コンクールへ出場するかどうか迷う地方の某一般合唱団での架空の飲み会話

 


《コンクールへ出場するかどうか迷う

 地方の某一般合唱団での架空の飲み会話》 

 


えーと、一応言っておくけど自分は
「コンクールへ毎年参加している合唱団」
「コンクールへ参加したりしなかったりする合唱団」
「コンクールに一度も参加したことが無い合唱団」に所属していたけど
もちろん例外もあるだろうし、話を鵜呑みにしないでね。

 

 



《コンクールへ参加するメリット》

それで? コンクールへ参加するメリット? 
うーん、技術向上への道筋が
わかりやすくなるというのはあるんじゃない? 
結果も出るし、講評も出るし、
他団と比較しての自分たちの演奏の客観的評価とかもさ。

あと新入団員へのアピールもしやすいよね。
もし全国大会に行けたら若い年齢層への訴求力は高いし。

それをきっかけに地元外のイヴェントに招待されたり、
有名合唱団とのジョイントコンサートとかもさ。
合唱団自体の評価も全国的になり、高まる可能性はあるよね。

 




《コンクールへ参加するデメリット》

じゃあコンクールへ参加するデメリットは?
これは団によるけど「コンクール」という要素で
音楽が競争になり

ギスギスした雰囲気になるとはよく言われるよね。
少なくとも自分が所属したり、見学に行った合唱団では
演奏会前や他の発表の場と比べ
コンクール前にそこまでピリピリした雰囲気を

感じたことはなかったけど。

あと、全国大会まで視野に入れると
地元だけで活動していた時とは
格段にお金がかかるんじゃない? 
新規の団員を獲得できるチャンスかもしれないけど、
金銭的に趣味の範囲外になってしまった古参の団員が
離れるのはある程度覚悟しないとダメかも。

さらに約半年をほぼコンクールだけの練習へ費やすのもね。
例えば今まで演奏会を柱にしていた団体だったら
練習を増やしたり、いっそうの効率化が必要となったり、
あるいは次回の演奏会との間隔を長く取る必要が生まれるかも。

コンクールへ参加しなくても
意欲的で充実した活動をしている合唱団はいっぱいあるし、
安易にコンクールへ参加する前に、
客演指揮者の招聘や新曲委嘱活動や
大曲への挑戦やオケとの共演や
ジョイントコンサートなどなど、
それらの活動をまず見習ってもいいかもしれない。

 




《結局どっちが良いと思う?》

え? …うぅーん、デメリットも多く言ったけど
どっちかというと自分はコンクールに肯定的なんだよ。
やはり地方の活動だと、

どうしても同じことの繰り返しに感じ、
飽きてしまうことが多いと思って。
団を引っ張る人は全国の活発な動きを知っていることが多く、
それと比べて自分の団は…と

ヤル気を失う気持ちもあるんじゃないかな。

自分の合唱団を好きでい続けたい、

やる意味を失いたくない、
合唱団の価値を高めたい(広く知らしめたい)
…なんてのがコンクールへ積極的な人の心情なんじゃないかな。
でもそれがコンクール参加だけでしか解消できないものなのか?
そこは考えるべきテーマだと思う。

あと、自分も含めてなんだけど、
コンクールへ積極的な人は
学生時代にコンクールへ参加することがきっかけで
日本のハイアマチュアの合唱団に
ずっと憧れの気持ちを抱いてることが多くてさ。
「あの合唱団と同じステージに立ちたい!」なーんて。


コンクールへ参加して

全国大会出場というのは夢の一種なんだよね。
そういう憧れや夢みたいな気持ちは年食っても
結構残っちゃったりするんだな。ふふふ(笑)。

合唱団の中心人物たちがそういう憧れをずっと抱いていて、
他のイヴェントではどうしても替りが効かないと言うのなら
協力してあげてもいいんじゃないかなあ・・・ダメ?


 


《実際参加するとなったらどうなるんでしょうね》

まあ結局コンクールへ参加を決めたとしてさ、
宝塚国際室内合唱コンクールなら
詳しい講評と上位団体の演奏を聴けるけど、
全日本合唱コンクールだったら他団体はほとんど聴けず、
講評は一言で、結果「○賞でしたー」で、はいオワリ。
…そんなことになりかねないから、そこは工夫しないとね。

コンクールのメリットとしては
全国上位団体と自団を比較し易いってのがあるんだから、
発声や解釈などテーマを決めて
本番までその目標に達せられるよう

具体的な練習計画を立てるとか。
コンクール後は講評分析と他団体の演奏と比較して
自団に何が足りないのか反省するとか。

そういう面で、1年で終わるのではなく
例えば3年計画で取り組むとかが理想なんだろうね。
あ、できるだけ多くの団員が
全国大会を聴きに行けるようにしようね。
「打倒、(地元の)●●合唱団!」は不毛で滑稽だし、
そんな心を変えるのは全国大会を聴くのが一番だと思う。

結局は他団体ではなく過去の自分たちを超えることで
もっと大きな目標を得なければいけないとは思うんだけど…。

 

 

 



《まとめられます?》

そうだなー。
今まで言ってきたことで
メリット、デメリットともに足りないことはあると思うけど
それはコメント欄に書くかメールを下さい(笑)。

あとコンクールは

「技術を鍛える」というのが第一義だと思うけど、
では技術はなぜ必要なのか? 
芸術家:山口晃さんの
「技術とはなぜ磨かれなければならないのか。」
http://www.1101.com/yamaguchi_akira/ が
すごーくわかりやすいと思うよ。

つまり「つくり手の意図するところ」へ
「見る人を
 すうーっと直に導いてくれるもの」が
「技術」なのではないか、と。

 

コンクールに限らず、その表現の中心に
「つくり手の意図するところ」があるかどうか? も
重要なことだよね。

 


さらにコンクールへ参加し続ける意義は、
10数年出場し続けた栃木のルックスエテルナ指揮者、
内田先生の言葉が参考になるかも。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2013/11/13/211636

コンクールに参戦しているけれど、
なかなか結果が出せない団体の方々へ。
コンクールは賛否両論ありますし、
結果が出せないとモチベーションも低下するものですが、
ぜひ勇気を持って継続してください。
必ず、少しずつ力がついていくはずです。
力がつくと、もっとたくさんの音楽にチャレンジできるようになりますし、
演奏活動もより意味のあるものになっていくと思うんです。
つい10年ほど前までは、県を抜けるかどうかすら危うかった
私たちの演奏を聴いていただき、勇気を持っていただけたら幸いです。

 


内田先生、私とほぼ同世代なんだけどさ、すごく共感しちゃうな!
ルックスエテルナの演奏もコンクールがなければ
おそらく自分はずっと知らなかったんだと思うんだよ。

あの演奏が聴けただけでもコンクールがあって良かったな。

 



まああれこれ書いたけどさ、
どうしてもコンクールに参加しなければいけないってワケじゃないし、
メリットデメリットを比較して、
参加するならそのメリットを最大限活かすように
団員全員で向かうのが有益なんじゃないかな。
それで得たものはコンクール以外の演奏の場でも
きっと役立つだろうし。

 


じゃあ実りある活動になるのを願ってるよ!

 

 

※追記

 

続編の

 

もお読みください。