「コンクール出場団体あれやこれや:出張版その6」


(※19時過ぎ更新しました!!
 全団体書き終えました〜)



>ということで、職場部門全11団体の「あれやこれや」を書き終わりました。
>(^o^)/オサキッ



うわああああ、先を越されてしまった!
お、おめでとう、ございます。
・・・私の方はまだこんなに残ってます・・・う〜。
とある方からメールで「無謀な企画」と書かれましたが
いま、この上なく同意します(笑)。


ああ、岡山なんかに出かけて写真を撮らなければ。
図書館に行って辞書と辞典と首っ引きにならなければ。
●ックオフへ行って●MRを立ち読みしなければ・・・。
(オマエは何をやってるんだ)


まあ、書くこと自体は楽しいですけどね。
Bグループは聴いたことのある団体がほとんどなので
書きながら昔を懐かしんでいます。
・・・だから遅くなる、というのもあるんだけど・・・。


楽しんでもらえているでしょうか。
今日も複数回更新しますよ!






北海道支部代表
THE GOUGE (混声50人)



初出場ですね、おめでとうございます!
ところでこの「GOUGE」という団名はどういう意味なんでしょうね?


GOUGEのイメージ検索結果


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。


gouge 1(1)丸のみ (2)丸のみで削る[彫る]こと
(ランダムハウス英和大辞典 第2版より)


うーん ・ ・ ・ 。



この団体は札幌の伝統ある名門合唱部、
札幌北高合唱部が母体となっている合唱団だそうです。
指揮は北高合唱部と同じ平田稔夫先生。


平田先生が指揮する札幌北高合唱部の演奏は
構成と、その音楽性がいつも素晴らしい。
そして心にスッと入っていくような
爽やかさを持った表現がある、大変魅力的な合唱部です。


札幌北高のOB合唱団は別にあり、
このGOUGEはそれとは違い、札幌北高合唱部以外の団員さんもいるとか。
そして最近結成されたOB母体の合唱団は
若い人が中心となるものがほとんどだと思いますが
GOUGEは比較的幅広い年代の方々が集まっているそうで。
平田先生をそれだけ慕い集まって来ているということなのでしょうね。


課題曲は一般の部ではこの団体で初めて聴ける
G4:公募曲である上田真樹先生の「家居に」。
自由曲は信長貴富先生の混声合唱組曲「ねがいごと」から
「夏のえぐり」。


この「ねがいごと」という組曲は札幌北高の委嘱作品。
1曲目の「厄払いの唄」は高松の全国大会でも演奏され
北高の演奏後は会場内で特徴的なテナーソロの
「や〜っく、はらいまひょ〜〜〜♪」が盛んに真似されてましたっけ(笑)。


「夏のえぐり」は2曲目。
詩人:木島始さん17歳の時の広島の被爆者看護の体験をテキストにしたもの
するどく打ち込まれるピアノと拮抗するように歌い語られていく作品…だそうです。



平田先生の音楽が
委嘱曲という「自分たちの曲」と結びついた
説得力ある演奏を期待したいですね。





「GOUGE ・ ・ ・ 『夏のえぐり』  ・・・ハッ!」


どうしたんだ? そんな蒼ざめた顔をして。


「おまえたち…気づかないのか?」


なに?


ランダムハウス英和大辞典の「gouge」の項をもう1回見てみろ!


gouge・・・2.丸のみでえぐり出す  こ、これは!


「そう、自由曲の『夏のえぐり』と一致しているんだよ!」


しかし、それだけではただの偶然と言えるじゃないか!


「まだ分からないのか・・・。
 『夏のえぐり』の『夏の』をアルファベットで表記すると
 『NATSUNO』 これを置き換えると 『NO TSUNA』!


ツナを否定する・・・それがどうしたのか?


