本は読んでいるんですが以前よりも大分冊数が少なくなっています。
それでも、是非多くの人に読んでもらいたい小説に出会いました。
- 作者: 今村夏子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/01/10
- メディア: 単行本
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ここ数カ月に読んだ小説の中で一番衝撃を受けた本です。
内容は・・・これが、ネタバレすると興味半減するんですね。
私も「ふがいない僕は空を見た」(これも凄い作品)の窪美澄さんが
「今村夏子さんは天才だ!」との評を聞き、
作品への何の予備知識も無く読んで驚いたのですから。
一言で言うと
「あみ子という少女の視点で世界を見ること」。
そして、ほとんどの人と遠く離れている存在の
「あみ子自身になる」という物語の醍醐味でしょうか。
素晴らしい、ただひたすら素晴らしいと言うしかない作品です。
一緒に収められている「ピクニック」も
「ビキニ姿のローラースケート履いた女の子の店が舞台で
芸人が彼氏という30代女性を主人公にした作品」なんだけど
これもヘン。
岸本佐知子編集の「変愛小説集」に収められてもおかしくない味わい。
著者の今村夏子さんはこれがデビュー作。
天才っているもんだなあ・・・そんな感嘆と共に
「次に一体なにが書けるのか、なにを書きたいのか、
自分のことなのにいくら考えても答えが出ません」という
今村さんの言葉に「そう言わずに次を!」と叫びたくなるんですがその反面
「…これだけの作品を世に出したら、
そう思ってしまうかもなあ・・・」と思う自分がいます。
多くの人に読んでもらいたい小説です。
そして読み終わった後、
『こちらあみ子』三島賞受賞対談。
こわれたトランシーバーで交信しようとする希望(千野帽子×米光一成)
http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20110520/E1305827343855.html?_p=1
の対談を読んでみましょう。
「こわれたトランシーバーで交信しようとする姿はまさにぼくたちの姿じゃないのですかッ!?」
町田康、さすが!
あと、ラスト近くの男子生徒の存在にちょっと泣けた(笑)。