観客賞発表・同声・混声合唱部門

【観客賞・同声合唱部門】
観客賞の発表です。

第5位 mokumé
第4位 VOCI BRILLANTI
第3位 合唱団WAKAGE NO ITARI
第2位 La Pura Fuente
そして第1位は…

monosso

でした!
ご投票ありがとうございました。
#同声合唱22 #同声合唱22H

 

 

【観客賞・混声合唱部門】
観客賞の発表です。

第6位 混声合唱団うたうたい
第5位 THE GOUGE
第4位 あい混声合唱団
同率第2位 VOCE ARMONICA
クール シェンヌ
そして第1位は…

Combinir di Corista

でした!
ご投票ありがとうございました。
#混声合唱22 #混声合唱22H

 

【観客賞・観客大賞発表】
そして三重大会、全43団体で一番観客に支持される、観客大賞を受賞された団体は

Combinir di Corista

でした!
ご投票ありがとうございました。
#大ユ合唱22 #大ユ合唱22H
#室内合唱22 #室内合唱22H
#同声合唱22 #同声合唱22H
#混声合唱22 #混声合唱22H
#75三重全国

観客賞発表 大学ユース・室内合唱部門

 

 

【2022年度観客賞・大学ユース部門】

 

 



観客賞の発表です。

第5位 湘南ユースクワイア
第4位 ジュニア&ユースコーラス”Raw-Ore”
第3位 北海道大学合唱団
第2位 関西学院グリークラブ

そして1は…


都留文科大学合唱団

でした!
ご投票ありがとうございました。
#大ユ合唱22  #大ユ合唱22H

大学ユース部門:観客賞座談会はこちらから。

 

 

【観客賞・室内合唱部門】

 

第5位 花凜歌

同率第3位 

合唱団みなまた 

Chorsal《コールサル》

第2位 女声合唱団ソレイユ

そして1は…

アンサンブルVine

でした!
ご投票ありがとうございました。

 

室内合唱部門:観客賞座談会はこちらから。

#室内合唱22 #室内合唱22H
#75三重全国

 

観客賞投票まとめ&マスクのズレを防ぐ方法など

 


《観客賞投票まとめ》

 

参加資格:
「大学ユース部門」「室内合唱部門」
「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
それぞれ全団体を聴いていること。
(その部門の出演者は投票できません

 


そして今年からLIVE配信が予定されていますので、配信で全団体を聴かれた方も投票できることにします!

 

投票方法は2つあります。
※生演奏を聴かれている方と、配信を聴かれている方ではハッシュタグが違うので注意!

 

1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで

「大学ユース部門」なら
生演奏を聴いた方はハッシュタグ

#大ユ合唱22


「室内合唱部門」なら
生演奏を聴いた方はハッシュタグ 

#室内合唱22


「同声合唱部門」なら
生演奏を聴いた方はハッシュタグ 

#同声合唱22


「混声合唱部門」なら
生演奏を聴いた方はハッシュタグ

#混声合唱22

を付けて


配信を聴いた方はそれぞれ
#大ユ合唱22H
#室内合唱22H
#同声合唱22H
#混声合唱22H


を付けて

●大学ユースの部
19日大学ユースの部終演(12:47)から
審査発表前(17:20)までに良かった2団体を書いてツイート。

 

●室内合唱の部
19日室内合唱の部終演(16:27)から
審査発表前(17:20)までに良かった2団体を書いてツイート。

 

●同声合唱の部
20日同声合唱の部終演(12:57)から
審査発表前(18:10)までに良かった2団体を書いてツイート。

 

●混声合唱の部
20日混声合唱の部終演(予定17:14)から
審査発表前(18:10)までに良かった2団体を書いてツイート。

 

※できれば『終演後すぐ』に投票していただければ助かります!


その際、各団体の後に感想を書いていただけると、とてもとても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので正確にお願いします!

  

ツイート投票の例: 

合唱団●● 壮麗な混声合唱のお手本!
▲▲ヴォイス 大人数でも繊細な表現が素晴らしかった。
#混声合唱22

 

 

ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体とできれば感想を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間はツイッターでの投票と同じです。
※できればメール投票にもハッシュタグを付けていただければありがたいです。

 

つまり
1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)団体もしくは1団体を書いて

3)生で聴いた人はそれぞれのハッシュタグ 
#大ユ合唱22 #室内合唱22 #同声合唱22 #混声合唱22

 配信で聴いた人はそれぞれのハッシュタグ 
#大ユ合唱22H #室内合唱22H #同声合唱22H #混声合唱22H(←最後に【H】を付けるのを忘れずに!)

4)部門終了後すぐに投票

…してくださると、とってもありがたいです。

たくさんのご投票をお待ちしています!

 

 

三重県総合文化センター Photo by Nodaさん

 

《マスクがずれない方法》

演奏中のマスク、着用か否かの議論はさておき、着用したときのマスクのズレが気になりますよね。

この記事で「マスクがずれない工夫」という文を書きました。

 

「おんがく広場」の第191号、加藤良一さんが書かれた方法。
https://www.facebook.com/photo/?fbid=5672121672876967&set=a.111355925620264
 

○平面型では無く、立体型のマスクを使用

○絆創膏の接着面を表にし、輪にしてマスク内側中央の鼻に当たる部分に貼る

 
両面テープより、絆創膏は肌に優しいし適していると思います。
マスクのズレに悩まれている方は是非とも試してみて欲しいですね。
転載をご承諾下さった加藤さん、ありがとうございました。

 

 

大ホール Photo by Nodaさん

 

 


<演奏中の体調不良について>

2018年の札幌全国大会で、演奏中、ある団体で一人の団員さんが貧血を起こしたようにふらつき。
隣の団員さんが腕をつかんで支え、その方を座らせ、一緒に座って寄り添い、歌い続けられたことがありました。
そんな団員さんたちの気づかいのため、演奏は止まることなく終わることができました。


↓ 詳細は2018年の当ブログ記事を読んでいただくことにして。

久しぶりの本番と、極度の緊張という全国大会の場。
演奏中の体調不良は、どなたにも起こり得ることかもしれません。
今一度、対応策を記しておくことにしました。

札幌の合唱団Le camaradeさんも、非常に役立つ、このようなツイートをされております。

 

「演奏中、気分が悪くなったらその場に座る」
「回復したと思っても立ち上がらない」
「気分が悪くなった団員を見かけたら、意識の確認をして、対処を決める」


繰り返しますが、演奏中に気分が悪くなる可能性はどなたにもあること。
ですから決してその方を責めるのではなく、これを機会に、ステージに立たれる全員共通の知識として、周知徹底すべき事柄なのではと考えます。

聴かれるみなさん、出場されるみなさんがお互いに気遣う、良い全国大会にしたいですね。

 

 

観客賞スポットライト 混声合唱部門 最終回

 

なばなの里光のトンネル(桑名市)
提供:三重フォトギャラリー

 

 

 

津市の土曜日の天気予報は曇時々晴。
日曜日は雨時々曇だそうです。
折りたたみ傘が必要かも?

 


三重県の合唱団:ヴォーカルアンサンブル《EST》指揮者の向井先生もすべての団体を聴かれるそうです。良いホールだなぁ。

 

全国大会を支えてくださる三重県のみなさま、どうかよろしくお願いします!


