全国大会:一般の部感想<その7>


一般部門Bグループは11月23日の日曜日、
13時40分から始まりました。


全17団体の最初の団体は・・・
色とりどりの民族衣装を着た少女たち(と数名の少年)が
いきなり出てきます。


神奈川県(関東支部代表)
小田原少年少女合唱隊(女声45名)


この小田原少年少女合唱隊、
午前中に後楽園へ観光に行ったときに
団員さんが練習会場へ向かうところを見かけたんですが
そのときはいつもの紺ブレザーだったんですね。
だからこの民族衣装で出場された時は「やられた!」と思いました(笑)。
このサイトの「national costume」をクリックすると
 フィンランド各地の民族衣装が見られます。
 「Women」の上から1,3,6番目ぐらいの衣装が
 この時の小田原少年少女の衣装に近かったかな
 ・・・って音楽と全然関係ねぇ!)

 
課題曲F1:モラレス「Kyrie」は
表現に特別凝るようなところも無く
非常に素朴な印象の演奏。
ただ、徐々にテンションが上がって
後半に少し熱さが感じられたのはこの団体にしては珍しいような。


自由曲1曲目はジェファーズ「Gloria」。
軽やかなソプラノのリフレインと
低声の静的な対比が面白い曲。
そして2曲目はシベリウスの「フィンランディア賛歌」。


「あれやこれや」で小田原少年少女に近しい人から


>2つの強国(ロシアとスウェーデン)に挟まれた苦難の歴史の末
>勝ち取った独立、その象徴ともなったこの歌。
>「オイ、スオミ・・」という歌い出しに込める万感の想い。
…と松下耕先生が指導され、
その日から、歌により一層の気持ちがこもってきたようだった。


というエピソードを紹介しました。


透き通った声で「Oi Suomi・・・」
と歌われるフィンランディア賛歌。
美しく響き会場へ広がっていくその声は衣装と相まって
日本の少年少女の合唱では無いように聞えてしまいます。


この曲の演奏も殊更、表現に凝ることも無いのですが
その清潔に響く旋律に、徐々に涙腺にゆるみが・・・。


実は小田原少年少女に近しい人の文章はもう少し続いたのです。

実際、関東大会では泣けました。
あの声でこの曲はずるいですよね。
大人が、かなうわけ無いもの。


確かにずるい! 分かっているのに泣けてしまった!
正直「…負けた・・・」と思いました。
この団体でやられた、が2回目です。


3曲目の最後の曲はムタフチエフ「ジョレが座っている」
かけ声がテンポ良く勢い良く駆け巡って楽しい曲!


さて、大人の一般団体と勝負する「コンクール」という場で
こういう選曲、こういう演奏はどうなの?
と異議を唱える人もいるでしょう。


ただ、この小田原少年少女のように
賞を狙う演奏以上に、聴く者の記憶に残る団体、というのは
本当に得難いものだし、
私自身は聴けた事にとても感謝をしたいのです。




(続きます)