観客賞スポットライト 大学ユース部門 その2



今回は観客賞の投票についてご説明します。



参加資格:
「大学ユース部門」「室内合唱部門」
「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
それぞれ全団体を聴いていること。
(その部門の出演者は投票できません)



投票方法は2つあります。


1)ツイッターによる投票

ご自分のツイッターアカウントで「大学ユース部門」ならハッシュタグ 

#大学ユース19

を付けて
23日大学ユースの部終演(予定13:19)から審査発表前の18:00までに良かった2団体を書いてツイート。


その際、各団体の後に感想を書いていただけると大変嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので正確にお願いします!


ツイート投票の例:

 

 ●●大学合唱団 熱い演奏に燃えました!
 合唱団▲▲ 密なアンサンブルと笑顔が良かったです。#大学ユース19

 





ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間はツイッターでの投票と同じです。


いかがでしょうか?
結果は後日、このブログで発表したいと思います。
みなさんのご協力あっての観客賞。
たくさんのご投票をよろしくお願いします!

 

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嵐山竹林 いよさん撮影。



今日も2団体をご紹介します。
学生指揮者さんで毎年、個性豊かな演奏を聴かせてくれる団体と言えば?

 

 

 


3.愛媛県・四国支部代表

愛媛大学合唱団


(混声57名・3年連続出場・第30回大会からでは30回の出場)


昨年は千原英喜「II.新しい風のように、爽やかな星雲のように」では、多くの団員さんが歌いながら手がリズムに合わせて動くほど、熱く思い入れたっぷりに演奏してくれた愛媛大さん。
コンクールでは毎年学生指揮者さんで出場され、指揮者と歌い手が一丸となっての演奏が魅力です。

今年は何を選曲されたのでしょうか?
学生指揮者の渡邉さんからメッセージをいただきました。 

 

 

愛媛大学合唱団です!
今年も掲載させていただけて非常に光栄です!

今年は昨年、一昨年と違い、課題曲にG2を選択致しました。
「Ensam i dunkla skogarnas famn」はフィンランドの厳しくも豊かな自然が色彩豊かに描かれた作品です。
曲の背景にはスウェーデンにルーツを持つシベリウスの、民族アイデンティティを感じることができます。
未来を見据える若き日のシベリウスが書いたこの作品を、未来ある大学生のサウンドに乗せてお届け致します。

自由曲には、信長貴富先生の混声合唱組曲「ねがいごと」より「夏のえぐり」を持ってきています。
詩人・木島始さんが、終戦を迎えた17歳当時のリアルを強い言葉にのせた詩であり、音楽としても当時の木島さんの心情が叫びのように描かれています。
曲中には信長先生の作品の1つである、「とむらいのあとは」(混声合唱とピアノのための組曲「初心のうた」より)の旋律が引用され、レクイエムとしての側面も持ち合わせています。
一見、共通項のない2曲のように思いますが、私たちはその背景に「抑圧」を見出しています。
課題曲は帝政ロシアからの独立、自由曲は第二次世界大戦とそこから生み出された国民意識の転換。
どちらも苦しい状況から抜け出し、「自分」というものを確立しようとする若者がいました。
それを現代の若者が表現しようともがくことに、意味があると感じています。

今年は3年連続の全国大会出場ということで、昨年までとはまた違ったプレッシャーもありますが、臆することなく、この舞台を楽しんでいきます。
そして、より多くの観客の方に愛媛大学合唱団の音楽を楽しんでいただき、愛していただけるように、精いっぱい演奏したいと思います。
我々の魂からの“叫び”が皆さんの心をえぐりますように。

 

 

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愛媛県大会で演奏した直後に撮影したものということ。

 

 


ありがとうございました。
渡邉さんが書かれたように、「夏のえぐり」は木島始氏の「終戦を迎えた17歳当時のリアル」であり、広島での被爆者看護の体験をテキストにしたものです。
作曲された信長貴富先生もご自身を被爆2世と公言されています。
「戦争に対する思い、マイノリティーへのまなざしなど現在の私の作曲姿勢の根本がここにあります。」

課題曲はシベリウス23歳の時の作品だそうです。
課題曲の作曲者、自由曲の詩人共に、息苦しい時代にいた若人。
渡邉さんが書かれるように抑圧から抜け出し、自分を確立しようとしていたという共通項の視点に共感します。
そして「現代の若者が表現しようともがくことに、意味がある」ということにも。

