「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2011」(その4)

さて、11番目に東北の実力団体が出場です!




11.福島県・東北支部代表
会津混声合唱団
(混声29名・3年連続出場)



昨年の会津混声合唱団の演奏は、
課題曲のG1は漫然と流れることをせず
音楽の変化というものを意識させる良演奏。
そして会津混声と言えば最新の現代曲を
高い水準で演奏することで知られていますが
昨年はウカシェフスキの2曲を
音響の設計、バランスなど
「かっちり」した音の柱とでも言うべき
優れた発声と響きで観客を魅了してくれましたね。


今年の課題曲はG1のVaet
そして自由曲はWilliam Hawley 曲
「O MARIA MARIS STELLA」
そしてM.Ostrzyga 曲
「Iuppiter」


どんな曲なんでしょう?
昨年紹介文を書いていただいたOさんへ
10月20日に依頼メールを送りました。
・・・メールが、来ない。
まあ今、日本で一番大変な場所だからなあ。
でもなんかのメールトラブルかもしれない。
同じ会津混声団員のKさんに催促してもらおう。
・・・・・・やはりメールが、来ない。



そして締め切りから遅れること遅れること7日!
ようやく昨日メールが届きましたよ!!
ああ、当然書き直しましたよ原稿(笑)。
って、Oさん!
メールの返事を送ってくれたのも無事なのも嬉しいけど、
この文章でホントにホントにいいんですかああああああっ

1)各曲の選曲理由


課) 会津混声に一番合っていたから。


自1) きれいな曲だったから。

小学生かっ!
(ハッ、思わずツッコんでしまった…。
 Oさんによる選曲理由、続きます)

自2) ある団員からの強烈なプッシュがあったため。


どうですか 簡潔明瞭な理由でしょう


訳がわからんから もう少し説明しろ?・・・・ヘイヘイ・・・


課)自1)に関しては まぁ聴いてくだされば・(^0^)


自2)の予備知識
表題は Iuppiter ユピテル(ラテン語) 英名ではジュピターです。
ご存知 ローマ神話の最高神で ギリシャ神話ではゼウス 
歌詞はそのユピテルの 
あらゆる変名(各国語)を用いて誉め称えています。
とにかくユピテルと讃えているのです。
雷が武器なので中間部からそれらしき音形(個人的解釈)が始まり
もう後半は墜ちまくります。
ありゃ妻の怒りの雷なのではと?
まぁ 詳しく知りたい方は そっちの神話を読んでくださいな。


>まぁ聴いてくだされば


…と書かれているので自由曲1番目の
「O MARIA MARIS STELLA」という曲名で検索すると
あっさり見つかりますね。
http://williamhawley.net/scorepages/omaria/omaria.htm
William Hawley はアメリカの作曲家で
「O MARIA MARIS STELLA」は確かに「きれいな曲」。
でもこの旋律と和音を美しく響かせるのは意外と・・・。


自由曲2番目の作曲家、
Michael Ostrzygaは1975年生まれのドイツの作曲家。
これも曲名で調べると、またあっさり演奏動画が見つかります。


うへー、この大音量の音のぶつかり合い!
でも会津混声なら叫んだりしなくて
「サウンド」として聴かせてくれるんだろうなあ。
うわあ持続が大変だぞこの曲、よくこんなの歌う気になるな。
口笛。そして、ああ、これが「雷」なのか(笑)。
後半の早口言葉?! ムズカシソウ・・・。


なんだかいつもの会津混声の選曲で安心です!


さて、会津混声には応援メッセージが届いております。
アルモニカなうちさんからで

会津混声合唱団には大学のサークル(立正グリー)で
一緒に全国大会に出場した一つ下の後輩がいます。
お互い合唱を続けていることで、違う団とはいえ、
同じステージ(しかも全国大会)に立つ事が出来て、
改めて合唱を続けていて良かったと思います。


合唱がつなぐ縁、絆。いいものですよね・・・。


話は変わりますがこの紹介文を書くにあたって
会津混声HPを覗いていたら
「寫眞de会津混声!」という、
http://aidukonsei.jugem.jp/
会津混声の女性団員さんが
いつもiPhoneでナナメ撮り(文字通り)した写真を添えている
会津混声の記録日記がありまして。


ほー、面白いなーと、11月からどんどん遡って読んでいくと
4月に「練習再開!」の記事があり
「始動!」
高橋祐二先生と団員さんたちが写った再始動の決起集会があり、
そして3月になると「3月の練習。」
「当然ですが(練習は)全て休止となりました」という言葉の後に
こんな文章がありました。

気が滅入る報道ばかりで精神的にも疲れてきたので
昨日久しぶりに音楽を聞いてみたんです。
やっぱり音楽はいいですね。
気がまぎれるだけではなくて、
明日もまた頑張ろう!という気持ちが湧いてくる
不思議な力を持っているんだなーと改めて気づきました。


自分もこないだ同じ東北、不来方高の演奏で
おんなじ気づきがあったところですよ!
そして過去の会津混声の演奏にも
そんな想いを抱いたことがあります。
音楽には不思議な力、ありますよね。


おっと、会津混声Oさんのメールには続きがありました。
「いつものような」演奏を期待していますから、
「いつものように」ロビーでお会いしましょう、Oさん!

