MODOKI CONCERT2022感想

 

 


3月6日、よく晴れた日曜の午後、初めて訪れる鳥栖という地。
MODOKI演奏会へ向かうため。

 

 


13時半開場前に鳥栖市民文化会館へ着くと長蛇の列。
検温とアルコール消毒、チケット裏の半券には名前と連絡先を記入し、自分でもぎる。
鑑賞時のマスク着用と席はひとつ空けて座るコロナ禍でのニューノーマル。

14時の開演に指揮者:山本啓之さんからこの演奏会は2年前の2020年、開催1週間前に中止が決まった演奏会の再開催ということを説明される。
MODOKIの今回のオンステージは女声25名、男声19名ほどだろうか。
第1ステージは髙田三郎「水のいのち」
平林知子先生のゆったりとしたテンポの前奏に誘われるよう、優しくささやくように歌い始める「雨」
ささやくようにと書いたが、奥に強い願いを感じさせ。
ふりしきれ雨よ」と生きているものすべてを救う雨を望む願い。
踏まれた芝生、こと切れた梢と重なる、みじめな人間を厳しく歌うベースの説得力。
「水たまり」では泥を抱え込む自身の、澄んだ空の青さへ手を伸ばす願い。
弾むように軽やかなリズムで歌われた「水たまり」から湧き上がるクレッシェンドが抑えきれない内心の苛立ちを表すよう。
「川」では低い方へ流れざるをえず、山や空の高みに焦がれる想い。
細かくは振らない山本さんの指揮で、不思議に息遣いと自然への憧憬がにじみ出てくる。
「海」では「人でさえ 行けなくなれば」 感情へ沈み込まず、リリシズムを保つ美意識と強さに打たれた。
人が生きていくうえで持つ焦燥や苦悩は細やかに、対比させるように自然を雄大に、美しく歌で表す。

そして最終曲の「海よ」では絶叫に限りなく近い訴えの「おお 海よ」から力強くピアノが支え、天へ向かうクライマックス。
この数えきれないほど演奏された名曲を、いま生きている自分たちの直面する苦悩と、それでも理想へ向かう人間の在り方として、聴く者へ克明に印象付けた好ステージだった。

 

第2ステージは萩原英彦作曲「光る砂漠」
平林先生のピアノ、前ステージではどちらかというとドイツ的な厳粛なものを感じさせる音が、この曲では繊細に柔らかくなったよう。
さて、この演奏会、佐賀ではこの日まで続くまん延防止策の影響で、MODOKI団員もマスクを着用されていた。
マスク着用の弊害はいろいろと議論されているが、聞き手として気になるのは、「光る砂漠」のようなフランス系の音楽。
柔らかい響きを合唱団全体で共有し、音楽を動かしていこうとするときに、かなり難しさを感じてしまう。

今回はフランス系の音楽だけでは無く、一旦 "引いて” 表現するときにも、団員同士で共有する感覚が薄くなったように思われた。
それでも、続く新実徳英「幼年連祷」、生で演奏を聴くのは初めての西村朗「まぼろしの薔薇」

「令和に昭和の名曲を」のサブタイトルから、想い出に耽溺するような演奏を危ぶんだが、作品へ正面から対峙し、生き生きと間伸びすることない音楽に終始惹きつけられた。

その立役者はやはりピアノの平林知子先生!
曲ごと鮮やかに音色、音楽を変える技。
「幼年」では例えばトイピアノ、「薔薇」では白昼夢から実体を持ったように華麗に豪壮に。
演奏の幅広さとドラマ性の素晴らしさ。
今回の演奏会の成功は、平林先生がいらっしゃらなくては決して成り立たなかったであろう。
そしてもちろん指揮者・山本さんとMODOKIのみなさん。
本当にお疲れ様でした!


