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昨年1年聴いた演奏会・イヴェントを振り返る(後編)

 
 
昨日の続きです。
 
 
 
7月27日
宝塚国際室内合唱コンクール(兵庫・宝塚)
 

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ツイッターでは

毎回来たら後悔はしないけど、
今年の宝塚は「大当たり!」の年だったのでは?
ワクワク、ドキドキ、キュンキュン…
感情をさまざまに揺さぶる演奏が多かった。楽しい!
そしてステージに立てば一人の表現者なのだ、と
10代の少女たちに強い説得力で悟らされてしまう、
宝塚音楽学校本科生。
このコンクール、前売り2500円は安いね。
合唱に関わりがあれば一度は来るべきだと思う。


ブログでの私の感想はコチラ。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/20130801/1375356624

感想の最終回を書かずに時が過ぎてしまって申し訳ないです。
来年は
「最初から最後まで聴いた人の投票によって
 次の日の演奏団体が決まる」そうで。
あとKKB先生に賞の発表をさせるのはもう止めた方が良いんじゃないかなあ。
団名を間違えるのは海外の団体に失礼だと思うし、
なによりグダグダだし、総括だけを喋っていただければ良いかと。

やっぱりいろいろと学びがあるコンクールだと思うので
予定が合えばまた行きたいです、宝塚。






8月16日
どさんコラリアーズ ファーストコンサート(札幌)
 

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ツイッターでは

予想外(失礼!)に充実した演奏会でした。
柔らかく紳士的な響きと感情を
音楽へ結びつけるのが巧みな指揮者の感性が魅力。
Nコン課題曲集?が特に良かったなあ。
Dコラのみなさん、ありがとうございました!


地名+コラリアーズという団名から想像が付くように
伊東恵司さんが音楽監督のこの合唱団。
「新しい男声の響き」を
この札幌で実現されていたのが嬉しかったです。
これからもっと良くなる可能性を秘めた団体と感じました。






10月26、27日
全日本合唱コンクール全国大会 高校・中学の部(福山)

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久しぶりに聴いた中学、高校の全国大会。
高校の部は厳しいことを書くと
練度、精度が10数年前の全国大会よりかなり落ちていて、
しかし選曲は十数年前とそう変わらない難易度なので
「何だかわからない世界を、
 演奏効果優先で何だかわからないまま演奏していた印象」でした。
残念ながら音楽というものを載せずに素材のまま提供された印象。
以前はそういう高い難易度の曲でも、
先生と生徒さんの音楽へ傾ける情熱で越えていた部分があったけど
今は越えられずに音と発声を整えるのに精一杯のような。

それでもA1位の不来方高、B1位の聖カタリナは
音楽性も含めてダントツの1位で、聴けて良かったです。
部活に時間をあまり割けられなくなった、
生徒の心の変化、3年生の参加比率の低下、先生の忙しさなど
色々な要因はあるんだろうけど、かなり悲しい思いをした全国大会でした。
(※念を押しておくと、先生、生徒さんの情熱を否定するのではなく
 「学校の部活」としてシステム、制度的に
 コンクールで「音楽」を発表するのが
 非常に困難になっているのでは?ということです)

翌日の中学校混声部門は、
これがまた「昨日はなんだったの?」と思うほど感動の連続で。
朝9時、10時から素晴らしいプーランクで
私を涙させた郡山2中、5中に拍手!

技術的に至っていない団体もあったけど、
大元に言葉への共感や美しいフレーズ、歌を感じられる選曲ばかり、
というのが印象が良い理由。
理想像は指揮者も生徒さんも共有しているんじゃないかな。
この点は高校の部とは大きく違っているのでは。
「歌の基本」が中学混声の部にはあったと思います。

例えば三善先生の「黄色い鳥のいる風景」を演奏した学校があって、
演奏の質は正直ダメダメだったんだけど、
「この曲は良い曲!」と思って
一心に歌う姿と声にちょっとホロッと来てしまいました。

大分大学教育福祉科学部付属中学校は明るく爽やかでとても好みな女声。
少ない男声は頑張っていたけど、
正直女声合唱だけの方が良い点はとれるだろう。
でも、それを敢えて混声でする。
そういう心意気がいいですよね。
そして混声にはそういう団体がいっぱいありました。
「ヒスイ」を歌っていたんですけど、
詩とメロディへの共感がダイレクトに伝わり、
じーんと染みる演奏。ソロも良かったなあ。

中学校の部でも課題曲が検討されているそうで。
審査員としてはこれだけ幅広い演奏、選曲で
一定の基準となる課題曲を採用したくなる気持ちもわかるけど
おそらく課題曲を採用した途端、
今の混声合唱部門のこの雰囲気は消えてしまうんだろうなあ・・・。


来年は岩手なため、さすがに聴きにはいけないけど、
また近くで開催されていたら聴きに行きたいと思います。






11月23、24日
全日本合唱コンクール全国大会
大学職場一般の部(千葉)