10月27日から連載してきたこの企画も今日が最終回。
混声合唱部門、最後の2団体をご紹介します。

 

11.奈良県・関西支部代表

クール シェンヌ

https://twitter.com/choeur_chene

(混声38名・3年ぶりの出場・第50回大会以来20回目の出場)


2019年の観客賞では混声合唱部門、第1位。

 

課題曲G1、先唱から素晴らしくて!
フレーズの絡みも優れ、
音楽が順番に立ち昇ってきて
非常にポリフォニックに聞こえて
良かったですね。


自由曲の1曲目
Robert Schumann作曲
「Vier Doppelchörige Gesänge,
 Op. 141(4つの二重合唱曲op.141)」より
「3.Zuversicht(確かな期待)」は
二重合唱でも、
どちらの合唱も重厚でムラが無かった!


「4.Talisman(護符)」は
響きがヨーロッパ系の合唱団のような響き。
音の成り立ちが乱れないじゃないですか。
だからとても安心して聴ける。
シェンヌは気持ち良く聴けて
変なことしない!という
絶対の安心感があるから。


本当に素晴らしい!!
いつも思うのですが、作品そのもの、
楽譜の音そのものが持つ色彩を
しっかり引き出して実際の声として
聴き手に伝えてくれている気がします。
課題曲はもちろん自由曲も素敵でした。

……と、非常に好評でした。
「観客賞1位がシェンヌだということは日本の合唱界は『本物』を求めているということだよね」などという感想も。

 

統括マネージャーの山氏@安芸さんからメッセージをいただいています。

 

2020年はコロナでコンクール自体が中止、2021年は全国へは出場出来なかったので、こちらへの原稿も3年振りになりますね。
お久しぶりです、クール シェンヌです。
2019年の全国大会が地元の京都開催だったこともあり、県外遠征は今回が初体験となる学生団員も多く、この3年での団員の入れ替わりを感じました。
今回のオンステ人数は38名。内、学生団員は12名というフレッシュな構成でシェンヌの音楽をお届けします!

《課題曲》
課題曲は例年G1の選択が多いシェンヌとしては、2014年の「Nachtlied(M.Reger)」以来のG2となります。
Es ist verrathen(もうバレてるよ)は、E.ガイベルが作者不詳のスペインの詩をドイツ語に訳したものに、R.シューマンが曲をつけたもので、スペイン特有の3/4拍子で1拍目に強いアクセントがくる「ボレロ」のリズムを思わせる書法で書かれています。
本来カルテットの曲なため合唱で表現するのは非常に難しいのですが、今回は少しでも曲のあるべき姿へ近づく為に「カルテット×9組」のオーダーを作ってステージに配置。
各カルテット内でアンサンブルにチャレンジしています!
それぞれがソリストとして演じることが出来るでしょうか?実際の演奏をお楽しみに♪

《自由曲》
今回の自由曲は、昨年2021年にも自由曲に選曲したA.シェーンベルクの名作Friede auf Erden(地上の平和)。
昨年に引き続いての選曲というのはコンクールでは先ずあり得ないのでしょうが、「こんな時代だからこそ、この曲を全国の皆さんに聞いてもらいたい!」との想いで2年連続の選曲となりました。

Friede auf Erdenは、C.F.マイヤーが「ショアール・ファミリアンブラット」のクリスマス号に書いたクリスマスの詩にシェーンベルクが曲をつけたもので、詩の内容に合わせて大きく4段で構成されています。
第1段はキリスト教のクリスマス伝説にある平和のメッセージから始まり、第2段、第3段では、キリスト誕生後の世界史が戦争の時代であり、その中で正義と平和への希望が生き残ることが描かれ、最後の第4段で後世の平和が現実となることが描かれています。

曲は歌詞に合わせて、優しく調性的な箇所と、調性感が曖昧な表現主義的に、八分音符が激しく上下する荒々しく残忍な箇所とのはっきりとしたコントラストが特徴ですが、その中で何度も各段の最後には「Friede auf Erden」の言葉が歌われ、曲の理念を表します。
そして曲の最後の箇所では安定した調性に戻り、八分音符の上行音階で天への到達が表され、ffによるD-Dur(=神《Deus》を表す調)で曲は締めくくられます。

何度歌ってもその度に発見のあるこの曲。シェーンベルクが曲に込めた想いをシェンヌ団員一同表現できるように精一杯歌います♪

写真は、関西大会の後の記念写真。
皆の手の形は、「Chêneの"C"」です!

 

山氏さん、ありがとうございました。
課題曲の 「カルテット×9組」のオーダーを作ってステージに配置 に驚きました!
2番目に出場のGOUGEさんが草原の別れでパートをシャッフルした並びを予定しているそうですが、その目的とはまた違ったもので実に面白い。
「それぞれがソリストとして演じる」シェンヌのみなさんに注目ですね。

自由曲は「Friede auf Erden(地上の平和)」。
全国大会では過去に何団体も演奏された作品です。
1907年シェーンベルク33歳、シェーンベルク自身が語るには「まだ人々の和解が可能であると信じていた頃の作品」。
さらに完全な無調音楽へ移る以前、後期ロマン主義との間で揺れ動いていた頃に作曲された作品ということ。
山氏さんが書かれるように調性的な箇所と、調性感が曖昧な表現主義のコントラストを経て、フォルテッシモによるD-Durで「平和あれ、この地上に!」と高らかに謳われ、締めくくられます。
超難曲なのに、多くの団体が挑むのは和声、声楽的な難しさの奥に惹きつけて止まないもの、それはシェーンベルクの理想であったり、自身の音楽を確立させる前の熱い混沌が宿っているからかもしれません。
無調音楽の前、現代音楽としてのシェーンベルクか、それとも調性感のロマンチシズムを全面に出すか。
指揮者、合唱団によってこれほど印象が変わる作品も珍しい気が。

シェンヌさんはいつも作品に対して揺れず、王道を進もうとしています。
昨年と同じ作品をそれでも「こんな時代だからこそ、この曲を」と選ばれる強い想い。
平和を失う危うさを身近に感じるいま、シェンヌさんが精一杯に歌われる「平和あれ、この地上に!」をしっかり受け止めようと思います。

 

最後の団体は昨年もトリ!そして記念すべきキリ番というこの団体です!!


12.東京都・東京支部代表
Combinir di Corista

https://twitter.com/combinir

(混声38名・8大会連続出場・第61回大会から13回目の出場)


多様なレパートリー、すなわち「品揃え」にこだわり、コンビニエンスストアーにちなんで団名を「コンビーニ・ディ・コリスタ」とされた、通称コンビニさん。
昨年は指揮者の松村努先生が突然の不在というアクシデントにもかかわらず、混声合唱部門第1位の文部科学大臣賞(3大会連続)。
さらにカワイ賞、当ブログの観客賞混声部門第1位、全団体から選ばれる観客大賞も受賞。

 

課題曲G2 O salutaris Hostia、
正攻法でしたね。
ちょっと間を保つところも
指揮無しだけど
みなさんで共有して
全然ズレることなく。
場面転換も劇的で。
個人的にG2はこの演奏がベスト!


