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「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2014」(最終回)

 

 

 

さあ、16日間続いてきたこの連載も今日で最終回!


・・・と、その前に。



<観客賞のお知らせ>


行うのは「室内合唱の部」「混声合唱の部」の2部門。

投票方法は

1)投票用紙
2)ツイッターによる投票
3)メールによる投票 …の3方法。

詳しくは↓のリンクからお願いします。


http://bungo618.hatenablog.com/entry/2014/11/17/224347

多くの方の投票をお待ちしてます!!




そして気になる高松の天気予報は

 

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21日(金)は晴れ 最高気温17度 最低気温9度
22日(土)は曇り時々晴れ 最高気温18度 最低気温9度
23日(日)は晴れ時々曇り 最高気温19度 最低気温10度

雨の心配もほぼなく、絶好のコンクール日和ですね!?

 

 

 

 



それでは最後の2団体をご紹介しましょう。
1団体目は2年ぶりに出場のあの団体です!



 

 

 

 




15.佐賀県・九州支部代表

MODOKI
(60名・2年ぶりの出場・50回大会以来16回目の出場)





ぜん 僕がMODOKIの演奏でボロ泣きしたのは…
   「とおくーまであるけるあしが~♪」


ああ、2010佐賀コーラスガーデンでの
信長先生「泉のうた」!
あの演奏は私も泣きました~。


・・・だからコンクールの演奏!(笑)

 

 

ぜん (笑)。


2006年熊本大会で
恋愛のぽやぽやと上気した感じまで出ていた
バーバー「The Coolin」や
合唱団あるさんの、ド派手演出の「チカマツ」の後、
白い閃光を思わせる出だしの
2008年岡山大会シューベルト「Salve Regina」など
やはり課題曲が印象に残っていますね。
「課せられている」ではなく、
自由曲と同じく、自分で選んで歌っている感じがします。


ぜん 2007年東京大会での
   小林秀雄「火山の嵐に吹かれ」が好きですね。
   評価は銅賞と低いですけど
   回転数ギリギリ、
   曲のレッドゾーンまで入っていたよね、きっと!

   2010年西宮大会での石井歓先生「風紋」は
   一番スピードが出ていたんだろうけど、
   良かったのはやはり「火山の嵐に吹かれ」です。



MODOKI指揮者:山本啓之さんに
お話を伺いました。
(このインタビューは10月14日高松で行われました)




全国出場おめでとうございます!


山本 ありがとうございます!


昨年は演奏会開催のためお休みで、
今年は2年ぶりのコンクール出場ということで
いかがですか?


山本 1年コンクールを休んで
   フレッシュな気分なんで
   間延びとかは全然無いですね。
   むしろ猜疑心の固まりです。
   「大丈夫か? 大丈夫か?!」ってね(笑)。


そうですか(笑)。
では早速、選曲についてなんですが
まず課題曲G2 Nachtlied(Max Reger)。
2年前の自由曲のブラームスから
山本さんがやはりロマン派、
ドイツ音楽に傾倒しているのでは?


山本 そうやね。  
   ドイツ語の作品をずっとやってきたから
   何か一つ結実させたいという思いもあるし、
   ドイツ語を継続しときたいというのもある。
   それにやはり内容の濃さね。
   凄いよ和声とか、たまらない!


そんなに?(笑)


山本 和声感、和音で音楽の色彩を作っていく。
   言葉の表現が和音の色として
   変化して行くところとか…。
   それでいて途中で
   「そこ行っちゃうの?!」みたいな。


良い意味での裏切りがある?


山本 そんな感じ。
   それが後期ロマン派から
   次の近代へ行く扉を開けようとしている
   ちょっと病的なマックス・レーガーの
   表現なのかなと思ったり。

   あの人、過食症で太り過ぎで
   最後は心臓病で亡くなったんでしょ。
   だからちょっと常人とは違う感じがする。

   もちろん良い曲だから選んだんだけどね!

