2008年読んだマンガ ベスト11(第1位・番外編)


勧めるからには
昨年と同じマンガを勧めるのは芸が無いと思うし
(ていうかモッタイナイ!)
なるべくメジャーじゃないマンガを勧める方が、楽しい。


そんなわけで
昨年1位の「アニメがお仕事!」に続いて
(5巻の「今も胸は熱いですか?」は
 落ち込んだ時に読み返して、ひとり涙します。きめえ)

アニメがお仕事! 5 (ヤングキングコミックス)

アニメがお仕事! 5 (ヤングキングコミックス)


2008年のベスト1マンガも
あんまりメジャーじゃない作品だけど、
ここ数年に読んだマンガの中で大プッシュ!!




第1位 「Landreaall」 おがきちか
(現在13巻まで刊行 連載中)

Landreaall 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

Landreaall 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

Landreaall 13 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

Landreaall 13 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)


中世-近代ヨーロッパに似た世界を舞台にしたファンタジー。
剣と魔法と竜と恋愛と・・・。
最初は樹に囚われた洞詠士マリオンを救い出すための
竜退治の物語だったが、4巻目からは学園編に。




人によってこのマンガの捉え方は異なると思うんですが
私が強く感じたのは
「身分によって生じる責務、

 身分の違いによって生じる溝を乗り越える力」

…でしょうか。


主人公のDXは王位継承候補でありながら
権力にもそれを行使することにも興味を持たない人間。
ただ、力があることで周囲を、国を良い方向へ
導く可能性もあることに少しずつ気づいていく。
その反面、自分の護衛(ニンジャ)や学友との
身分の差によって生じる溝を変えていこうとし、
実際にそれが変化していく姿も好ましい。
他、高貴な立場だけではなく、人の上に立つ者の責務と意味、
それをその立場の人間だけが理解していくのではなく、
DXたちと触れ合うことによって
身分の低いスラム出身の少年までが気づいていく姿など。
単純な「庶民バンザイ!」…では無いということ。


あちこちで言及されていますが、
この作品は丸っきり少女漫画の絵柄でありながら
その物語はかなりの骨太で、
出てくる会話も一読しただけでは咀嚼しにくいものも多く。
「Landreaall」は再読、再々読するべし!との声も頷けます。



「純粋な勝利で得るのは枠です」


「枠」


「左様
 望みの枠 選ぶ枠
 欲は無限 しかし人には枠がある
 できぬのは枠の外 しないのは枠の内
 己の内に従うことこそ肝要です」


「・・・はい」


(3巻65Pより)


…ちょっとどころじゃない歯ごたえがあると思いませんか?



まあ、上記のような背景や会話の難しさは気にせずとも
それぞれのキャラクターの魅力と描き方の上手さ。
竜と戦い、学友との親交を深め、
笑って、そして時には涙し、心に深く染み渡る、
13巻すべてに抜けが無い
自信を持ってお勧めできる大変良質なファンタジーです。
(いや、ファンタジー、というくくりもちょっと疑問なんだけど)
小説だったら「十二国記」シリーズが好きなら絶対。
マンガだったら・・・うーん、「鋼の錬金術師」とかも近いかな?


私の勧めるもので半分ほど気に入ったものがある人でしたら
どうか騙されたと思って1巻だけでも買って下さい!


マンガ好きとして、
今までこの作品を知らなかったのを恥ずかしく思い、
それでもこの場でお勧めできることに喜びを感じます。ぜひ!!


さて「2008 漫画 ベスト」で
検索して来られる方もいらっしゃるので。
2位以下11位までの作品は↑の「マンガ」タグを!
…ってのはちと不親切ですね。


「2008年読んだマンガ ベスト11」は


第11位 「オトノハコ」 岩岡ヒサエ
第10位 「君に届け」 椎名軽穂
第9位  「孤独のグルメ」【新装版】 谷口ジロー久住昌之
第8位  「RIN」 新井英樹
第7位  「3月のライオン」 羽海野チカ
第6位  「FLIP-FLAP」 とよ田みのる
第5位  「おもいでエマノン」 鶴田謙二(原作:梶尾真治
第4位  「空色動画」 片山ユキヲ
第3位  「作品集 HOTEL」  Boichi
第2位  「聖☆おにいさん」 中村光
第1位  「Landreaall」 おがきちか


でした!


他には(画像をクリックするとamazonへ飛びます)


漫画家の光と影の青春譚
小林まこと 「青春少年マガジン1978〜1983
青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス)


デスノート」コンビの「まんが道
大場つぐみ小畑健 「バクマン。
バクマン。 1 (ジャンプコミックス)


グルメとバトルの融合のダイナミック
島袋光年 「トリコ」
トリコ 1 (ジャンプコミックス)


あしながおじさん」を大正期の日本へ舞台を移し
男性側からの視点も加えた表題作の名作短編を含む
勝田文 「Daddy Long Legs」
Daddy Long Legs (クイーンズコミックス)



・・・などが良かったですよ。