2008年読んだマンガ ベスト11(3・2位)


第3位
作品集 HOTEL  Boichi

Boichi 作品集 HOTEL (モーニングKC)

Boichi 作品集 HOTEL (モーニングKC)


待った!単行本化まで約2年半待ったぞ!!
モーニングにて2006年6月に掲載された42P読みきり
表題作「HOTEL」は凄かった。


温暖化により人類が滅亡する未来が確定した時、
人類以外の種のDNAを保存する塔<HOTEL>が建設された。
厳しい自然環境の破壊に次ぐ破壊から守り
HOTELの修復を際限無く繰り返す人工知能<ルイ>。
人類、生物が消え去り、何万年、何十万年、何百万年という
時を経て、HOTELは、ルイの結末は…。


そのスケールと圧倒的な描写力。
設計した博士と妻を「お父さん」「お母さん」と呼んで
HOTELを守り続けるルイの健気さ(涙)。








この表題作はもちろん名作保証だけど
絶滅してしまったマグロを復活させるために
一人の天才科学者が超手法のあの手この手を使い
偉大な業績を成し遂げるが
本来のマグロ復活にはことごとく成果を上げない
スーパー “バカ” SF
「すべてはマグロのためだった」もすっごく笑える。




最後のマグロを食べてしまった男の排泄物から
マグロDNAだけを検出しようとする!


この後、完璧な効率で排泄物からメタンを取り出す方法を確立し、
人類のエネルギー問題解決、とか(笑)。


笑わせるだけではなく
「人間は癌の治療法を探すのに莫大な労力を注いだ
 なのに未だに完璧な癌の治療法は無い
 科学の粋を結集した新薬は
 実験動物のネズミにはよく効いたが
 人間には効かなかったからだ
 言わば 人間は全力を挙げて「ネズミの癌治療薬」を
 開発してきたわけだ」




「ネズミの癌治療薬
 もしかしたらそれが科学の発展の本質かもしれない……」


なんてセリフには痺れるものがあります。
SFテイストに満ちたこの作品集。
単行本化がとっても嬉しかった!






第2位
「聖☆おにいさん」 中村光

聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)

聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)

聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)

聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)


あちこちで取り上げられ、今さら、
という気がしないでも無いですが。
連載最初から読んでるけど
今の方が面白い気がするんだよねー。


バカンスのため、
天界から東京・立川の安アパートへ住むようになった
イエスとブッダ。
天界の常識と地上の常識とのギャップに戸惑いながらも
友情を深め、周囲へ溶け込んでいくのを描いた
異文化コミュニケーションマンガ。


・ ・ ・ 間違っては、いないよ、ね。


題材的にけっこうアブないはずなのに
(おそらく)誰も傷付けないような “ほのぼの”マンガに
なっているのが素晴らしい。
あと、このマンガだけに留まらず
そのネタの背景まで知りたくなってしまう!
マンガの神様作の「ブッダ」・・・読んでます。






まあ、「仏の顔も3度まで」の誤用とかもあるそうですが
http://www.good-stone.com/hp/top/qa/qa-68.htm
そんなのも含めて、キリスト教、仏教への入門書として
最適のマンガと言えるでしょう!(・・・言えるかな?)


あと、書店でこんなポップがあったそうで。




「これぞ、本当の神マンガだ!」  …確かに!!


ネットで「モーニング2」での連載分まるごと1回が読めるので
興味を持った方はぜひ読んでみましょう!
http://kc.kodansha.co.jp/SEP/22226/01/free/index.html