「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2012」(その4)

※この記事は2012年富山での全日本合唱コンクール
全国大会へ出場される一般団体を紹介しております



「出演者じゃないのに富山へ行く人ってどれくらいいるんだろう?」
ふと、そんな疑問が浮かびました。
私も出演者から「聴く人」になって十数年になりますが
全国大会の開催地であちこちへ行っても
出演者じゃない「聴く人」である知人の顔を見かけるんですね。


そんなわけで知人数名に改めて尋ねてみました。
「富山全国大会のお目当ては?」



福岡在住の歌うコンシェルジュさんのお答えです。

歌い手としては,6〜7年全国大会とは御無沙汰ですので,
近年は専ら「聴き手・飲み手・食べ手」としての参加が主。


今年の富山は,鰤が有名ではありますが,ちと季節が早いかな?
シロエビも少し旬を外しているようですし・・・・・
現地に入っての情報収集が勝負となりそうです。


ただ,それらの美味よりも楽しみなのは,
「史上かつてない二次会」とそれに続く自主的3次会(笑)


たとえ,簡単なものであっても,
はたまたビールしか無くとも,
コンクールに集う仲間との交流は楽しいものです。


去年は,たまたま打ち上げで居合わせた
金城学院グリークラブのメンバーと,
混声合唱大会ってことがありましたっけ(笑)


なかなか「歌い手」としての参加は叶いませんが,
今年も音楽と美味と美酒を楽しみに
富山に参戦しようと企てております。


歌うコンシェルジュさん、ありがとうございました!
え?聴き手の話はどこいった??
という疑問も浮かびましたが…まあいいや(笑)。


「コンクールに集う仲間との交流は楽しいものです」
そうですねえ。
仲間内であれこれ話す楽しいこと!
演奏が極上の肴になります。


そうそう。
>たまたま打ち上げで居合わせた
金城学院グリークラブのメンバーと


ぜんぱくさーん!
ここにも自慢している「ご友人」がいますよー!(笑)
http://talk21self2.blog111.fc2.com/blog-entry-1709.html




さあ今日も始めましょう!
今日は2団体をご紹介します。





7.佐賀県・九州支部代表
女声合唱団ソレイユ
(女声25人・7年連続出場・59回大会から7回目の出場)



実力派女声合唱団としての評価も定着した感があるソレイユ。
今年の課題曲はF4の無門(「約束」から)
(淵上毛錢 詩/瑞慶覧尚子 曲)
自由曲はKalevi Aho作曲
Lasimaalaus 〜ステンドグラスの絵



ソレイユ団長の三村さんにお答えいただきました。

〜選曲・楽曲紹介・聴かせ所について〜


毎年、選曲はあれこれと悩みます。
今年も深夜まで歌い・弾き・話しながら、
「今のソレイユらしさが一番出せるのはこの曲だっ!!!!」
と決めました。
管弦楽曲を多く作曲している、Kalevi Aho 。
最高8声の複雑な音の重なりや、
ドラマ性のあるメロディーが印象的な曲です。


曲の聴かせ所・・・「全て!」です(笑)
どこを聴いても、途中から聴いても(多分)
飽きないような面白い内容です。
敢えて言うならば、この曲、
女声合唱曲ではあまりない
低音の魅力がたっぷりな曲っていうところですかねー。
冒頭から低音のpのハーモニーで始まります。
歌っていると、その音楽が、
私たちをステンドグラスのような光の道に
導いてくれるような気持ちになります。
(私、アルトの一番下なんですが、
 自分で自分のハードルをぐんぐん上げているような気がして
 ならないのですけどねっ)
指揮者の樋口先生は練習のたんびにおっしゃいます。
「素晴らしか〜〜〜! …曲が。」(笑)


歌詞に、「太陽よ、照らしたまえ!」という一文がありますが、
緻密なステンドグラスが太陽に照らされたときに現れる、
なんとも言えない美しさを表現したいです。


今年も出場させていただいた事、仲間たちと歌える事、
全国の皆様に聴いていただける事に、感謝しっぱなしです。


観客の皆さんの心に何かの跡
(良い方の跡であることを祈ります)が
残るような演奏を目指して、
残り2週間の練習に励みたいと思います。


全日本合唱連盟、富山県合唱連盟の方々も
今頃準備に奔走されていると思います。
お世話になります!!!!


