恐るべきさぬきうどんツアー夏 番外編その1


 食べるものを食べて次に向かった所は。




 高松市美術館


 美術館?


 そう、前回高松入りして美術館へ寄ったときに見つけた企画

 
 「造形集団海洋堂の軌跡」


 興味を持ったので前売り券まで買ってしまったのだ。
 以前この企画展のことを話すと山本さん


 「おっ! 自分も海洋堂のプラモとか昔よく作ったんだよ!!」


 と、興味津々だったのでうどんを食べた後5人全員で行くことに。





 中の様子はだいたいこんな感じ。
 (※実際は美術館なので照明がもっと明るい)


 この写真でも見える等身大のケ●シロ●(by北●の拳)が
入り口で迎えてくれました。


 中に入ると壁一面の動物フィギュア(チョコエッグ関係?)に圧倒される。
 この小ささ、しかも菓子のおまけなのにこのクオリティ!


 そして各所に並べられている戦艦や戦車などのプラモの数々。


 「…なんかコーフンしてきた!」と山本さん。


 で、手先が絶望的に不器用でプラモなど1つも作ったことなく
 (レゴブロックはかなり大きくなるまで遊んでいましたが)
フィギュアに至っては、たまに雑誌の付録に付いてくるのも
そのまま捨ててしまうほど興味が無い私が、
なぜこの展覧会に興味を持ったかというと
この造形師についてのレポートや動画を見たからなんですね。





 ボーメ氏製作「鬼娘」 (※展示会場では等身大でデカかった)
 http://www.kaiyodoten.com/zoukeisi.html#01


 はい、そこのアナタ引かない引かない。
 私も最初「アニメキャラの美少女フィギュアかよ・・・」
と思っていたんですが
この人のフィギュアに賭ける情熱を知ってから
 「実物はどんなもんなんだべ」と観るのを願っていたのですよ。


 このボーメ氏、
 「最近、ようやくフィギュアに“骨”が見えるようになってきた」
 …という名セリフや。
 仕事でフィギュアを作り終え、
ひと段落して別の等身大のフィギュアに取り掛かるので
「何ですかそれは?」と見学者が訊いたら



 「これは趣味のフィギュア」


 と答えたという、まさにフィギュアバカ。
 ひとつのことに打ち込んでいる人はなんだか素敵です。
 「コレに・・・そこまで・・・」とか正直思っちゃったりするけど素敵です。



 ボーメ氏のフィギュアを鑑賞していると
ものすごーく周囲の眼が気になるけど
素敵と言ったら素敵…なん、です・・・。


 でも、ボーメ氏の作品に限らず、
(美少女フィギュアじゃなくロボットものとか他のものでもね)
優れたフィギュアは、そのキャラクターの個性、魅力が滲み出ているし、
それまでの動き、これからの動きを感じさせるような、
一瞬の表情、現在を切り取って、3次元にしている、
というのが分かっただけでも収穫でしたよ。


 わたしゃボーメ氏の美少女フィギュアの元も、
ロボット関係アニメなども
あまり詳しくないので金髪大学生くんに
キャラを解説してもらいながら観て行ったんですが、
とあるロボット?のフィギュアなんて、
その質感、フォルムとか
 「これは美術品だよなあ・・・」と感じ入りました。


 で、ボーメ氏のこのフィギュアの横に貼られている
パネルを読んでビックリ。

 三年前、現代美術家・村上隆さんのプロデュースで制作した
美少女フィギュア「ko2(ココ)ちゃん」が、米国のオークションで
約6800万円で落札され、大きな話題となった。
http://www.kochinews.co.jp/rensai06/06figure06.htm


 
(※6800万円で売れたのはこの写真↑等身大のフィギュア)




 ろ、6800万円!


 途端に騒ぎ始める男5人。


 「…じゃあ、あそこに置いてある“鬼娘”の等身大フィギュアも」

 
 「求める人にもって行けば数千万の価値が・・・」


 「・・・・・・」


 「…よし! 軽井沢の資金のために持って帰るぞ!」


 「犯罪です、山本さん」


 村上隆氏はルイ・ヴィトンとのコラボレーションでも有名ですが、
「愛ちゃん盆栽」の会田誠など


http://em.m-out.com/ec/html/item/001/002/item1408.html
オタク的文化を解体して現代美術の要素としていく流れは強くなっていくのでしょう。

 
 アンディ・ウォーホル
キャンベルの缶のシルクスクリーンを世に出したとき
今では考えられないような酷評をされたように、
 「単なるオタクの慰みもの」と見られているフィギュアも
50年後に信じられないほど高い評価になっていたりするんでしょうか。



 かなり楽しめた展覧会でした。
 「だけど、女性とか楽しめるのかね、こういうの?」


 「さっきカップルがいましたけど」


 「…あ〜、男に引きずられて来たな、そりゃ」


 ・・・どうなんでしょうね?
 まあこういう
 「無駄でバカに見えることに
  ありえないほどの労力を注ぎ込む」・・・というのは
もっぱら男の得意分野のような気がします。




 (つづきます)