観客賞スポットライト 混声合唱部門 その4

 

 

 

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札幌ホワイトイルミネーション。
今年は11月22日木曜日から!






今週に入って、急に冷え込んできましたね。
そこで毎年恒例?某合唱団MLに流れた看護師さんたちの
「なんちゃって健康のお便り」をご紹介します。



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最近、急に寒くなり、朝晩暖房を入れたり、自販機のあったか~い飲み物が急激に増える季節ではありますが・・・。
年末を控え残業が増え、ストレスがたまりやすく風邪をひいたり体調が崩れやすい季節でもあります。
しかしこれからコンクール、演奏会と盛り沢山!
風邪をひいてる場合ではありません。
そこで少しでもよいコンディションにもっていけるようこのメールで誘導して参ります。


1、寒さを凌ぐ

外出時に首周りは冷やさないようにしてると思いますが、注目は足元です。
特に女性は筋肉量が男性に比べ、少ないことも多く冷えやすいです。
足を冷やすと自ずと心臓に戻る血液も冷えます。
その間、通る内臓も冷やしてしまいます。
体の冷えは万病の元とも言われますし、コンクールは北海道です。
当日に向けて日々の服装から注意してみてはいかがでしょうか。
※男性も靴下の穴にご注意を!


体を内側から温めましょう。
鍋が美味しい季節になってきました。
お野菜の値段も少し落ち着き、買い時です。
飲み会のときのお鍋はグツグツさせすぎるのが常ですが、美味しく食べてください。
アク取りもポイントですね。
生姜やニンニク、ねぎたっぷり。
唐辛子などピリリと効かせて・・・ですが、取りすぎは注意です。
刺激のある食べ物やアルコールの摂取は、喉の炎症が酷いときなどは控えましょう。


ストレスは溜めないで下さい。
精神的なストレスは自律神経の働きを乱し、エネルギーの生成を阻害します。
まずは練習でいい音楽にどっぷり浸ってストレスを軽減させてください。
仕事で疲弊したあとの平日練習のあと、なんだか軽い足取りで帰宅出来てませんか?
そんな人は練習のついでにストレスも解消出来てる?!
練習で困ったことがあった時は帰り道に解決!
ぜひ◯◯さんに相談してみてください。
(◯◯はこのメールを読んでいる際につい入れてしまったあの人…の名前です。みなさんきっといます)



2、良い睡眠をとる!

皆さん色々快眠対策をされているとは思いますが・・・。
寒くなってきましたし、湯船につかって血液の循環を良くして凝り固まった筋肉をほぐしてから寝ましょう。

良い睡眠で スッキリとした脳に入ってくる音楽は、寝不足の日に聞こえてくる音楽の何倍も質が良いはずです。
通勤中に聴く練習録音もハッキリと聞こえてきます。
しっかりほぐれたからだ全体を使ってバンバン歌いましょう!
なんだか合わなかったピッチやテンポもバッチリ合うようになるはずです。
全国会前日はきっと皆さんホテルですよね?
じゃんじゃんお湯を使いましょう。
きっとホテル代は変わりません。
そして、ご存知とは思いますがアルコール、栄養ドリンクやコーヒー紅茶烏龍茶などカフェインの入ったものを寝る前にとると、中々眠れなくなる、眠っても体が休まらないなどの影響かあります。
そんなときはお砂糖一つ入れたチンしたあたたかい麦茶やおしゃれにハーブティーを飲んでみてください。
きっと快眠効果あります。





3、喉を休める。耳を休める。

風邪などで声枯れまでしているとき、喉が痛くて声が出ないときなどは、歌わなくても音が聴こえると、声帯やその周囲の筋肉は反応して、歌わなくても歌っているように動いてしまいます。
歌ってないのにのどを疲れさせるなんて悲しいです。
声帯を休めたい、喉を休めたいときは、音をイヤホンなどでシャットアウトするのも手です。
そんなことしてたらみんなに迷惑をかける・・・と心配な方へ朗報です。
音を制限し耳をすます時間を作ると聞こえが良くなることがあります。
朝の通勤時間など、危険がない範囲で周囲の雑音をイヤホンなどでシャットアウトして、無音に近い時間を過ごしてみてください。
しばらくしてイヤホンを外すと、いつもより周りの音が大きく聞こえたり、いつもは聞こえなかった新鮮な音が聞こえたりするはずです。
練習前などに行って、後ろで歌ってる人の声や、隣の隣の人の声までよく聴こえたら・・・より音楽の幅が広がるかもしれません。

喉の炎症を治すために薬を飲まれているかたがほとんどと思いますが、その他に緑の濃い野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)・鮪や鯖や秋刀魚など脂がのってるお魚、オリーブオイル、ブルーベリー・ラズベリーなどの果物に抗炎症作用が期待できます。




ここまで読まれて、明日の音楽が変わりそうな予感がしていただけたら…と思います。
コンクールではぜひ素敵な音楽を全世界の皆さんにお届けしてきて下さい。

なんちゃって看護師会より

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なんちゃって看護師会のみなさん、ありがとうございました。
元気で北海道へ向かいたいものですね!