「あんなに美味しいマグロを否定するとは
この上なく美味い魚の“鰆”がある岡山しか考えられない!
これは『岡山の大会で心をえぐる』、
つまりGOUGEが全国で感動的な演奏をするという宣言だったんだよ!! 」






な、なんだってー!!!



・ ・ ・ GOUGEのみなさん、期待しています。







東北支部代表 山形県
鶴岡土曜会混声合唱団 (混声44人)



鶴岡土曜会は昭和26年に創立ということですから
今年で創立57年! 伝統ある合唱団です。


その演奏は、同じ東北の一関市民合唱団を連想するように
派手な表現などは決してすることなく、
真摯に、誠実に演奏することでも知られています。


今回の課題曲はG1、
そして自由曲が三善晃先生の「嫁ぐ娘に」という名曲から!
娘の成長とその結婚を描いたこの曲の時代背景は
戦争体験が風化しつつある現代に歌われる価値がありますね。
三善先生の音楽自体も、古びた印象は決してしないことでしょう。


HPを見てみると、
なんと鶴岡土曜会、先週の11月15日に定期演奏会を開いてる!
お、お疲れ様です・・・。
いや、演奏会のテンションを保ち続ければ、
きっと全国大会でも良い演奏が出来るはず!


鶴岡土曜会、期待しています!





中部支部代表 愛知県
岡崎混声合唱団 (混声65人)



あっという間に実力団体として全国常連になった岡崎混声。
こちらも名門、岡崎高コーラス部が母体の合唱団です。
岡崎高は今年の高松:全国大会で堂々の1位金賞を獲得。


指揮者の近藤恵子先生は岡崎高を今年度で退任されるということで
最高のはなむけになったのではないでしょうか。


課題曲は岡崎高と同じG3。
そして自由曲は広島の「合唱団ある」の項でも触れましたが
同じ、千原英喜先生の「ラプソディー・イン・チカマツ」から「貳の段」。


熱く、声量も音圧もあって、濃い表現を得意とする岡崎混声。
近松門左衛門の濃密な世界を彩り豊かに表現してくれることでしょう。
一般B、前半部のトリということで
休憩中の会話を岡崎混声の話題で占められるか?!


HPには岡高コーラス部の快挙を記した後にこんな記述が。

「全国W1位!という幻想を現実にしたいですね」


ホントに実現したら、これは凄い!
岡崎混声のみなさん、がんばれ〜!!





関西支部代表 大阪府
淀川混声合唱団 (混声55人)



指揮者の伊東恵司さんは淀川混声(以下よどこん、と略します)の他に
Vine、そしてなにコラと計3団体を指揮します。
これは今大会で一番多く合唱団を振る指揮者ですね。
(まあ過去には「●山現象」と名前が付いた
 6つも7つも1大会で団体を指揮する方もいらっしゃいましたが…)


よどこんはノンヴィブラートでパートごと純度の高い、
明るく素直な発声の合唱団。
和音の重ね方にもセンスがあり “よどこんサウンド” とでも
名付けたいような爽やかで気持ちの良い空間を作り出します。


課題曲はG3。
個人的に寺嶋作品とよどこんは
非常に相性が良さそうな予感がするので期待。
(…この課題曲、高校の部でも何度か聴きましたが
 私にはこの曲の「理想の音楽、あるべき姿」というものが
 ちょっと想像できない曲でした。
 この一般の部で「なるほど!」と思える演奏があると良いのですが)


そして自由曲は北川昇先生への委嘱曲「枯木と風の歌」。
石井歓先生の「枯木と“太陽”の歌」じゃありませんよ!
「枯木と風の歌」でググったら「枯木と“太陽”の歌」ばかり出てビックリ。
“風”の方は立原道造の詩のようです。


作曲者の北川昇先生は1983年生まれの若い作曲家。
伊東さんとも、よどこんとも関わりが深いようで
2年前にも「シャガールと木の葉」という曲を委嘱初演し、
演奏会では自分たちの歌として隅々まで心のこもった
素晴らしい演奏を聴いた記憶があります。
「曲に歌わされる、のではなく “自分たちが” 歌う」印象。
委嘱曲でも、なかなかそこまでの演奏が出来る団体は少ない。


