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九州大会感想




9月13日、アクロス福岡シンフォニーホールで行われた
全日本九州合唱コンクール大学職場一般部門へ行ってきました。

 

 

 

 

 

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(アクロス福岡の向いから撮影)




九州大会は行くのが初めて。
支部大会自体も中国大会へ行ったのが7~8年前が
最後だったかなあ・・・。

ここ数年、九州在住の知人が増えて、
全国大会へ出場できなくても良い合唱団があると聞き、
よしそれなら!と久しぶりに支部大会へ向かったのでした。
(決して、博多が美味い安いの食い倒れの街だから…
 では、ありません)

全団体は聴いていません。ごめんなさい!



午前10時から大学ユース部門
10団体が出場。


印象に残った団体では

九大混声合唱団(銀賞)は予想以上に良かったです。
以前は響きの集め方や
音楽の向かう方向がやや散漫な印象だったのに、
1段階レベルアップしたような。
若さ弾ける課題曲のメンデルスゾーンと
大人数(157名!)を活かした
ダイナミクスと表現の幅が広いカライのStabat Mater。
自由曲、全体で演奏するフォルテに対し
個々人の表現が埋没したのと、
明暗の「暗」の表現がやや浅かったかな?
そして音楽の各パートがそれぞれ独立していて、
減衰のニュアンスなど有機的な繋がりが欲しかった気がします。
でも爽やかで好感を持つ演奏。
特にテノールが良かったですね。



ユース部門で聴いた団体で一番良かったのは
福岡教育大学混声合唱団(銀賞・46名)。
優れたソプラノが引っ張るメンデルスゾーンは
品格の面では混声合唱部門代表MODOKIより上かも(笑)。
自由曲、千原英喜先生の相聞も全体の響きに配慮し、
歌う箇所とのメリハリも良かった。
指揮者の井上智子先生は非常に良いセンスをお持ちですね!




他に好感を持ったのは
作曲家の北川昇先生が指揮された
福岡のCoro.Siesta(銅賞・女声20名)
今回の審査員でもある伊東さんチックな(笑)円運動の指揮振りで
自作自演の「陽の中に」が音楽の奥行きが深い、
コンクールを忘れさせるような、
演奏会の1ステージのような気持ち良い演奏でした。



同じく好感を持ったのは
福岡大学混声合唱愛好会プレミエールコール

(銅賞・22名)。
自由曲に選んだ相澤直人先生の「雪うさぎ」も
コンクールとしては疑問符が付きますが、
「仲間と合唱を楽しんでいるんだろうな〜」
というのがとても伝わる演奏。
語り口も良かったし、コンクール上位入賞よりも、
ひょっとしたらこういう団体の方が充実してたり…? 
などとおっさんは思うのでした。

 


途中で抜け、昼飯を食べてぜんぱくさんと再会。

「へー、文吾くんは福教大が良かったんだ。
 自分は九大が良かったけどねー」という話の後

「鹿児島のMithlandir(女声14名)がとても良くて
 代表になるかも?」
「え、それって自分聴いてない団体じゃないですか!!」


…そして案の定金賞・代表。
課題曲:F3
自由曲:松下耕先生「聖母への祈り」から
「Ave Regina coelorum」「Ave Maria」だそうです。
なんでも1年間だけの限定活動団体だとか。



12時40分から同声部門
4団体出場。


金賞・代表の佐賀・Choeur Nature(女声50名)は
ソレイユ&佐賀女子高の合同団体。
オルガンを使ったF2から圧倒。
声楽的練度の高さ、優美な音楽。
自由曲、堅田優衣先生の
「樋口一葉日記~書いて、生きるから」より
「1.我が身一代の」「3.なかなかにおもうことは」
分断された主旋律とBGMの関わり、
要所に挟まれる独特な和音が面白い。
これだけの難曲をよくここまで仕上げられるな〜と
感嘆のため息が漏れました。
3日間でもっとも優秀な団体に贈られる
理事長賞も受賞。



好きな課題曲F4(鷹羽弘晃作曲「夏へ」)で
聞いた団体の中で一番良かったのは
熊本の合唱団いひゅうもん(金賞・女声40名)。
明るい、安定した声と響きで
ヴォカリーズや言葉の扱い方のニュアンスに好感。
自由曲のカンカイネン作曲
「ミッカ・ワルタリの詩による組曲」も定番曲だけど、
単に過去の名演を焼き直すのではなく、
楽譜をちゃんと読みこんで
自分たちの手で初めから創り上げたような演奏。
音の広がりや雰囲気がとても良かったです。
こちらの指揮者:藤木駿先生のセンスも高い印象。








室内合唱部門は9団体出場。


一番のお気に入りは最初に出場された
左座さん指揮の熊本のきらり(銀賞・混声10名)。
テノールが息子さん一人、
アルトをもっと!など
合唱全体の響きである「面」の部分では
難しい箇所もありましたが、
息遣い、流れなど大人なパレストリーナ、
解釈、表現が的確なプーランク「Salve Regina」と
新実徳英先生の「生きる」など、
歌う喜びと質の高い音楽を伝えていただきました。



金賞・代表の鹿児島twinkle☆(混声24名)は
若い団員が多い印象だけど、
遅いテンポのG1も、千原先生のおらしょIIも
とにかく隙が無く、しっかりした演奏。
2003年に結成された団体とか。
こちらの指揮者はユース代表のMithlandirと同じ片倉淳先生。
この九州大会でのシンデレラボーイですね!