17分の休憩後、混声合唱部門の後半の始まりです。
地元:札幌の合唱団が登場!


 


8.北海道・北海道支部代表

Baum

(65名・5年連続出場・第64回大会以来7回目の出場)



Baumさんは2009年に札幌で創立。
指揮は同声部門で出場の、HBC少年少女合唱団シニアクラスも指揮される大木秀一先生。
大木先生は札幌の名門合唱部、札幌旭丘高校の指揮者を一昨年までされていました。

Baumの団員さんは大木先生のもとに集まった人たちで、完全な札幌旭丘高OB合唱団というわけでは無いそうです。
団名のBaumはドイツ語で「木」の意味。
大「木」先生を慕い集まって作られたことによる団名なのでしょう。


Baumさんの今年の課題曲は
G2 Chor der Engel(Johann Wolfgang von Goethe 詩/Franz Schubert 曲)
自由曲はEric Whitacre「Three flower songs」より「1. I hide myself(自らを潜ませ)」
Ivo Antognini「There will come soft rains(やわらかい雨がやってきて)」

しっとりした美しさのウィテカーの作品。
そして自由曲2曲目のアントニーニの作品は、2年まえに新潟大学合唱団さんが演奏されていて、ジャズ風味のリズム、ハーモニー、口笛が効果的に使われたオシャレな曲です。
アントニーニ作品はHBCさんでも選曲されており、さらに昨年のBaumさんでも「Canticum Novum」を演奏されています。
大木先生、お気に入りの作曲家のようですね。

 

 

 

そしてなんとBaumさんHPによれば地震の影響により定期演奏会を延期し、この全国大会の一週間後に開催される予定とか。


2018年9月9日(日)キタラ小ホールにて、定期演奏会を行う予定でしたが、胆振東部地震に伴い、延期になりました。
2018年12月1日(土)キタラ小ホールにて開演予定です(18:30開場、19:00開演)。
皆様のお越しをお待ちしております。

 


コンクールで「勝負!」よりは癒しの優しい選曲をされるBaumさん。
聴く者と、そして自らを演奏で慰め、私たちの拍手で演奏会へ向かわれますよう。



 



そして九州からふたたび言葉の魔術師が!







9.福岡県・九州支部代表

混声合唱団うたうたい

(47名・第66回大会以来6年連続出場)

 


同声合唱部門、大阪からのメンズ・ウィードさんと同じ高嶋昌二先生を指揮者に抱く結成10年目の団体。
今年の2月に第2回目となる演奏会を開催されたそうです。

昨年の座談会では


課題曲の「子どもは……」、
やはり高嶋先生だけあって
助詞にも気を配ってたね。

フレーズと語感の結び付きが良かった!

自由曲の信長先生「人さし指秘抄」も
フレーズの始まりが良かった。

力感がフレーズにありましたね。

気怠い感じが出ていたね。
2曲目の「ヒスイ」も良い流れを作っていて。

繰り返しの曲だけど、工夫していましたね。
テノールの声の浮かせ方が良かったな。

 

http://bungo618.hatenablog.com/entry/2018/03/30/113807


今年の演奏曲は
課題曲G3 まいまい(「12のインヴェンション」から)(間宮芳生 曲)
自由曲:千原英喜「Agnus Dei = 空海・真言・絶唱」

おお、この自由曲は今年も大学ユース部門に出場の、ジュニア&ユースコーラス”Raw-Ore”さんが昨年初出場で、観客賞1位を受賞した曲じゃないですか!