「枯木と風の歌」はまだ聴いたことがありませんが
シャガールと木の葉」は過去の様々な合唱名曲の良さを吸い上げ
若々しいセンスで作曲されたような印象を持つ
合唱人なら歌って楽しいだろうな、と思う曲でした。
この「枯木と風の歌」も、再びよどこん「自分たちの歌」として演奏し
多くの合唱人に広まることを期待してしまいます。




中部支部代表 愛知県
合唱団ノース・エコー (混声66人)



その清澄と言える澄んだ響きの美しさを追求してきたノース。
今年は課題曲はG2。
自由曲は北欧の・・・あれ?! 北欧作品じゃない!!


ここ10年ほどノースはコンクールで北欧作品を追求していたんですよ。
ステンハンマー、ニーステット、サンドストレーム・・・。
それがどういう方向転換?と思って団員さんに尋ねてみたら

北欧曲でノースなりに演奏できる曲がほぼなくなり、
以前から団員より希望があったバーバーをやろうということになった

…なるほど、そういう経緯があったのですか。
それにしてもバーバーの名曲「Agnus Dei」とは・・・。


この曲は元々は「弦楽四重奏曲
「弦楽のためのアダージョ」…
ケネディ大統領の…
映画「プラトーン」で…
私も歌ったことがありますが…


…ちくしょう! 交換日記相手がパナソニック合唱団への紹介で
ぜーんぶ書いてるじゃないかッ!!(笑)
http://talk-to-oneself.blog.drecom.jp/archive/1273



ムリヤリぜんぱくさんが書かれていない事を捻り出すと
…うーん・・・「弦楽のためのアダージョ」の動画を貼っておこう(笑)。
再生しながらお読み下さい。





あとは全国大会でも多くの団体が演奏されているこの曲。
6年前の全国で松下耕先生指揮する
Gaia Philharmonic Choirの名演が思い浮かびます。


Gaiaや今年のパナソニック合唱団のように
熱い印象の合唱団が演奏する曲というイメージが私にありますが
ノースが北欧曲で培ってきたものが
この曲に、今までのイメージとは違ったものを加えてくれれば
もう言うことはありません。

合唱だけでなく、クラシック音楽としても人気の高い曲ですから、
ごまかしなしの真正面からの演奏をしようということで励んでおりますよ

…ということなので、名曲へのノース、真正面からの演奏、
期待したいと思います。


・・・それにしても、良い曲だなあ・・・。





四国支部代表 愛媛県
Chorsal《コールサル》 (混声33人)



初出場おめでとうございます!
この団体は・・・個人的に指揮者さんと親しくさせていただいてまして。
特に最近(笑)。

Chorsal≪コールサル≫とは、造語である。
「合唱」を意味する≪Chor≫と、
「サロン」を意味する≪sal≫を合わせた言葉。
「歌う仲間が集う、サロンのような心地良い場所」
という願いが込められている。


(HPから)

だからサルは「猿」じゃないんですよ、みなさん!


愛媛大学合唱団のOBが多いのかな?
25才未満の団員さんが6、7割を占める若い合唱団だそうです。


「熟れてないバナナに黄色く着色する作業」
…などと最近の練習について指揮者さんは語られていましたが
(それって偽装じゃないの? 笑)
演奏を聴いたことのある方にコールサルの感想を尋ねると


「フレッシュで生き生きとした、
 音楽や感情をまっすぐ伝える印象」…という答えが返ってきました。


九州大会でのウイステリアが演奏する、
千原英喜先生「天地始之事」を聴いたぜんぱくさんに訊くと
同じ曲でも解釈は全く違うのだそう。
合唱団あると岡崎混声、ウイステリアとコールサルのように
課題曲と自由曲が全く同じ組み合わせ(しかも千原作品!)、
しかし演奏スタイルと解釈の違いがどう聴く耳に響くのか。