演奏後の山本さんのご挨拶。
延期や中止した紆余曲を思い出されたのか。
いや、それ以上に「観客を前にして演奏すること」の意味を実感されたのか。
声を詰まらせ、来場への感謝を語られていたのが印象的でした。

 

アンコール、いろいろ予想していたんですけど池辺晋一郎先生の「風の子守歌」でした。
(アンコールまで昭和⁈ かつての大学定演アンコール定番だな?)とニヤリとしていたら。
明るく歌われる「行ってしまった人」「死んでしまった人」がこのコロナ禍、予想以上に響いて涙腺が…

 

 

東京混声合唱団:豊田市コンサートホール公演

 

 

来週辺りから余裕がかなり無くなってくるので、ツイッターやメモなどからのお蔵出しをいくつか。

 

 

2021年9月11日。
東京混声合唱団、豊田市コンサートホール公演。

 

 

 

実に久しぶりの生合唱演奏会。


指揮の尾高忠明氏は過度に感情を込めることなく、「美しい日本のうた」副題の通り、言葉と音楽に語らせ、聴く者の中で完成させる。
素晴らしい音響のホールも相まって、人の声の質感、さまざまなニュアンスを堪能しました。
良かったのは武満徹の「うた」から2曲。
やや抑えた表現から、特有の和音が美しく響き、かつ滞らない流れ。
「死んだ男の残したものは」メリハリの効いた構成でラストのフォルテッシモが胸を打つ。
合間に話された武満徹はもちろん、林光、三善晃、諸先生と尾高氏のエピソードも楽しく得をした感じ(笑)。


聞き書きなので細部が違っていたらスミマセン。
以下、尾高忠明氏による作曲家の思い出。

 

林光さんはそうとう上のお兄さん的な存在。『ヒカちゃん』と呼んでました。若い頃から大変な天才・奇才で父(尾高尚忠氏)に師事されたんだけど、父は『こんな凄い人、教えられない』と言ったとか。演劇にも詳しく文章もお上手。演奏しながら、あの笑顔を感じます」


三善晃さんは東大仏文卒業で、もの凄い頭の良い人。そしてものっすごい愛情深くステキな人。芸大で自分はボーリング部に入っていたんだけど、活動費が足りなくなりまして。それで三善先生に部長になってもらった。そうしたら大学から部費が入ると思って(笑)。
三善先生は運動音痴でいっしょにボーリングやってもガターを連発してたんだよね。でも女の子たちはそんな三善先生にキャーキャー騒いで。井上道義と僻みました(笑)。」


武満徹氏は可愛くておっかなくてチャーミングでロマンチスト。『僕の音楽を大事に、大事に(演奏して)』。『死んだ男の残したものは』のように、戦争には絶対反対で母国愛にあふれていた。それ以上に阪神愛にあふれていた(笑)。凄く知識が豊富で、どのジャンルの人とでも会話をされていた。
武満氏が映画監督の黒澤明氏と組んだとき(映画「乱」)、黒澤氏は世界一のオーケストラを、とロンドン交響楽団へ依頼しようとした。しかし武満氏は頷かず、札幌交響楽団を勧めた。『そんな地方のオケ?』と黒澤氏が不満を漏らすと、『聴いてもいないのに!』と武満氏はカンカンに怒った。
そして黒澤氏は札幌交響楽団のリハーサルに赴き、聴いた。それで聴き終わった後、頷いた、と。
あと武満氏はコンピューターゲーム大好きで、人の家にゲームをやりに来て、それで勝つまで帰らないんだ!!(笑)

 


↓ 映画「乱」に関連して。

 

 

 

 

ハーモニー200号に寄せて





全日本合唱連盟のハーモニー誌に200号お祝いのメッセージを載せてもらいました。

 

 

 

錚々たる著名人のお名前に混じった「文吾」の違和感よ・・・。



「岡山全国大会あれこれ」


「観客賞スポットライト 大学ユース部門 その1」


「観客賞座談会・大学ユースの部 その1」


このように毎年、全日本合唱コンクール全国大会、大学ユース・室内・同声・混声合唱部門全団体のご紹介と、演奏の感想を座談会形式で行っております。
(ハーモニー記事からいらっしゃった方向け)


メッセージに書けなかったこととしては、各合唱団1団体を取材し見開きで取り上げる「クローズアップ」は記憶に残っていて。
あとやはり坂元勇仁さんがされていたときのインタビューが面白かったなあ!

