.20(日) 
 奈良:さざんかホール

 親切な山本さんの車に乗せて奈良まで行けたのが
有り難くも楽しかった。
 やっぱり第1ステージが良かったよなあ。
 改めて思うけど、ああいう曲を「良い!」と感じさせる合唱団は
日本では実に少ない、ということ。
 そして「木馬」も良かった。
 良い演奏というのは、どんな言葉よりも雄弁に
その曲の魅力を伝えてくれますね。


 ブラームス、この演奏会ではオチちゃって申し訳なかったけど
その後の宝塚、東京での全国大会での名演は
みなさんもご存知のこと。
 なんでしょうね、シェンヌという
「着実に積み上げる」タイプの合唱団って
その途中の段階って、ハッタリ等が少ない分、
印象に残らない演奏になってしまう気がします。
 完成して初めて輝き出す、というか・・・。


 打ち上げも実に楽しかったです。
 上西先生はじめ、団員のみなさん、ありがとうございました!



 波多野睦美&つのだたかしコンサート
 2007年5月27日 18:30
 広島東区民センター


 合唱じゃないけど、これは書かねばなるまい。
 ちょうどこの頃、家では合唱を聴かず、
中田ヤスタカ氏の音楽にハマっていた頃で
家の貧弱な再生環境のせいもあるけれど、


(こういう機械的に、情報量が膨大な音楽に
 惹かれている状態の自分ってことは、
 単声である声楽にはもう興味が持てないかも・・・)


 などと思って聴いた、最初の一声で引っ繰り返りましたね。
 その一音にどれだけの情報量が詰まっているのか!と。
 やはりプロフェッショナルな方は凄いです。
 このインタビューも是非読んでください。



 つのだたかしさんのリュートの音色も素晴らしかった。
 CDでは、ほとんどその魅力が伝わらないのが残念。


 今年の2月にも広島でタブラトゥーラの演奏会があるんだけど
平日なんだよなあ。