それと、実際何回もお会いして、
文章もたっくさん読んでますが、
ぜんぱくさんの作る音楽、聴くのは初めてなんですよ、私。
(・・・知人として、大変面目ありません・・・)


私も初の全国大会が学生の時の岡山大会ということもあり
今年の全国大会には格別の思いがあります。
無我夢中で正直自分の歌はメチャクチャだったけど、
なんでも、すべて、「初めて」を通り抜けないと
次に進めないんだよね。


歌い手としては別の合唱団で
何度も全国へ出られているぜんぱくさんですが
指揮者としては初めて。


知人の「初めての全国大会」ということ。
思い入れある岡山シンフォニーホールということ。
知人が指揮する、初めて聴く音楽ということ。
そんなドキドキの3重奏もコールサル演奏での楽しみです。


思い描いた音楽が、すべて良い形で表れますように!
そして良い体験となって、コールサルの明日へ繋がりますように!!


私の願いなんぞ、大した力になりませんが
それでも精一杯応援しています。





東京支部代表
創価学会しなの合唱団 (男声73人)



一般の部の中で最大人数の合唱団。
昨年のしなの合唱団の演奏はかーなり良かった!
練り上げられた声と表現で
三善先生の「遊星ひとつ」を「これぞ男声合唱!」という
迫力ある表現で歌い上げてくれました。


そんなわけでもちろん今年も期待してしまうのですが。
課題曲はM4、池辺晋一郎先生の
「枯れたオレンジの木のシャンソン」。
この曲の持つ、男声特有の明るさの中の哀しみを
どう表現してくれるか。


そして自由曲、新実徳英先生の「日本が見えない」!
この曲を聴いたことが無い人は
対ショック姿勢で準備した方がいいですよ。
私は5年前の早大学院グリークラブの全国大会出場時、
このしなの合唱団にも縁が深い清水敬一先生の指揮で聴いたのですが
いやー、ぶっとびましたね。


テキストは竹内浩三の反戦詩。
戦争から帰ることが無かった竹内氏が、
戦争後の日本を幻視する詩。


東京都大会を聴いた方の感想では
「上手い合唱団の邪魔をせずに、
 目立たず、しかし引き出しの多い指揮者の音楽が良かった」
 …ということです。
 

ヘタな合唱団の演奏なら、
単なる飛び道具を使った曲、のような印象になりますが
しなの合唱団ならそんな心配は無用でしょう。


戦争の無意味さ、恐ろしさ、価値観の崩壊…のような
聴く者をギリギリのところまで、どうか追い詰めて欲しいと思います。





東北支部代表 宮城県
グリーン・ウッド・ハーモニー (混声65人)


グリーン・ウッド・ハーモニー、略称GWH。
HPを見たら今年で創立60周年なんですね。
おめでとうございます。
そして団名の由来もHPに載っていまして。

1948年 4人の若者たちが中心となり、
戦災で焼け野原になったかつての森の都仙台に
再び緑の森を!という願いを込めて設立された

…初めて知りました。そうだったのか。


GWHはいつも、
少なくとも6年前からずっと課題曲にG1を選択し
その大人数にも関わらず、
少人数の団体が尻尾を巻くほどの
精緻なアンサンブルを披露することで定評が高い団です。
きっと今年も素晴らしいルネサンスを…って今年G3?あれー??