2)全国大会への寸志(ちょっとしたというほどの)


今回の震災では、一時活動できないときもあり、
歌える喜びと歌の持つ力をあらためて感じることができました。
全国大会では、皆様に会える事と歌える事に感謝し、
いつものように演奏したいと思います。













12.東京都・東京支部代表
Combinir di Corista
(混声30名・4年連続出場)



昨年一般A部門第1位のシード団体!
すっかり定着した「選曲の品揃えの良さはコンビニ並み!」の
実力コンビニ合唱団です。


昨年のコンビニの演奏は
課題曲G2はまず声の良さ、
どこまでもクレッシェンドできそうな印象に好感。
その印象は発声が練られているというだけではなく、
豊かなイメージを団員全員で共有できているということ。
ピアニッシモの響きの良さ、音色・ニュアンスも良く、
音楽の設計としてひとつの流れを作られているのにも好感でした。
自由曲のダラピッコラは「エネルギー!」と
大きくメモするほど印象的(笑)。
リズムと弾む力強さに惹かれ、さらにローリゼンは息の長い音楽に、
それぞれの語り口の変化、和音の表情というものが「良いなあ〜!」と。


そんなコンビニ、今年の課題曲はG4の「やわらかいいのち」
そして自由曲:Einojuhani Rautavaara
「Magnificat」より
「Fecit Potentiam」「Suscepit Israel」
Pierre Villette
「O Salutaris Hostia」
ということで緊張感ある曲想のラウタヴァーラの2曲、
優美なヴィレットと対照的な選曲で今年も楽しみです。


コンビニ団員さんからメッセージをいただきました。
まず、各曲を選曲された理由については

いつものように、『品揃え』を考慮した結果、
昨年の課題曲はG2のvilletteを歌いましたので、
今年は邦人曲にしました。
実は数年前に音出しをしたことがあるのですが、
その時はいろいろな意味で私たちに馴染まず、
挫折した経緯があります。
そのため、今回は敢えて険しい道にチャレンジしようと、
苦手を克服する意味も込めてこの課題曲を選びました。
それ故、これまた「品揃え」を考慮した結果、
自由曲は雰囲気の異なるミサ曲としました。

そしてこの全国大会に対する
意気込みや志などは?という問いには

月並みですが、
「自分たちの現状のベストを尽くす」ということです。
とにかく、自分たちが模索し、試行錯誤してきた音楽を、
少なくとも自分たちが納得する形で
皆さまにお伝えしたいと思っています。


また、今年は3月11日に東日本大震災が起こりました。
まだまだ苦しむ人々がいる中、東北の地で全国大会が開催され、
そこに参加することができるというのは、
何かの意味があるのだと思います。
私たちの音楽が、苦しむ人々にとって、
たった一瞬でも苦しみを忘れられる時間に
繋がってほしいと願っています。
課題曲は、思春期心身症を患う少年少女に語られた作品です。
「どんなことがあっても、あなたは愛されている」
というメッセージを届けたいと思います。
また自由曲には、
キリスト教の語る「救い」のメッセージが含まれています。
この2つのメッセージを私たちなりに消化して、
お伝えしたいと思います。


そしてコンビニさんの写真をお願いしたところ

動画でも大丈夫でしょうか?
7月の定期演奏会で
「祈り、明日への響き」と題した第1ステージで演奏しました、
「歌おう NIPPON」プロジェクトの中の1曲
「前へ」(作詞・作曲:佐藤賢太郎)です。
今年のコンビニの心が表れていると思いますので、
ご紹介いただけると幸いです。



おおっ!Ken-Pこと佐藤賢太郎氏の「前へ!」
そのメッセージの力強さもさることながら
演奏から伺える実力も、さすがですね。


東京都大会を聴かれた人の感想では

課題曲:G4ってこんないい曲だったんだ!
よく、あんな色々な色彩を曲の中でだせるなあ。
全国でここ(Combini)のあとでG4歌うとこかわいそうになあ
自由曲:引き出しの多い団。
まだ未消化の所もあるけど全国が楽しみな演奏。


ありがたいことに(残念なことに?)
この日のG4はコンビニの演奏が最後。
G4の決定打になるかな?!



そしてクール・シェンヌ代表の福島さんから
応援メッセージが届いております。

数々の品揃え(曲揃えですね)の中から
今年はどんな素敵な音楽を届けてくれるのか
楽しみで仕方ありません!
客席でうっとり聴かせて頂きます!
来年はそんな皆様とのジョイント、
これまた楽しみで仕方ないのです!
どうぞ宜しくお願い致します♪


…うっ、やっぱり来年5月のいずみホール
予定空けとこうかな・・・。



tatamisanさんからの応援メッセージは

コンビニのO Salutarisが超聴きたいです。
土曜日は翌日Bグループ出演のため前日練習ですが、
そのためだけにAグループ見に行こうかな。


Aグループは他にも良団体揃いですよ!
うん、でも、1団体だけを聴くために会場へ向かわせる。
「Combinir di Corista」はそういう合唱団に
既に到達しているのかもしれません。


さまざまな思いを込めたコンビニの演奏が
「たった一瞬でも苦しみを忘れられる時間」となることを
私も会場から願い、応援しております。

目を閉じれば
あなたと過ごした時のことを
あなたと共に歌ったことを思い出す


音楽の終わりが あなたとの別れではない
音楽がまたよみがえるように
何度でも 何度でも あなたを思い出そう



「前へ」より  作詞・作曲 佐藤賢太郎(Ken-P)