年末ということで個人的な「今年のベスト」を
書いてみることにしました。
本とか、映像作品や、合唱やら。
今日はマンガを。

- 作者: 杉本亜未
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/22
- メディア: コミック
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サラリーマン人生を歩んでいる北條英明。
仕事のため向かった非合法カジノで会った
イカサマで大きく稼ぐ少年:長見良は
マジシャンとして天性の才能を持っていた。
しかし少年はディスレクシア(難読症)を抱えており…。
突出した才能を持つ人物とそれに惹かれる人物。避ける人物。
“才能”というものを繊細に描く物語には惹き付けられます。
主人公の少年に、難読症という陰を背負わせたのも
キャラクターの造形を深みあるものに。

- 作者: 入江亜季
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/06/25
- メディア: コミック
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テーマや舞台設定の異なる物語がつまった5つの短編集。
なぜ「二巻」を選んだかというと
この巻に収録されている「彼の音楽」が素晴らしかったから。
中学校に入り、吹奏楽部に入った小柄な少年:小番(こつがい)君。
音楽が大変好きなのに、不器用なため
どんな楽器を任せられても上手くできない。
ひょんなことからシンバル担当となるが、
そこでもリズムが一人だけずれてしまい・・・。
音楽というものを描く、マンガとしての美しさ。
報われないがそれでも音楽が大好きな小番君にホロリ。
単行本では小番君の後日談が載っており、それにもホロリ。
他の短編ももちろん良いです。
1970−80年代の良質な少女マンガの最も美しいものを
現代に甦らせたような作風。
表題作の中篇の大筋は親にもクラスメイトにも秘密で
宝塚音楽学校を目指す女子高生と
同じクラスの男子高校生との交流。
夢と希望と、そして挫折、ということになるのだろうか。
なんと16年ぶりの復刊ということで
初版を大事に持っている自分は大歓喜!
(初版の表紙)
とにかく寡作な人で、世間的な人気もなかなか得られず
単行本もあまり出版されていない。
夢というものの切なさをたっぷりと描く表題作の中篇も良いが
「教科書のタイムマシン」などの短編も良い。
これを機会に、単行本未収録の作品が
表に出てくれないかなーと強く願っています。
だって、最近のこんな作品がまだ本になっていないんですぜ。
モッタイナイ!と思いませんか?

- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2007/07/20
- メディア: 単行本
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ありがとう
君にあえてしあわせな人生だった。
もう悔いはないよ。
離婚した元・ダンナの鴨志田氏との復縁。
しかし氏は腎臓ガンに・・・。
サイバラさんはホント、すげえ。
襲いかかる現実も凄いが
それをキッチリと「マンガ」にしてしまう技量と、そして魂がすげえ。
「ダ・ヴィンチ」11月号に
インタビュー記事「酒と泪と男と女」&新作漫画「鴨ちゃんのこと」が
載っていて、立ち読みでふるふる感動して、感動して。
・・・で、そのまま買わずに帰ってしまった。俺のバカバカ。
「カモのがんばらないぞ」 (鴨志田氏の闘病記)
報道ステーション:それぞれの人生...3、4月に逝った方たち〜鴨志田穣

- 作者: 石田敦子
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2007/09/28
- メディア: コミック
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(少し前の)アニメ業界で働く尾道出身の双子の姉弟の物語。
可愛い絵柄とは裏腹に、描かれる現実の過酷さと
人間の残酷さ、いやらしさは鋭く胸を突く。
その後に用意された「救い」は、
読む人にとっては安易な救済にはならない厳しいものが多いが
それゆえに、説得力をもって私には語りかけてきた。
アニメはほとんど観ない自分だけれど
それでも何度も何度も目が潤んだ作品。
(5巻の「今も胸は熱いですか?」などは
電車の中で読んでいたので特にヤバかった。
「スプーンおばさん」の曲を探してしまいました)
何かしらの夢を持って、それを追い続けている人に、
読んで欲しい作品です。ぜひ!
その他には(画像をクリックすると購入画面へ)
監督が主人公のサッカーマンガ「GIANT KILLING」や
よしながふみのゲイカップル日常食マンガ「きのう何食べた?」
「皇国の守護者」(なんで連載終わっちゃうんだよー!)
などが面白かったですよ。