合唱団訪問記:合唱団MIWOさん その3

 

 

 

合唱団訪問記、合唱団MIWOさん最終回です。

 

 

 

 

 

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「合唱団MIWO」さん訪問記

 3話目:MIWOさんの魅力の秘密とは?

 

 

 

 

 再び休憩の後、16時30分から
 スタンフォードの「マニフィカート」
 これは東京混声とのダブル・コーラスで
MIWOは1Coroを受け持つそう。


 この曲は昨年12月のMIWO定期演奏会の曲でもあり
その時も、たいへん良い曲、たいへん素晴らしい演奏に思った。
(もちろん、MIWO約30人でのダブル・コーラス、で)

 練習を始めて。
 「Ru-」などのヴォーカリーゼをしばらくやった後、
最後に、通し。


 うわっ。
 本番1月以上先。
 しかもダブル・コーラスの片っぽだけ。

 なのに、
 なんでこんな聴いてて

トリハダ立つ(←マジ)演奏ができるんだぁ?!

 隣のyoshiも口をあんぐり開けている。

 …んで、お約束のように視線の片隅には「ワレカンセズ」で
ゲーム・ボーイに興ずるオコサマ方と、
すやすや寝に入ったオコサマたち(笑)。

 指揮を振る大谷先生御自身が
 「うーん。この曲の演奏、楽しみだねー!」というほどの演奏。
 ああっ、8月26日近くに名古屋に出張がないかなあっっ。

 (演奏会、好評の中、無事終了したそうです。)

 yoshiも
 「あの空間に自分がいたことがシアワセ」
 「感想を書くと、感動が逃げてしまいそう」

 とか掲示板に書き込みをしていたし。(…ちくしょう)

 


 17時練習終了の時、大谷先生のMIWO団員に向かって言った
 「ありがとうございました!」・・・が

 「良い音楽をありがとう!!」という実感がこもっていて、
 また感動してしまった。
 後で見学の感想を求められて、この事を言ったら。
 すかさず大谷先生マジ顔で。

 「いや。
  MIWOでは、

  「指揮者が団員にお礼を
 言わなければいけないんです!」




   ・・・オモシロイ先生だ(笑)。



 うーん。しっかし、見学して、またワケワカンなくなったぞ。
 パッと見には
 「歌える、上手い人達が揃っている合唱団なんだね。そうなのね~」
とか思って、箱にしまっちゃいそうになるけれども。でも
 「歌が上手い人達」を揃えただけでは
「MIWO」には決してならないだろう。


 なんでだろう?
 過去から今に至るまで、団をいくつかに分けて、
混声、女声、男声のアンサンブルを積極的にやっていたり。
 前指揮者のA先生や団長のS夫妻、
最初に指導をされていたコンサート・ミストレスJ子さんなどの
極め付けの「合唱バカ」(←ホメ言葉)が
何人も何人もいたせいもあるだろう。

 でも、でも。やっぱり「なぜここまでスゴイ、MIWO?」
 ・・・という疑問が残る。


 いま手元に数年前の「第13回定期演奏会」でのA先生が振った
 バッハ「主に向かって新しき歌を歌え」と
 昨年12月「第17回定期演奏会」の大谷先生が振った
同じ曲の演奏があるが。

 確かにA先生の時は、
曲の完成度・密度、緊張感は比類も無い。
 しかし、大谷先生の振る最近の演奏も、
上記の面では劣っているかもしれないが、なんというか
「伸びやかさ」があって、余裕、「あそび」が感じられる。
 良い面でのアバウトさが味になっているのだ。
 ・・・どちらも素晴らしい、と正直に思う。


 練習後、来年の記念定期演奏会の選曲の話し合いがある、と
いうことで、車に乗せていただき喫茶店へ向かう。
 私の隣には大谷先生。(ひえぇぇぇ~)
 う~む、なんて気さくに話す方なんだろう。

 「中学まではスポーツをやっていてね。
  高校から吹奏楽と合唱を始めたんだよ」…などという話を
聞かせてくださった。
 
 10人ぐらい集まった喫茶店で、
 「普段MIWOのやらない選曲をしよう!」…というテーマの元
出るわ出るわマニアックな話が(笑)。

 東京混声の委嘱曲や
 (坂本龍一の合唱曲「小説」で、
 大谷先生が村上龍:詩のキワどいセリフを言った、
 とかいう話が飛び出したり(笑)
 柴田南雄のシアター・ピースの話が出たりした。

 ちなみに再来年の演奏曲は

バッハの「ミサ曲:ロ短調」

 だそうだ!!
 
 あ~。やっぱり極め付けの「合唱バカ」が多いんだなあ、
と改めて感心した次第。



 団員のみなさんとお別れした帰り道、yoshiに感想を聞くと

 「あの場所にいた子供たち、すっごい『合唱英才教育』、ですね~」

 あははははっは!そりゃそうだ!!(笑)
 「睡眠学習」…でもあるしな~。

 
 今回はもう一人の指揮者、I先生の練習は見学できなかった。
 是非とも、もう1回見学に行って
「なぜMIWOがMIWOなのか」
少しでも解き明かしてみたい、と強く思う。


 リンク集にも載っているが
 MIWO団員のみ~さんが運営している 
 「み~さんのアクティブ・ライフ」

http://www5b.biglobe.ne.jp/~sasasan/

 団員への視線と、合唱への愛と博識さが
「これぞ練習日記の見本!」とも言える内容になっている。
 ご覧あれー!!


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 <余談ですが・・・>


 2000年12月、岐阜のサラマンカ・ホールにて行われた
MIWOの定期演奏会に、ノースの練習をサボって聴きに行った。
(・・・申し訳なかったので「演奏会感想」には載せてない)


 第1ステージのコダーイ「ミサ・ブレヴィス」を聴いていた時、
特に気持ちが昂ぶっていたわけでもないのに
突然、すーっ、と涙が目から引き出されてしまった。
 まるで体の何かの回路を押されたように、ごく自然に。

 「わわわっ、コリャなんだ?!」
 合唱を聴いて涙をする、という体験が
自分に起こるとは思っていなかったので
とてもとても驚いたのだ。


 さらに演奏会終了後。
打ち上げに同席させていただいて、盛り上がって来た時。
 演奏会プログラムの
「主に向かって新しき歌を歌え」を余興として(!)、
実に楽しそうに、心から気持ち良さそうにMIWOの団員の方々が
歌って、踊る(!)のを見て、聴いて。

 演奏が終わった瞬間、
 思わず生涯最初の
「ブラヴォー!」を捧げてしまった(笑)。


 何事も、「『初めてのコト』は忘れがたい」、と言うが。

 上記、2つの『初体験』により、
(MIWOとの)一夜は、とてもとても忘れがたい体験だ。

 ・・・あれ? なんかミョーな連想が~~??



 打ち上げも終わり、帰りの新幹線で名古屋に向かう際。
 同席していた「合唱団うたおに」の団員の方と

 「レストラン・ガイド:ミシュランの三つ星は
  『その料理を食べるために、その土地に行く価値がある』
  なんだけど、MIWOは、まさしくそうだね」
 「本当にその通りですね!」

 ・・・といった会話をしたのを覚えている。

 東京でも京都でもなく、
岐阜県大垣市、という約15万人の市に、
「合唱団MIWO」という素晴らしい団がある、というのは
本当に奇跡のような素晴らしい事だと思うのだ。



「合唱団MIWO」

合唱、というものを味わいたかったら
ぜひともこの地まで来て欲しい。

三つ星以上の満足を、お約束する。





(おわり)