サカナクションというバンドが好きで
新しいアルバムがつい先日発売されたんですけど
DocumentaLy(初回限定盤A)CD+DVD+豪華ブックレット
- アーティスト: サカナクション
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2011/09/28
- メディア: CD
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その中の「エンドレス」という曲に心掴まれたんです。
(詩・曲:山口一郎)
誰かを笑う人の後ろにもそれを笑う人
それをまた笑う人
と悲しむ人
こんなふうに詩は始まるのだけど
非凡に思うのは客観的に見ているだけではなく、
自分自身の問題としての視点が織り込まれていること。
後ろから僕は何て言おう? 後ろから僕は何て言われよう?
「言う」人間を自分とは違う人間として批判するのではなく、
自分も同じだとし、そして同時に「言われる」人間だとする。
批判し、批判されるどうどうめぐり。まさに「エンドレス」。
耳を塞いでる僕がいる それなのになぜか声がする
見えない夜に色をつける デジャブしてるな
見えない世界に色をつける声は誰だ
見えない世界/夜のような息苦しい閉塞感。
耳を塞いでも声は否応なしに聴こえてくる。
そして、最後の連で山口氏はこう歌います。
この指で僕は僕を差す その度にきっと足がすくむ
見えない世界に色をつける声は僕だ
批判し、批判され続けるこの世界の際限のない行為。
その行為自体を客観的に否定するのではなく
山口氏は「この指で僕は僕を差」します。
足をすくませながら。
それでも「見えない世界に色をつける声は僕だ」と
勇気をもって宣言する力に自分は打たれるのです。
山口氏はユーストリームで
「エンドレス」と井上陽水氏の「傘がない」との関連性を挙げていました。
名曲はいまの時代に歌われるべき歌という気持ちを抱かせますが、
同時に時代を越える説得力も持つのだと思います。