同じく200号お祝い記事へご寄稿なさっている元編集委員:中嶋啓文さんの「作曲家シリーズの再評価」は確かに。
作品リストも、過去記事の後に追加された完全版をお願いしたいですね。
「合唱連盟で検討中の企画や直面する課題をまな板にのせ」ることも確かに!
新実徳英先生も書かれていますが、「合唱人による、合唱人のための、合唱人の」合唱界、その壁を壊すのは何なのか?
壁を壊す試みの紹介(例えばNコンPOPS課題曲の総括やアニソン合唱団など)や成功例、商業音楽プロデューサーから観た合唱界への提言や座談会などあったら面白いかも。


今号のハーモニーもピアニスト:織田祥代先生のエッセイ。
昨年の全国大会:コンビニさんの指揮者がいらっしゃらない状態での演奏に触れられて。
元NHKアナウンサー:加賀美幸子さんへのインタビュー。
作曲家シリーズでは大熊崇子先生(座談会参加者に片岡輝先生、橋本祥路先生が!)。
などと盛りだくさんなのですが。

個人的に「お!」と思ったのが今年の全日本合唱コンクールの課題曲「合唱名曲シリーズ」へのアプローチ記事。
G3:大中恩「草原の別れ」で新実徳英先生が書かれている「色彩をいかにして表出するか」という文章。
日本の合唱は高レヴェルだが定量的なものに偏りがちで、色彩や情感などの「定性的」な領域へのアプローチはもう一つ、と。
「定性的」な表出にも単純に「心や気持ちを込める」方法を示さないのが新実先生らしい。(詳細は本誌で)
こういう面でのアプローチは、やはり「感動を分析してしまう拒否感」で、定量的表現よりはあまり見かけないような。

そしてコラム「関西その日その日」の本山秀毅先生。
合唱に関わる「コロナ後」について、「マスクのまま歌う」など7項目にわたって、かなり厳しい未来を予測されていて。
でも、それを見つめた上で、進む道を考えなければいけないのだろうなあ。


・・・などと、刺激になる記事がいっぱいのハーモニー誌。


読もう!ハーモニー!! 

 

 

MODOKI2022年演奏会in鳥栖のお知らせ

 

 

 

【MODOKI2022in鳥栖】

〜令和に昭和の名曲を〜

 

 

日時:2022年3月6日(日)13:30開場 14:00開演

場所:鳥栖市民文化会館

 

全席自由 一般2,000円 大学生1,000円 高校生以下500円
(未就学児の入場はご遠慮ください) 
 

 

▪︎指揮 山本啓之

▪︎ピアノ 平林知子

▪︎合唱 MODOKI


演奏曲目

髙田三郎「水のいのち」
萩原英彦「光る砂漠」
新実徳英「幼年連祷」
西村朗「まぼろしの薔薇」

 

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その演奏会の話を聞いたのは約2年と4ヶ月前。
2019年京都での全国大会へ出場する佐賀のMODOKI指揮者:山本啓之さんにお話を聞いた時でした。

 

 来年2020年3月8日(日)、
 佐賀市文化会館大ホールで
 邦人作曲家の昭和の名曲で揃えた
 MODOKI単独の演奏会を開きます!
 なんと客演ピアニストに平林知子先生をお迎えして
 全4ステージ弾きまくっていただくから!

 

 

しかし、本番2週間前に延期もしくは中止のお知らせがあり・・・。

 

2年前、私はこの演奏会広告でこんなまとめ方をしていました。


「すべてのステージがメインディッシュ」という指揮者:山本さんの言葉通り、1980年代から90年代には演奏会で最終ステージを受け持った曲ばかり!
間違いなく「珠玉の名曲」をMODOKIさんがどう歌われるか、平林先生のピアノがどう輝くかという興味はもちろん。
MODKIさんの演奏なら単なるノスタルジーに陥るようなものにならないことは当然です。私としては、今は滅多に演奏されない「まぼろしの薔薇」を初めて生で聴けるのが楽しみですね~。

 


そして2022年2月。
MODOKIツイッターにはこの演奏会についてこう書かれていました。

 

 

歌うことの意味を問い続けた2年間。
今、私たちにできる音楽の形を、
昭和の名曲25曲、平林知子先生のピアノとともにお送りいたします🕊

 

 

 

8年ぶりの単独演奏会をようやく迎えられることを心からお祝いいたします。
(↓ あれからもう8年も経ってしまったのか・・・)

合唱愛好家としてとても辛い時期だったこの2年間。
8年前のMODOKI感想で自分はこんなことを書いていました。

 

 

足りない、至らないかもしれないが、
それでも一心に高みを目指すことで
アマチュアならではのそれぞれの人となり、
生きてきた道のようなものが演奏から滲み出てくるのではないか。
それは音楽の本質としては夾雑物かもしれない。
だが、自分も持っているその夾雑物と通じ合い、
響き合うものが確かにここに存在するのだ

 

 

自分にとっても久しぶりの佐賀、九州旅行です。
MODOKIのみなさんと自分。
演奏会中止からの2年間、前の演奏会からの8年間。
お互いの生きてきた道がステージと客席で出会い、響き合う演奏会になることを願います。
多くの人に聴いてもらえる演奏会になることを!