自由曲:三善晃
「やわらかいいのち三章」より
「2」「3」は
思春期の孤独や切迫感がひしひしと
伝わってきた。
「この曲の魅力を伝えます!」
そんな気迫さえ感じる演奏。
三善先生が聴かれていたら
嬉しかったんじゃないかな。


高校生になって初めて大学職場一般を聴いた。
コンビニもCAも、想像の遥か上を行く演奏だった。
曲が持ってる世界、
楽譜に書かれてる世界を飛び越えて
自分たちの世界を創って
聴き手を世界に引きずり込んでくる。
この世のものとは思えなかった。

……と「指揮者不在であの演奏はもはや伝説」とこの上ない賞賛。

 

コンビニ店員さんからメッセージをいただいています。

 

2日間のオオトリを拝命しましたCombinir di Corista、通称コンビニです。一年が経つのは早いもので、今年も全国大会の時分となりました。

2022年は久しぶりの定期演奏会に、Diamond Concert(松村先生が指揮する合唱団による合同演奏会、Verdi作曲"Requiem" 'Te deum'を演奏)と、濃い活動ができました。三重においてもコンビニの演奏をお楽しみ頂けましたら幸いです。

課題曲はG4「智慧の湖」を選びました。
一聴するとサラッとしすぎてしまうために、各団のテイストをより感じられる作品かと思います。コンビニでは情景描写を深めようと、店員プレゼンツ「『智慧の湖』展」を開催するなどの試みを...。
竹田城の雲海など現実的なものからAIが描く「智慧の湖」像まで、イメージが深まって仕上がりも上々です。もちろん、異なるリズム幅で'競演'するピアノも必聴の課題曲となっております。

自由曲には同時代を生きた2人の作曲家・Francis PoulencとFrank Martinのミサ曲より、第一曲'Kyrie'をそれぞれ演奏いたします。8分半を敢えて'Kyrie'のテキストのみで構成することで、サウンドスケープのように感じられることと存じます。

プーランクのKyrieは、フランスが誇る大家への挑戦(の第一歩)として選出いたしました。
'軽妙洒脱'と評される作風の通り、琉球音階にも通ずる五音音階での幕開けからメカニカルな旋律へとつながり、近代的なカテドラルを想起させます。フランスの遊び心に満ちた展開の連続をお楽しみください。

マルタンのKyrieは、最近のコンビニらしい叙情的な一面を魅せる作品です。
主旋律に多様な旋法が用いられるほか、序盤で鳴り続けるA音、クライマックスのFis音が通奏底音として機能し、古典的な教会の響きを作り出します。

三重県文化会館はよく響くそうですので、G4では超自然的な「智慧の湖」を、自由曲では教会に近い響きを感じて皆さんが二日間を終えられますよう頑張らせていただきます。

 

店員さん、ありがとうございました。
>店員プレゼンツ「『智慧の湖』展」 課題曲へのアプローチが面白いですね。
AIが描く「智慧の湖」像、なんて最新の流行に乗っていたり。

自由曲もプーランクとマルタンのKyrieというプログラミングが目を引き付けます。
こういう「表題は同じでも作曲家が違うステージ」は演奏会では割合見かけますが、コンクールではかなり難しい。
8分30秒に同テキストの2曲を盛り込み起伏を感じさせる選曲や、何より作品の歌い分けが至難の業。
さらに今回の選曲、どちらも名曲であり有名曲。つまり誤魔化しが効かない。
それでも「品揃え」にこだわるコンビニさんなら心配ご無用!
鮮やかに2つの作品の違い、店員さんが書かれるようにホールへ「近代的なカテドラルと古典的な教会の響き」を見事に現出させてくれることでしょう。

そうそう、余談ですが全日本合唱連盟ツイッターで。

 

「記念すべき6,000団体目の出演はCombinir di Corsita」!

2日間のオオトリで、さらに6,000団体目とは・・・。
これがテーマパークだったらステージに上がった瞬間「金賞おめでとうございます!」とメダルを掛けられ終了してしまうところですね。
コンクールで良かった(?)。

2日目、最後の出場団体前の会場は高揚感に満ち、ある指揮者氏によると「まず、ステージへ出た時に高温で天ぷら揚げたような音が拍手でするんよ!ジャーッ!!って」だそうです。
一昨年は大会自体が中止。
昨年のコンビニさん入場時は突然の松村先生ご不在により、私個人はそんなに大きく手を叩けなかったんですよね。
でも、今年は3年ぶりに迎える松村先生とコンビニさんの全国大会のステージ。
津に集まったみなさん、松村先生とコンビニさんを3年分の大きな拍手で出迎えましょう!

 

 

<ありがとうございました>

これで大学ユース、室内合唱、同声合唱、混声合唱部門、全43団体のご紹介を終わります。

今回も本当に多くの方にお世話になりました。
すべての合唱団のみなさまにお礼を申し上げるのはもちろんですが、メッセージをご寄稿して下さった方、団員さんをご紹介して下さった方、お写真を送って下さった方、各支部大会の選曲を教えて下さった方・・・などなど。
もう一度この場で、お名前だけを記して、この連載を終わりにしたいと思います。

都留文科大学合唱団Nさん。中央大学混声合唱こだま会森永淳一先生、Iさん。北海道大学合唱団Oさん。混声合唱団名古屋大学コール・グランツェKさん。関西学院グリークラブ部長森さん、Sさん。ジュニア&ユースコーラス"Raw-Ore" Hさん。酢だこ中川さん。湘南ユースクワイアIさん。愛媛大学合唱団山中さん、Iさん。九大混声合唱団Oさん、寺田有吾先生。エシュコルAさん。花凜歌上村先生。合唱団みなまた一期崎先生。弥生奏幻舎"R"松岡君、まぐろ君。女声合唱団 ゆめの缶詰阿久津さん。倉敷少年少女合唱団難波先生。女声合唱団ソレイユIさん。コールサルぜんぱくさん、Hさん。アンサンブルVine藤森さん。AF合唱団Iさん、石橋先生。男声合唱団Le Terreツイッター担当者さん。monosso山本さん、Tさん。VOCI BRILLANTI Kさん(もとOさん)。合唱団WAKAGE NO ITARI真下先生、Sさん。mokuméAさん。メンズ・ウィードSさん。La Pura FuenteSさん。合唱団Pálinka千葉先生、ツイッター担当者さん。合唱団 Le Grazie森さん。女声合唱団コール・ビビッドIさん。混声合唱団うたうたいツイッター担当者さん、役員一同様。THE GOUGE平田先生、藤嶋さん。VOCE ARMONICA黒川先生。scatola di voce ツイッター担当者さん、団長さん。合唱団ある小田さん。あい混声合唱団Kさん、Oさん。岡崎混声合唱団HBrさん。I.C.Chorale村上先生。グリーン・ウッド・ハーモニー瀬成田さん。淀川混声合唱団村田さん、Yさん。クール シェンヌ山氏さん。Combinir di CoristaEさん。女声合唱団フィオーリ中の人さん。合唱団お江戸コラリアーずIさん。緑フラウエンコール中の人さん。Nodaさん。鯖くん。めぐみーとさん。細てつさん。ken5さん。全日本合唱連盟中の人さん。合唱倉庫さん。

お名前が漏れていたり間違えた方がいらっしゃいましたら大変申し訳ありません。(こっそりコメント等で教えてください!)

他にもこのブログにスターを付けて下さった方、読者になって下さった方、ツイッターで「いいね」やリツイートをして下さったみなさま、Facebookで「いいね!」やシェアして下さったみなさま、感想を寄せて下さったみなさま、そして、読んで下さったみなさまに心から感謝を申し上げます。
それではみなさん津で会いましょう!

ありがとうございました!

