「春こん。」と松下耕先生のツイートつづき


松下耕先生による「春こん。」評価基準へのツイート。
自分の感想を書かせてもらうと…。




まず第一に
「審査員が何が気に食わなかったのか
 誰でも一目でわかるシステム」なので
演奏で直すべき点がすぐ分かり、とても良いと思ったんですね。
合唱団の成長に繋がりやすいのでは?

審査員の情緒的、感覚的、感情的な判断がされにくくなり、
より客観的な評価が下されやすくなります

…という点も長所ですね。
さらに
「音程」「リズム」「演奏解釈(様式感)」
「発声および声のブレンド」「表現力」という
5つの評価基準から
「自分たちの団は音程や発声がイマイチなのはわかってる!
 しかし表現力だけは自信があるんだ。どうよ?!」
などという団体にとっても有難い審査です。


ただ、ある種の審査員泣かせかも・・・。
「演奏解釈(様式感)」は
自分含め、そりゃ音楽を知らない人には難しいだろうし。
それにですよ?
「演奏解釈(様式感)」や「表現力」は
まだ個人の音楽観に左右される面が多いとしても、
かなり客観的な基準が有り得る「音程」や「リズム」で
他の審査員と審査結果が大きく違っていたら・・・。

審査会議では、ほかの審査員より
特別な高評価、低評価をした審査員は
必ずその評価の理由を求められます。


審査員、大変だぁー!(笑)



あと、朝日の全日本合唱コンクール
順位付けによる評価基準もマイナス面ばかりではなく。
例えば
「音程やリズムは劣っていたが
 あの表現力は今まで聴いたことがない!」とか
「あの発声の素晴らしさは他の団より数段上!」というような、
審査員個人の音楽観、主観が影響するのも
自分自身の総合的な判断という意味で
心に添っている場合があるかも。


というのは、自分が涙を流すほど感動した演奏と
「うん、うまいね」と冷静に聴いた演奏を
5つの評価基準に照らし合わせると
総合点では冷静に聴いた演奏の方が高得点になってしまい
「あれー?」と首を傾げてしまう姿が
私なんかは容易に予想できてしまうのですが(笑)。
まあ「審査員の情緒的、感覚的、感情的な判断」に
重きを置く人にとっては難しい評価方法ですね。



それでも、
「演奏を成り立たせるものは何か?」という観点から
この5つの評価基準は大変興味深いものです。
例えば自分は演奏を聴く上で「リズム」や「様式感」について
あまり気を配っていないんだな、とか。
審査員の評価と自分の評価を比べてみると
評価の分類が明確に、かつ数値で表されているために
非常に勉強になるはずです。



「春こん。」は東京都合唱連盟に加盟していない団体でも
参加可能なのだとか。
日本の合唱コンクールでは今まで無かった
「客観的な評価基準に支えられたコンクール」。
他地方のアンサンブルコンテストでは
既に同類の評価基準を採用しているとの話も聞いたり。
全国各地の団体がこの「春こん。」に集うと
日本の合唱コンクールも面白いものになるんじゃないでしょうか。
そして合唱演奏の見方、聴き方も変わるかも?


松下先生の一連のツイートで一番響いたのは

音楽は、本来他者との比較ではない。
春こん。の審査方法は、その事を大切にしています。


うん、来年の「春こん。」、聴きに行こうかな!



<追記>

神奈川県のアンコンは音程とか発声とかの項目に点数をつけて
その合計点で審査してます

千葉県のアンコンも2012年度から項目別に
点数を書いていただく形になっております


…との情報が。
全日本合唱コンクールではなかなか取り入れられなくても
地方のアンサンブルコンテストでは取り入れやすいのでしょうか。
情報をお寄せくださったみなさま、ありがとうございました。