い、いや、今井先生の音楽観が、
寺嶋作品をどう解釈するかも興味があるので
それはそれで良いんですが。


えーと、GWHは自由曲に
難解な作品を選択することにも定評がありまして。
過去にはシェーンベルクウェーベルンシュニトケなど
無調、12音技法など
「ホントにその音で合ってるの?」と尋ねたくなるような曲を
よく演奏することでも知られています。
今年の自由曲は・・・ふふふ、現代音楽の巨匠:シュトックハウゼン
コンクールでこの曲を演奏した団体ってあったんだろうか?
さすが期待を裏切らないGWH!
さーて、どんな曲なんだろう?
http://www.classicsonline.com/catalogue/product.aspx?pid=445907
(↑ 試聴できます)
あ、れ・・・比較的、聴きやすいような。
調べてみるとシュトックハウゼン初期の作品なために
そう難解な作品では無いようです。ふーん。


・・・じゃあ2曲目だ!
大作曲家レーガーの作品。これが凄いんですよ、きっと!
http://mysound.jp/music/detail/tZ54W/
(↑ 試聴&購入できます)


あれ、れれれ。試聴できる部分ではすんごく聴きやすい曲なんですけど…。
…わかった! この後にトンデモナイ展開が待ってるんだな!
1曲150円だし購入しちゃるぜ!!



(最後までじっと聴く)


・・・聴きやすく、チャーミングで、とても良い曲じゃないか!
いったいどうしちゃったの今井先生!!(…おい)


予想も出来なかった選曲に正直うろたえてしまいましたが、
素晴らしい音楽性を持つ指揮者と、
確かな実力を持つ合唱団が
こういう曲をコンクールで演奏するということは
それはそれでもちろん価値があることです。


GWHは6月15日にバッハの「ヨハネ受難曲」を演奏し、
その後からコンクールの練習を始めたとか。
練習期間の少ない状態で全国大会出場を決めたのは
さぞかし大変だったと予想します。


聴きやすい曲って、誤魔化しが効きませんよね。
どこが崩れた、ってすぐ分かってしまうから。
今までのGWHの選曲は耳が悪く不勉強な私には
どこが悪いのか判別が付かない・・・という面がありましたが
今回はそんなことも無いようです。


ある意味、GWHの新しい挑戦とも言える
今年の課題曲と自由曲。
どんな演奏を聴かせてくれるのか、本当に楽しみです!





関東支部代表 静岡県
浜松合唱団 (混声62人)



一般Aの浜松ラヴィアンクールでも振られた
岸信介先生が指揮をしている合唱団。


課題曲G4がベテラン岸先生の手にかかると
どんな音楽になるのかも楽しみですし
自由曲Skulte, Adolfsというラトヴィアの作曲家の作品、
Jurai(To the Sea)は検索したところ
16声、ということしか分かりませんでした・・・。


あ。今年6月に行われた定期演奏会。
最終ステージに千原先生の
「天地始之事」を選曲されているんですよね!
コンクールもこれから選曲されていたら
被った団体が3団体になって面白・・・い、いや大変でした!


あまり見かけない作曲家の、
聴いたことの無い作品がどんなものなのか。
実際に聴くまで、いつも少し心が湧きます。
浜松合唱団が、
その作曲家と作品が好きになれる演奏をしてくれることを願って!






関西支部代表
なにわコラリアーズ (男声65人)



どこへ行っていたンだMr.チャンピオンッッ
俺達はあなたを待っていたッッッ



<あらすじ>
2年前に「次の戦いで引退する」と表明した
主人公:那・ニコラ。
「全てを賭けて俺はこの戦いに挑む!」
最後の戦いと自ら宣言したニコラは、
言葉通り己の肉体、気力、魂までをも全て振り絞って戦い、
並みいる強豪たちを退け、ふたたび頂点の座を掴む。


「戦いは終わった…。
握り締めていた拳を、ほどく時間が来たんだ」
そうしてニコラは去った、戦いの場から。


零れ落ちる砂のように時間は過ぎた。
王者のいない戦いの場は収まるどころか
一層苛烈さを極めていた。血が血を洗う争い。
声に出さず誰もが思った。
(王者が…この世界には王者が必要だ・・・)


崩れ倒れた者が助けを求めようと手を伸ばし、
その手を取り、握った相手に目を疑った!
「あ、あなたは…!?」
「夢ってのは・・・握り締めていないと
 消えてしまうモンなんだな」


那・ニコラは帰ってきた、ふたたび戦いの場へ!


