「本の雑誌」を買って下さい


私が学生時代から愛読している書評誌「本の雑誌」。
この雑誌がいま、休刊の危機に陥っています。


本を選ぶ手段には書店で現物を見る、
好きな作家つながりで選ぶ、などの方法がありますが
「信頼できる人が勧める本を読む」というのがあると思います。
私の場合、この「本の雑誌」が「信頼できる人」に値します。


読書というものの良いところが
たやすく違う世界へ連れて行ってくれる、ということならば
自分ひとりでは決して読まなかっただろう作家、本のジャンル。
この「信頼できる人」がどれほど違う世界を紹介してくれたことか。


本の雑誌 307号

本の雑誌 307号



最新号の1月特大号の特集は
本の雑誌が選ぶ2008年度ベスト10」。


ベスト以外にも、伊坂幸太郎氏が本屋大賞の副賞、
図書カード10万円分で何を買ったか。
好きな作家の高野秀行氏、宮田珠己氏、穂村弘氏の連載は面白いし、
知っている限りで一番面白い読者欄「三角窓口」は好調。
どうかこの機会に手を取って存続のために力を貸してください。


最近、「本の雑誌」で紹介され、面白かった本。


百瀬、こっちを向いて。

百瀬、こっちを向いて。


まさか短編恋愛小説集にここまで夢中になるとは。
ベタな設定なのに読ませるのは登場人物の描き方が
巧いからなんだろうなあ。
読後が軽やかに気持ち良く、それでも余韻を残すものばかり。
特に表題作は単行本化で削られた部分があるということで
アンソロジー「I LOVE YOU」も買ってしまったほど。




赤めだか

赤めだか


噺家:立川談志へ弟子入りし、真打になるまで。
本の雑誌」ベスト3で羽田詩津子さんも勧めているが
「少年時代の思い出話も、弟子同士の爆笑エピソードも、
 人間国宝小さんとのやりとりも、すべて『下げ』が
 ぴたりと決まって余韻を残す。粋な本だ」
まったくその通り!落語へ全存在を賭ける、
その濃密なドラマと“芸”としての粋を堪能せよ!



・・・これらの本が、「本の雑誌」が存在しなかったら
読めていなかったかも、と思うと。


改めてお願いします、どうか「本の雑誌」を買って下さい。


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