三村さん、ありがとうございました。
フィンランドの作曲家であるカレヴィ・アホの
この作品はちょうど10年前
宮城県第三女子高等学校合唱団音楽部(現:仙台三桜)が
全国大会で演奏した曲。
たまたま当時のCDを持っていたので聴いてみました。
…なるほど、三村さんが記されたように
低音から高音まで声の範囲が広く、
どこか神秘的でドラマ性のある飽きさせない曲です。


昨年のソレイユの演奏は
課題曲F1が深く、
その場に留まるのではなく、
どこへ向かうかが明確にわかる運動性を持った声。
フレーズの力感も良く、メリスマも◎。
緊張と弛緩のバランスも大変に良かったです。
自由曲は木下牧子の「春二題」。
「あけぼの」はサウンドとしてとても上質。
「春は来ぬ」はリズミックな部分を
身体から出るものとして感じさせる表現。
さらに女声らしい魅力にあふれ
「こんなに良い曲だったのか!」と思わせる演奏でありました。


今年5月のコーラス・ワークショップは佐賀県で
佐賀の合唱団だけの特別コンサートがあり、
MODOKIや
伊万里市伊万里小学校コーラス部と
佐賀大学文化教育学部付属小学校合唱部の演奏も
素晴らしかったんですが、
ソレイユの演奏も凄かった!
前半は佐賀女子高と海外宗教曲を
純粋な響きの高い実力で演奏したかと思ったら
後半はジャズベース、ジャスピアノを迎えたジャズコーラス
別団体と見間違えるほどのノリで。
特に「Take the A-Train」では完璧な振り付けとともに
客席を興奮のるつぼにしていました。


そんなノリの良さもあるソレイユ、
昨年の写真も衝撃的だったのですが
今年も写真をお願いしたところ


「あんまり面白くないですよー」と三村さん。
どれどれ・・・






いや充分面白いよ!(笑)



もう一枚はタレントのはなわさんが
NHKの番組で取材に来ていただいた時の写真だそうです。







高い実力と抜群の表現力、
そしてノリの良さも兼ね備えたソレイユの演奏に
今年も期待してしまいます!










8.京都府・関西支部
アンサンブルVINE
(混声32人・2年ぶりの出場・57回大会以来8回目)
(※上の団名リンクは伊東さんのHP
「〜目をひらく 耳をすます つぶやく〜」内のものです)




VINEとは葡萄の蔓という意味。
初めてこの団体を聴かれる人は驚くかも?
合唱を始めたばかりの人、あるいは合唱にあまり興味がない人に
是非とも聴いて欲しいアンサンブルVINEです。


VINEの今年の課題曲はG1
自由曲はFrank Martin作曲
"Songs of ARIEL"より III
Vytautas Miškinis作曲
Ta, kurios ilgiesi tu…
Michael Ostrzyga作曲
Iuppiter


マルタンのフランス的な軽妙さ。
ミシュキニスのチャーミングな曲。
そして昨年、会津混声が演奏した
さまざまな表現と迫力が魅力のユピテル。
今回もヴァラエティに富む選曲です。
指揮者の伊東恵司さんからメッセージをいただきました。

VINEについては、
ともかく個性的で新しい目のレパートリー、
しかも短いものを合わせて
出来たら3曲というスタンスを考えています。
ミシュキニスはもとより
とっても美しかったので気に入ってました。
原詩はシェイクスピア
そのシェイクスピアのつながりでマルタンを選びました。


なるほど、詩つながりだったんですね!
ミシュキニスのこの曲は私も気に入っているので
VINEの演奏が楽しみです。


この全国大会に対する意気込み、もしくは目標や志がありましたら、
という問いには

いつも通り。楽しくおおらかに。
(さわやかにかっこよく、ではないが)

・・・なにコラとの違いを訴えておられます。
聴く人に伝えたいことがありましたら、には

合唱団ごとにある音色に耳を澄ましてもらえたらと思います。
自分たちの歌を歌いたいと思います。


伊東さん、ありがとうございました!



この全国大会に対する批判や意見で
たまに目にするのは
「難解で技術だけ優先の現代曲を
 深刻に演奏する団体ばかり」…というもの。


もちろんそんな演奏が無いとは言えませんし、
私はそれにも聴く楽しみが存在すると思うのですが
このアンサンブルVINEという団体は、
そういう演奏とは明らかに違います。


2年前に伊東さんからいただいたメッセージを再掲しましょう。

VINEのモットーはいつも
「コンクールにちょっぴりユーモアと微笑みを」です。
凌ぎを削る、勝ち負け、何かを背負って、
というような概念を飛び越えて、自分たちらしさを発揮し、
アンサンブルの楽しみを表現出来れば良いなあと思っています。

前回と同じく8番目の出場であるアンサンブルVine。
前半最後の演奏ということで、耳が疲れた聴く人へ
「ちょっぴりユーモアと微笑み」をきっと与えてくれると思います。


VINE団員Fくんから写真も送っていただきました。

VINEらしく、みんなで楽しんでる写真にしましたので!


…とのこと。







うん!写真に表れている「楽しんでる」雰囲気。
VINEの「自分たちの歌」が
富山のステージでも伝わりますことを!!





(明日に続きます)