京都全国大会あれこれ 前編

 



全国大会のあれこれをご紹介する「全国大会あれこれ」。
前後編に分けてお届けします。



<紅葉が美しい京都!>


夜に着いた私はライトアップされた高台寺の美を堪能。
「混雑するから絶対バスには乗るな!」と言われていたんですが、京都駅から乗らなかったためか、朝・夜ともそれほど渋滞することもなく、バスの窓から見える紅葉と寺院の取り合わせを楽しみました。

 

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バスの窓から。


ツイッターのハッシュタグ #72京都全国 で回ると、演奏後に京都の観光名所を訪れた方の写真が多数見られ、こちらも観光気分に。
日曜は雨の予報だったのですが、ありがたいことに降ることもなく、冬にしては暖かく、快適な全国大会となりました。
会場のロームシアター京都からは平安神宮も近く、足を延ばした方もいたのでは?

 

 

 

 

 

 

<京都府合唱連盟さんのおもてなし>

 



なんとメッセージボードも!
(京都府合唱連盟アカウントさんから、各団体さんの書かれたメッセージを読むと、なかなか面白いですよ)


 

 

 



<荷物に向かって歌うことほど……>


第一日目から客席はとても埋まっていたのですが、そこに今大会の副実行委員長であり、名門・京都エコー団員さんであり、かつこのロームシアター京都の副館長(!)でもある足立充宏さんから。

「客席が大変混みあってまいりました。
 荷物を置かれて、お手洗いに行かれるならけっこうですが、ちょっと平安神宮まで…(笑)はどうかご遠慮をお願いしたいと思います。
 ステージに立ちまして、荷物に向かって歌うほど悲しいことはありません。
 どうか席を離れる際は、荷物をお持ちになるようお願いいたします。」

その言葉には名司会者であり、合唱団員として長年歌い続けられてきた重みがありました。
例年より、荷物に演奏を聴かせる人は少なかったような?




 

 

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<木下牧子先生のご感想>

 



ツイッターの木下先生のこの感想は本当に頷きました。
特に「日本語を研究するとフレージングが上達しそう」。
この「日本語のフレーズ作り」は私も上位団体で違和感を持つことがあったんですよね。
もちろん音高など生理的に難しい部分はありますが、研究の余地があるのでは。



<長谷川久恵先生によるご講評>


Hassyさん、ありがとうございました。
1日目、審査員:長谷川久恵先生によるご講評です。


大学ユースの部は前回審査した4年前よりも向上。
音楽に向き合う気持ちが素晴らしいし、技術も凄い。
若い世代がたくさん音楽に親しんでいるのが嬉しい。

ただ、講評なのでさらに先へ進むために残念な点を。
大学ユース、室内部門の両部門ともにドラマティックなところは上手。
しかし普通な、平易なところが上手ではない。
平易なところこそ神経を研ぎ澄ますべきです。
そして、神経を研ぎ澄ますところで厚化粧にし過ぎるところも。

音楽は感性が大事。
ちょっとした変化を感性で捉えることが大事なんです。
今日の団体でふっと引き込まれる演奏は無かった。
若い人は特に感性をもっと磨いて欲しい。
年を取ったら磨けないから……。

今日一日を通しての感想。
私も気を付けていることとして、日本にはドレミソラソミレドの五音階があり、日本人にはファとシへの感覚が少ない。
(文吾:ヨナ抜き音階のことでしょうか?)
ファとシが無いからなのか、西洋音階においての和声の響きを、綺麗にチューニングしていく感覚が欠落しているのでは。
その辺を考慮して良い響きを作るべき。
(そうすれば)和声だけではなく、対旋律の中の音程の捉え方も変わっていくのでは?
日本の合唱に関わる人がこれから考えるべき。

頑張って日本を音楽で元気にしよう。







<大学ユース部門:史上かつてない2次会>

元々は一般団体が2日目の終わりに各団体の宴会後、団の垣根を越えて集まった「史上かつてない2次会」。
ここ数年は大学ユースの部でも開催されて嬉しいことです。

幹事団体は地元の同志社グリークラブさん。
twitter:https://twitter.com/DOSHISHA_GLEE2

広報担当の方からこんなレポートを送っていただきました。

 


大学ユースの合同二次会についてです。

1団体を除き9団体の出場団体がおよそ90名ほど参加してくれました。
合唱仲間どうし名刺交換を行い、演奏会の宣伝をするなど、団の垣根を超えて楽しく交流しました。
最後には審査員を務められた木下牧子先生作曲の「鴎」や斎太郎節を歌って締めくくりました。

コンクールを終えて、ラグビーワールドカップさながらのノーサイドの精神がそこにはありました。

 


おお、9団体も!
90名も集まったとは凄いですね。
さらに参加者の東京工業大学混声合唱団コール・クライネス団員:ブン吉さんからは。
 

 

 毎年審査発表前の歌合戦や今回のような合同二次会の度に、出演団体同士が「ライバル」である以上に「その日ともにステージを作り上げた仲間」という意識がお互い強いなと感じます。
話題も尽きません。
お互いの演奏や今後のステージ、活動内容、或いは共通の好きな作曲家など、話に夢中で食べ物の減りはあまりよくありませんでした()

最後には「鴎」をはじめ3曲ほどを合同で歌唱。
その場で集まった合唱団(&みんなそこそこ酔っている)とは思えないほど素晴らしいサウンドで、私も歌いながら感動しておりました。
あっという間の2時間半、最高でございました。

来年以降もこのような機会の継続を願うとともに、今年の10月には合同二次会の東京支部大学ユースの部版「#東の都のかつてない二次会」もスタート致しましたので、願わくば日本全国の支部・或いは都道府県単位で、コンクール後の交流会等が生まれ、合唱団同士協力し合い、合唱界が発展することを願う次第でございます。

文責:ブン吉(東京工業大学混声合唱団コール・クライネス 団員)
twitter: https://twitter.com/ASKL_Bunkiti

 

 

同志社グリークラブ広報担当者さん、ブン吉さん、ありがとうございました。
そうなんです、東京都大会では「#東の都のかつてない二次会」も開催されたんですよね。
大会前日にお互いを聴き合う試演会なども、他の支部では行われたと聞きます。
ブン吉さんの書かれるように、コンクールで他の団体を単に競う相手と見るのではなく、合唱団同士交流し、「協力し合い、合唱界が発展すること」を願いたいものですね。

 

 

(後編に続きます)