全国大会あれこれ・観客賞一般Aの部

さて、富山の全国大会に集まった仲間内で
一般A部門すべての団体を聴いた人に頼み、
ひとり2団体ずつ、審査発表前に投票してもらいました。
集まった票は12人分。
オーバードホールのロビーの片隅で集計した後は
プチ座談会。
審査結果は審査結果で尊重し、学ぶつもりですが
それはそれとして俺のこみ上げる想いはーッ!…てな観客賞。


出場全14団体で名前の上がった団体は10団体ですが
上位7団体とプチ座談会での感想をご紹介します。




第5位 杉並学院・菊華混声合唱


・指揮の渕上先生の「太陽のマテ茶」ファッションがカッコイイ。
・課題曲G3が素直で作為的ではなく、逆に林光らしさがあった。
・自由曲のパミントゥアンは
 「やっと見つけたね!」と相性が良い選曲だった。
・自由曲、こういう路線がとても向いていると思います。



<文吾のつぶやき>
パミントゥアンの自由曲には
「フィリピン版『ほたるこい』?」なんて声も。
審査結果ではホールの音響が向いていたのか、
座談会での発言のように曲との好相性か、
金賞2位でした。おめでとうございます。



あ、「太陽のマテ茶」って・・・(笑)。






同じく同票の
第5位 女声合唱団ソレイユ


・やっぱり「大人の女性」の魅力、艶がある。
・ほんと、ステキですよね〜(うっとり)
・フレーズのふとした「緩み」が巧い!
・自由曲にはドラマも後半に説得力もあったね。
・各人がいろんなことやった後で
 「やっぱり合唱するならこの団だよね」という人が
 集まった合唱団みたいな印象が演奏にあります。



<文吾のつぶやき>
ソレイユ、結果は銅賞だったんですが
一般AB併せて唯一「それはないだろう?!」と感じたのがソレイユ。
・・・はい、ハーモニー誌での座談会で勉強させていただきます。





第4位 Combinir di Corista


・可愛げがないくらい巧い、巧すぎる!
・絶対に手の届かない高級ブランドみたい。
 エルメスのバーキンとかケリーとか・・・。
・自由曲3曲の歌い分けの深さは凄かったですね。
 


<文吾のつぶやき>
いっやあ巧かったですねコンビニ!
課題曲は精緻に曲のあるべき姿を描き、
自由曲1曲目は輝く声で弱声のニュアンスもバッチリ。
2曲目はたっぷり旋律の魅力を伝え。
3曲目はかなり難しい音程なのを軽々と。
凄く難しい曲を演奏しているはずなのに
極上のソファで聴いているような安定感がありました。
結果は金賞1位。おめでとうございます。
(そういえばコンビニのEさん、お土産渡せずごめんなさい…)






第3位 アンサンブルVine


・やっぱり「自由」な感じがしていいなあ〜。
・私たち、ああなりたいっていつも思うんです!
・聴いてても、見てても楽しい。
・課題曲G1が納得したし、良かったです。
・背伸びしない、曲へ共感した等身大の自分たちの表現。
・上質のヴァラエティ・ショーを観ているような・・・。



<文吾のつぶやき>
軽く明るく響くサウンドと相まって
聴いているだけで楽しい感じになりますよね、Vine。
今回の演奏、振り付けはごく最低限だったのですが
それでもなんとなく「Vineらしさ」が
にじみ出ていてニンマリしてしまいました(笑)。
自由曲3曲の構成や歌い分けも良かったです。
金賞おめでとうございます。





そして観客賞第1位、同票で2団体です。



第1位 合唱団まい


・課題曲G3を指揮なしでよくあそこまで合わせられますね〜。
・メンバーひとりひとりの実力が凄い。
 あそこまで全員が歌えれば全国行けるんだなあ…って。
・曲に対する思い入れが一番感じられました。
・なぜこの曲を選んだのか、という意図が強く伝わりましたね。



<文吾のつぶやき>
指揮の雨森先生も、ピアニストの平林先生も
アンサンブルに加わった課題曲。
自由曲はシンプルな曲なのにここまで聴かせる演奏力。
5曲で啄木の人生を追体験したような気にさせる
ドラマ性の凄みに圧倒され、涙しました。
雨森先生に「観客賞1位ですよ」とお伝えすると
「嬉しいねえ、団員に伝えるよ」と喜んでおられました。







同じく
第1位 会津混声合唱


・課題曲G1が個人的に課題曲賞!
・いろんな世代の人いろんな立場の人が集まって
 良いものを作り上げる
 「THE 一般合唱団」という印象で良かったです。
・見かけおとなしいけど「合唱、好きなんだな」というのが
 とても伝わってくる演奏。
・性格良さそうですね。



<文吾のつぶやき>
会津混声合唱団には私も一票入れました(笑)。
デリケートな声の扱い、抑揚の細やかさが美点の課題曲や
自由曲1曲目は繊細に、
2曲目はガラリ!と雰囲気も声も変えて、
という構成も良かった。
とても巧いんだけど発言にもあった「合唱が好き」というのが
伝わる演奏でもありましたね。
金賞おめでとうございます。




座談会の最後には
来年からの部門改正ということで
「室内合唱も同じ会場でやるならあまり意味がないのでは?」
などと危惧する声も。
「でもルックスエテルナみたいな団体が
 多く出てきてくれるチャンスですよね」とも。


そういえば審査員の三澤洋史先生がブログで
全国大会のことを書かれていますね。
ルックスエテルナを絶賛!
こういう風に現役の音楽家である審査員の方が
「なぜ、自分は良いと思ったのか」を書かれると
大変勉強になります。
http://cafemdr.org/RunRun-Dairy/2012-3/MDR-Diary-20121126.html



…はい、私2票目はルックスエテルナに入れました。
やらされてる、ではなく、そのジャンルを選び、
ずっと歌い続けたことの説得力と喜び!
しみじみ目をつぶり、涙を流しながら聴いていました。
こういう演奏と団体に出会えるのも、全国大会の良さですね。




(続きます)