 

 

 

Chorsal《コールサル》10th Concert -紡-のお知らせ



合唱ブロガー:ぜんぱくさんこと大村善博さんが指揮者の、松山の意欲的な合唱団「Chorsal《コールサル》」さん。
記念すべき第10回目の演奏会が開催されます。



Chorsal《コールサル》10th Concert -紡-



🐒概要
日時:2022年2月13日(日)

13:30開場/14:00開演(15:30終演予定)

会場:愛媛県男女共同参画センター 多目的ホール

※1月29日に松前総合文化センターから会場が変更になりました



指揮:大村 善博

ピアノ:越智 清加

チケット:一般1,000円

高校生以下 500円(全席指定)



🐒演奏プログラム
〔1st stage〕ルネサンス世俗曲集を集めて
Come agein (J.Dowland 曲)
Zefiro torna (L.Marenzio曲)
Weep you no more (J.Dowland 曲)
Matona mia cara (O.Lussus 曲)



〔2nd stage〕アラカルトステージ
Herr, nun laessest du deinen diner Frieden fahren (F.Mendelssohn 曲)
この世界のぜんぶ (池澤夏樹 詩/森山至貴 曲)
Ubi caritas (O.Gjeilo 曲)
生きる理由 (新川和江 詩/信長貴富 曲)
春の手 (竹久夢二 詩/森田花央里 曲)
前へ (佐藤賢太郎 詩・曲)



〔3rd stage〕公募ステージ
混声合唱組曲「ひたすらな道」
 (高野喜久雄 詩/髙田三郎 曲)



🐒ご来場にあたってのお願い
❐発熱や風症状等、体調のすぐれない場合は、ご来場をお控えください。
❐不織布マスクを着用の上ご来場いただき、客席内でも常時着用してください。
❐定期的な換気を行いますので、室温の高低に対応できる服装でお越しください。
❐出演者及び団へのプレゼント等の受け取りは辞退させていただきます。
❐ご来場前にチケット半券の「来場者個人情報記入欄」へ必要事項をご記入ください。
❐必ずチケットに記載の座席番号へお座りいただき、他の座席への移動はお控えください。
❐終演は15時半頃を予定しております。アナウンスに従って分散退場にご協力ください。
❐終演後、出演者によるロビーでのご挨拶は行いませんので、あらかじめご了承ください。
❐公演後2週間以内に感染が疑われる症状が発生した場合、当団まで速やかにご連絡ください。
❐ご提出いただいた個人情報は、来場者の記録として一定期間保管させていただきます。
❐新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)やえひめコロナお知らせネットのダウンロードにご協力ください。
❐不測の事態により演奏会を中止または延期する場合は、ホームページや各SNS、チケットご購入時にご提示いただいた連絡先へお知らせいたします。

 

 

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演奏会約2週間前に会場が愛媛県男女共同参画センター 多目的ホールに変わるという!
ぜんぱくさんのブログ:指揮者の独り言で書かれる最近の記事を読むと、困難な状況の中、それでも前を向こうとするぜんぱくさんの熱く強い意志が伝わります。

プログラムもルネサンスの名曲に、個人的にこだわりのある髙田先生「ひたすらな道」。
さらに「今歌うべき曲を選んだ!」印象のアラカルトステージ……と惹きつけるものばかり。
私も行きます!・・・と強く言いたいのですが、今の状況だと職場から県外への移動を禁止されそうなのがなんとも悔しい。

行けた場合はもちろん会場で、行けなかった場合は家でサルさん、ぜんぱくさんの積み重ねた10回の想いが結実されることを精一杯願います!
お近くの方、行ける方は2月13日、ぜひ松山へ!

