全日本合唱コンクール高校の部へ

・・・行っております。
ただいまホテルのPCで書き込み中。


号外をもらいました。







(今日中に複数回更新する予定です)




<前書き>


ここで白状すると
私は中高生の合唱の熱心な愛好者というわけではない。
いや、正確には熱心な愛好者“だった”ということになるだろうか。


7、8年前までは同好の士と一緒に高校AB部門ほとんどの団体を
聴いて座談会までしていたのだけど。


http://alpin.lolipop.jp/enso/ensoA1.htm


しかし、ここ数年はご無沙汰で
某公共放送の合唱コンクールなどもずっと見ていない。


それがなぜ、
今年になって全国大会を見に行こうと思ったかと言うと


1)11月に行われる
大学職場一般と同じホールのために予習



2)女声の邦人課題曲F3・F4がそれぞれ
高嶋みどり先生「露営のともしび」
寺嶋陸也先生「五月のうた」
という私の好きな曲で、かつ
女子高生の演奏で聴いてみたい曲だったこと



3)ホール側の都合で当日券を売らず
倍率がかなり高くなったプレミアチケットとなり
高校Bの部チケットは噂によると某ネットオークションで




「5万円」



の値がついたとか。
(元値2000円のチケットですよ!)




・・・3)の理由については、なんちゅーか
「限定品に踊らされるバカ」という評価を
逃れられない気がする。



まあそんな理由で
「聴きに行きたいなー、でもムリだろうなー」と
つぶやいていたら
合唱連盟維持会員である、たかさん氏から
「差し上げますよ、招待券」と申し出てくれたのである!


「…えっ?!
 ちなみにいかほどお支払いすればよろしいんでしょうかっ?
 維持会員費4マンエンはさすがに・・・。
 あ、でも中高あわせて8000円なら」


するとたかさん氏は軽やかに



「ははは、お金はいいですから


ブログに感想書いて下さいね」



・・・そんなわけで高校Bの結果発表後に
ホテルへチェックインした後
「食い倒れの街 大阪」のネオンの誘惑に負けず
こうして感想を書いているわけです。


えーと、たかさんさん。
とりあえず今日聴いたチケット4000円分の
価値ある記事を目指します!





<雑感1>


全国大会としては岡山シンフォニーホール
響きの深さを加えるタイプのホールだとすれば
兵庫県芸術文化センター大ホールは
「音像はそのままだけどお化粧をして
 アラを隠してくれる感じ」・・・かな。


会場でクール・シェンヌの上西先生とお会いしたのですが。
「ピッチの悪さがあまり目立たないホール! いいねえ〜」
…と嬉しそうでした。
(シェンヌ、ピッチぜんぜん悪くないじゃん…)




<雑感2>


高校Aグループは朝9時50分からの開始。
さすがにキツかったようで、4、5番目の団体まで
ピッチやフォルテに苦労している印象がありました。


後の講評で「審査員によって順位がバラバラで…」というのも
頷ける演奏。
上位と下位の差があまり無いというのもありますが
仮に休憩前、休憩後のグループの出演順を入れ替えたら
それぞれの賞はきっと大きく変わったと思います。


例外的に3番目に出場の帯広三条高は
午前10時台にも関わらず
飾り気は無いものの力強くのびやかな演奏を披露。
元・道民の贔屓目無しに「えっ、銅賞なの?」と
結果に驚くことになりました。


まあ北海道は本州と時差があるから朝早くても大丈夫だったんだろうな。




<雑感3>


高校Aの部は合唱指揮者の長谷川冴子先生の全体講評。


(例によって私の拙いメモですので不正確なのはご容赦を!)



「全国大会という晴れがましい場で、
変な意味でカチンコチンに緊張した団体は無く、
どの団体も立派な、晴れがましい舞台にふさわしいものでした。


1位から16位まで審査員によって順位がバラバラだった」


「(同じく審査員の)堀俊輔先生のご発言は


《芸術というのはいろんな見方・見解があるので
今回のように審査員の順位がそれぞれバラバラというのは
上の順位も下の順位もそんなに差が無い。
つまり実力が拮抗しているということ。
これは全国大会として素晴らしいことだ》」




「32人以下のA部門ということを考えると
それに合った表現・選曲が大事。
60人の方がもっと良い表現ができるのでは?
という表現ではダメ」




「表現というアイスクリームに
お砂糖・蜂蜜をかけて甘くする。
(表現を過剰にする)
そうなると表現があいまいになり
聴く側も鈍感になる。


ソリッド、スリムな表現。
味付けは濃くしないで、
でも、気持ちは3倍、4倍の表現を目指しましょう」



…んがー、さすがに今日はここまで。
とりあえずB部門39人の安積高の混声合唱は素晴らしかった!
あの安定感と聴き合い、精妙に変化する音色、サウンド。
「コーラスは知性だ!」というのを実践していました。
見た目も含めて、大学を飛び越え一般の部全国大会に出場しても
いいセン行くんじゃないだろうか。


あそこまで繊細に、人と人の声を重ね、合わせれば
あれだけの凄みが出るんだなあ、と教えてもらった気持ちです。


そして聴き手を過剰に緊張させるのではなく、
森の中で鳥の美しい歌を聴いているような・・・。




(つづきます)