雑誌「ハンナ」の合唱劇特集に思うこと

 

 


歌・合唱・オペラに関する雑誌「ハンナ」の6月号が届きました。
なんでも今号から月刊化だとか。

http://www.chopin.co.jp/Hanna/



(試し読み)
http://viewer.morisawatcs.com/webtrial/data/10298/


 

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「マエストロの海外修行」という題で合唱指揮を学びに、
オーストリア・ウィーンへ行かれた谷郁さんと
ドイツ・マンハイムへ行かれた柳嶋耕太さんの連載が始まりました。

谷さんは昨年の
「第5回若い指揮者のための合唱指揮コンクール」で
第2位を受賞された実力派。
私もその場にいて、
谷さんの優れた音楽性に感心した思い出があります。


「第5回若い指揮者のための合唱指揮コンクール」観戦記 前編
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2016/05/21/141904



谷さんはこの連載で合唱指揮科がどういうものか説明。
柳嶋さんは合唱指揮留学の困難と実現について語り、
どちらも次回が大変楽しみです。





特集1では合唱オペラ・合唱劇を取り上げ、
栗山文昭先生を始め、
コーロ・カロスやこんにゃく座、
合唱団じゃがいもにアンサンブル・デル・クオーレといった
全国各地の団体。
萩京子さんや吉川和夫さん作曲家や
加藤直さん、しままなぶさんといった演出家による話が
興味深かったです。


聴き手としての視点から
実際に観て聴いた時の感想、
名作のお勧め紹介などや、
これから合唱劇を始めようとする
団体へのアドバイスなんかがあっても良かったかな?


私の住んでいる倉敷でも
菊村隆史先生の指揮、
作陽混声合唱団の演奏で
青島広志「星からとどいた歌」や
信長貴富「食卓一期一会」といった
シアターピースを体験したことがあります。

いわゆる「キワモノ」と見なされがちな
合唱劇、合唱オペラですが
今年のTokyo Cantat、合唱団響の演奏する
合唱オペラ「中也!」では
培った演技力が動きだけではなく
歌に確かな説得力を与えていたのが
強く記憶に残っています。

響と同じ、栗山先生を指揮者とする
コーロ・カロス団員藤田寧子さんの言葉は
演技を伴わない歌にも重要な示唆が。

 


動きと歌は別物ではありません。
動かないときでも
今自分は何を表現しているのかをより考えます。
聴く人を意識し、
動きと歌も有機的に繋がり
ホールがひとつの空間になります

 

 

 

 



www.youtube.com


千葉大学合唱団による加藤直台本・林光作曲
合唱劇「ヴィヨン笑う中世」


1分ほどだけじゃなく、
もっと長い時間で観たい質の高さ!
短い合唱劇などネットに上げて
広く知らない人へ啓蒙していただければ有難い。

実は私が合唱にハマった原因のひとつは
高校1年の時に
小樽商科大学グリークラブが演出付きで演奏した
青島広志先生の
子どもの心を忘れない人たちのための「ポール・バンヤン」
https://www.panamusica.co.jp/ja/product/3634/
だったりするのですよ。

 


合唱のいろんな可能性を見せることは
広く、多くの人をこの世界に呼び込み、
そして世界をそのものを深くするんじゃないかなあ。