 


(観客賞スポットライト2022 おわり)

 

観客賞スポットライト 混声合唱の部 その4

 

 

そうぶんの竹あかり 2022年のテーマは「天と地 つながって」(津市)
三重県総合文化センターにて開催される竹あかりのライトアップ。
毎年11月に開催され、竹あかりの和の美しい光景を楽しめる。
提供:三重フォトギャラリー

 

今日は3団体をご紹介します。
「コンクールにケンカを売る」と聞くと物騒ですが、その真相は?

 

8.愛媛県・四国支部代表

I.C.Chorale

https://twitter.com/iyo_kora

 (混声23名・第67回大会から8大会連続出場)

アイ・シー・コラーレ、通称いよコラさん。

昨年の感想では

 

課題曲G3
うたをうたうのはわすれても、
転調時の都度、音色を変えていた。
F-durに上がった時に光が射すような。
凄く感銘を受けました。


ソフトな声の課題曲から
自由曲1曲目のモチニク
「Christus est natus
(キリストはお生まれになった)」で
カーン!と声の出し方を変えて。
そこからアタッカで
自由曲2曲目:イェイロ
「The Ground(地上の祈り)」。
音楽のイメージは豊富だし、
「志」を常に感じさせる演奏。


自分はいよコラさんに投票しました。
というのは、
ちょっと泣いてしまったんですね。
コンクールで「The Ground」は
あまり演奏しない曲だし、
いろいろ中止になった企画の
残念な気持ちが癒やされた気がして。

……と好評でした。

いよコラさんの今回の演奏曲は

●課題曲
G4  智慧の湖
高橋元吉 詩 
根岸宏輔 曲

●自由曲
「Ave maris stella 花も花なれ、人も人なれ」
曲:千原 英喜

「Ave verum corpus(めでたしまことの御体)」
曲:Wolfgang Amadeus Mozart


いよコラ指揮者・村上先生が別の場所で言われるには「激エモ選曲!」。
特に自由曲の2曲目は、作曲家・新実徳英先生のご発言。
「極論を言うと、ぼくの中で最高の合唱音楽を仮に2つ挙げるなら、モーツァルトの『Ave verum corpus』とフォーレの『ラシーヌの賛歌(ジャン・ラシーヌ頌)』。この2曲を本当に素晴らしく演奏してくれたら、間違いなく金賞」を思い出させます。


指揮者:村上信介先生からメッセージをいただきました。

 

課題曲から自由曲までの一連の流れとして、「智慧」と「祈り」をテーマに選曲しました。

課題曲G4「智慧の湖」の表題にもある「智慧」とは、仏教用語で相対世界に向かう働きの『智』と、悟りを導く精神作用の『慧』を意味し、物事をありのままに把握し、真理を見極める認識力を指します。「空」をテーマにした4作品による組曲の終曲ということもあり、この曲のクライマックスは高い空の向こうにある理想の世界に向かう喜びが溢れています。

自由曲1曲目「Ave maris stella 花も花なれ、人も人なれ」のテキストに使われる「般若心経」の「般若」とは、仏教用語であり、全ての事物や道理を明らかに見抜く深い「智慧」のことを意味します。課題曲で歌われる「智慧」からの一貫性を感じつつ、Ave maris stellaによる西洋の祈り、細川ガラシャの凛とした強さと和の香り、群衆の祈りといった様々な要素が混じり合い、宇宙的な祈りの世界が展開されます。

自由曲の2曲目はモーツァルトの「Ave verum corpus」。言わずと知れた名曲です。課題曲から自由曲1曲目までに連綿と描かれる祈りを昇華させ、全世界に通じる祈りの世界を歌いたい。今現実に戦禍に苦しむ人々がいる中で、せめて精一杯の平和を願い、普遍的な祈りを捧げたい、そのような思いからこの曲を選曲しました。
新実先生がかつてコンクールの講評で話されたお言葉は存じ上げていますが、コンクールでこの曲を歌うのはチャレンジングを通り越して無謀なことかもしれません。実際に、県大会や四国大会を終えた後も、多くの方から「なんでこの曲を選んだの?」と言われました。それでも、だからこそ、この曲を今、若い団体が取り上げることに意味があると思っています。小手先の技術では逃げも隠れもできない曲です。コンクールにケンカを売りに行くようなことをして、返り討ちに遭うかもしれません。それでも戦え若者よ!という思いでコンクールの舞台に臨みたいと思います。

10/16(日)に、MODOKIやmonossoの指揮者である山さんこと山本啓之先生にレッスンいただいた際の写真です。燃えるような音楽で、あっという間の4時間でした。
山さんには、審査員を務められた愛媛県大会の後にも、「コンクールでこの作品を取り上げるということは、審査員をはじめ各方面にケンカを売りに行っているのと同じ。ケンカを売ったからには、ボコボコにしに行って勝ちに行ってほしい。」という温かいメッセージもいただいています。

 

村上先生、ありがとうございました。
「コンクールにケンカを売りに行く」!
言葉は過激ですがこの曲を選ばれた理由はとても真っ当で尊いものと思いました。

新実徳英先生のこのご発言では他に「どうしてもコンクールでは演奏効果が重視されますが、効果を超えた本当の音楽の深みへみんなが到達する、あるいはそれを目標として一里塚を刻んでいく、そういうものになったら本当にすごいですね。」とも。

課題曲から自由曲1曲目までに連綿と描かれる祈りを昇華させ、全世界に通じる祈りの世界を歌いたい。

コンクールへ向かう理由は合唱団・人それぞれですが、いよコラさん、村上先生のように「祈りの世界を歌いたい」という理由から、モーツァルトを選ぶという行為も、このコンクールが演奏効果を重視するだけではないことを証明しているようで嬉しいですね。
山本さんの温かい(?)メッセージに乗って私も。

 

「いよコラ、村上先生! 行ってボコって勝ちに行けッ!!」

 

〇宣伝事項:
来年4月30日(日)に、香川県のレグザムホールで
「四国ジョイントコンサートPalette~四国合唱遍路道~」
を開催します! 
四国四県から8団体が集結しての大規模なジョイントコンサートとなります。
○香川:monosso、JADE
○徳島:Serenitatis Ensemble、forma
○高知:混声合唱団Pange、Dios Anthos Choir
○愛媛:Chorsal《コールサル》、I.C.Chorale
今回、全国大会に出場されるmonossoさん、コールサルさんもご一緒されます。
合同ステージは、新旧の名曲たちを各団体の指揮者が1曲ずつ振る予定です。
四国の団体も頑張っていますので、ぜひ気に掛けていただければと思います!