長崎のイトウ・キネン・シンガーズ

(銅賞・混声19名)は
課題曲の知覧節も、続けた自由曲の「米搗まだら」も
原曲の雰囲気が伝わるような楽しい演奏。

「表参道高校合唱部の真似じゃないから!
 3月から選曲は決まってたから!」
…とは代表で長崎県理事長:伊藤さんの弁(笑)。



沖縄の合唱団「い~すたん」

(金賞・混声20名)は指揮者無し。
パレストリーナはやや暗めの、
しかし共通したトーンが抑えた悲哀を熱く表出。
自由曲の千原英喜先生おらしょIIも
自発的な音楽、メリハリや表情付けなども優れていました。
最後は少し乱れましたが、
指揮者無しでよくあそこまで合わせられるな~と感心。




熊本のLe Grazie(金賞・女声17名)は
課題曲F2、自由曲は信長先生の与謝野晶子をテキストにした作品。
(「不可思議のポルトレ」より2、3)
ともに大人の女性の音楽をしっかり聴かせてくれました。
語り口の巧さ。
個人的に代表はこちらかな…と思ったのだけど。
昨年ぐらいから、グラツィエさんの音楽は
良い意味で変わってきたように思います。






混声合唱部門は13団体出場。

 


トップバッターの佐賀・MODOKI(62名)は
金賞1位代表で
最初から高いハードルだなあ…というのが正直なところ。
MODOKIを越えるか並ぶかで全国出場が決まる?!

メンデルスゾーンはアーティキュレーションの精密さ。
全パートがそれぞれ生き生きと音楽を主張。
ソプラノからテノールの音色を同じにした繋がり…とさすが。
でもそのソプラノは福教大に負けていたのでがんばって!
(福教大が良過ぎた?!)

自由曲:三善晃先生「嫁ぐ娘に」から
「戦いの日日」は男声ソリストがどなたも素晴らしい。
語り口の巧さと盛り上がりは
先日聴いた東京混声を上回るかも? ちょっと涙腺に。
「かどで」はクライマックスの女声が陰になり
「嫁に行く娘を号泣して見送る父。醒めてる母」
…みたいな印象(笑)。

しかし「嫁ぐ娘に」の和声、響きを
非常に大切にした演奏は唸るしかないほど。
「かどで」のクライマックスの女声など
声楽的に難しい部分はありますが、
全国大会までどこまで伸びるかとても楽しみです。



続いて出場の福岡の混声合唱団うたうたい(47名)も
金賞代表なので1,2フィニッシュという面白い結果(笑)。
課題曲G3も自由曲も、響きを集中させ、
ずいぶんスタイリッシュな演奏をする団体になられたなあ、という印象。
自由曲:千原英喜先生の「ヨハンネス福音之傳」
「4.それがし、ひと」から
ドリフの「いい湯だな」を連想してしまう自分はどうかしてますよね…。
「あ、あン♪」の合いの手や手拍子、チューブラベルが楽しい効果でした!




他にはどちらも金賞を受賞された団体で
人数が少なめながら
やはり的確な解釈、過不足ない表現だった
左座さん指揮の熊本県庁合唱団(27名)。

各声部をきっちり、クリアに聴かせた
パレストリーナやラターのレクイエムが印象的だった
大分市民合唱団ウイステリア・コール(32名)に
好感を持ちました。



銀賞を受賞した
福岡のChor Domaは35人1列オーダーで
なんと指揮者無しでパレストリーナを演奏という暴挙! 
しかしそれが聖堂を思わせる響き、
抑え目ながらしなやかに主張する各4声と
かなり完成度が高い演奏で2度ビックリ。
自由曲は佐藤賢太郎「Cantata Amoris」から
「4.Deus Caritas Est」はソプラノの実力を越えた選曲。
高音域で破綻し、和音も大きく乱れてしまいました。
だが、この日聴いた団体の中で初めて美しいピアニッシモ、
「声を合わせ、響かせる」という合唱の魅力を伝えてくれて。
MODOKIを越えて涙腺に来た演奏。
Chor Doma、また演奏を聴かせてもらうのを楽しみにしています。

 

 

 

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審査員の点数評。



もろもろ他に感じたことは明日に。