遠い時代、離れた場所に想像力の翼を飛ばし、想像したことを魂まで染みさせることは若人の特権です。
愛媛大のみなさんが作品を通じて出た叫びが、聴く私たちに届くことを願っています。








愛媛大に続き、こちらも学生指揮者さんの団体です。

 

 



4.山口県・中国支部代表

山口大学混声合唱団
https://www.facebook.com/YamaguchiUniversityMixedChorus

(混声46名・2年ぶり・第30回大会から16回目の出場)



2年前の出場時では

「プーランクに泣けてしまった」
「全体に曲の雰囲気を上手くつかんでいた演奏だった」
「彼らなりの本当に訴えたい、等身大の仲間内で創り上げる音楽が伝わってきた」

…などという感想がありました。


山口大学混声合唱団の部長:宇髙さんからメッセージをいただきました。

 


山口大学混声合唱団ならではの雰囲気や活動について

当団には、55名の部員が所属しており、小学校から合唱を続けている人もいれば、当団に入部するまで、合唱を経験したことのなかった人や音楽系の部活に縁の無かった人もいます。
先輩後輩関係なく、技術面や音楽作り、活動内容について語り合える雰囲気は、とても良い環境だなと感じています。
例年、コンクールと定期演奏会を活動の柱とし、唯一“山口大学学生歌”を歌うことの出来る団体として、大学の式典等でも演奏しています。
今年からは、出張演奏を本格的に始動させ、地域の福祉施設や動画への出演など沢山のご依頼に応えています!

3年後に創部50周年を迎える当団は、創部以来学生運営を貫いています!
学生のみの組織運営と、音楽作りは、到底安定しているとは言えません。
したがって、部員同士で経験と知識・知恵を出し合って活動していくのが学生運営には欠かせないポイントだと考えています。
今年から本格始動させた出張演奏は、部員の希望で始めたものですが、上手く進むことばかりではありません。
様々な壁にぶつかりながらも、部員で相談して一つ一つ乗り越えるのが、学生運営の醍醐味だと思いますね!

 



山口大学さんのFacebookページでもこのような記事が。
https://www.facebook.com/289321937754559/posts/3025154470837945/

宇髙さんの文中にある「動画への出演」…個人的には「若年消費者の被害防止啓発動画」の「エステ篇」に見入ってしまいました!
女性団員さんの活躍も素晴らしいですが「クーリング・オフのテーマソング」が凄く耳に残ります(笑)。

 


「地域に歌声を届ける」というモットー、素敵ですね。


続いて、学生指揮者の上月さんからのメッセージです。
今回の山口大さんの演奏曲は課題曲G1 Ave Maria (Tomás Luis de Victoria)。
自由曲は千原英喜作曲「十字架上のキリストの最後の言葉」より「第一の言葉」「第二の言葉」。
選曲理由や楽曲に感じられること、聴かせどころは?

 


「力強くかっこいい宗教曲」を探していたところ、たまたま出会ったのがこの曲集でした。
2曲ともにソウルフルで厚みのあるサウンドになっているので、課題曲との対比をきちんと意識して演奏します。

 


練習中のエピソードは?

 


曲へのイメージを掴むために、メンバーで集まってロック・ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』を鑑賞しました。
世界観に面食らう部分もありましたが、とてもよい刺激になったと思います。

 



最後に会場で聴かれる方々へのメッセージをお願いします。

 


私たちのひとつの集大成となる演奏です。
聴いている中のほんの一瞬でも、記憶に残るようなサウンドをお届けできればと思います。

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県大会ゲネプロ後に山口の観光名所、千畳敷(せんじょうじき)で撮影されたそうです。




宇髙さん、上月さん、ありがとうございました。
「十字架上のキリストの最後の言葉」楽譜での、千原先生の言葉には「あの日、ゴルゴタの丘で起こった聖なるヴィジョンをここに降臨させ、私たちの普遍的命題として呈示する。その情景をロック・ミュージカル“ジーザス・クライスト・スーパースター”のようにダイナミックに、ドラマティックに、ソウルフルに描いてみたい、と作曲した。」という部分があります。
上月さんの「力強くかっこいい宗教曲」という言葉通り、「第一の言葉」はロックを思わせる曲想。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」でイメージを掴んだ山口大さんなら、きっと自分たちの音楽として演奏してくれることでしょう。

学生さんだけの運営による、出張演奏などさまざまな活動から創り上げた音楽。
だからこそ伝わってくるものがあるはずです。
山口大さんの「記憶に残るようなサウンド」、期待してます!


(明日に続きます)