1日目、11月24日土曜日。
昨日までは大学ユース部門に出場の団体をご紹介していました。
12:57分から13:50分まで休憩のあと、24名以下の室内合唱部門の始まりです。
もちろん全部門お勧めなのですが、こちらの部門は各団体の「やりたいこと」が強く伝わってくるのが特徴だと思います。
それぞれの団体の個性が選曲や演奏によくあらわれていて。
昨年、この部門に出場された合唱団まいさんへの座談会の感想では
私・・・泣いちゃった・・・ほんとにもう・・・。
大学生に聴かせたかったな~。
そうそう、「こういう大人になれよ!」ってね。
大人になってこんなに良い合唱をできるなんて
イイ人生じゃねえか、って。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2018/01/22/215820
大学生の中には卒業されたら仲間たちで合唱団を作られる方もいらっしゃるでしょう。
「こんな団体を目指したいな…」そんな風に思う合唱団が室内合唱部門で見つかるかも?
Photo by わふーおさん
それでは室内部門へ出場の団体をご紹介しましょう。
13:50から始まる室内部門、最初の団体は初出場のこちらの団体です!
1.福島県・東北支部代表
合唱団「櫻」
(混声17名・初出場)
初出場おめでとうございます!
指揮者は今年の全日本合唱コンクール全国大会、郡山高校合唱部で文部科学大臣賞を受賞された佐藤朋子先生。
合唱団「櫻」さんの課題曲はG1 Agnus Dei (「Mass for Four Voices」から) (William Byrd 曲)
団員の佐藤さんからメッセージをいただきました。
我々、合唱団「櫻」は、いまから10年ほど前に福島県立喜多方高校の音楽部(合唱部)のOB団として活動を始めました。
これまでに、県声楽アンサンブルコンテストおよび全国声楽アンサンブルコンテストへの参加を中心に、地域での演奏会の開催や、東日本大震災の被災者を対象にしたコンサートを行ってまいりました。
全日本コンクールへの参加は今回が初挑戦でしたが、ありがたくも全国大会への切符をいただくことができ、団員一同うれしい反面、驚愕し戸惑っております。
東北地区の代表として、恥ずかしくない演奏をしようと思っておりますが、まずは「ステージを楽しむこと」。
そして「歌うことのできる喜びを感じること」を第一に、北の大地に向かいたいと思います。
自由曲の2曲についてですが、私が歌う理由には様々な感情が表現されています。
特に、曲の最後の「苛立ち」から涙への流れは、団員の一人一人が個々に感じてきた感情の波を音に乗せて表現できればと思います。
地球へのピクニックでは、「ここで一緒に」という表現が多く歌われます。
我々は、ここで「誰と」一緒に・・・という思いを持ち、それが、一人一人の大切な誰かを思いながら歌われるべきではないかと考えます。
帰ってくるべき場所は、大切なあなたという存在であればいいな、という思い。
また、同時に「櫻」というホームとなる場所と考えてもいいのかなと思います。
ホーム感の強い「櫻」は、団員同士も距離が近く、飲み会も非常に盛り上がります。
しかしながら、職種の違いや住む地域のずれなどからなかなか練習に集まることができず、十分な時間を共有することができていないという課題もあります。
全国大会に出場させていただくにあたり、練習が不十分な面もぬぐえず、団内に温度差ができるなどして、すれ違いも起きることがありました。
それでも、我々は歌に対する熱い思いを持ち続け、数少ない練習の機会を作り、曲を練り上げています。
本番のステージでは、櫻らしい演奏で思いを伝えることができれば幸いです。
佐藤さん、ありがとうございました。
初挑戦で全国大会! 凄いですね。
合唱団「櫻」さんの生演奏は聴いたことが無いのですが、検索すると非常に良い発声で上質なアンサンブルの演奏動画を聴くことができます。
東北支部大会の感想つづき。
— 鯖 (@Thavatter) October 2, 2018
室内部門も良い演奏続きで楽しかった。
合唱団「櫻」は自由曲(地球へのバラード)が素晴らしかった。地球へのピクニック、こんな少人数で聴くのは初めてだけどハーモニーの充実度も響きの豊かさも見事。何より、声が艶やかでとても美しい。
このような感想も。
これは期待してしまいますね。
また、佐藤先生が指揮された郡山高校合唱部の今年の選曲は、同じ三善晃先生の「私が歌う理由」と「やじろべえ」!
佐藤先生は三善作品が十八番という情報も。
初出場の喜びと、仲間とともに歌う喜び。
「地球へのピクニック」での「ここで一緒に」という詩に、櫻さん団員それぞれの想いが強くこもった演奏が聴けそうです。
続いては私の住んでいる倉敷からの代表団体です!
