全国大会:一般の部感想<その1>

さて。「…いまさら?」という空気がビシバシ漂っている気がしますが
先月の全国大会:一般の部の感想を書いていきたいと思います。


私が聴いたのは大学の部、後半3団体と一般の部AB全部。
大学の部は置いといて(福岡教育大学、良かった!)
今回は初めての試みとして、一般の部、全団体の感想を
書いてみよーかな〜・・・と。


会場の岡山シンフォニーホールが良かったためもありますが
今回の全国大会、聴いている最中、そして聴き終わった後も
「…良かった!」という言葉が素直に出た大会でした。


この言葉を証明するためには、
やはり全団体の感想を書いたほうが良いのかなあ、などと
思ったんですよ。


とは言え、ひとつき以上前の演奏を
私の頼りない耳と頼りない記憶と頼りないメモで感想を書くのは
演奏した団体と読む人に対し、非常に心許無い気持ちです。
過去に何度も書いていますが
「こんな感想もあるんだなあ〜」程度に読んで頂ければ幸いです。


しっかりした感想は
交換日記相手のこの方
来年の「史上かつてない2次会 IN 札幌」の幹事さまのこの方
「ハーモニー」誌の座談会を読みましょうね!



そして順位表はtardy_tさんHPの特設会場からどうぞ。






さて一般の部Aグループは
11月22日土曜日15時半から始まりました。


トップバッターは石川県から来た中部支部代表の
「声楽アンサンブル La Musica」(混声22名)


ハンガリーからの女性指揮者:ラヂッチ・エヴァさん。
課題曲のG1:バードにまず驚いた!はやっ!!
高校の部や他の演奏からは予想もしていなかった早目のテンポ。
しかしインパクトを狙って…などという曲想ではなく、
その躍む音符、軽快さ、
ポリフォニックとホモフォニックな部分との差の見事さ、
「Alleluia」へのエネルギーなど、
その音楽が浅薄なものではない事は充分わかりました。


男声も優しく良かったけど、この曲の様式としてどうなのか?という
疑問が湧いてしまったのも正直なところ。
とある指揮者の方に後でお話を聞くと、
バードの死後、初期バロック音楽が始まるのだから
ああいう音楽の作り方もアリなのでは…という意見も。
どうなんでしょうね??
ただ、バードとして、ルネサンス音楽としてどうか、
というのは抜きにすると聴いて楽しかった演奏なのは事実!


自由曲1曲目オルバーン「Madrigal」は
隅々まで音楽が磨かれている印象。
曲中の“間”への意識が優れていて。
2曲目もオルバーン「Mint melleldal」は
和音、響きへの繊細さ、
フレーズ終わりの洒落た空気がよく出ていました。
やっぱり一般の団体はその音楽への深さと幅があるなあ、と
好スタートな感触。


結果は初出場で金賞、スゴイ!




続いての団体は
大阪府、関西支部代表の
創価学会関西男声合唱団(男声27名)


課題曲M2:ラインベルガーから甘いテノールにうっとり。
優しさに満ち溢れる響き。
ピアニッシモからフォルテッシモまでの流れが
自然で納得できる表現。


自由曲ヴォルフの3曲は軽やかさの表現がとても上手く、
過去のグリー調な合唱とは一線を画すもの。
ただ、やや愛唱曲的な雰囲気を持つこの曲で
1曲目の高音域でのテナーの苦しさや
2曲目での下3パートの絡み合いなどの惜しいところ。
それらを含めて「“コンクール的に”他団体に敵うか」…という意味では
ちょっと厳しいものがあったかなあ、という印象でした。


2曲目ではホモフォニックの力強さなど、
軽さ、柔らかさだけではない
この団体の表現力の幅も聴かせてくれただけに
選曲と演奏スタイルの難しさも考えてしまいました。
「コンクール」という場なら、もう一味欲しい。
ただ「コンクール」という場でなかったとしたら、
非常に好感を持った演奏。



(つづきます)