このジョイントコンサートの詳細は、またフライヤーなど出来次第このブログでお知らせしたいと思います。
Chorsal《コールサル》指揮者:ぜんぱくさんが「四国の合唱人は、コンクールでのライバルと言うより『仲間』」と仰っていましたが、このように四国支部大会で競った団体がジョイントコンサートを企画というのは、本当にそうなんだなあ、と感じてしまいますね。
村上先生がモーツァルトを選んだのも、そんな土壌があったからなのかも。
良いジョイントコンサートになりますことを。

 

 

続いては毎年、現代音楽を選曲される団体の登場です。

 


9.宮城県・東北支部代表

グリーン・ウッド・ハーモニー

https://twitter.com/gwharmony

(混声47名・23大会連続出場・第2回大会以来39回目の出場)

グリーン・ウッド・ハーモニー(GWH)さん、毎年課題曲にG1、自由曲に海外の現代曲を選ばれる印象です。
昨年の感想では

 

課題曲G1のシュッツも
ドイツ語の発音が
さすがだと思ったし。
パートが揃ってシュッツらしい熱もあり、
先が気になるというか興味が持続する演奏。


自由曲のレーガー
「Palmsonntagmorgen
 (枝の主日)」も
軽やかなところは本当に軽やかに。
メリスマ、良かったですね。
フーガに華やかさもあった。


2曲目の
「Der Mensch lebt und bestehet
(人の生きる時は短く)」は
 構成から考えられた弱声の美しさ。
 GWHさんはp,ppを
 ちゃんと緊張感を持って
 キッチリ美しく作っているなぁと。
 全体的に音楽の運びが
 素晴らしいと思いましたね

……と、とても好評でした。

 

GWHさんの今回の演奏曲は

●課題曲
G1 Gaude virgo, mater Christi
Josquin des Prez 曲

●自由曲
Aus den Psalmen Davids(ダヴィデの詩篇)より「Exaltabo te, Domine(主よ、あなたを崇めます)」

Missa Brevisより「Kyrie」「Gloria」
Krzysztof Penderecki 曲


団員の瀬成田さんからメッセージをいただきました。

 

昨年の全国大会の翌日に、長年当団を指導してくださっていた今井邦男先生がお亡くなりになりました。新しい指揮者に、20年近くボイストレーナーとしてご指導いただいている田中豊輝先生を迎えることができました。東北大会に向けては、悔いのないよう練習に取り組み、十分に自分たちの力を発揮でき満足していましたが、望外に全国大会に出場できることとなり団員一同大変嬉しく思っております。
 
課題曲は当団が長年取り組んでいるポリフォニーを選びました。ジョスカンは今井先生とも何度も演奏しましたが、毎回その魅力に惹きつけられています。
自由曲のペンデレツキ、KyrieとGloriaは団員で意見を出し合いながら選曲しました。そこに12音音楽のExaltabo te, Domineの組み合わせを田中先生が提案してくださいました。
Exaltabo te, Domineはペンデレツキ が1958年25歳の時に作曲された12音音楽です。12音音楽でありながらもそのメロディーは美しく、不協和音の後に調性音楽の三和音を聴くこともできます。
ミサ・ブレビスからKyrieとGloriaは2012年79歳の作品で、ライプツィヒの聖トーマス教会で全曲が初演されています。Kyrieは静かな大地で人々が口々に祈りを唱え、それが一瞬の絶叫となり、また土着的な祈りとなるような雰囲気があります。
Gloriaは冒頭とフィナーレ直前に調性的な分散和音が変化する教会の鐘のような部分があり祝祭的ですが、人々の不安な祈りを示すような半音階的な部分もありドラマチックな曲です。

ペンデレツキの生きたポーランドの隣国、ウクライナでの戦争が行われている今、もしペンデレツキが生きていたらどのような音楽を作っていただろうと思いを馳せ、平和を祈りながら歌います。

7月に開催された定期演奏会のものということ。

瀬成田さん、ありがとうございました。
長年、GWHさんを指揮され、音楽の魅力と奥深さを教えていただいた今井邦男先生に心から哀悼の意を表します。

自由曲はポーランドの作曲家:Krzysztof Pendereckiの作品。
不穏な雰囲気を漂わせる「Exaltabo te, Domine」から、ペンデレツキの神への熱い想いを感じさせるミサ曲。
同じ作曲家の作品と言えども、25歳と79歳という離れた年月故か、かなり異なる印象を受けます。

GWHさんは年代層が幅広いながら、こういった現代曲を指揮者に「やらされている」感は全く無く、それぞれ個人の自主的な意欲が伝わるのが素晴らしいですね。
瀬成田さんのメッセージからは今井先生の音楽を心に残しつつ、指揮を受け継がれた田中豊輝先生が、また新たなGWHさんの世界を拓こうとしているように感じます。

新しい平和な世界を祈る、新しい指揮者を擁したGWHさんの歌が、広く深く届きますように。

 

続いては混声合唱部門最大人数の登場です!

 

10.大阪府・関西支部代表

淀川混声合唱団

https://twitter.com/yodokon

(混声75名・2年連続出場・第57回大会以来13回目の出場)

 

淀川混声合唱団、通称「よどこん」さん。
指揮者は、大学ユース部門に出場の混声合唱団名古屋大学コール・グランツェさん、室内合唱部門に出場のアンサンブルVineさんを指揮される伊東恵司さんです。


昨年の感想では

 

自由曲:ウィテカー
「Cloudburst(雷雨)」は
ドーン!と盛り上がって。
いままでの淀混さんの演奏で
最高にキテました!


合唱表現という面で
いろいろな要素を
キチンとクリアしていたのが
伊東さん、淀混さんらしいなぁと。


まとまりもあったし。
クライマックスのハーモニーって
雷光だと思うんだけど、
鮮烈だったし眩しかった。
あれだけ人数がいると
雨の音も豪雨って感じで
効果的だったよね。

……と、大変好評でした。
 

 

今回の淀川混声合唱団さんの演奏曲は

● 課題曲
G4 智慧の湖
高橋元吉 詩 
根岸宏輔 曲

● 自由曲
Stabat Mater(inF)
György Orbán 曲


団員の村田さんからメッセージをいただきました。

 

こんにちは。よどこんこと淀川混声合唱団です。
一応大阪の合唱団ということになってはいるのですが、関西一円、さらには関東や東海などからも歌に取り憑かれた面々が集まり、楽しく活動しております。
望外にも2年連続で全国大会出演の機会をいただき、団員一同身が引き締まる思いでおります。

昨年は自由曲としてエリック・ウィテカーのCloudburstを演奏し、晴れの国・岡山に大驟雨を現前させんとしました。
打って変わって、今年は厳粛な雰囲気に満ちたStabat Materでコンクールに挑むこととなり、音楽性の豊かさと祈りの言葉の説得力との両立を図るという難題に悪戦苦闘しています。叙景から叙事へ大きく舵を切ったよどこんの音楽を観客の皆様にもお楽しみいただけるよう、最後の最後まであがいていく覚悟です。

打って変わってと言えば、ピアノ付きの課題曲を選んだのもよどこんとしては大きなチャレンジと言えるでしょう。ピアニストとのコラボレーションの愉しさを練習および舞台で味わうという、例年の秋とは違った経験を重ねられていることに、新鮮な喜びを感じています。
作品自体も、歌う度に愛着の増す素晴らしいものですので、その魅力を最大限にお伝えできるよう、表現を磨いてまいります。

合唱を取り巻く状況が厳しさを増す中、昨年を上回る人数で出演できることはたいへん有り難いことです。そのことに感謝しつつ、三重の舞台を心ゆくまで楽しみ、さらなる成長への糧としたいと思います。

9月に開催された演奏会前の練習。
「写真は各団員、お気に入りステージの楽譜を持って写っております」とのこと。


村田さん、ありがとうございました。

ピアノ伴奏の公募課題曲「智慧の湖」はよどこんさんとしては大きなチャレンジなのですね。
そう言えば昨年はCloudburstでサンダーシートなど合唱では滅多に聴けない楽器と協演されていましたが、確かにコンクールの場でピアノ伴奏の曲は印象に無いかも。
それでも指揮者:伊東さんのご解釈とよどこんさんの演奏力で、これぞ決定版!というものを聴かせてもらえると期待しております。

ハンガリーの作曲家オルバーンの現代的な響きとリズム感を持つ「Stabat Mater(悲しみの聖母)」も、村田さんの「音楽性の豊かさと祈りの言葉の説得力との両立」「叙景から叙事へ大きく舵を切ったよどこんの音楽」と鋭い楽曲へのまなざしに惹きつけられました。
団員さんの「歌えば歌うほど表現を追求したくなる名曲」という声もあり、きっと強い説得力での演奏が聴けるのではと楽しみです。

75名と混声合唱部門だけではなく、この大会でも最大人数のよどこんさん。
しかし力で押し切るだけではなく、澄み切った繊細な表現も得意とされています。
課題曲、自由曲とも幅の広いダイナミクスから生まれる荘厳な表現に期待です!