(この物語はフィクションです)




課題曲M2:ラインベルガー。
唯一の不安が自由曲のサンドストレーム
「The Singing Apes of Khao Yai(カオヤイの歌う猿)」が
それほどコンクール向きの曲とは思えないために、
シードという立場で、
最後の“遊び”をしようとしているのではないか、と。
(もちろん、今までのなにコラは
 似たような選曲でも観客を唸らせていたわけですが)


「出続けてくれ!」とは誰も言えないコンクール。
コンクールに出るための労力への疑問、審査基準への疑問。
・・・問題点を数えればいくらでもあるのでしょう。


今年は出た。
しかし来年からは出ないかもしれない。
そんなことは当たり前のはずなのに、
私たちは好きな団体の演奏がずっと聴けるはずだとどこかで思っている。


それでも言おう、おかえりなさい、なにわコラリアーズ!
今年、この岡山で聴けることを純粋に感謝します。
出場してくれてありがとう!





中部支部代表 三重県
ヴォーカルアンサンブル《EST》
(混声42人)



一般Bの部、いや今年の全国大会最後を飾るはEST!
最初が小田原少年少女なのはどうかと思ったけど
この幕切れは悪くない。
悪く無いどころか凄くイイ!


残念ながら昨年の全国大会では途中で会場を出てしまい、
金賞2位だったESTの演奏は聴けなかったのですが。
今年もきっと素晴らしい演奏をしてくれると期待しています。


あのね、正〜直!なことをココに書けば、
けっこう前のESTの演奏って私は苦手だったんですよね。
表現がどこか無骨で、神経に障る、というか。
「巧いのに、どうしてそっちの表現へ行っちゃうの?!」というか。


それが何年前からでしょうか。
ESTが積極的に海外へ演奏する機会を持つようになって。
例えば2年前の宝塚国際室内コンクール。
その音楽性と見事な表現力に心底驚きました。感動しました。
ESTのこの演奏の何が凄かったと言うと、
私が気に障っていた無骨な表現を
隠すようにしているのではなく、
それを伸ばし、優れた表現へ昇華させていたんですね。


それで、自分が演奏を聴いて欠点だと思うものは、
指摘することで、その合唱団の器というものを
小さく小さくさせてしまうことなのかもしれない、と思い反省しました。
ESTは海外へ出ることによって、
自分たちの本当の力を見つける視点、
その力を発揮できる視点を獲得したのかもしれない。



最近、ガンダムシリーズの監督:富野由悠季さんの
こんな講演を読んだのだけど。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/31/news118.html


「きれいなだけのものはすぐに飽きる」
「生身が匂わなければ、臭くなければ絶対に客は付かない」


長く、心に残り、影響を及ぼすものは
心地良いものではなく、実は不快に思うものにこそ
隠されているのかもしれない、とも思いました。


「コンクールを忘れさせる演奏」…なんてカンタンに自分も書いちゃうけど。
真の意味でコンクールを忘れさせて、
違う世界への視点を与えてくれる団体、演奏って、
そう無いんですよね。


だからかつて(時には今でも? 笑)
不快に思わせてくれたESTの、今回の演奏にも期待しています。


あ。課題曲G1、自由曲はウィテカーにLopez-Gavilan!
今年の演奏に触れた人の話によると
演出が相変わらずスゴイ、そうなので
そちらにも期待!!


名役者の凄みある幕引きを楽しみにしております。



====


お、終わった・・・。
まさか終われるとは自分でも信じられません。
あ!あと30分で家を出なければ!!
(メールなど返していない方々申し訳ありません)


すべての出演者、読んでくれた方たちに感謝!!!