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観客賞の番外編、こ、今週中には!
全国大会あれやこれや出張版、
いつもはやろうかどうか迷うんだけど、
今回は山本さんのおかげでモチベーションだけはバッチリ!でした。
・・・でも聞き書きの連載は予想以上に大変で
睡眠時間4、5時間を2週間以上続ける事態に。

今年はどうしようかなあ。
毎年同じことをするのが本当にイヤで
少しでも違ったことを!と思っているんだけど
正直ネタ切れのような気がしています。
今年から突然やらなくなっても怒らないで下さいね、みなさん。





12月14日
スヴァンホルムシンガーズ(倉敷)
 

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スウェーデンの男声合唱団。
軽やかに明るく響く男声合唱。楽しませてもらいました!
詳しい感想を書きたいけどできるかな~?






12月28日
ひろしまユース演奏会
 

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教会の響きと若さ溢れる演奏に魅了されました。
無料がもったいないくらい!
出演されたみなさま、ありがとう!
これも詳しい感想を書きたいものです。
 
 



合唱以外では
 
 

4月21日
サカナクション(広島)
 

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過去の日記から。

3年ほど前にロックフェスで聴いて以来初めてのワンマンだったけど
凄く良かった。
山口一郎氏が、
自室で作った曲がここ広島まで
水の波紋のように拡がっていることに
不思議さを感じる、と語っていたけど、
夜の闇へ囁くような、内省的で限りなくパーソナルな感情が、
ここまで力強く伝わり、心を動かすのは確かに不思議。

夜へ語り、新しい夜を迎えるような空気。
あと北海道出身のバンドという思い込みからかもしれないけど、
聴きながら札幌の空気を思い出した。
北国特有の透明な空気。
帰りたいなあ、と珍しくノスタルジーに浸った。

知人Tさんが
「サカナ曲は自分の中のものが引き出されますよね」とレスしてくれたけど
失くしていたと思った感情が演奏を聴くことによって
失くしていたのでは無く、心や記憶の奥底で深く眠っていたのだ・・・と
浮かび上がる過去の様々な感情を意識しながら聴いていました。

演出がレーザーによる、水底に自分がいて、水面を見上げているような。
細かなシャボン玉による雪を思わせるものとか
凝っていてかつ自分の心を見つめるのに効果的だったのも良かった。
こういう演出がロックというジャンル、
しかも「踊れ!」という
クラブミュージックの一種であるギャップも面白い。
(リズムセクション以外は
 30~40年前のフォークミュージックの流れがあるのも
 懐かしさの一因かな)

ここしばらく、体調不良ということもあり
「何かを記したり、表現することが、いったいなんなの?」
みたいな心情だったのだけど
夜の闇へ向けた個人的な囁きでも、
それを重ねていくうちにある種の水路と言うか
他の人へ届く記憶と感情の贈り物になるきっかけを秘めているのに
改めて気付かされたと言うか。
(もちろんただ単に囁くだけの自己満足ではなく
 「届ける」強い意識と高い技術は必要不可欠)

つい忘れてちまいがちだけど、
何気ない日々を生きている中でも、
埋もれてしまい沈んでしまいもう二度と思い出せない
ささやかな、それでも大事な感情が存在しているのだ…ということを
意識させてくれるコンサートでした。
明日からまた気持ちを新たに。



「 あとどれくらい僕は深く潜れるだろう」
        サカナクション 「朝の歌」より


来月、サカナクション聴きに行きます!


 


10月16日
エマ・カークビー リュートソングコンサート(大阪)
 

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これは素晴らしかった!
感想を書けなかったのを今でも後悔しています。
エマさんは聴いた時には64歳。
その見た目と、椅子に座って歌うという姿に
「大丈夫?」と最初は思ったんだけど、
ひとつ声を発したらこれがもう・・・。

単純な声の美しさだけではかれない、存在としての凄み。参りました。

第2部の波多野睦美さんとの二重唱も
明るいイタリアの曲ばかりで楽しかったんですが
やはり第1部のダウランドの曲が忘れがたいです。
どれも素晴らしかったけど特に「暗闇に私はすみたい」での
世界がそのままエマ・カークビーの闇へ収束してしまうような感覚。

若い声楽家にはエマさんより声が美しい人は数多いると思うんだけど、
そういう声の老いのようなものも、
自己表現の要素の一つとして組み込んでしまう
自己プロデュース能力の高さにも感嘆した演奏会でした。

あと表情のわずかな翳り、減衰し、消えていく声のゆくえ、
音楽が生み出される前の張りつめた空気・・・。
いずれもこの上なく繊細で、精妙なバランスで成り立っているものばかり。
CDましてやYouTubeなどでは決して伝わらないだろうなあ、と
しみじみ思ってしまいました。

古びた、しかし良く磨かれた革の小箱を開けると
そこにはまばゆい輝きを放つ色とりどりの宝石が詰まっていた!
そんな印象でした、エマ・カークビー。
またいつか聴ける日を願って。




今年も良い演奏に出逢えますように。