 

 

(次回に続きます)

 

観客賞スポットライト 混声合唱の部 その3

 

 

 

とことめの里(津市)
提供:三重フォトギャラリー


今日は2団体をご紹介します。
今回も凄い委嘱曲を持ってこられた団体とは?


6.東京都・東京支部代表

あい混声合唱団

https://twitter.com/ai_kon

(混声57名・3年ぶり・第67回から3回目の出場)


指揮者は室内合唱部門の「ゆめの缶詰」さん、同声合唱部門の「mokumé」さんと計3団体を振られる相澤直人先生。

3年前の感想は

 

課題曲G4、
言葉のニュアンスが素敵でした。
溶け込ませるテノールにうっとり。
全体に優しさがあふれていました。


委嘱曲の自由曲:土田豊貴作曲
「立ちつくす~混声合唱と2台のピアノのための~」は
凄いというか、凄まじいというか……。
ピアノと合唱が響き合う世界。
作品としての説得力があって。
団員さん全員からの
強い願いと祈りに圧倒されました。


大迫力の祈りに圧倒された…
最後に歌われた愛への祈りは、
本当に神に受け入れられたと思う

……と好評でした。

あい混さんの演奏曲は

●課題曲
G4 智慧の湖
高橋元吉 詩
根岸宏輔 曲

●自由曲
「混声合唱とピアノ連弾のためのアモール・ファティ」より「アモール・ファティ」
黒田三郎 詩
宮本正太郎 曲


今回も凄い委嘱作品を持ってこられたそうです。
団員さんからメッセージをいただきました。

 

京都の地で、〈立ちつくす~混声合唱と2台のピアノのための~〉を演奏した日から3年。再び全国大会出場の推薦をいただき、特別な曲を特別な場で演奏できることを嬉しく思います。
今年の自由曲〈『混声合唱とピアノ連弾のためのアモール・ファティ』より「アモール・ファティ」〉は、昨年の朝日作曲賞受賞者である宮本正太郎さんへの委嘱作品。
実は、あい混の団員でもある宮本さん。受賞直後、相澤先生から「来年のコンクール自由曲を」と声をかけられたといいます。器楽を専門としていた宮本さんに対し与えられた曲のイメージは、ラヴェルによる管弦楽曲『ラ・ヴァルス』。イメージにふさわしい詩『アモール・ファティ』と出会い、この作品は誕生しました。
「アモール・ファティ(運命愛)」とは、ニーチェの提唱した哲学用語。その意は、「運命のあるがままを受け入れたとき、そしてそれを愛したとき、人は本来の創造性を発揮できる」というもの。黒田三郎がこれに強い憤りを覚えて書いた詩が、本作品のテキストです。
作品の最大の特徴は、「オーケストラのような音を目指して書きたい」という作曲時の思い。実際、声部に器楽的な要素が多分に含まれており、歌と器楽とのバランスを保つために打楽器も取り入れられています。
静寂から始まる音楽は徐々に輪郭を見せ始め、エネルギーを持って前進。音の重なりや無声音による音像が混沌を表現し、憤りが頂点に達すると、はじめに歌で示された旋律がピアノで内的に再現されます。一度落ち着いたかと思われた中から新たな動機が提示され、感情の深さを思わせる大きなうねりとなって現れます。これまでの流れをまとめていくようなオアシスを経て、「アモール・ファティ」と力強く放たれるラストまで一気に駆け抜けます。
情感溢れる言葉の連続である詩、合唱でありオーケストラのようでもある作品、二人の素晴らしいピアニスト、合唱とピアノと打楽器とが混然一体となった空間……。たくさんの点に注目していただきながら、歌であり音響体である宮本作品の世界を肌で体験していただければと思います。

「アモール・ファティ」初演の演奏会後に撮影とのこと。
(c)Studio Symgraph

 

ありがとうございました。


課題曲F4の作曲家:宮本正太郎先生はあい混声合唱団さんの団員でもあるとか。
室内合唱部門のゆめの缶詰さん、同声合唱部門のmokuméさんも課題曲に宮本先生作曲のF4「定点観測」を選ばれたことから思いの深さと強い繋がりを感じます。
共演者もピアニストにVocal ensemble capellaの渡辺研一郎先生、さらに作曲家の松本望先生の連弾という豪華さ!

メッセージによると、詩はニーチェ「運命愛」に対する黒田三郎の憤りということ。
「運命愛」という言葉自体を理解するのも難しいのですが(黒田の詩はポリアンナ症候群への揶揄?と一瞬考えたのですが、おそらく違いますね)、宮本先生がこの詩を選ばれたのは、現代でともすれば冷笑的になり悪い方向へ進むのを受容してしまう多くの人々への警句でもあるのかな、と。
腹をたてまいがためにだけ / amor fatiとつぶやくことが / それが /僕の運命を台なしにしてしまったことを

「アモール・ファティ」、YouTubeで演奏会の初演を聴かせていただいたのですが、甘美な合唱の響きにハーモニックパイプ、レインスティックなど楽器の音が重なり、心を揺り動かす旋律と印象的なピアノ連弾と、確固たる世界を創っておられました。
全国大会では楽譜に変更点があるらしく、ホールならではの音響現象、「歌であり音響体である宮本作品の世界」がとても楽しみです。

今大会で相澤直人先生はあい混さんを入れて3団体を指揮されます。
3団体ともレベルが高い東京都大会の代表で、これは本当に凄いこと。
「相澤旋風」と名付けられるほどの勢い、こういう「ノッてる」指揮者、団体の演奏は聴いていて活力を与えられることが多いんですよ。
新たな合唱音楽の提示、そして新時代の中心になるであろう相澤先生の音楽に大期待です!

 

 


続いてこちらも委嘱作品を自由曲にされた団体です。


7.愛知県・中部支部代表

岡崎混声合唱団

https://twitter.com/okazakikonsei

 (混声64名・3年ぶりの出場・第57回大会以来15回目の出場
 岡崎高校コーラス部OB合唱団も含めると
 第49回大会以来17回目の出場)

母体は今年も全国大会へ出場された岡崎高校コーラス部という実力合唱団。
3年前の感想は

 

課題曲G2、
がっちりとした声で
シンフォニックな響きが
曲と合っていました。

自由曲:三善晃「五つの童画」より
「4.砂時計」「5.どんぐりのコマ」。
非常に安定した音運びでした。

OB合唱団ではあるけれど、
OB合唱団には無い、
響き、たたずまいがある団だと思って。

……と好評でした。

今回の岡崎混声さんの演奏曲は
●課題曲
G2 Es ist verrathen(「Spanisches Liederspiel」から)
Emanuel Geibel 詩 
Robert Schumann 曲

●自由曲
混声合唱のための「Anthology」より
(金丸桝一 詩)
3. 星のない夜(及川 均 詩)
5. 本を閉じてまた(木島 始 詩)
作曲:信長貴富

「Anthology」は岡崎混声合唱団・岡崎高校コーラス部さんの委嘱作品。
今回、この選曲に至ったのはある詩人の存在があったからとか?

