観客賞座談会・室内合唱の部 その2

 



観客賞座談会、室内合唱部門の続きです。
今回は第3位と第2位の2団体の感想を。

 

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札幌Kitaraホール

 




観客賞第3


倉敷少年少女合唱団

(女声24名)

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課題曲F4の「雪」
最初の一声でわっと世界を作って
良かったですね。


あんな可愛いのに大人寄りの立派な声で!
ギャップが凄かったです(笑)。


細かい所がちゃんと聞こえてきて、
それがすごく良い効果を与えていたね。


音像がしっかり作られていた印象です。


自由曲:ジェンジェシ「Cantate Domino」
指揮者の難波先生の下、
リズムもフレーズもしっかり統率された演奏!


そして、続いての鈴木憲夫
「地球に寄り添って~センスオブワンダー~」ですよ!


全国大会の場でこの曲を聴くって、不思議な感じ(笑)。


いや、小中学生の演奏をさんざん聞いてきたけど、
今日の倉敷の演奏が一番!


そうそう!
ネットでもいろいろ聴いた曲なんだけど
この曲をここまで仕上げたのは凄いと思ったな。
まるで違った曲に聞こえた!


彼ら彼女たちの等身大の良さが出ていましたね。


発声の素晴らしさもあるけど、
曲の良さを最大限伝えられる団体だと思って。
この曲、ちょっとやってみたいな…
と思うぐらい、作品の魅力が伝わってきました。



《文吾の感想》

最初から強く鳴る声がホールに響き渡ります。
「雪」は音楽の流れが気持ち良く、
「Cantate Domino」はさらに声が輝き!
リズムが軽やかに跳ね、小気味良い演奏。
続いての「地球に寄り添って」
感情だけで歌ってしまいそうな作品なんですが、
フレーズを繋ぎ、響きと和音にも繊細な配慮があり。
そして一心に集中した「地球に寄り添えば…」のフレーズ。
私、ここでつい涙腺が緩みました。
座談会にもありましたが、
倉敷少年少女のみなさんの風や雨、
海や地球、そして宇宙を感じる等身大の「ワンダー」が
聴く者に伝わった演奏だと思いました。


ツイッターの投票では 

 

 アルトがしっかり鳴って和音が心地よかった。

  

圧倒的に美しく純粋な声。
心が洗われました。 

  

課題曲F4、入りからしびれました。
非常に整った発声で、素晴らしかったです!!
自由曲の2曲目は思わず涙ぐんでしまいました…

 
…という感想がありました。

 

 

 

 

 

 



続いて2位!








Delmo

(混声24名)

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泣いた! 泣けました!! (…と次々に)


文吾 ごめんなさい!
   課題曲の感想からお願いします!(笑)


初めて聴く合唱団なんですけど、
課題曲G3の「まいまい」
すごく整っていて上手いな、
歌い手同士のアイコンタクトができていて、
室内合唱のアンサンブルっぽいなあ、と。


指揮者がいないアンサンブルで
団員同士の密なコミュニケーションを
感じましたね。


指揮者無しであそこまですごい演奏と音楽!
だってチカマツはさぁ…
もう言っていいですか?


文吾 どうぞ(笑)。


自由曲:千原英喜「ラプソディー・イン・チカマツ」から
「貮の段」なんですけど、とにかく凄い!
団員全員から熱い歌がほとばしる!!


ソプラノの抒情的な歌い方も良かったですよねー。


「この世の名残」の箇所、
泣きの声が美しかったですね。
素晴らしかった。


あそこは本当にしみじみと感じてしまって。
今思い出しても「…じーん」となる(笑)。


パートがバラバラで、
さらに移動して歌っていたじゃないですか。
ホールの良さがあったかもしれないけど、
360度全体から聴こえるような
錯覚があって面白かった(笑)。


最後の刃傷沙汰の場面、
実際に刃物を取り出しての演技だったけど、
ちょっと違和感が無かった?
あそこだけ浮いていたような。


そうかな?
クライマックスだから
ああいう風な演出にしたんだと感じたけど。


過去の名演、
大久保混声や合唱団あるの全部が派手な演出!じゃなくて、
あそこだけピンポイントなのも良いんじゃない?
それにしても迫真の演技だったね!


そう! 本当に刺すんじゃないかと思って
ドキドキしちゃいました!!


正面から見たら「危ない!」と思ったかもしれないけど、
実は横から見ると男性の正面から
ちょっとズレていたので大丈夫(笑)。


いやぁそれにしても、
久しぶりに聴いたけど良い曲だよね「チカマツ」!


うん、千原先生の作品ではこの曲と「おらしょII」は
百年後にも残るんじゃないかな。


名曲を名曲と思わせる名演でしたね。
初出場でよくぞこれほどの演奏を!


目まぐるしく変わる音楽を
幅広く深い表現力で濃密に表現し尽してました。
この短い時間で、
人生そのものを味わったような得難い演奏。
聴きながら涙が出ましたよ。



《文吾の感想》

課題曲G3は半円一列になった並びから
非常に整い、聴き合った響きが。
高いポジションで発せられるその歌は、
単に合っているというだけではなく、
団員さんひとりひとりの歌が表れていました。

「チカマツ」は聴く前までは
(この曲を指揮者無しで…大丈夫?)と
不安を感じていたのですが
その不安は見事に覆されました。
座談会でも触れられていた熱い表現はもちろんですが
感心したのは指揮者無しのアンサンブルでは
停滞しがちな音楽の流れが、非常に良いテンポで、
推進力まで感じさせるものだったことです。
2003年の大久保混声合唱団、
2006年の合唱団あるの演奏に続く、
この曲の名演奏だったと思います。


ツイッターの投票では

 

歌い手同士のコミュニケーションの精度が高く、音楽の共有が高いレベルで実現していると思いました。

 

指揮者なしで全員が主体的に音楽をしているのが伝わって、選曲も相まってアツイ演奏でした。
いい合唱団だなぁと思いました。。。

  

 「全身全霊」と言ったらいいのか分からないけど、すごく心に響いて
気づいたらボロボロ泣いていました

 

メールの投票では

 

新しい近松を聞かせてくれました。
室内合唱表現もいいですね。

  

その若さでしかできない演出をしましたね、という印象でした。
まさかここまでされるとは。
一番最後のには数十秒間鳥肌が止まりませんでした。

 
…という感想がありました。



(観客賞室内合唱部門・第1位に続きます)