 

 

観客賞座談会・混声合唱の部 最終回

 

 

 

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岡山駅桃太郎像 ©岡山県観光連盟

 

 




観客賞・混声合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想を出演順に記しています。

 

5からの座談会感想はこちらから。

 

 

 

 

 

 

 

 

合唱団こぶ

https://www.facebook.com/kobsoja/
(28名)

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文 課題曲G3、
  うたをうたうのはわすれても。
  明るい音色のソプラノを筆頭に
  若さと元気がある感じで。


A 自分はこぶさんに投票しました!
 自由曲がもう素晴らしくって!
 日本語の発語、
 感情をこめた表現に
 「こぶさん、変わったな!」
 銀賞だったけど、
 あの自由曲の表現は
 じゅうぶん金賞に
 値するんじゃないか!


 語ってくれますね~(笑)。
  いや、本当に良い演奏でした。
  横山潤子
  「たましいのスケジュール」は?


A この曲は小学生も演奏する曲で。
 自分が指導している団体でも
 やってみたいけれど、
 やっぱり合わないかも?と
 悩んでいる時に
 この、こぶさんの演奏!


 理想的だった!


A そう!
 あの曲の持っている世界を感じた
 言葉遣いができていました。


 小学生だけじゃなく
  中学生もよく演奏しますけど。
  今回、大人のこぶさんでは
  かなり違った印象が
  ありましたね。


B 文吾さんのブログ記事で
 大山先生が
 「今年亡くなった母への
  鎮魂歌として振りたい」
 そう書かれていて。

 あの言葉があったからじゃないけど
 「生まれた途端きれいに忘れ
 あそこで、ぶわっと……。


 うん。
  あの詩がメチャクチャ染みてね!
  亡くなった方と、
  生きている自分のたましいが
  等しく、そして繋がったように。


A 「その木々は緑」
 良かったです。
 ヴァイオリンが……。


BC文 良かったね~!


A オブリガードもあり、
 歌の旋律を先に弾いて
 合唱へ深みを出すように。


 演奏に広がりを
  加えていましたね。
  こちらも泣けた!


C マトリカリアコール指揮者の
 新見先生が
 「ヴァイオリンに金賞あげたい」
 ってツイートしてて(笑)。

 

B わかる!
 ヴァイオリニストの
 岸本萌乃加先生に金賞を(笑)!


 後半、あのヴァイオリンと合唱が
  共に歌い上げる!という感じが
  たまらなかったです。


A 5,6年前は若いOB合唱団という
 印象だったけど
 毎年上手くなってきていて。
 OB合唱団から変化し、
 大人の音楽をやってきている。


B OB合唱団から一般団体への
 とても良い例になってますよね。


A いや本当に。
 自分にとって
 こぶさんは一番の団体でした。
 ぜひ多くの人に
 聴いてもらいたい演奏です。





メール、ツイッターの感想です。



いいものを聴いた。ヴァイオリン素敵。


飾らない素直な演奏・表現がかえって説得力を持たせていました


中学生もよくやる曲ですが大人の円熟みのある表現でとても好感。
課自ともに抑制的な歌い方が良かった(ホールに慣れてそう)


一般団体の演奏で横山潤子作品が聴けて嬉しい。
情感を滲ませる詩表現や繊細な歌声が作品にぴったり。
ヴァイオリンの音色とも美しく溶け合っていた。


G3の明るいトーンが作品に合っていると思う。
中学生の定番作品を大人の声でしっとり聴かせてくれた。
声が弦楽器の音によく合うのでアンサンブルが美しい。


こぶさんのたましいのスケジュールは痒い所に手が届く感じがした。
この「生まれたとたん」がぴったりすぎて鳥肌。
バイオリン入ったもの初めて聴くけど、バイオリン入ることで色がより鮮やかになってる。




 

 

 



グリーン・ウッド・ハーモニー


https://twitter.com/gwharmony
(43名)

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C GWHさんに投票しました!
 課題曲G1のシュッツ
 ドイツ語の発音が
 さすがだと思ったし。


 課題曲は自分も良かったです。
  パートが揃って、
  シュッツらしい熱もあり、
  先が気になるというか
  興味が持続する演奏。


A 模範的な演奏でしたね。


C シュッツの音だった!