団員のHBrさんからメッセージをいただいております。

 

皆さまこんにちは、岡崎混声合唱団です。
自由曲では、信長貴富先生に委嘱・2016年3月に初演した『Anthology』から3曲演奏します。

私たちは信長先生の作品を折に触れ取り上げており、今年2022年3月には演奏曲目全てを信長先生の作品で構成した定期演奏会を開催しました。このとき演奏した金丸桝一の詩による「そうそうと花は燃えよ」について、信長先生は「この世に生きて存在することの意味を、金丸は詩の中で問い続けている。問い続けること、喜びや悲しみをうたい続けることへの、 高らかな決意である」と記していらっしゃいます。金丸さんと信長先生お二人の壮絶な魂の込められた「そうそうと花は燃えよ」に取り組む中で、同じお二人による「序」で始まる『Anthology』を再演したいという思いが募りました。
「序」では金丸さんの随筆から採られた4行の詩から胸苦しく循環する想いに締め付けられ、続く「星のない夜」では「自分だけが生きていてよいのか」という自責の念に駆られます。この2曲は言葉にならない呻きや叫びがヴォカリーズや擬音語となり、激しい音のぶつかり合いを生みます。
そして3曲目は「本を閉じてまた」。言葉の持つ力を信じ、焼け野原に再び芽ぶく日が来ることを信じる詩人の静かな、しかし力強い祈りを歌います。終盤には鳥の声が登場します。(今回は演奏しませんが、)「本を閉じてまた」の前に置かれた「空に小鳥がいなくなった日」でいなくなってしまった鳥がまた出てきてほしいという願いを込めたと信長先生から伺いました。鳥の声に平和への祈りを託したいです。

初演当時と比べて作品の持つ意味がより一層重くなったように感じます。団員の入れ替わりもありましたが「訴う歌」を追求する姿勢は変わらずに演奏に臨みます。多くの方の心にお届けできればと願います。

今年3月の定期演奏会にて「そうそうと花は燃えよ」演奏時の写真ということ。

 

HBrさん、ありがとうございました。
金丸桝一の詩による「そうそうと花は燃えよ」は全国大会でも、女声版を島根の女声合唱団フィオーリさんが2019年に演奏されていますが、なるほど惹きつけられる詩で、同じ信長先生が作曲された作品を!と求められる気持ちに共感できます。

YouTubeで岡崎混声さんの「Anthology」全曲を聴かせてもらったのですが、最終曲「本を閉じてまた」の鳥の鳴き声、詩には無いのに?と思ったら、HBrさんが書かれるように前曲「空に小鳥がいなくなった日」を受けたものだったんですね。
消えた鳥たちの鳴き声が、最後にまた甦る。
戦争へ傾く日本を題材にした曲集の最後に、本を開くこと、学ぶこと、人間への信頼と希望が鳥の声になったようでとても感銘を受けました。

HBrさんによると信長先生の混声合唱組曲「春のために」の終曲「青年に」でも同じ調性でやはり鳥の声が登場するそうです。
先日聴いたラトヴィア放送合唱団演奏会の最後に演奏されたヴァスクス「私たちの母の名(Musu masu vardi)」でも終盤に美しく鳥の鳴き声が響き渡り、環境やモラル崩壊への危惧、悲しみを浄化するような印象を受けました。
晴れた日に公園や街路樹の下を歩くと、風に乗って鳥の鳴き声が聞こえてくることがあります。
銃声や爆撃がある世界ではきっと聞こえてこない音。

「訴う歌」を追求する姿勢は変わらずに演奏に臨みます。

岡崎混声さんの「訴う歌」が会場の人たち、さらに外の世界へ大きく広く届くものになりますように。

 

(次回に続きます)

 

観客賞スポットライト 混声合唱の部 その2

 

今回は観客賞の投票について!

 

参加資格:
「大学ユース部門」「室内合唱部門」
「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
それぞれ全団体を聴いていること。
(その部門の出演者は投票できません)

 


そして今年もLIVE配信が予定されていますので、配信で全団体を聴かれた方も投票できます!

 

投票方法は2つあります。
※生演奏を聴かれている方と、配信を聴かれている方ではハッシュタグが違うので注意!

 

1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで「混声合唱部門」なら
生演奏を聴いた方はハッシュタグ

#混声合唱22

を付けて


配信を聴いた方は

#混声合唱22H


を付けて

20日混声合唱の部終演(予定17:14)から
審査発表が始まる前の18:10までに良かった2団体を書いてツイート。
※できれば『終演後すぐ』に投票していただければ助かります!


その際、各団体の後に感想を書いていただけると、とてもとても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので正確にお願いします!

 

ツイート投票の例: 

合唱団●● 壮麗な混声合唱のお手本!
▲▲ヴォイス 大人数でも繊細な表現が素晴らしかった。
#混声合唱22

 

 

ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体とできれば感想を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間はツイッターでの投票と同じです。
※できればメール投票にもハッシュタグを付けていただければありがたいです。

つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人が

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)生で聴いた人はハッシュタグ #混声合唱22
  配信で聴いた人はハッシュタグ #混声合唱22H (←最後に【H】を付けるのを忘れずに!)

4)部門終了後すぐに投票

…してくださると、とってもありがたいです。

 
たくさんのご投票をお待ちしています!

 

かざはやの里(津市)
提供:三重フォトギャラリー

今日は2団体をご紹介します。
連続出場に関しては、倉庫管理主任Kさん のデータを参考にしております。 
いつもながらありがとうございます。

 

センスの良い団体が5年ぶりの登場です。

4.埼玉県・関東支部代表

scatola di voce
 https://twitter.com/scatola_di_voce

 (混声31名・5年ぶりの出場・第67回大会から5回出場)

 

scatola di voceは、イタリア語で「声の箱」の意。

5年前の感想では

課題曲のG1のAdorna thalamum tuum, Sionは
ステージの端から端まで円形に並んで
並びからしてカッコ良い!(笑)


自由曲のDaniel Elder
「O magnum mysterium」も
センスがあふれていました。
2曲目のJake Runestad「Alleluia」は
この混声部門唯一のハンドクラップで。
でも、それが浮かないところが
やっぱりカッコ良い。


美学が徹底しているな~って。
サウンドも音楽にも徹底している合唱団。

……と、とても好評でした。

 

スカートラさんの今回の演奏曲は

●課題曲
G4 智慧の湖
高橋元吉 詩 
根岸宏輔 曲

●自由曲
混声合唱とピアノのための「春と修羅」より II
宮沢賢治 作詩
信長貴富 作曲

今までは海外の作品をセンス良く演奏してきた印象のスカートラさん。
今回は課題曲、自由曲、ともに日本語の邦人作品です。
団長さんからメッセージをいただきました。

 

これまで海外の現代曲をメインのレパートリーとして扱っていたのですが、団が成熟しつつある今、改めて日本の作品(特に組曲)にも挑戦したいという想いがありました。
「春と修羅」は以前より憧れこそあったものの、既に素晴らしい演奏事例が数多く存在する作品で、難易度も高く勇気の要る選曲でした。実際、選曲会議では一度流れています。
ただ、1年後、改めて選曲会議にかけた際に、withコロナを1年乗り越え、今いる団員の顔を思い浮かべた時に、「このメンバーならやれる」という自信が生まれて、選曲に至りました。
なお課題曲は、自由曲との相性を考えほぼ即決でした。
結果的に、スカートラとしては「G4」「日本語の自由曲」「伴奏付き」、全てが初めてのコンクールとなりました。

