観客賞座談会・室内合唱の部 その1

 



今回から観客賞座談会は室内合唱部門!
まず第6位、同率第4位の2団体の感想を。

 

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札幌豊平館


 


6位 

 

合唱団「い~すたん」

 

(混声24名)

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一同 拍手!


良かったです! メチャクチャ良かった!
い~すたんだけ泣きました! …など口々に。


なんと言っても沖縄の曲で揃えた自由曲ですよね。


そう! 沖縄の人が作る音楽がありました。


琉球音階が身体から発せられた気がして!


一同 うんうん。


やっぱりすごくしっくりきた演奏でした。


中村透「雨たぼり」の男性「ハーリー」良かったですよ。


一同 「ハーリー!」「ハーリー!!」(笑)


…ところで「ハーリー」ってどういう意味なの?


雨乞いの掛け声のような意味かな(笑)。


2曲目の瑞慶覧尚子「じんじん(ほたる)」が好きでした!


そうだね、「じんじん」も良かった。
一人一人の響きの厚みが他団体とは違っていたなあ。


張り上げる、押し付ける強さじゃないんだけど、
アンサンブルがすごくシンフォニックに鳴っていて。
良い意味で24人の合唱とは思えない。
人の声を聴く、素朴で根源的な愉しみがありました。


息の使い方がすごく上手で
立体感がありましたね。


音から歌い手のみなさんの人柄というか
誠実に丁寧に歌っているのが伝わってきました。
それだけでうるっと来たのが…。


うん、メチャクチャ好きな曲を歌っている!
それが伝わって好感を持ちましたよ。


こういう一般合唱団良いよね!


一同 そうですね、そう思いました、など口々に。



《文吾の感想》

課題曲G3はちょっと他団体では聴けない熱い音が迫ってくる!
自由曲の「雨たぼり」は最初に女性の声が発せられると
巫女が支配する沖縄の聖地にホールが変わったような。
太い音の男声がさらに力を与えていました。
「じんじん」は緊張感を良く保ち、
ピアノの入りも素晴らしく。
ほたるが明滅するような錯覚になるほど。


ツイッターの投票では

 

明るく伸びやかで立体感のある音楽でした。

 

こんないい合唱団が沖縄にあったとは…沖縄の合唱団による沖縄の音楽、最高でした。


…という感想がありました。







続いて同率第4 出演順に。まず


Chor Doma

(混声22名)

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良かったです!


どんどん実力を上げている感じ!


指揮者がいない、男女混ざった、
あの半円一列のアンサンブル。
歌い手同士がちゃんとコミュニケーションを
取っていましたね。


室内合唱だと、
そこがキモだと思うんですよ!
歌い手同士が世界を作って、
アイコンタクトでコミュニケーションを取っている。
Domaはそれができていました。


横にいるだけであんなに良く合うわー、って(笑)。


自由曲のローリゼン「Chanson Éloignée(遠い歌)」
選曲がドはまりした感じ!


私にはこの曲、難しくって
耳に和音がついていかなかった・・・。


一同 苦笑。


でも終止の和音とタイミングがあれだけ合うのは
各々、ひとりひとりの中で
音楽を感じているからだと思うな。


そう! 音楽を作っているという点で
Domaはレベルが高かったし
聴いてて気持ち良かった!


課題曲では指揮者がいないので
少しだけ停滞した感じがあったけど、
自由曲ではそれが逆に良かったよね。


初の金賞でしょ?
もう指揮者の寺田有吾先生に
足を向けて寝られなーい!(笑)


急にどうした?(笑)


いや、大学の後輩なもんで(笑)。
すごいよね寺田先生、金賞3位。
瞬間風速的にまいの雨森先生を超えた!!


寺田先生は実際振ってないから
カウントしないであげて(笑)。



《文吾の感想》

課題曲G1は広がりのある声で
明るく、生の肯定感にあふれ、
そして切なさも感じさせる演奏。
自由曲は一体感と共に
ローリゼンのフランス音楽、
たゆたうような感じが良く出ていました。
さらに後半は迫って「聴かせる」意欲が!
初の金賞おめでとうございます。




ツイッターの感想では

 

Domaの爽やかさが印象に残りました。

 

ハーモニーの立体感がよかったです。
また、ローリゼンを歌いたくなりました。

 

緊張感ある和音と繊細なピアノ系が職人技でした!
とっても綺麗でした。


…という感想がありました。







同率第4、続いては



女声合唱団ソレイユ

(女声22名)

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圧倒的!


一同 そうだよねー! 
   王者、殿堂入りですよね、などと口々に。


聴いた瞬間に
はい金賞シード決定!」みたいな。


一同(笑)。


課題曲F3の麦藁帽子だって
愛唱曲として歌われる作品でもあるけど、
それをすごく上品に
「あ、こんな曲なんだ!」


「こうしてちゃんと聴かせられるんだ!」ってね。
地力の高さを見せつけられました。


自由曲のF.シュミット
ピアノの白鳥佳先生が素晴らしかった。


2曲目の「Málefice(マレフィス)」ってどういう意味?


「呪文」、かな?


やっぱり!
なんか魔法過ぎてヤバかったもん!
「あ、樋口先生が魔女なんだなー」って!


一同(笑)


(失礼じゃない?との声に応えて)
いやいや、団員さんは白いドレス、
樋口先生は黒い服を召されていたので
「ひぐちマジックー!」みたいな(笑)。


何歌ってもソレイユ色に染めてくれるんだけど
しっくりくるんだよね。


豊かな音色(ねいろ)と引き出しの多さが
やはり素晴らしい。


自由自在だよね。


ソレイユさんの自由曲の声が
あまりに凄すぎて、超華やかな
「響きのミルフィーユ感」が!!


…なにそのグルメリポーターみたいな。


一同 「響きのミルフィーユや~~~!!!」(笑)



《文吾の感想》

「響きのミルフィーユ」ってなんなのか、
突っ込んだら負けなんだろうな・・・。

麦藁帽子は輝き、艶のある声が活きた音楽。
言葉の自然な抑揚も素晴らしかったです。
「それらの花が咲きにおうとき」から
周りを花に囲まれるような!(笑)
いや、この作品の高音域を美しく聴かせるのは
大変難易度が高いと思うのですが
余裕さえ感じさせる演奏で、
イメージが一瞬にして広がりました。
この課題曲の個人的なベストはソレイユさん!

自由曲はさらに気合の入った強い声。
ピアニッシモからフォルテッシモまで、
同じフレーズで歌い方を変えても崩れない安定感。
2曲目は白鳥先生のピアノにうっとり…。
速いテンポでのフランス音楽、
リズムの力感をこれまた高レベルで演奏されていました。



ツイッターの投票では

 

先ずはソレイユ。やはり圧巻!!

 

ソレイユの安定感抜群の演奏が印象に残りました。



メールの投票では

別格の快演。
納得の麦藁帽子、自由曲も、各パートとも主張しつつ、決め所はしっかりとハーモニーもしっかりと鳴っていて、素晴らしかった。


…という感想がありました。




(第3位の感想に続きます)