【期間限定】軽井沢国際合唱フェスティバルの動画が凄い!



そんなわけで念願の軽井沢国際合唱フェスティバルに行ってきました。
ただし休みが取れなかったので聴けたのは土、日の2日間。

初めての軽井沢は清涼な空気と独特の緑の香りが相まって
なるほど、避暑地として昔から人気なだけはあるな、と。
やはり行ってみないとわからないことはありますねえ。

 

 

 

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池むこうにある会場の大賀ホール。

 



金曜日、土曜日昼の演奏を聴いた人から
「良かったよ~」と大絶賛の話を聞いて
「キーッ、くやしいッ!!」
とハンカチを噛んでいたのですが、
なんとこのイヴェント、9月4日(月)までの期間限定ですが
YouTubeでイヴェント中のほとんどの演奏を公開してるんですね!

「軽井沢国際合唱フェスティバル」

 

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ただ、あまりに演奏時間が長いので、
わたくし、文吾めが
「この合唱団の1曲はコレ!」
…という感じでいくつかお勧めいたしましょう。


まずは実際、聴けた演奏の中で
名古屋からの合唱団うぃろうさん
インド映画?音楽「Balleiakka」!

 

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演奏に中毒性があり、
さらに女性2人が出てきてからのダンスはまさにキレッキレ!!
うぃろうさん、全5曲でしたがヴァラエティに富む選曲で
「名プロデューサー伊東さん」を再認識しました。


そのまま再生を続けると
佐賀からのMODOKIは生演奏以外の音源が貴重な団体。
指揮者の山本さんが
「18禁!」という「シルエット・ロマンス」も良いですが、
やはり最初に演奏した2年前のコンクール自由曲
三善晃「かどで」をどうぞ。

 

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その山本さんと私を朝から泣かせてしまったのが
沖縄・名護ジュニアコーラス。
「こどもユースフェスタコンサート」での演奏も
もちろん良かったのですが、
ここでは「はるにれコンサート2」のトリとして
プログラムに載せていなかった松下耕先生の
「ほらね、」がとっても良かったんです!

演奏を思い返すとみなづきみのりさん詩の

「川は風と語り合っているよ
 鳥は花と触れ合っているよ
 日差しは木の葉とじゃれあっているよ
 雨は蛙と頷き合っているよ」

…を彼女らは単なる比喩ではなく、
確信をもって歌っていて。
それらの確信が
「ほらね、」と聴く自分たちに示されることで
世界の豊かさと広がりを実感してしまったことに、
思わず涙してしまったのではないか・・・。
今まで聴いたこの曲で1番の名演奏!

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実際に聴けなかった団体で評判が良かったのは
台湾から来た六亀高等学校合唱団。

台湾の先住民族も含むこの合唱団。
民族性とそれから生まれた演出。
そしてギターも使うポップさに魅了されました。
なるほど、こういう演奏なら
「多人数で歌う」合唱にも必然性があると納得。
文句なしに楽しい!

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そしてスペイン・バスクからの招待合唱団、
Landarbaso Abesbatza。

…おぉぉ、なるほど。
血で歌うというのはこういうことか。
自分自身の存在を、歌そのものが表わしているのか。
明るい音でもどこか哀しさを感じさせます…。
日本人と歌とは何か、アイディンティティとは?
…などとも考えさせる団体。

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もちろん他にも良い演奏はいっぱいあるので

みなさん、週末のお楽しみとして探してみてください!

 

 


長年、日本の合唱を聴き続けていると、
やはり飽きるというか
「またこれか…」みたいな思いに囚われることがあって。

そんな思いを吹き飛ばすのに重要なのは
海外の団体の演奏なんですよね。
「これも合唱なんだ!」
「これが表現として成立するんだ!」
「日本の合唱の癖はこれか!」みたいな。

もちろん日本の合唱を否定するんじゃなく、
そういう海外の演奏を聴いて、
また新たな気持ちで日本の合唱の魅力に気付くこともあるし。

だから宝塚国際室内合唱コンクールや
こうして軽井沢での海外団体の演奏を聴くことは、
合唱を聴き続けるために
不可欠なものと自分は考えてるんですよね。
地方じゃなかなか難しいけど。

そして、地方住まいの私以上に、
トップレベルの合唱団の指揮者・団員さんは
海外の団体を聴く機会が少ないみたいで…。
そりゃ、練習、本番が忙しくて
余暇はそれに全て使ってしまう事情はわかるんだけど・・・。

しかしこういう軽井沢での体験する声を聞いて。

海外の団体を
「…合唱って、表現って、これだよなあ、と思った」など
心からの感想を聞くと、もう、本当に嬉しいなあと。
もちろんそれが、その団体の演奏に
直接影響することはないかもしれない。
でも、何かしらの表現を考える時
「あのバスクの合唱団…」と思いを巡らせることは
絶対にプラスですよね。

30年前の日本の合唱と今を比べると
発声や集中度、緊張感がヌルい、
と批判する人もいて。
部分的には肯定する気持ちもあるけど、
自分が昔より、今の日本の合唱をより肯定したいのは、
多様性や豊かな選択肢から選ばれた音楽というものが
現状あるからなんですよね。

そういう面で、日本の合唱団が客席で
そんな海外の個性的な団体を感じられる
この軽井沢国際合唱フェスティバルは
非常に得難いイヴェントだと感じました。

あと去年の合唱演奏で一番心が奮えた、
宝塚・ラトヴィアのカメールの招待にも
松下先生が関わっていたことを知り、
本当にありがたいなあっ!と。


軽井沢国際合唱フェスティバルのさらなる発展を願います。
あ、いつか岩手大学合唱団を招待して下さったら嬉しいな!