観客賞スポットライト 室内合唱部門 最終回

 





今回は室内部門、最後の2団体をご紹介します。




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伏見稲荷大社

 



見た目からは想像できない素晴らしい発声の団体と言えば?








10.岡山県・中国支部代表

倉敷少年少女合唱団

(女声23名・2年連続出場・第69回大会から3回目の出場)


昨年の感想では


あんな可愛いのに大人寄りの立派な声で!
ギャップが凄かったです(笑)。

「地球に寄り添って~センスオブワンダー~」
この曲をここまで仕上げたのは凄いと思ったな。
まるで違った曲に聞こえた!

曲の良さを最大限伝えられる団体だと思って。
この曲、ちょっとやってみたいな…
と思うぐらい、作品の魅力が伝わってきました。

…と好評でした。

さて、今年の演奏曲は?
指揮者の難波夕鼓先生からメッセージをいただきました。

 

 


こんにちは!倉敷少年少女合唱団です!
美しい白壁の街(文吾様のお膝元)岡山県倉敷市で、園児~高校生等の団員約150名が、今年の声楽アンサンブルコンテスト「全国大会」で2度目の金賞・本選7位など、生き生き活動しています!
昨年の北海道・全国で、子どもらしく「センスオブワンダー」を演奏した所、多くの方々に、感動した、涙したと温かいお言葉を頂き、皆大喜びでした!
子どもたちも大好きな超名曲ですが、高名な先生方からも「珍しい」「この曲で全国は凄い」など、微妙な?お褒めの言葉を頂きました。笑

そこで…!という訳ではないのですが、以前から、一度は子どもたちと難曲といわれる曲に挑戦してみたく、「難曲でも美しい、練習したい!」と思える曲を探していた所、鈴木輝昭先生の「幻の風・光の海」から3rd Sceneに出会い…。
部活と違い基本「週1」練習の為、大変でしたが、また全国の舞台で皆様にお聴き頂ける事となり子どもたちも喜んでいます。
小学生も含む23名という超少数での2群の大曲への挑戦となりますが、もともと「童声(女声)合唱のための」曲。
子どもから大人へと変わる「今しかない美しい声」が、煌めく風や輝く海、永遠への祈りを表現するのに一番ふさわしい曲と信じています。

また、課題曲F4「その木々は緑」も、まさに思春期の彼らのための曲。
だれよりみずみずしく、伸びやかに歌えるよう、力を合わせてがんばります!
子どもたちの歌声、楽しみにお聴き頂ければ幸いです。

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声楽アンサンブル全国大会での写真ということ。




難波先生、ありがとうございました。
そうなんです、私が住んでいる倉敷の自慢の合唱団!
ヒイキして、出迎えと演奏後の拍手は大きめになったりして(笑)。


鈴木輝昭先生の「幻の風・光の海」は世界の子供たちが詠んだ俳句をまとめた「地球歳時記」をテキストにされているそうですね。
埼玉の岩槻城南中学の委嘱作品ですから、倉敷少年少女さんが演奏されても不思議ではないのですが、2群合唱、リズム、音響と大変な難曲。
しかもそれを23名で演奏されるとは!

ただ、先日岡山で行われた中学校部門の全国大会を聴いて、気付いたことがありまして。
まず私が思う「中学生」のイメージを軽々と飛び越える演奏がいくつもあったこと。
そして、作品への共感を持った演奏は、本当に心を打つということでした。
昨年の倉敷少年少女さんの「地球に寄り添って~センスオブワンダー~」でも、一心に集中した「地球に寄り添えば…」のフレーズで、つい涙腺が緩んでしまったんですが。
たとえ難曲であっても共感し、自分たちの作品として歌うことができれば、観客の心に届くのではないか?と。

課題曲の「その木々は緑」も自分たちの歌として伝えることができる作品。
「幻の風・光の海」と共に、難波先生の仰る「子どもから大人へと変わる『今しかない美しい声』」で聴かせていただくのを楽しみにしています。












室内合唱部門、最後の団体です。
揺るぎない「絶対王女」の団体と言えば?


 

 

 

 

 




11.佐賀県・九州支部代表

女声合唱団ソレイユ
https://www.facebook.com/soleilsaga/

(女声24名・14年連続出場・第59回大会から14回目の出場)



昨年の感想では


聴いた瞬間に
「はい、金賞シード決定!」みたいな。

何歌ってもソレイユ色に染めてくれるんだけど
しっくりくるんだよね。

豊かな音色(ねいろ)と引き出しの多さが
やはり素晴らしい。

別格の快演。
納得の麦藁帽子、自由曲も、各パートとも主張しつつ、決め所はしっかりとハーモニーもしっかりと鳴っていて、素晴らしかった。


…などと大変好評。
14年連続出場、6年連続金賞1位、観客賞でも常に上位という、素晴らしい団体です。

ソレイユさんの今年の演奏曲は
課題曲F3 飛翔―白鷺(「内なる遠さ」から) (高野喜久雄 詩/髙田三郎 曲)
自由曲にMACONCHY, Elizabeth「Prayer Before Birth」。
J.Rutter「When Daisies Pied」。
どんな作品なんでしょう?

 

ソレイユ団員さんからメッセージをいただきました。

 


今年の自由曲は英国の作品です。
1曲目は女性作曲家マコンキーの作品。
はい、音取り難しかったです(笑)

歌詞の訳の一部を紹介します。



ぼくはまだ生まれていない。

ぼくを慰めてよ。

ぼくは不安だから、

人間がぼくを高い壁で囲い、

強い薬をぼくに飲ませ、賢い嘘で誘い、

黒い拷問台でぼくを苦しめ、

血の虐殺に処するのではないかと。


第2次世界大戦の最中に生まれる胎児が、生まれてくる過酷な世界に対し、不安と恐怖に怯えながらも生き抜くための力を求めます。
胎児の祈りを通して、人間の命を軽んじる当時の世界の現状に警鐘を鳴らしている作品です。

2曲目は、ジョン・ラターがジャズピアニストであるジョージ・シェアリングに捧げたマドリガルの1曲です。
私たちの出番は1日目の最後みたいなので、1日の締めくくりの曲としてさわやかな気分で終われるように、会場の皆さんと楽しめたらと思います。

令和2年3月29日(日)に、女声合唱団ソレイユ15周年にして初のコンサートを開催します!
今まで姉妹合唱団の佐賀女子高校合唱部さんのコンサートに出させてもらうことはありましたが、自分たちでコンサートを1から作るのは初めてで、現在試行錯誤中でございます。
詳しくは団のfacebookページやTwitterに随時更新していく予定ですのでよろしければご覧くださいませ。

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 九州支部大会後とのこと。



ありがとうございました。

1907年生のMACONCHY, Elizabethの作品は、かなり難解な無伴奏現代曲なんですが、テキストもかなり恐ろしいですね…。
一転、Rutterの「When Daisies Pied」は「Birthday Madrigals」5曲目の終曲で、ピアノも入り明るく軽やかにジャジーな雰囲気…という、幅がメチャクチャある選曲。

どちらも究めるのは大変な作品で、さらにひとつのステージでこの対照的な2曲を演奏できる団体?
…などと疑問に思ってしまうのですが、ソレイユさんなら間違いないでしょう!

初のコンサートを前に、ソレイユさんがバラエティに富んだ作品を、どれだけ掴んで演奏できるか?
最高のプロモーションの機会です。
この室内合唱部門のフィナーレを、ソレイユさんの華やかな音で見事に飾っていただきたいと思います!



(室内合唱部門のご紹介は今回で終了です。
 明日の同声合唱部門に続きます)