「Life's for sharing」


イギリスのトラファルガー広場にて
13,500人を集めてマイクを渡し
「Hey,Jude」を歌ってもらうという
T-mobileという携帯通信サービス会社のCM。






「Life's for sharing」というこの会社のテーマから
歌という感情の発露を分かち合う生活、
人生ということを考えるだけでも、
なかなか感動的なCMと言えますが
ひとつ新しいな、と思ったのはマイクを使っていること。


単純な合唱だったら、「声の大きな人」が目立ちがち。
でも、「声が大きい」からすなわち上手い、とか優れている、
にならないのは、歌だけではなく何かの意見でも同じだったり。



もちろん拾ったマイクの音には編集が入ることになりますが
それでも、本来聞こえないはずの「小さな声」が
マイクによってCM中あちこちで何度も現れている。
そしてそれがとても効果的だと思うのです。



「Life's for sharing」というテーマには
「何を」分かち合うのか、というだけではなく
大勢の人たちだけではなく、
見過ごしてしまいそうな、けれども大切な
「誰と」分かち合うのか、
そんな意味も含まれているのかな、と思ったり。






(ひとつのおとに
ひとつのこえに
みみをすますことが
もうひとつのおとに
もうひとつのこえに
みみをふさぐことに
ならないように)


(「みみをすます」より 谷川俊太郎