全国大会:一般の部感想<その12>

休憩が終わって次の団体は
大阪府(関西支部)
淀川混声合唱団(混声70名)


課題曲はG3。
おー、岡崎混声とは全く違った
軽く、爽やかな声が響きます。
流れがとても自然で気持ち良く、
かつ、要所要所は押さえている印象。


自由曲はこの団の委嘱作品である
無伴奏混声合唱曲「枯木と風の歌」。
前列にいるこの曲の作曲者、
北川昇先生がピッチパイプで音取りをし。
(団員さんでもあるんですね)


淀川混声にふさわしく、
立原道造の詩世界が広がる爽やかな曲です。
澄んだ発声、発語で
テキストがよく分かり、
とりたてて緊張感がある演奏では無いのに引き込まれる。


北川先生の曲は、
他には「シャガールと木の葉」しか聴いた事がありませんが
「ひょっとして、歌っている人の方が楽しいのでは?」という曲。
曲に歌があり、ハモるのが楽しそうな和音が連なります。


伊東さんの音楽は、この曲でも流れを重視し、
それでも単に流れるだけではなく、
押さえたい表現は大切にする過不足が無いものです。


良いホールでの演奏というのもあるのでしょうけど(笑)
私が聴いた今までの淀混の中で
一番良い演奏な気がしました。


後半のヴォカリーズは軽く明るいだけではなく
胸に迫るものもあり。
全国の合唱人に知って欲しい曲の好演だったと思います。





続いて
愛知県(中部支部代表)
合唱団ノース・エコー(混声66名)


この団体は自由曲の感想から。
バーバー「Agnus Dei」。
男声のサウンドは良いし、雰囲気もあるのだけど
そ、ソプラノが〜〜〜!
ちと情感に乏しく、高音域が当たらない印象。
クライマックスのフォルテッシモも失速してしまい
不完全燃焼の感がありました。


クライマックス直前のフォルテなどは
とても丁寧に演奏し、
なかなか聴けない響きを出してくれていただけに残念。
選曲ミスなのか、
それとも練習では上手く行っていたのでしょうか。
もったいなかったなあ〜。



課題曲はG2。
特徴的な透明感あるノースの声は
この課題曲に非常に合っていますね。
よく練習を積んだことが分かるハーモニーの美しさ。
中間部など、テンションもそのままで
やや単純に流れてしまうのはちょっと物足りなかったですが
フォルテピアノの上品な表現など、
そこかしこに配慮が感じられる繊細な演奏。
地道に縦のハーモニーと音楽を造る、という
ノースの誠実な姿勢が
この課題曲と相性が良い演奏だったと思います。


G2を選んだ団体の中では
上位へ入ってるのではないかと勝手に予想!





(続きます)