最近読んだ本2冊


 「本の雑誌」は雑誌自体も本選びの参考にしているが
リンクにもある「本の雑誌」HPでの
読書相談室」もとても信頼している。


http://www.webdokusho.com/soudan/answer/view_question.php?f_start_number=10&f_view_number=10


 そんなわけで「読書相談室」で挙げられていた2冊をご紹介。




 1冊目は西上心太氏が薦めているハリー・クレッシング「料理人」。

料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)

料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)


 ある村の地主の屋敷に雇われた料理人が、
徐々に雇い主や村にある影響を与えていって……、
というブラックユーモアあふれる傑作です。


 そんな紹介の通り、ストーリー面では単純なのに
料理人の影響力が増すごとに
登場人物の言葉遣い、態度の変化が精妙に描かれ
読む者を飽きさせません。
 なるほど、これは古典として語り継がれる価値があるわ、と納得の1冊。
 結末がさらに一捻りしていて
静かな恐ろしさと深い余韻を感じました。




 2冊目は東えりかさんが薦めている高田侑「フェイバリット」。


フェイバリット

フェイバリット


 東さんの日常のスリル、という言葉にちょいと違和感があったけど
紹介の通りとても読後感の良い小説。
 登場人物のハツモは太りすぎだし
「外見無関心症」とからかわれるほど服装もこだわらない。


 だけど、このハツモ氏がカッコ良いんだよな。
 すごくすごく魅力にあふれている。
 「総務部総務課山口六平太」というマンガを思い出しました。
 どう魅力的かというのは本文を読んでもらう事にして
その魅力の一端が現れるエピソードがいちいち素晴らしく、
どれもが全く外していない。
 高田侑さんという作家は今まで知らなかったけど凄いなあ。


 主なターゲットは恋愛にも仕事にもつまづきかけな
20代後半以上の独身女性なんだろうけど
おっさんの私でも大変楽しく読ませていただきました。


 外見をカッコ良くするのも大変だけど、
中身をカッコ良くするのも、それ以上に大変なんじゃ・・・と
読後にほんわかしながらも、
ハツモ氏と私との多大な距離を感じて少し落ち込んだのは内緒だ!








 一見、カッコ良くないからこそ実はカッコいい、ってのはあるよね。
 というわけで今一番私がカッコいい、と思うものをご紹介。
 あー、ライブ行ってみてえ!