   自分たちが見つめたレーガーの世界は
   出したいと思っているよ。


それでは自由曲の「Mass for Double Chorus」より
「Credo」(Frank Martin)なんですが。
言わずと知れた名曲ですね。


山本 これは声部の多い曲で一人一人いじめてやろうと。


いじめ(笑)。
人数が増えましたよね。

 

 

山本 今はほら、40人が
   60人の合唱団になったようなもんで過渡期やから。
   パートを分けてしっかり歌ってもらおうと。

   一人1パート。
   やっぱり8声、ダブルコーラスを
   しっかり演奏しようとすると
   一人一人の積極的な関わり方というものが必要となるし。


なるほど。


山本 ・・・でもね、ダブルコーラスは60人じゃ足りない!


いまさら?!


山本 だってたまに1コアいないとかね!
   今日1コアのテノールは?「いません」
   ハァ?! 練習にならん!
   最大の問題は「みんな練習に来て!!」


大変ですね~。


山本 出席率半分だとマルタンはできんからね。

   マルタンはスイスの作曲家でしょ。
   作品にもフランス音楽の影響を受けているところが
   いっぱいあって。


「アリエルの5つの歌」とかもそんな感じですね。


山本 協和音ばかりと聞こえるCredoも
   練習ではきちんと歌えると
   フランス音楽的な面白い和音が聞こえるんだけど
   実際の演奏ではパートバランスの問題で
   難しかったりね。

   それと声楽的な力が凄く必要な作品。
   ド真ん中直球160キロを投げる力が試される!


おお!


山本 今は・・・135キロぐらい(笑)。


ダメじゃないですか!
あ、でも70キロぐらいのチェンジアップを混ぜて(笑)。


山本 (笑)。
   余裕が無くなると
   お子ちゃまの声になっちゃうんだよねえ~。

   まあ、今はいろいろ試している状態。
   新しく入ったメンバーと一緒に
   「こういう見方はどうだろうか?」と
   言葉の抑揚や宗教的背景や
   作品の持っとる方向性など
   自分たちにとっての到達点を探している状態だね。
   音としてどうかはこれからの練習しだい。


楽しみです!

話を変えまして。
今年は山本さんの地元:香川県での開催ということで
故郷に錦を飾る全国大会?


山本 そこまでじゃないよ(笑)。
   ただ、自分は香川の連盟でもお世話になっていて、
   でも香川のみなさん方からは、正体不明で…
   「九州方面で何かやってる人」としか
   見られてないので。
   だから今回の全国大会でようやく
   「こんなことをやっているのか!」と(笑)。


正体判明の時が!(笑)


山本 そう(笑)。
   あと、地元開催ということで
   合唱団のことよりも
   打ち上げ、2次会、うどんツアーに・・・(涙)。


お疲れさまです!
それでは
「史上かつてない2次会」実行委員会副委員長として
お言葉をよろしくお願いします!


山本 2006年の熊本大会からMODOKIが始めた
   「史上かつてない2次会」も
   今回で九州・東京・中国・北海道・関西・東北、
   中部・関東・四国と全支部を一巡して。


一区切りですね。


山本 ホント、北海道なんて弥生奏幻舎“R”のみなさんが
   開催してくれたりで、ありがたいことです。


各支部で開催して下さった合唱団のみなさんに
改めてお礼を!


山本 今回の会場は人数に対して狭いけど。
   …あくまでも自分的な宴会の法則として
   「狭い所の宴会は盛り上がる」という、ね!


距離感が近い?(笑)


山本 かなり窮屈かもしれないけど。
   ほら、ライブハウスで押し合う…


モッシュ? そこまで?!


山本 そのぶん一体感がある!


た、楽しみだなあ(笑)。


山本 そして、ぜひみなさん、
   香川県にお金を落としていただいて帰って下さい!
   「うどん県、それだけじゃない香川県」。
   付け加えるなら「魚も美味いぞ!」


「by水産関係者さん」からの主張ですね(笑)。
山本さん、ありがとうござ・・・。


山本 あのさ、文吾くんはこのブログでずっと
   名演の話をしてきたわけでしょ?