2.岡山県・中国支部代表
倉敷少年少女合唱団
(女声24名・2年ぶりの出場・第69回大会から2回目の出場)
過去に福島県で行われた声楽アンサンブルコンテスト全国大会で、金賞を受賞された実力ある団体。
独唱のコンテストでも入賞されている団員さんが何人もいらっしゃって、声楽的にも非常に練られた団体です。
2年前の全国大会では観客賞4位。
自由曲にナンシー・テルファー「Kyrie」、ヨーゼフ・ヴォルフガング・ツィーグラー「Gloria」を演奏し、「自由曲も始まりから並大抵では無い緊張感が持続し、ダイナミクスの設計、それぞれの音色も変え、良く考えられていた演奏だったと思います」
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2016/12/25/194042
今年5月に行われたCORO MIWO JOINT CONCERTでも賛助出演され、「ビーブルは揺るぎない響きと和音、ジェンジェシはリズムと表現のメリハリを付けての好演」などと感想を残していました。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2018/06/06/203421
指揮者の難波夕鼓先生からメッセージをいただきました。
【団紹介】
美しい白壁の街、岡山県倉敷市で、園児~大学生の140名が楽しく活動。
美しい発声を目指して声楽にも取り組み、卒団生には‘14全日本高校1位のカウンターテナーもいます。
定演では「キャッツ」「ライオンキング」等、ミュージカル曲にも挑戦し、8年で団員が100名増加。
今回は小学生~大学生の選抜24名が出場します。
全国大会へは、一昨年の鳥取に続いて、2回目。
昨年は子ども達、ディズニ…いえ、東京大会を僅差で逃し、涙。
今年は県大会で予想外の大賞も頂き、夢の北海道が現実となりました!
初めての全国では何もわからず、ただ素晴らしい演奏に圧倒され、皆様の温かい雰囲気に、またこの世界に参加したいと強く思いました。
夢が叶った2回目は、新しい何かをつかめればと、皆、出発を心待ちにしています。
ミュージカル「キャッツ」よりラム・タム・タガー(ツッパリ猫)
おお、これは!
MIWO JOINT CONCERTでは「オペラ座の怪人」も振り付けで演奏されていたのですが、かなり様になっていました!
それもこのように本格的なステージの経験があるからなのですね。
【曲紹介】
課題曲F4「雪」は、他の団と少し解釈が違うのかもしれません。
祭、和風の響き、いなせな格好良さをお楽しみ頂けたら幸いです。
真夏の県大会から始まり、初冬の今こそ北海道で「雪」を響かせます!
自由曲、Cantate Dominoは、プロムジカ女声合唱団の演奏で有名。
当団の子どもたちも大好きなLevente Gyöngyösiの曲です。
今年のアンコン全国でも、タンバリン伴奏のLaudate Dominumに生き生きと取り組み、本選にあと一歩!と迫れた為、子どもから大人にかわる今だけしかない清々しい声にあった作曲家なのでは…と密かに思っています。
地球に寄り添って~センス・オブ・ワンダー~は美しく壮大な曲です。
コンクールで取り上げることに迷いがありましたが、子どもたちに相応しい美しく情感豊かな曲に取り組みたく選曲しました。
県大会では審査して下さった作曲者の鈴木憲夫先生から「言うことが無い!」と信じられない嬉しいお言葉を頂け、皆、ホッと一安心。
豪雨被災した団員にも思いをはせ、自然への驚異を皆様に少しでもお伝えできればと思います。
難波先生、ありがとうございました。
同じ倉敷在住として応援しております!
そして、倉敷はあまり雪が降りませんからね~。
札幌での「雪」が課題曲の演奏に力を与えてくれることを願っています。
ジェンジェシも倉敷少年少女さんはリズムの良さが光っていたので楽しみです。
鈴木憲夫先生の「地球に寄り添って~センス・オブ・ワンダー~」はこういう一般のコンクールではなかなか聴けない曲。
そういえば、昨年の軽井沢国際合唱フェスティバルで沖縄・名護ジュニアコーラスさんが演奏される松下耕先生の「ほらね、」を聴いたのですが、「地球に寄り添って」と同じ、自然に命を感じるという歌詞に歌い手さんの本当の実感があり、泣けてしまったのを思い出しました。
難波先生の仰る「子どもから大人にかわる今だけしかない清々しい声」…きっとそのような時にしか出せない声、表現があるのでしょう。
倉敷少年少女合唱団のみなさんが風や雨、そして森や波と海、まさに地球に寄り添った、本当に実感ある演奏を聴かせて下さることを期待しております。
(明日に続きます)