コーラスガーデン IN SAGA レポートその7


いやあ、web文通相手さんの感想、スゴイですね。
http://talk21self2.blog111.fc2.com/
メモ無しでよくあそこまで書けるもんだなー、と言うか。
基本的に肯定の感想なんですけど褒めているのがスゴイんじゃなくて
対面している演奏から受け取ろう、学び取ろう、とする
その姿勢と熱意があれだけのものを生み出すのだと思います。
ぜんぱくさんが現役の合唱指揮者であり、歌い手であることもそうですが
あの「コーラスガーデン」に自分が参加しているんだ!という
強い意識もそうさせているんじゃないでしょうか。


あの感想に比べれば私の感想など
身を全部とっぱらっちゃった魚の骨みたいなもの。
・・・まあ、骨もよく焼いたり揚げたりしたら美味しくいただけますし。
気を取り直してぜんぱくさんに追いつかれないうち先へ進みます。



MODOKIの演奏が終わり、12時から1時間の休憩後、
午後の部の開始です。


<招待合唱団演奏I 〜九州の響き〜>から変わり


<招待合唱団演奏II 〜全国の響き〜>と題されたもの。
最初の団体は…



大分市民合唱団ウイステリア・コール(大分)



「大分って九州じゃん!」というツッコミはスルーして感想を。
色とりどりのシャツを着たウイステリアのメンバー。
隅で「大分のトトロ」猿渡健司先生が指揮を振ります。



ウイステリアの演奏、いつもの通り私はコンクールでしか
聴いたことが無かったのですが、
今回は演奏会で毎回行われている「ポピュラーステージ」を
そのまま持ってきたと言うこと。
ウイステリア、演奏会だけではなく学校訪問、刑務所慰問などの
演奏もされているそうで。



でもいわゆる「ポピュラーステージ」って諸刃の剣だと思うんですよね。
いつもの合唱的な発声、リズム感で演奏してしまうと
どうしてもダサく聞こえてしまって
合唱ファン、そうじゃない人にも「合唱って〜」と思わせてしまうし。
おまけに大学のそういう企画ステージだと
妙なストーリーを合間に挟むことで曲の“間”が台無しになったり
「この会場冷房効かせ過ぎじゃね?」というほどの
内輪ウケでサムいギャグを連発したり。あー・・・。


そんなわけでウイステリアのポピュラーステージにも
過度の期待は禁物、と自分に言い聞かせて望んだのです、が。



最初の「となりのトトロ」(編曲:若林千春)での
前に出た少人数アンサンブル、ソプラノの歌い方に「お!」と。
原曲の持ち味を生かした、しかし合唱の発声が基本にある歌い方。
この日の優れた演奏の中でも
「日本語を日本語らしく、明瞭に聞かせる」という基準では
トップレベルの演奏です。


そうそう、ポピュラー曲の合唱演奏って、
単純にポップスを歌えばいいというもんじゃなくって
「ポップスを如何に合唱で演奏するべきか」という
分析と方法論が必要のはずなんです。
それにはもちろんポップスの原曲にリスペクトも当然。
ウイステリアはその点、非常に考えられている。


「O Danny Boy」(編曲:Bob.Chilcott)
「いい湯だな」(編曲:信長貴富)
「シュガー・ベイビー・ラブ」

と続き
このステージが優れているのは歌唱だけでは無いことに気づきました。



曲と曲との“間”に、少しのムダも無い!
それは後藤秀樹先生のピアノの入りもそうですし、
流れるように移動するウイステリアメンバーもそうだし、
照明の入りなど、全てにおいて
「…まだかなー」と次の曲を待つ時間が存在しない。
これはウイステリアが訪問演奏で経験値を積んだということでもあるし
離れたところから全体を見て指示できる人が最低ひとりいて、
その指示にメンバー全員がちゃんと従っている、ということでもあります。



さらに、「いい湯だな」でのハッピに着替えるのといい、
男声メンバー「シュガー・ベイビー・ラブ」での
高周波に倒れる演出といい、
演出、ギャグがファミリー向けなんだけどほとんど外さない。
これもとても凄いことだと思います。
(ただ、「いい湯だな」の「せくしーぽーず」は2回やると飽きるので
 2メロだけでやるとか2メロでは違うポーズにした方が、とか
 「シュガー・ベイビー・ラブ」ではちょっと分かりにくい部分が
 あったのでサングラスをかけると「おおっ!」と周囲が畏れ敬う、
 みたいな感じを強調するともっとキャラの変化が際立ったのでは、と
 そんな細かいことを書きたくなるほど惜しいと思ったし
 全体としては本当に外さない演出でした)



そして「ハナミズキ」(編曲:白川雅樹)
爆笑の「アルゴリズム体操」と続くのですが・・・。



(つづきます)