難民・難病女子は元・◯◯女子?


作家:高野秀行氏がプロデュースする大野更紗さん。

福島の「ムーミン谷」から東京に出て、
「ビルマ女子」になり、
タイ・ビルマ国境地帯をガシガシ歩き回っていたら、
日本で今まで誰もかかったことのない難病を発症、
今はギリギリのラインで生きているという超ハードな26歳の女性


この大野さんが書かれているポプラ社ウェブサイトでのエッセイ。
題して「困ってるひと」が大変に面白い。

http://www.poplarbeech.com/komatteruhito/index.html


いや、ビルマ難民に深く関わり
治療の見通しが立たない自らの難病を記したエッセイを「面白い」などと
書いてはいけないのだろうけど、でもやっぱり面白い。


高野氏曰く

でもこの人(大野更紗さん)は頭がよいうえ、文章がうまく、
悲惨なことを笑って書いてしまうというセンスを持ち合わせている。
全国の「困っている人」必見だ。

そう、悲惨なことを書いているけど伝わるのが悲惨さだけじゃない。
それだけでも凄いのだけど、
昨日更新された「困ってるひと」では
大野さんが福島で過ごした高校時代の部活動が書かれているのですよ。



「高校3年生の10月末まで(の活動)」
「3年間ずっと、ほとんどすべての全国大会で一番であった」
「白いソックス、黒いローファー、全員マスク着用、一言も発さない無言の女学生の隊列」


はい!わかる人にはこの部活が何か。
そして大野さんの母校がどこだかわかったと思いますが!? 
やー、それを知る前から面白く思っていた大野さんの文章だけど、
これを知ってさらに親近感が湧いてきました。
そっかー、あの部のあいさつはいつでも
「おはようございます」だったのか・・・。


大野さんが現在26歳ということは
最終学年の年は8年前?
私、神戸へ聴きに行ってました。懐かしいなあ。




大野さんはツイッターもされていて、
毎日の病状を記されている。
http://twitter.com/wsary


治癒の見通しの立たない難病で
とても辛い状況だと思うのだけど、
それでもどこかにユーモアのセンスが感じられる。



故・桂枝雀師匠は「笑いは緊張の緩和である」と解き明かした。
並大抵ではない困難、つまり緊張状態を緩和させるのは、
目の前の困難を別の視点から見つめられる能力ということなのだろう。


「自分より苦しんでいる人がもっと頑張ってるんだから…」
なんていう言説はハッキリ言って好きじゃない。
だけど、自分より苦しんでいたり困っている人が、
それを笑いに変えている姿、視点には
「悔しい」と思うし自分もそれを身につけたいと強く思う。