観客賞座談会:大学ユースの部 その4




今回から印象的だった団体を出演順に語ってみます。


 





同志社グリークラブ
(男声53名)

 

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良かったよね!
レガートができていて。


うん、発声が良かったですよね。
柔らかい表現で。


朝イチが同グリで良かったと思います。


そうそう!


混声だったらソプラノは厳しかったと思うし。
男声だからこそあそこまでできたと思うな!


課題曲M3「葉月のお月」
関西弁のニュアンスが出ていましたね。


うん、語尾などにも良く表れていた。


自由曲1曲目
信長貴富作曲「独唱」
課題曲から声を変え、
明るくして凄く良かったですね。


2曲目の田中達也作曲「音速平和」
ピアノが入ったことで
ちょっと声が浅くなって届きにくかったかな。


「音速平和」から山台を1段上がったら
ピアノを越えて声が届いたのでは?


…かもしれない(笑)。


今回のホールはピアノのふた全開が正解ですね。


そうだね、ふたを開けるために
並びで真ん中を空けていた団体もあったしね。


「音速平和」、
各部の細かい箇所も丁寧に演奏していたし、
好感を持った演奏でした。



《文吾の感想》

課題曲は座談会にも出たように
さすが関西の団体ということで
音符への言葉の割り振り、
アクセントなどニュアンスが良かったです。
発声も良く、緊張感を伴った音楽。
ベースも上手く効いていて。
最後の
「それを思うとはずかしい」の「は」
男の哀感がこもっていました(笑)。
自分たちの委嘱曲だという気合と誇りが
満ち溢れていた演奏でした。

「独唱」も良い流れで
短い曲ですが余韻さえ感じさせる演奏。
「音速平和」は後半の
「空の青が空け開く」の
トップテナーが特に良かったですね。



同志社グリークラブさんの定期演奏会の広告は
明日改めていたします。











東京工業大学混声合唱団コール・クライネス
(混声127名)


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学生指揮者から岩本達明先生に
替わったということもあるんだけど
今までのクライネスのイメージとは違ったね。


女声などが今までは
声を止めていたような印象があったけど
今回はそんなことが無かった。
良かったです。


課題曲G2「Salve Regina」
もしかしたらやり過ぎかもしれないけど
この曲の持つカラー、ニュアンスを
各パートに徹底していたと思います。





自由曲2曲目のプーランク「Liberté(自由)」
フィナーレに向かっていく
高揚感があった!


そうそう! 確かに! …などの声。


結局リフレインだから
単に同じことを繰り返すだけじゃダメで、
音楽を長いスパンで捉え、
どう変化を付けるかが大事ですよね。


オスティナートをしつこくやったり、構成ね。
ああいうのは少人数では難しいから
大人数を活かした演奏だと思ったな。



《文吾の感想》

課題曲は落ち着いた柔らかな流れが良かったです。
各部の音楽の変化がキッパリ違うだけじゃなく、
その変化へ向かっていく精妙な流れがあり、
音楽が生きていた印象。

「Liberté(自由)」は
透明さを感じさせる入りがとても良く。
進むにつれ解放の喜びがどんどん湧き上がっていく…。
まさに「自由」を感じさせる、
その構成力がさすがでした。

音の重ね方、ニュアンス、そこかしこに
「プーランクらしさ」を感じさせる演奏。
私の観客賞の一票はクライネスさん!(笑)






(山口大学混声合唱団の感想に続きます)