YouTubeチャンネルで2022年6月の演奏会の動画や、関東合唱コンクールでの演奏録音を公開しております。

 

なるほど、確かに「春と修羅」は幅広い表現を必要とする難易度の高い作品。
しかし困難を乗り越え、団員さんの顔を思い浮かべての「このメンバーならやれる」という自信に至ったのは素晴らしいですね。
自由曲との相性で選ばれた課題曲も、指揮者:森田先生の優れたセンスが感じられるものと期待しております。

ところでスカートラさんの「withコロナ」はかなり過酷なものだったようです。

 

コロナ禍で対面での活動が制限され、少人数での活動は細々と続けていたのですが、去年の6月の埼玉県合唱祭でリアルでの舞台が再開される!となったとき、当時のオンステ見込みメンバーが当初9人という惨状で…
これはまずいと必死に人集めをしたのですが、その声掛けに応じて集まってくれたメンバーが本当に心強く、ここまで持ち直すことができたと思っています。
新たに入団して活躍してくれているメンバーも勿論、コロナ以前から長らく活動から離れていたメンバーや、絶賛育児休団中だった夫婦団員がお子さんを連れて復帰してくれたりと、脈々と続いてきた縁にも非常に救われました。
また、初の高校生団員が誕生したのもこの頃でした。

若い団体だと思われがちな弊団ですが、実は来年で創団20周年を迎えます。
当時大学生が集まって結成した団体がここまで活動を続けてこれたことに、これまで以上に感謝の気持ちを持って臨めるのではないかと思っています。

また、団員年齢層も、前回の全国に出場していた時は20~30代だったのが10~40代と幅広くなったので、その分音楽表現にも“幅”を出していければと思っています。
多くの人が関わり、積み上げてきたものも大切にしつつ、これまでと一味違うscatolaの音楽をお届けできるよう、全身全霊で挑みます!!

直近の県大会の時の様子です!(2022年8月)


団長さん、ありがとうございました。
スカートラさんの演奏を初めて聴いたのは2014年高松での全国大会初出場のとき。
エセンヴァルズ「Stars」でグラスハープを使い、美しく演奏する姿に衝撃を受けたものです。
それでもその時に創団してから11年経っていたんですね。

今回、コロナ禍のため演奏できなかった作品を、ふたたび選ぶという団体がいくつもありました。
失ったものを取り戻したいという思いは人として当然ですが、取り戻したものを大切に思い、愛着を持つこと。
取り戻したものに、以前なら見過ごしていた価値を見出すことも、人生の妙と言えるかもしれません。

多くの人が関わり、積み上げてきたものも大切にしつつ、これまでと一味違うscatolaの音楽をお届けできるよう、全身全霊で挑みます!!

年代の"幅”に、音楽表現の“幅”、それは人としての“幅”なのかも?
また一回り大きくなったスカートラさん全身全霊の演奏に期待しています!

 

 

続いては広島の伝統”ある”団体が!


6.広島県・中国支部代表

合唱団ある

https://twitter.com/chor_aru

 (混声58名・11年ぶりの出場・第43回大会以来18回目の出場)


「ここ広島で存在感の”ある”合唱団になりたい」という夢から名付けられた合唱団あるさん。
中国大会では何度も良い演奏をしてきたものの、今一歩で全国へ進めなかったのですが、今年11年ぶりの出場です。
指揮者は同声合唱部門で女声合唱団コール・ビビッドさんも振られる福原泰弘先生。
コンクール以外にも演奏会、イベント参加や新作委嘱活動など活発に行動されてきました。

あるさんの今回の演奏曲は

●課題曲
G1 Gaude virgo, mater Christi 
Josquin des Prez

●自由曲
Caelos ascendit hodie(キリストは今日天に昇った)
Owain Park 曲

Ave, maris stella(めでたし海の星)
Tine Bec 曲

副代表の小田さんからメッセージをいただいております。

 

11年振り18回目の全国大会となります、広島の"合唱団ある"です。11年前の青森大会では"一般B"での出演でしたので、新編成になって初めての全国大会となります。また、三重県での演奏は、2003年の全国大会以来となります。

合唱団あるでは、1984年の創団以来、知られざる世界の名曲、現代邦人曲、J-POPなど、様々なジャンルに挑戦してきました。外国作品では、ここ数年、現代作曲家の作品を精力的に取り上げています。今回の自由曲は、いずれも20代の若き新進作曲家の作品です。

《Caelos ascendit hodie》(キリストは今日天に昇った)は、イギリスのOwain Park(オウェイン・パーク)(1993~)の作品です。"Caelos ascendit hodie"はキリストの昇天への讃歌であり、本作品では、最後のAlleluia. Amen.に向かって目まぐるしく変化するリズムとハーモニーが、歓喜の情景を描き出し続けます。

《Ave, maris stella》(めでたし海の星)は、スロベニアに生まれたTine Bec(ティネ ベッツ)(1993~)の作品で、彼の「グレゴリオ聖歌に基づく3つの曲集」の第1曲目です。たゆとう旋律が各パートに現れ、夜の静かな海を想像させます。グレゴリオ聖歌の美しい旋律により、どこまでも美しく豊かな優しさを持つ作品となっています。

指揮者からのメッセージです。
「自由曲は、限られた8分30秒の中で、壮大さや美しさなど全ての表情が余すところなく、包含されている曲を選曲したつもりです。キリスト教の宗教曲に取り組むに当たって、多くのメンバーがキリスト教を信仰しているわけではありませんが、全ての人に共通する祈りがこれらの曲にはあると考えています。イエスの誕生や昇天を歌うことは、平和をもたらす人に対する祈りであり、平和を希求する人類共通の強く大きな祈りであると思っています。」

広島県大会後に撮影されたものとのこと。

 

小田さん、ありがとうございました。
中国支部大会で演奏を聴かせていただいたのですが、課題曲の解釈に大変納得しました。
自由曲のパーク「Caelos ascendit hodie」、ベッツ「Ave,maris Stella」は優しい音楽を的確な解釈で演奏され、まるで楽譜が見えるよう。
いずれも温かく柔らかな雰囲気で、コンクールと言うよりは演奏会の1ステージと感じさせるもので素晴らしいと思いました。

11年前、東日本大震災の後の青森での全国大会。
あるさんは自由曲に信長貴富先生へ委嘱され、6月に初演されたばかりの混声合唱とピアノのための音画「銀河鉄道の夜」を歌われました。
ほんとうのさいわいは一体何だろう」と。

混声合唱とピアノのための音画「銀河鉄道の夜」初演時。

 

福原先生の言葉と重なります。

イエスの誕生や昇天を歌うことは、平和をもたらす人に対する祈りであり、平和を希求する人類共通の強く大きな祈りであると思っています。

思えば、あるさんの演奏から受ける優しく、あたたかな雰囲気はずっと前から続いていて。
それは福原先生が言われる「平和を希求する人類共通の強く大きな祈り」から生まれるものかもしれません。
あるさんの歌、祈りがあまねく人たちへ届きますように。

 


(次回に続きます)