「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2012」(その7)

※この記事は2012年富山での全日本合唱コンクール
全国大会へ出場される一般団体を紹介しております






富山県富山市にある富山オーバード・ホール






芸術的なオブジェが印象的です。






中へ入ってみましょう。






室内の吹き抜けの大空間!






ガラスが大きく使われ外の光が差し込みます。







中にもあちこちにさまざまなオブジェが。



(※建築写真集NOさまより転載許可をいただきました。
 他にもまるで富山へ行った気分になる写真が満載の
 素敵なHPです)
http://arc-no.com/arc/toyama/toya-geibun.htm




2012年11月24・25日と
富山オーバード・ホールで行われる
第65回全日本合唱コンクール全国大会。
昨日までは一般A部門へ出場される団体をご紹介していましたが
今日からは一般B部門。
まず2団体をご紹介します。


11月25日13:40分から始まる一般B部門。
最初の団体はこの団体です。






1.愛知県・中部支部代表
合唱団ノース・エコー
(混声77人・2年連続出場・47回大会以来15回目の出場)



今年のノース・エコーの課題曲はG2
自由曲はSven-David Sandström作曲
Psalm139


団員のセブンさんからメッセージをいただきました。


各曲を選曲された理由は?という問いには

ここ数年はサンドストレームの作品の中でも、
2群合唱のモテットをやってきました。
その活動の中で、前回のコーラスコレクションでは
バッハとサンドストレームのkomm,jesu,kommと
Lobet den Herrn(alle Heiden)を両方演奏するなど、
新しく、団員としても成長できる取り組みが
できてきたと思います。


今年のPsalm139は、久しぶりに2群合唱ではなく、
LaudamusteやEn nyなどと同じ6パート構成の曲です。
派手勝負ができる曲ではありませんが、
ノース・エコーの持ち味である(と自分では思っている)
ハーモニーの美しさや、言葉の抑揚の表現、
発声的な統一感がとても良く発揮できる曲だと思っています。
曲の冒頭では全パート揃った単音から和音が広がっていき、
女声合唱へとつながっていきます。
中盤では各パートが順次歌い繋げていき、
この曲が最も盛り上がる部分へと続いていきます。
全員揃ってのffの部分は是非会場で生で聞いて
ホールと合唱が一体になった響きを聴いていただきたいです。
中部大会でもホールいっぱいの響きを
届けられたかと思っていますが、
全国大会ではそれ以上のものを作り上げます。


サンドストレームの作品では、
長短様々なcresc,decrescによって
曲全体のつながりとの広がりを表現するものが多いですが、
この曲のこの部分でも同様な表現が多く見られます。
終盤では全パートが揃って神への賛美を歌いあげます。
今年は英語のフレーズ感にも力を入れていますので、
全パート揃うこの部分も
魅力あるものに仕上げられているものと信じています。


この全国大会に対する意気込み
(もしくは目標や志)がありましたら、には

とにかく自分達の曲の世界観を
ホール中に届ける事を考えて歌います!


その他、聴く人に伝えたいことがありましたら…

ノース・エコーの出演順は一番目ということで、
非常に感慨深いものがあります。
是非生で聞いていただきたい選曲と演奏ですので、
よろしくお願いいたします。


来年から始まる部門編成のコンクール改革についても
一言頂ければ…

部門編成に合わせて合唱のスタイルを変更するのは
本質的では無いと思いますので、
ノース・エコーらしい演奏をするだけだと思います。
それがコンクール改革の目的から
求められるものであればなお良いと思います。
ただ、今回の大学ユース部門の新設などによって
裾野が広がって合唱の輪が
より一層広がってくれたらと思います。

セブンさん、ありがとうございました。
昨年のノース・エコーの演奏は
課題曲は共感し気持ちの入った演奏。
さらにノースの美点であるクリアなサウンドが特徴的。
自由曲のサンドストレームでは
そのサウンドが深化し
音のプリズムを耳で視るようでした。



そうそう!2006年から毎年行われている
「史上かつてない2次会」のお話です。

今年は中部圏で全国大会が開催されるという事で、
史上かつてない2次会の幹事、
ノース・エコーがさせて頂きます!
お蔭様でいろいろな団体の方の助けやサポートを頂き、
準備を進めています。
みんなで盛り上がっていきたいと思いますので、
ぜひ当日は楽しみにしていてください。


おお〜。
同じ中部圏といえども
ノース・エコーの愛知県と富山県はかなり隔たっていて
さぞかし準備は大変だと思います。
そんな大変な幹事に手を上げてくれた
ノース・エコーの心意気に本当に感謝したいですね。
参加される団体のみなさんはノース・エコーへ盛大な拍手を!










2.山形県・東北支部代表
鶴岡土曜会混声合唱団
(混声55人・3年連続出場・50回大会以来9回目の出場)



誠実な音、というものがあるなら
こういう演奏なのでは?と
毎回演奏を聴かせていただく度に思う
鶴岡土曜会混声合唱団。


今年の課題曲はG1
自由曲は
谷川俊太郎:詩 三善晃:作曲
「地球へのバラード」より
「私が歌う理由 」「 夕暮」


昨年も自由曲は三善晃先生の作品でしたが
今年はその中でもかなり知られている「地球へのバラード」より。
この選曲の理由は?
団員の阿部さんからメッセージをいただきました。

選曲の理由について
・課題曲:G1
鶴岡土曜会では例年ポリフォニーにチャレンジしており、
今年もまた自然にG1を選択いたしました。
毎年のことになりますが、
ポリフォニーポリフォニーらしく演奏することの
難しさを感じながら練習しています。


・自由曲:私が歌う理由、夕暮
「地球へのバラード」については、
当団の指揮者として柿崎泰裕さんが
就任後10年ほどした頃にチャレンジし、
なかなか思うような演奏ができなかったという
いわば「片思いの曲集」となっていました。
それから25年余りを経て、
再チャレンジするかたちとなりましたが、
団員の多くが当時のことを知らない中、
柿崎さんとともに
「いまの私たちの演奏」を作っているところです。


全国大会に向けて何かございましたら…

全国大会には横綱級の合唱団がいくつも出場し、
私たちのような「中型合唱団」は圧倒されっぱなしです。
そんな中、少しでも聴いている方の印象に
残るような演奏をしたいと思います。


聴いてくださる方々へ何かございましたら…

当団は創立以来ことしで61年目を迎えました。
ですが、今回出場するメンバーのうち
半分近くが平成20年以降に入団した
「古くて新しい合唱団」です。
緊張の連続になるかもしれませんが、一生懸命に歌います。


コンクール改革については?

単純に考えると、私たちが全国大会に
出場するチャンスは減ってしまうのだろうなと思っています。
ですが、コンクールへの出場・挑戦を通して、
数曲ではあっても徹底的に練習を重ねることで、
私たちの演奏レベルが維持されているように感じていますので、
部門云々にかかわらず、私たちなりに
精一杯の演奏を目指していきたいと思います。


阿部さん、ありがとうございました。
鶴岡土曜会の写真も送っていただきました。



プロのソリスト、オーケストラのみなさんをお招きして、
モツレクを演奏したときのものです。


25年前に演奏した「片思いの曲集」に再チャレンジということ。
昨年の実に丁寧に誠実に、
音と言葉へ向かわれる鶴岡土曜会の演奏は
心の深いところに染みこむようでした。
きっと片思いが両思いになることと確信しております!






(明日に続きます)