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松山のみくい記 最終回


さて、ぜんぱくさんと後輩の男子大学生、そして私の3人は
同じくCWSへ参加しているGWHのまーさんや
Rのまぐろ。くんと合流するため、
赤丹を出て松山の夜の街へ繰り出す。


商店街に入りしばらく歩くとぜんぱくさんが
「さっき言ってた『露口』、寄ってみない?」
「え、でも『露口』はおそらく今日休みなんじゃ・・・」



「露口」とは?
昭和33(1958)年8月15日創業の四国最古のバー。
ご夫婦で営業されている店だ。
http://hamada.air-nifty.com/raisan/2009/09/post-7391.html


私も昔一度訪れ、空いている席に「やれ嬉しや」と座ろうとしたら
「ごめんなさ〜い、そこ、予約席なのよ〜〜」と
奥様に本当に申し訳なさそうに言われ
「あ、ああ、そうですか。また来ます!」と店を出た体験が。


「また」から長かったなあ・・・。
でも赤丹の女将さんは
「今日は休日だから露口さんも休みじゃないかねえ」と話されていたのだ。



どうかなあ・・・えっ?!あの明かりは!!開いてるよ!!!




しかし話にはオチが付き物。
この時間、この人気店、3人分の席が空いてるとは限らない。


とりあえず私ひとり入店する。
えっ、カウンターはじに「3つだけ」空席があるぞ!
いやいやまてまて話にはオチが付(略


「すっ、すいません、3人ですが座れますか?」
と尋ねる私に店のご主人は笑顔で「いいですよ」。
その笑顔が輝いて見えたね。


ぜんぱくさんたちを呼び入れ、念願の入店!
お話を聞くと昨日は休みで、今日は数日ぶりの開店とか。
なんたるラッキー!





露口に来たらハイボールでしょ、と注文。
氷も入れず、レモンピールもしない無骨な角ハイ。
カクテルは味も作り方もオールドスタイルだけどいいのいいの。


店主のご夫婦が仲良く仕事をされる姿にほっこりし。
そして意外にもぜんぱくさんと自分との会話をマメに拾い
話題を広げてくれるのに驚いた。


「ほぉ、こちらは尾道からですか。
 尾道には暁という店があったんですがまだやってるのかなあ…」


私が札幌のバーやまざきのマスター、
今年で95歳ぐらいなんですけどね…と言ったら
「いや、そんなにいってませんよ。93歳じゃないかな」 
ピシッ、と訂正される(笑)。




サントリーがこの店のハイボールをモデルに作った
「角ハイ濃いめ缶」を見せてもらったり、
その時の新聞記事を見せてもらったり。


奥様の笑顔には優しく癒され、
カウンターのお客さんの顔を眺めるとみんな和やかな笑顔。
なるほど、味もそうだけど、この店に流れる空気に惹かれ、
多くの人がやってくるんだなあ・・・。



私たちが楽しく飲んでいる間にも
何組もの客が訪れ、満員から断られ、残念そうに帰っていく。


「・・・そろそろ出ようか」
「そうですね」


この店の貴重な時間を、私たちだけで長く楽しむのはもったいない。
「ごちそうさまでした。また」
おふたりの笑顔に見送られ、外に出た。



「よし、また来るぞ松山!」
「それはいいけどまぐろ。くんたちもう店で待ってるってさ」
「いかん、早く行きましょう!」
「急げ急げ!」



松山の夜は更けていく。







(お土産にいただいたコースター)




(おわり)