 そうそう!
  雰囲気を掴んでいる。


C 雰囲気を掴んでいると言えば
 自由曲のレーガー
 「Palmsonntagmorgen
 (枝の主日)」も。
  軽やかなところは 
  本当に軽やかに。


 メリスマ、良かったですね。
  フーガに華やかさもあった。


C そう、音が細かく転がる箇所も
 良く聞こえたし、
 フレージングも優れていました。


 2曲目の
 「Der Mensch lebt und bestehet
 (人の生きる時は短く)」
  構成から考えられた
  ダイナミクスが良かったと。


B 指揮者の渡辺まゆみ先生が
 凄く丁寧に指揮されていて。
 それに合わせ団員さんが
 スッスッスッと動いていく。
 「柔らかい指揮だな~」と。


A 一体感が・・・。


B そう!
 指揮者と団員、
 音楽の一体感がありました!


C あとレーガーで良かったのは
 弱声の美しさ。
 どうしても人数が多くなると
 弱声がおろそかになる団体が多い中、
 GWHさんはp,ppを
 ちゃんと緊張感を持って
 キッチリ美しく作っているなぁと。
 全体的に音楽の運びが
 素晴らしいと思いましたね。




メール、ツイッターの感想です。



声の統一感が例年より高い。
パートとしてのまとまりが強いので重厚感も例年に増して良い。


音楽の運びが見事なグリーンウッド


課題曲は理屈抜きに自然と音楽が耳と心に入ってくる感覚に。
自由曲も丁寧に紡ぎ上げられた荘厳な音楽に聴き入った。



※「全国大会あれこれ」でも言及しましたが

グリーン・ウッド・ハーモニー指揮者、故・今井邦男先生のご逝去に深く哀悼の意を表明いたします。
今井先生、素晴らしい音楽を今まで本当にありがとうございました。










混声合唱部門、岡山全国大会最後の団体です。


Baum
(31名)

 

 

C 課題曲G2、
 悲壮感があり、
 救いを求める雰囲気が
 ありました。
 暗めな声がこの曲では
 マッチしていた。


文 自由曲アルネセン
  「Even when He is silent
  (たとえ神が沈黙し給うときも)」、
  良い響きを指向しているのが
  伝わってきて。


B HBCシニアさんでも
 選曲されている作曲家だから
 大木先生が
 ハマってるんでしょうね。


 前はアントニーニだったかな。


B その前はフォーブス作品に
 ハマっていたような。
 HBCシニアさんとセットで
 選曲する時が多いから
 印象に残りやすい(笑)。


C 余談だけど
 女声のリクルートスーツは
 いい加減止めた方が良いと
 思うんだけど・・・。


 でも大学ユースの部の
  SAKAEさんも!


B そうそう!
 Baum1団体だけじゃ無くなった!


C 若い団員さんが多いから
 揃えやすいんだろうけど
 思わず就活シーズンの
 ニュース映像を
 思い出すという(笑)。


B Baumさんが
 合唱界ファッションを
 リードする日も近い!(笑)


C ・・・課題曲も自由曲も
 似た響きで揃えていたんで。
 そういうところを
 大切にしている団体なんだなぁと。





メール、ツイッターの感想です。



感じがいいです


音量は近年のこの団体の中では一番。
自由曲はホールも味方に付けて美しい音楽を展開していった。






《ありがとうございました》

これで岡山全国大会、全39団体の座談会を終わります。
観客賞へご投票、そしてご感想をお寄せ下さったみなさま、誠にありがとうございました!

マスク歌唱や配信についてなども語ろうと思ったのですが、残念ながら体調不良で気力が続かず・・・。
それでも、2年ぶりの全国大会に座談会メンバーからは「開催できて本当に良かった」「やっぱり合唱って良いね」などという声が上がったことを記すに留めます。

2月からは仕事がかなり大変になってしまう予定でブログ更新もなかなか出来なさそうなのですが、もし余裕が出来ましたら。
この全国大会企画でかかりきりになって書けなかった、昨年のことについて少しずつ記していければと思っています。


最後になりますが、開催された全日本合唱連盟、岡山大会で開催に関わられたみなさま、そして全国大会に出場されたみなさま、さらに全国へ進めずとも精一杯歌われたみなさまに、心から感謝して終わります。
ありがとうございました!




