コンクール出場団体あれやこれや出張版 その8

うわああああ!!!Web交換日記相手が終わらせちゃったよ!!!!



…昨年も先に終わらせられたしなあ。
まあ風邪も治ったようで良かったですね!(…ちくしょう)


あと、「地域性による発声と演奏の違い」については
非常にソソられるテーマなんですが、
そーいうのは土曜か日曜の夜に話しましょうよ!ビール片手に(笑)。
まあ、南島歌遊びについては全国へ流行させた、というか
毎年のように自由曲に選曲してコンクールヘ出場した
鹿児島女子高の演奏のイメージが強くあって
北の団体の演奏を聴くと「…違うな〜」と思うんじゃないですかね。



たぶん、「海鳥の詩」とか沖縄の合唱団が歌っても
そんなに違和感は無いのでは?
なぜなら「海鳥の詩」での確固としたイメージ演奏が
北の団体の演奏では無いから。
最初に刷り込まれた印象が大切、ってなことではないでしょうか。



・・・いやいやいや、ホントに時間無いんだってば!

はい、あと4団体行きますよー。
今日は2団体、明日2団体でゴールです!
では一般B部門、12番目の団体は・・・




北海道支部代表
THE GOUGE
(混声52人・2年連続の出場)



地元・北海道札幌市の合唱団です。
名門:札幌北高合唱部を母体に様々な人が集まった合唱団。
昨年の岡山大会では北高の制服を着た学生さんがいたり、
その倍以上に見える年の方がいたり・・・幅広い年代の方がいます。



弥生奏幻舎“R”代表で、
GOUGE団員でもあるまぐろ。くんへ聞いてみると

合唱やってる先生の旦那さんが初心者で
昨年から参加してるとか、そういう例もあります。


へえ〜、本当に幅広いですね。

あ、そういや「GOUGE」ってどういう意味なの?

GOUGEという単語の意味は、
「ほじくり出す」とか「えぐり出す」という意味なんですが、
昨年自由曲で歌った信長貴富先生への委嘱曲
「夏のえぐり」にかけてつけた団体名だそうです。
(楽譜の英題名にもGOUGEという単語が使われていたはず)


なんと!昨年書いた「あれやこれや」での推測が
(一部)当たってるではないですか!!


「夏のえぐり」との符合は偶然じゃなかったんだ。へー。



さて、課題曲はG3の「風」。
自由曲は谷川俊太郎:詩、三善晃:作曲の
混声合唱のための「やさしさは愛じゃない」から
「さびしいと思ってしまう 」「 やさしさは愛じゃない」。


北海道大会を聴いた方の感想では

平田先生の指揮する三善晃先生の曲は好きです。
高校生では出せないニュアンスが随所にありました。
おそらく表現としてはやや「しつこい」部類に入るかもしれませんが、
それをカバーして余りある説得力がありました。
たぶん平田先生にしか表現できない
アゴーギグがあるんだと思っています。


なるほど、高校生だけでは背伸びしている内容でも
それ以上の年代の方が入ると表現として真実味を帯びるようですね。
そしてやはり指揮者:平田稔夫先生の
音楽性の確かさが伝わってくる感想でした。



昨年は「公募合唱団のような響き」
などと感想を書いて申し訳なかったんですが
1年経ち、合唱団としてまとまりが強くなったことと思います。


母体の札幌北高合唱部はこのkitara大ホールで演奏会をしていますし、
GOUGEの他メンバーも
かつてこのステージに立ったことのある方は多いでしょう。



ホールの響きを掴み、合唱団としてさらなる成長をした
THE GOUGEの団名通り心を「えぐり出す」ような演奏を期待しています。





続いては


関西支部代表・大阪府
淀川混声合唱団
(混声70人・2年連続の出場)



比較的大人数ながら純度の高い透明な響きを実現している
淀川混声合唱団。
指揮者:伊東恵司さんが言う
「イイ声の人はいらない」合唱団なのに結果、とても
「イイ響きの合唱団」になっています。



淀川混声合唱団、略称よどこんの課題曲はG3:「風」。
伊東さんのセンスが萩原作品をどう料理するか。
よどこんの響きは萩原作品の色彩感に合いそうですね。
さて、自由曲は・・・


「牡丹圏」
混声合唱のための「コスミック・エレジー」から)(作曲:千原英喜)


えー?! この曲って、昨年の全国大会、
立正大学グリークラブが演奏していたのですが
太鼓の鳴り物や掛け声など、激しい曲想で、
さらに立正グリーの強い声も相まって印象に残っている曲です。
ここ数年美しく透明な響きを作り出す印象の
よどこんの自由曲としては私には意外でした。


なぜこのような選曲をされたんでしょう、伊東さん?

淀川混声合唱団は、
私が一番長く指揮をしています極めて普通の合唱団です。
持ち声が立派でないので、気持ちの空回りにならないよう、
和声を磨くことや知的に曲の構成を分解して
チーム力を発揮しながら
効果的に演奏することばかり心がけております。
千原先生の曲は、
ダイナミックな曲もパワーで押していくだけではなく、
音の構成が生理的にも捉えやすく、
非常に効果的に書かれていますので、
私のような練習の方向性の延長に位置する曲だと考えています。

おおお、「牡丹圏」を私、浅く捉えていたようです。
磨かれた和声と知的な曲構成の分析で
なんだか全く違った「牡丹圏」が立ち上がりそうですね。
楽しみです!



さて前日、アンサンブルVineも指揮され、
2日目の一般Bの部13番目と、
この大会の終わりも近い位置に演奏する淀川混声合唱団を
指揮される伊東さん。
まとめ・・・では無いのですが
この大会について何かお願いします。

コンクールですが、
コンクールにおいて少しでも上位の成績を取るとか、
勝つとか負けるとかそういったことに
「最終的には」全く意味がないということに
十分に気づき出している時代です。
ましてや手本になるべき「一般の部」では、
音楽や合唱に向き合う際に生じる
普遍的課題に取り組むのはもちろんですが、
そのバリエーションの豊かさや、
アプローチの多様さこそが
語られなくてはならないのではないでしょうか。
コンクール改革も急務だと思いますが、
コンクールから得たことを何に結び付けていくか、
合唱で他に何が出来るのか、
そのような可能性を感じさせるような演奏を目指し、
コンクール自体が
ホールの中の拍手で完結してしまわないように、
と思っています。

伊東さん、ありがとうございました。
「コンクールで完結」ではなく、
「広い音楽活動の円環の中でのコンクール」
「コンクールの先の世界を見ながらの活動」を強く意識し、
演奏として実際に活動されている伊東さんのような方の
こういった発言は大変刺激になります。


Vine、よどこんの演奏を聴いた後の私の感覚ですが
「コンクールから始まる、コンクール以外の世界」へ
開かれる感覚をこれからも考えていきたいと思っています。





(続きます)