え? はい、そうですね。


山本 …手前味噌だけどMODOKIのソレがあるとするなら!


ほぅ?! あるとするなら!


山本 「史上かつてない2次会」を始めたことだと思うんだよね!


…ん? 名演・・・『演』奏じゃないですよ!


山本 いや、名エンのエンは、
   宴会の『宴』!


・・・名『宴』。MODOKIの『名宴』?! それがオチですか!(笑)


山本 ありがとうございました~!


(笑)。
山本さん、ありがとうございました!
「史上かつてない2次会」も一緒にがんばりましょう!!


 

 

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MODOKIのみなさん、「名宴」そして「名演」をお願いします!




 

 

 



さあ、全日本合唱コンクール
混声合唱部門最後の団体です!
なんと昨年もトリだったその団体は・・・











16.福岡県・九州支部代表

混声合唱団うたうたい

(45名・2年連続出場・66回大会以来2回目の出場)






山本 今年はチェロとの協演も楽しみだし、
   間違いなく高嶋昌二先生の持っている日本語の語り口、
   いわゆる「高嶋節」を活かした演奏だろうね。

   全日本「夜もすがら」祭りを制するのは
   うたうたいさんなのでは?!


「夜もすがら」祭りって(笑)。


ぜん 和音で鳴らすだけではなく
   高嶋先生ならではの音に
   何が込められるか?という
   期待を持ってしまうね。



その通りですね!

混声合唱団うたうたいさんの演奏曲は
課題曲はG3 夜もすがら(千原英喜)
自由曲は「混声合唱とチェロのための詩の中の風景Ⅰ」より
「天下末年ー庶民考」(伊藤信吉 詩)
「森の若葉」(金子光晴 詩)
(どちらも一柳慧 作曲)


へえー! 「詩の中の風景Ⅰ」と言えば
その中の「原っぱ」が2003年の課題曲ですよ。
私の中で作曲家:一柳慧と言えば
「ピアノメディア」
いわゆる「現代音楽」の合唱曲だったので
「原っぱ」の爽やかな明るさには驚いた記憶があります。

他の曲もそんな感じなのかな~
・・・実は聴いたことが無いんですよ。
困ったなあ、とネットを探してみると。おっ!


全日本合唱連盟さんの公式ツイート。
こちらの中の人が何ともありがたいことに
全国大会出場団体のご紹介をされていまして。
どこかのおっさんがダラダラ長く書くのに比べて
短い文章で団体と演奏の長所や聴きどころを捉えた
ツイートが素晴らしいんですわ。

 

 

 

 


冒頭の朗読とチェロのソロで一気に引き込まれること間違い無し。

 

 



ほお~。
これは面白そうな曲みたいです。
詩はどんな内容なんでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

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図書館から借りてきました。

 

 

 

 

 

 

伊藤信吉:詩の「天下末年ー庶民考」

 


茨城の海岸近い地域のどこかに
天下末年。と、
それだけ刻んだ
石碑がある。
新聞でそういう投書記事を読んだ。

 

 

と始まる、
徳川幕府の世を憂う石碑と
現代の末年に生きる自分を重ねたメッセージ性の高い詩です。

 


対照的に金子光晴「森の若葉」
初孫の若葉を題材にした詩集「若葉のうた」の序詩。

金子光晴、若葉と言えば
飯沼信義先生作曲の「若葉よ来年は海に行こう」が
有名だと思うのですが、その若葉ちゃん零歳児の時の詩!


