「本の雑誌」は雑誌自体も本選びの参考にしているが
リンクにもある「本の雑誌」HPでの
「読書相談室」もとても信頼している。
http://www.webdokusho.com/soudan/answer/view_question.php?f_start_number=10&f_view_number=10
そんなわけで「読書相談室」で挙げられていた2冊をご紹介。
1冊目は西上心太氏が薦めているハリー・クレッシング「料理人」。
- 作者: ハリー・クレッシング,一ノ瀬直二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1972/02
- メディア: 文庫
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ある村の地主の屋敷に雇われた料理人が、
徐々に雇い主や村にある影響を与えていって……、
というブラックユーモアあふれる傑作です。
そんな紹介の通り、ストーリー面では単純なのに
料理人の影響力が増すごとに
登場人物の言葉遣い、態度の変化が精妙に描かれ
読む者を飽きさせません。
なるほど、これは古典として語り継がれる価値があるわ、と納得の1冊。
結末がさらに一捻りしていて
静かな恐ろしさと深い余韻を感じました。
2冊目は東えりかさんが薦めている高田侑「フェイバリット」。
- 作者: 高田侑
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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東さんの日常のスリル、という言葉にちょいと違和感があったけど
紹介の通りとても読後感の良い小説。
登場人物のハツモは太りすぎだし
「外見無関心症」とからかわれるほど服装もこだわらない。
だけど、このハツモ氏がカッコ良いんだよな。
すごくすごく魅力にあふれている。
「総務部総務課山口六平太」というマンガを思い出しました。
どう魅力的かというのは本文を読んでもらう事にして
その魅力の一端が現れるエピソードがいちいち素晴らしく、
どれもが全く外していない。
高田侑さんという作家は今まで知らなかったけど凄いなあ。
主なターゲットは恋愛にも仕事にもつまづきかけな
20代後半以上の独身女性なんだろうけど
おっさんの私でも大変楽しく読ませていただきました。
外見をカッコ良くするのも大変だけど、
中身をカッコ良くするのも、それ以上に大変なんじゃ・・・と
読後にほんわかしながらも、
ハツモ氏と私との多大な距離を感じて少し落ち込んだのは内緒だ!
一見、カッコ良くないからこそ実はカッコいい、ってのはあるよね。
というわけで今一番私がカッコいい、と思うものをご紹介。
あー、ライブ行ってみてえ!