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「VOX GAUDIOSA」さん訪問記その3からのリンクです。
副団長:しまこさんのご説明。
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素人の私が説明しちゃって、いいのでしょうか?
新曲を音とりする場合は、だいたい以下の手順を踏んでいます。
1)まず技術部(コンサートマスター=森永淳一氏) が中心となり、
曲全体の調性(dur,mollであるか、転調の箇所など)を説明。
2)各パートごとに分かれ、ソルミゼーション
(いわゆるコダーイ・システムによる移動ド唱法)
により楽譜を読み、音をつけていく。
(ソルミですぐに読めないところは、楽譜に階名を書きこむ、書きこむ…)
3)パートごとに音がとれたら、全パートで合わせ、歌詞つけ。
(歌詞によっては、パート練の段階でつけることもあります)
松下先生が来られない時でも、通常の団員レベルの練習で
1~3を行なうようにしています。
2のソルミゼーションによる視唱は、
移動ドに慣れないうちはたいへんですが、
各和音の中で自分の出す音の機能を理解するため、
転調や複雑な和声の展開の中でも、純正調のバランスを
崩さないようにするために、有効であるということが、
からだ(耳)を通して実感できるようになってきます。
ソルミで読むことが「目的」ではないので、そればかりにこだわらない、
というのは、先日松下先生も言われていた通りです。
たまに和音で鳴りの悪い部分があったりすると、
その部分をソルミで歌ってみて再確認する、という程度。
この時、練習を指導する人の「耳」が大事なのは、言うまでもありません。
ガウディの場合、通常練習にコン・マスの森永氏の
「耳」の良さがあることも、かなりの強みなのではないかと思います。
(彼は阪大理学部出身バリバリの理系、音楽でもかなりの理論派です)
もちろん、他にも「耳の良い」メンバーが多いこともありますが。
例えば純正の響きを保つために、こんなことをやっています。
「Sicut cervus」のラスト4小節で、ソプラノが同じ音を
ロングトーンで伸ばす部分。これは楽譜上では同じ音ですが、
実際には和音の変化に伴って機能が変わっていくので、
ラスト2・3小節めではややピッチ高めに、
ラスト1小節でやや低めに落ち着ける、というように、
微調整をして歌っています。
……でも、団員みんながみんな、こんなふうに
アタマで考えて歌ってるわけではありません。
普段から純正調の響きに慣れていくことで、
気持ちいい響きをつくるほうへ、自然に耳やからだが
反応していってるのではないでしょうか。
あと、「音感を鍛える」こととはあまり関係ないでしょうが、
普段の練習では、準備体操(柔軟)などにもっと時間をかけます。
先日は午前中からパート練で体をほぐしてあったので、
その辺はご覧いただくことができませんでした。
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しまこさん、ありがとうございました!
続いて松下先生、GAUDIOSA団員の方々へのインタビュー抜粋を。
<音楽を表現するための杖>
文吾 「『純正調』の響きをちゃんと理解している指揮者の方が
なかなか少ない、という事がありますが?」
松下先生「でもね。
ソルミゼーション、純正調、と言うことに興味を持つと
『そればっかり!』っていう指導者もいるんだよ。
それはやっぱり良くない。
ソルミゼーションや純正調は
『音楽を表現するための杖』であって。
それが『目的』になってはいけなくて。
例えば、児童合唱団に素晴らしい音程感覚で
歌う合唱団があるんだけど。
顔を見てみると!」
一同 (笑)
文吾 「(笑) 音ばっかりに気を取られてしまって」
松下先生「それではね、主客転倒なの。やっぱり。
・・・だからといって、ピアノ伴奏の曲を否定する気は
(力を込めて)『毛頭』、ないし。
それはそれで、純正調でハモる合唱にはない
音楽の良さがそこにはあるわけだし。
やっぱりそれは『バランス感覚』だね!」
(※後でお話を聞くと、無調の曲や、転調が多い曲では
『ソルミゼーション』は部分的に用いることはあるが
ピアノでの聞き覚えなどでも音取りをやるのだそう。
この辺りが、方法にこだわらず、
『音楽を表現するための杖』と言われるゆえんかな、と)