この「森の若葉」も

 


なつめにしまっておきたいほど
いたいけな孫むすめがうまれた

新緑のころにうまれてきたので
「わかば」という 名をつけた

 

 

…と始まる、
生まれたばかりの初孫が可愛くて可愛くて仕方がない
お爺ちゃんの詩。

・・・他の金子光晴の作品を知ってると
「どうしたんだ、金子光晴?!」と思うこと必至。

ただ、若葉ちゃんの身を案じるがゆえに

この日本の行く末を心配する点では

「天下末年ー庶民考」と共通するかもしれません。


「詩の中の風景Ⅰ」は4曲構成で
楽譜での並び順は「森の若葉」→「天下末年ー庶民考」の順。
「個々の作品は独立して演奏することができる」と
記されていることから
うたうたいさんが曲順を逆に演奏しても
まったく問題は無いんですが、
おそらく世を憂う曲で終わるのではなく、
赤子の可愛さで、未来への希望を示して終わりたい・・・
などと高嶋先生が考えた上のすてきな曲順なんじゃないかなあ。


いずれにせよ、課題曲の「夜もすがら」。
自由曲2曲もチェロはもちろん、朗読、
そしてメッセージ性が強い詩の表現、
対照的に赤ん坊の可愛さを描く表情付けなど
「言葉の魔術師」高嶋先生とうたうたいさんが
どんな演奏をしてくれるか興味は尽きません。


この全国大会最後の出演順、
うたうたいさんの魅力を存分に発揮してください。
応援しています!



 



以上で、室内部門11団体。
混声合唱部門16団体のご紹介を終わります。

 

 

 




「ありがとうございました」


この企画へメッセージを寄せていただいた
室内合唱部門10団体、混声合唱部門14団体の
指揮者、団員のみなさま。
ブログでコメントや、
ツイッターでリツイートや、
Facebookでシェア、いいね!をしてくださったみなさま。
その他いろいろとご協力していただいたみなさま。

本当にありがとうございました。


特にコールサル指揮者で
CANTUS ANIMAE遠隔地団員さんのぜんぱくさんと
MODOKI指揮者の山本啓之さんには
ご自分の団体の指揮や演奏、
さらには「史上かつてない2次会」関連で
大変お忙しい中、大量の原稿を送りつけ、
しかも「まだかまだか」とチェックを急がせるという
まさに鬼の所業と言うしかない行いをしてしまいました。
非常に反省しております。
高松には反省の証に頭を丸めて参りますので
どうかお許しください。

 

(ものすごく感謝しております…)

 


少し裏話を。

この企画はやる、やらないの前に
「自分の書くやる気を上げるサブとなる企画」が大切なんですよね。
昨年は山本さんとの対談形式。
そして今年は「思い出の名演奏」を各団体の指揮者の方へ
お聞きするというもの。

毎年、全く同じことをするのが耐えられない人間なもので
「おっ、このサブ企画、できたら面白そうじゃん!」
と思えて、初めて元の企画を始めるという・・・。

今回も辛かったですが、
非常に面白くドキドキワクワクの体験ができました。
敬愛する指揮者の方々からメールが届き
開くときの嬉しさはアマチュアと言えど
「編集者の喜びってコレかな?!」と感じるほどでした。
ここで改めて、「思い出の名演奏」の原稿を送って下さった
指揮者の先生方へ心からお礼を申し上げます。


今回はなぜ「思い出の名演奏」をテーマにしたのか。
その理由を書こうと思いましたが
やっぱり照れ臭いのと
今日中の更新が難しくなってしまうので、これにて。
しばらく後で見に来たらその理由が書いてあるかも?

 




「思い出」は過去ですが、
現在に続いている道筋であることには間違いありません。
「思い出」だけを見るのではなく、
続いている現在も一緒に見ることで、
未来が同時に見えてくるのでは…
そんなことを今、思っています。



 未来はためらいつつ近づき、
 現在は矢のように速く飛び去り、
 過去は永久に静かに立っている
 (フリードリヒ・フォン・シラー)



願わくば、高松で体験するステージ、
そして聴いた演奏が、
みなさまの心に刻まれる「思い出」となりますように。


それでは高松でお会いしましょう!
ありがとうございました!

 

 

 

(コンクール出場団体あれやこれや:出張版2014 終わり)