 

 

Raw-Oreさんの演奏は若々しさが魅力でしたが、やや年代が上のうたうたいさん。
言葉にこだわりがある名匠:高嶋先生ということもあり、同じ曲でも、きっと違った魅力を聴かせて下さることでしょう。



 


続いては知性に秀でた実力合唱団の登場です。




 

 

 




10.愛知県・中部支部代表

岡崎混声合唱団


(77名・2年連続の出場・第57回大会以来13回目の出場
 岡崎高校コーラス部OB合唱団も含めると
 第49回大会以来15回目の出場)




母体は今年も全国大会へ出場された岡崎高校コーラス部という実力合唱団。
昨年の座談会では


全体に安定感がさすがでしたね。

課題曲「子どもは……」は安定に加え
力強さも感じられました。

自由曲Krzysztof Penderecki作曲
「Иже херувимы(ケルビムの歌)」は
男声の語りがとても説得力あって。

フォルテッシモのクラスター、
音の壁がドーンと出てきた!

クラスターからピアニッシモで
テノールが出る箇所があったでしょう。
あの繊細さが素晴らしかったな。

フォルテッシモで高い音域でも崩れない。
そういうところに技術の高さを感じました。

バスの「アリルイヤ」、
低音で重ねていくところ、ゾクソクと!

凄く短く感じた演奏でした。

 

http://bungo618.hatenablog.com/entry/2018/03/30/113807


このように安定した実力で優れた演奏を聴かせて下さる団体です。
さて、今年の演奏曲は?

団員さんからメッセージをいただきました。

 


今年も我が団をご紹介いただきありがとうございます。
この場をお借りしまして演奏曲について書かせていただきます。


課題曲
間宮芳生 作曲「12のインヴェンション」より『まいまい』

「12のインヴェンション」は3年前のコンクールでも選曲しました。
日本の民謡を歌うというのは、その地の風景を感じその地に暮らす人々を知るということと言えます。
『まいまい』では富山の山村、春・冬の情景が描かれます。
平家の落人伝説も伝わるこの地の、うたの源流にある「雅」。
その雅さを表出したい、優雅さを感じて歌いたいと思います。

 


自由曲
三善晃 作曲「嫁ぐ娘に」より『戦いの日日』『かどで』

私たちは委嘱作品を含め三善先生の作品を多数歌ってきました(ここ10年の定期演奏会では8回、三善先生の作品を歌っています)。
先生の作品にのめり込むきっかけとなったのは、1994年、愛知県で開催された「わかしゃち国体」。
三善先生作詩作曲の式典曲などを我が団の指揮者、近藤惠子先生が県内の様々な合唱団へ教え回ったことがきっかけで三善先生とのお手紙のやりとりが始まりました。
三善先生からの直筆のお便りが団員にも回覧されたことで、「私たちの先生」という意識が団員の中に芽生え、先生の作品から伝わるメッセージをプレゼントと思い大切に大切に歌い継いできました。
第40回記念定期演奏会を控え、年代的に親の立場となる団員も多くなった今だからこそ「償われることも限られることもない」親子の愛を歌う三善先生のこの作品を、と選曲しました。
岡崎混声合唱団として、コンクールの自由曲で先生の作品を演奏するのは今回が初めて。
この曲をどのように歌い表現したら良いか自らに問い続け、作品と向き合いました。
繰り返し繰り返し歌うたびに、楽譜に溢れ出す三善先生の愛に導かれてきました。
作品に込められた願いや想いを「訴う」演奏をお届けします。

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今年3月に開催された定期演奏会の写真ということ。




団員さん、ありがとうございました。
私が知らなかった三善先生と近藤先生、そして岡崎混声合唱団さんとの心の繋がり。
「私たちの先生」と大事に思われる気持ちが、こちらにも伝わってきました。

「嫁ぐ娘に」は娘が生まれた時から、嫁ぎ、家を出るまでを描いた、高田敏子さんの詩がテキストになっています。
三善先生は、母である高田敏子さんがご自分の娘さんへ送る詩に(当時独身で男でもある自分が)作曲することに不安だったと記していましたが、続けて。

 


これは、高田さん母娘の真情の絆ではあろう、が、高田さんの言葉がその「個」の情感を経る前にここに、ひとりの人間の祈りがある。 
高田さんは、お嬢さんへの語りかけを通じてそれを綴ったのだ。

 

 

と書かれています。
親子の愛、三善先生の愛、そして、ひとりの人間の祈り・・・。

団員さんからいただいたメッセージはこう結ばれていました。

作品に込められた願いや想いを「訴う」演奏をお届けします。

「歌う」の語源は「訴う」という説があります。
コンクール自由曲として初めて演奏される、大事な三善先生の作品。
どうかみなさんの思いの丈を、ぞんぶんに歌い、訴えて欲しいと思います。



(明日に続きます)