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大分旅行記 その6


地獄を2つめぐった後は鉄輪温泉の蒸し湯へ。


新しい下着に替えて言われたのは
蒸し湯の中にいられる時間は8分だとか。
8分?短すぎじゃないか。
しかも1回しか入れないという。うーん。



かがんで低い天井の、人が4人寝れるほどの狭く薄暗い部屋へ。
先客がいたので、ひとつ離れて壁際に寝転がる。
下には石菖という草が敷き詰められ柔らか、空気も爽やか。
しかし・・・暑い!
熱気が渦巻き容赦なく体を襲う。
入る前に「壁際は暑いからね〜」
と、おねえさんに言われていたがここまでとは!
体中から汗が吹き出ているのを感じる。
爽やかなはずの石菖の香りは、
息をすると流し込まれる熱い緑茶のごとし。
生きながら灼かれるとはこのことか。


こ、これはタマラン。


すると天の助けか、扉をノックする音が。
「8分経ちましたけど〜」
隣の先客への知らせだ。
先客は「もう少しいまーす」とのんきに答える。
アンタ凄いな!オレは無理だ!出まーす!!


時間の8分が来る前に部屋を飛び出した。
サウナの3倍発汗作用があるらしいので
この短い時間でも汗でダクダクだ。
石菖を急いで払い落とし、下着を雑に脱いで冷水をかぶる。
「ううう〜!」


落ち着いた所で湯に浸る。「・・・ふぃー」


湯から上がり、外の椅子にマッパで腰掛け、涼む。
ああ〜、極楽極楽。
うーむ、もうちっと温度が低ければ快適だったかもしれんけどなあ、蒸し湯。
やはり壁際に寝てしまったのが敗因か。
調べてみると季節によって温度差があるらしく、
6月の中旬はけっこう暑い方だったのかもしれん。
いつかまたリベンジしよう!などと考える。マッパで。





そうこうしているうちに夕方になった。
地獄も回った。温泉もふたつ入った。
体も喉もイイ感じに乾いている・・・ということは、ビールだ!



駅にほど近い、狭い横道に入ると「湖月」というその店はある。
メニューは焼き餃子600円、瓶ビール600円だけというシンプルさ。
人気の店だということだが、並んでいる人はおらず。
さて店内は・・・
カウンターだけ7席の店にはお客が誰もいなくて拍子抜け。
まあいいや、「餃子1皿とビールください!」
壮年の店主に告げる。
手伝いの女性は娘さんだろうか。



待っている間に酢醤油とラー油を混ぜ混ぜ。
やがて「お待ちどおさま」と黄金色に輝くそのブツが!







小ぶりの餃子をひとつつまみ、
タレにつけて口へ放り込むと
皮のパリッとした感触の後、
肉の旨味と汁が溢れて慌てて冷たいビールで追っかけた!すると


「・ ・ ・ ・ ・」


視界が白くなり意識が遠くなった。
白の世界から天使の鳴らすラッパが響き
神々しく輝く宇都宮駅の餃子像が囁きかける。


「我が身は餃子、我が血はビール。
 文吾よ、今こそ世に知ら示すのです。
 餃子とビールの素晴らしさを。さあ!」



すいません餃子もう1皿!あとビールももう1本!!




(つづきます)