(2021年度岡山大会・観客賞座談会 おわり)

 

 

観客賞座談会・混声合唱の部 その4

 

 

 

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倉敷美観地区 ©岡山県観光連盟




今回から観客賞・混声合唱部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想を出演順に記していきます。

 

 

5からの座談会感想はこちらから。

 






Vocal Enesemble《EST》

(26名)

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文 課題曲G2、
  熱というかドラマ性があり
  引き込まれました。


B 感情の幅が広い感じ。
 やはりESTの音楽って
 どこか違うと思いましたね。


文 自由曲:マックス・レーガー
  「O Tod,wie bitter bist du
  (おお死よ、汝はなんと苦きことか)」は?


C ESTさんが自由曲に
 ロマン派の作品を持ってくるのは
 初めてかな?


 どうでしょう?
  宝塚国際室内合唱コンクールでは
  ロマン派部門に出場されて
  良い演奏だった記憶が。


C 近現代作品の
 イメージがあったけど、
 ロマン派の曲でも
 違和感無くというか、
 ESTという個性もありつつ
 様式感も捉えていて。
 何でも歌える合唱団としての
 奥深さを感じました。


B 中間部のリズムに
 生命感がありましたね。


 そうそう。
  「tod(死)」の表現も
  細やかに変えていて、
  この曲に対する
  深さが伝わりました。


C 久々にESTさんの演奏を
 生で聴けて良かったです。





メール、ツイッターの感想です。



今年はアットホームな雰囲気を感じるアンサンブルEST


歌い手の個々のレベルが高く、長丁場の自由曲も飽きさせることなく聴かせてきた。


ドイツ語の母音がしっかり鳴って言葉が綺麗に飛んでいたのが好感持てました。


課題曲も自由曲のレーガーも、衒いのない誠実な演奏が心に響いた。
いつものキラキラしたサウンドも好きだけど、今回は違った一面を魅せてくれた。





I.C.Chorale


https://twitter.com/iyo_kora
(19名)

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C 課題曲G3
 うたをうたうのはわすれても、
 好きでした!
 何故かと言うと転調時に
 その都度、音色を変えていたから。
 Es-durからD-dur、
 フラットからシャープに下がるのは
 「下がった感」が無い団体が多い中、
 昨日の都留文大さんと同じように
 いよコラさんもセピア色にして。
 さらにF-durに上がった時
 光が射すような。
 凄く感銘を受けたな。


 「見失います」の
  ピアニッシモに
  本当に自分の心へ潜るような
  集中した音を感じてね。


C そしてソフトな声の課題曲から
 自由曲1曲目のモチニク
 「Christus est natus
 (キリストはお生まれになった)」
 カーン!と声の出し方を変えて。


 そう!
  輝かしい喜びのイメージ!


C 課題曲がパステルカラーなら
 モチニクは鮮やかな原色。
 密集の和音もバランス良く
 ハモって。


 そこからアタッカで
  自由曲2曲目:イェイロ
  「The Ground(地上の祈り)」。
  雰囲気が出ていて
  良かったんですけど
  19人は少し厳しかったかな。


C この曲でふたたび
 柔らかい声と表情に
 変えてきたんだけどね。


 自分にはやや内省的に過ぎ、
  こちらにあまり
  届いていないような。
  課題曲ではそれが
  良い面に出ていたんですけど。
  ……想いがこもりすぎると
  そういう傾向があるのかな。


A メモに
  p,ppは「弱い」って
  意味じゃないよ、と
  書いてて。


BC文 あ~・・・。


A また違うp,ppの出し方を
 工夫したら
 別団体のようになる予感が。


 それ、ほか多くの団体にも
  言える気がしますね。
  いよコラさん、
  音楽のイメージは豊富だし、
  「志」を常に感じさせる演奏。


B 自分はいよコラさんに
 投票しました。
 というのは、 
 ちょっと泣いてしまったんですね。
 コンクールで「The Ground」は
 あまり演奏しない曲だし、
 いろいろ中止になった企画の
 残念な気持ちが癒やされ、
 この演奏で浄化された気がして。


C 頑張って欲しい。
 いつも好感を持っている団体です。




メール、ツイッターの感想です。



少人数+マスクで全体に小ぢんまりとはなったけれど、その中でも弱音表現をしっかり聴かせてくれて心に深く沁みた。



(混声合唱部門座談会の最終回に続きます)