鶴橋へ韓国料理を食べに行った 続き




「福ちゃん」の前に着き、おそるおそる扉を開けると
メガネをかけた、ピリピリした雰囲気のオバチャンが現れる。


「予約のヒト? ハイッ!こっちネ!!」


6人で大騒ぎする先客の、横のテーブルへ。
席に座り、そう広くない店内を見回すと韓国のテレビ番組が流れていたり、
メニューは当然のようにハングルと日本語表記だったり。


まあとりあえずカンパーイ!


ナムルやキムチをつまみながらサムギョプサルを待つ。
するとサニーレタス、ゴマの葉、白髪ネギ、もろみ味噌の後、
厚めにスライスした冷凍のバラ肉が大量に置かれる。
オバチャンそれを熱した鍋へ豪快にザザーッ!




そろそろ焼けたかな、と肉をひっくり返そうとするとすかさず
「マダよッ!」とお叱りの声が…。
こんがり焼けてようやくお許しが出た肉を
重ねた葉に乗せ、もろみ味噌を乗せ、あぐっ、と一気に口へ。



「!」




お、おお。なんという複雑な旨さ。
豚の旨みがもろみ味噌で倍増する。
口にあふれる豚肉の脂が野菜で洗い流され爽やか。
ゴマの葉が凄く良いアクセントとなり後を引く。
菜っ葉のシャキシャキした食感、厚い豚肉を噛み切る嬉しさ。
こーれーはウマイッ!


丸鶏を入れた野菜鍋「タッカンマリ」も
ニンジンや韓国かぼちゃなどの野菜は明らかに大きめで。
これ、どうやって食べるんだろう?と疑問に思っていたが
ある程度煮えたところ、オバチャンが調理ハサミを持ってきて
鶏も野菜も豪快にジョキジョキジョキバッツンバッツン!!




口にすると、
鶏の旨みが染み込んだ、優しく滋養に富む味。
「これは美味しいねえ〜」と唸る。


韓国料理店なので韓国風刺身「フェ」を食べたくて注文したら
「フェ?フェね。ワカッタ!」
厨房へ注文を通す時「チャプチェ!」 ・・・え?
やがて出てきたものは刺身でもなんでもなく、ただのチャプチェ。
やれやれ、こんなのN谷園のなんとかでも食べられるよ、と
しょうがなく口に入れると 「?!」




なんだー?このチャプチェ!
単なる春雨料理かと思ったら、ツルツルに加えモッチリした食感があり
すすり込むと唇がその感触に喜んでいる。




別に頼んだチヂミもかなりの分厚さながら
外側カリッ、中モチッの美味しさ。
「粉が違うのかなぁ?」
「油多めの揚げ焼きみたいにしてますね」
「ニンジン、イカが大きめなのも良いアクセントかと」
などと夢中で食べながら某お姉さまと分析する我ら。



締めは、さっきのタッカンマリ鍋へインスタントラーメンを入れ
美味しいスープを心ゆくまで味わう。



途中、
「ハイハイッ!近所のオジサンが怒鳴りこむからサワがないのッ!!」と
叱られたり。
(…でも騒いでたのは隣の客で我らは行儀良く食べてたのに)




閉店時間の22時ちょうどになると
「ハイッ!もう22時ネ!おしまいッ!!」と
まったく一方的に終了宣言されたりどうかと思うこともあったけど。


・・・でも、野菜の種類を尋ねたらすかさず答えてくれるし、
「サムギョプサルの野菜、おかわり欲しいんですけど」と言ったら
「次はオカネ取るヨ!」と、普通に親切で、無愛想ではないんだよなあ。


あんまり親しくない人との食事やデートには決して向かないけど、
今回のこのメンバーにはまったくの無問題、でした。
気の置けない間柄のみなさんに感謝!(笑)
食ベ○グのマイナス評価は正しいこともあるけど、
それが全てじゃないよね、ということ。




鶴橋の「異界」は早くにシャッターを下ろす店が多かったので、
次は早めに行って鶴橋の雰囲気を堪能したい。
そして今度こそ韓国刺身を食べたい、この福ちゃんで。
もちろん次回は時間厳守でね!



(おわり)