「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2011」(その3)


さて、一般部門Aグループ前半8団体の演奏後、
20分休憩をして午後5時半。
Web文通相手様が
「日本最強の女声合唱団」と評するこの合唱団が登場です!





9.佐賀県・九州支部代表
女声合唱団ソレイユ
(女声22名・6年連続出場)



指揮者の樋口久子先生から
中学や高校時代に合唱を教わった10数人が、
また合唱をしたいと集まったのが結成のきっかけという合唱団。
現在は、樋口先生の教え子でない人も入団し、
全くもって合唱が初めての人もおり、
職種もばらばらでバラエティーに富んでいるそう。
(HP団紹介から)


毎年、魅力的な女声合唱を聴かせてくださる団体です。


課題曲はF1の「Lascia Filli mia cara(いとしのピュリスよ)」
(Jan Pieterszoon Sweelinck 曲)
自由曲は木下牧子先生の
『無伴奏女声合唱のための「春二題」』から
「I.あけぼの」「II.春は来ぬ」
島崎藤村の詩句を大切にし、ゆったりしたテンポの「あけぼの」、
リズミカルな「春は来ぬ」と対照的な雰囲気の2曲。



団員の三村さんからメッセージをいただきました。

結成7年目の今年、
初のF1に挑戦しました。
ルネサンスマドリガル
上品にふざけて歌うことができたらいいなと思っています。


自由曲を日本語にしたのも初めてです。
あけぼのでは、夜が明けていく様を、
重なりあう和音の色彩で、
まるで絵画のように表現したいです。
春は来ぬでは、
春を迎える喜びを目や耳、肌…全身で感じながら、
躍動的に歌います。


対照的な2曲ですが、
どちらの曲でも会場に春の空気を送り込みたいと思います。


以上、理想の話でした(笑)


なんにせよ、歌えることの喜びを感じながら、
私達が楽しんで歌うということが一番の目標です♪

三村さん、ありがとうございました♪


昨年のソレイユの演奏は
課題曲の「露営のともしび」は透明でしなやかな声。
深みのあるメゾの旋律、
たとえば「いちご」という言葉を扱う巧さ、繊細さ、
ヴォカリーズと主旋律のバランスなど全てにおいて高度な演奏。
自由曲のカプレ「野の墓碑銘」はしっかりした音楽の作りに
所々フェミニンな魅力があり、
やはり「安心して聴いていられる」感がありました。


声楽的にも素晴らしく、
「合唱の響き」というものにも繊細で、
なおかつ歌心もある・・・なるほど、ひょっとしたら
「日本最強の女声合唱団」かもしれません(笑)。
今年はコンクール初の日本語での自由曲ということで
演奏に期待してしまいますね。


ソレイユには応援メッセージが届いております。
黒川和伸さんから・・・って、この方、
この後一般A部門で14番目に出場する
VOCE ARMONICAの指揮者さんじゃないですか!

中学時代、僕の母校千葉の南行徳中と
樋口先生の佐賀の鍋島中はいわゆるライバル校でした!
今年の全国大会で指揮者として
樋口先生と同じ舞台に立てることを感慨深く思っています!


おおお〜、憧れたライバル校の指揮者:樋口先生が立つ舞台に、
いま黒川さんが立つわけですね。
樋口先生、黒川さん、どっちもがんばって!



さて、ソレイユ三村さんからは写真も送って頂きました。
普通は1枚だけの掲載なんですが・・・
これは4枚載せないと意味が無いでしょう!










写真は練習中に撮りました、ソレイユの人文字です(笑)
何に使うかもわからず、その場のノリだけで撮りました。
こんな感じでバカばっかりやってる私達ですが
仲良くしていただけたら嬉しいです。


わかった!ソレイユが最強なのは「面白さ」だったんだ!(笑)
さて、この写真だけだったらなんなので、
ちゃんとした?写真も一枚。






黒川さんはじめ、全国のみなさん、
女声合唱団ソレイユと仲良くしましょう!














10.愛媛県・四国支部代表
女声合唱団「歌姫」
(女声21名・2年連続出場)



昨年から連続出場の「歌姫」。
比較的少人数でもめっぽう熱い!歌姫さんの演奏。


課題曲はF3「私のいのちは」小林秀雄曲)
そして自由曲はOrbán György 曲
Audi voces (声を聴け)」
「Mundi renovatio (世界の更新)」
「Missa Nona for Female Choir and Piano
 (女声合唱とピアノのためのミサ曲第9番)」から
「Sanctus-Benedictus」


…ということでオルバーンで揃えた自由曲、
どれもリズミカルなところは共通していますが
曲の雰囲気はそれぞれ違っていて面白い選曲ですね。


指揮者の森岡さんからメッセージをいただきました。

幸運にも2年連続、
全国の舞台に立たせていただくことになりました。
昨年より少しでも成長した歌姫を
聴いていただけるようがんばります。


●各曲を選曲された理由を教えていただければ幸いです。
今年の自由曲は、
5月に開催した演奏会で
演奏した曲の中から選ぶことは昨年のうちに決めていました。
本当は「ミサ9番」から2曲演奏したかったのですが、
どう組み合わせても時間内に収まらないので、
比較的派手で変化のある曲想の
「Sanctus-Benedictusu」に。
1曲では短いから
残りの時間に入るアカペラの小品ということで
持っていたオルバーンのCDを聴きあさって
Audi Voces」
「Mundi Renovatio」の2曲を組み合わせました。
なぜ、オルバーンで集めたかというと、
オルバーンの作品が好きだから。
ただそれだけです(笑)。


自由曲がだいぶ先に決まっていたので、
課題曲は消去法でいったら
「私のいのちは」しかありませんでした。
結果、1番これが歌姫にはあっていたのだと思います。



昨年は17名で全国大会に出場しましたが、
今年は仲間が増えて21名で参加します。
高校生団員1名が
どうしても高校の行事と折り合いがつかず参加できませんが、
青森という遠方にもかかわらず
四国大会に参加したほとんどの団員が都合をつけ、
参加できることは指揮者としてうれしい限りです。


コンクールについて思うこと…
コンクールの順位は
たった5人の音楽家の主観で決まるもので(四国支部の場合)
その順位が絶対ではないということです。
特に今年は混戦だったようで
四国支部の一般Aの順位は
同じ団体でも1位をつけている人もいれば
5位をつけている人もいる。
5位をつけた人と同じ聴き方をした人は、
なんであそこが代表なの?と感じるでしょう。


たまたま、ルールに基づいて計算したら、
合計点が1番高かった団体が代表になるわけですが、
代表だから自分たちが
一番うまい団体だなんて思ってはいけないし、
反対にもちろん代表として
自分たちの音楽に自信と誇りを持たなくてはいけない。


思いつくままに書いていたら、
支離滅裂になりましたが、
要するに、紙一重で代表を逃した他の団体の分まで、
しっかりといい演奏を全国の舞台で披露することが
私たちのつとめです。

森岡さん、ありがとうございました!
「紙一重で代表を逃した他の団体の分まで、
 しっかりといい演奏を全国の舞台で披露することが
 私たちのつとめです。」
・・・立派な姿勢だと思います。


昨年の「歌姫」の演奏は
素晴らしいピアノに乗って
聴く者まで心弾むような歌を聴かせてくれた「五月のうた」。
自由曲の「To Morning」ではドラマティックな表現が
びんびん客席まで伝わり、
良い意味で「コンクールらしくない」ステージでした。
「最強」の女声合唱団がソレイユだとしたら、
「最熱」の女声合唱団は「歌姫」かもしれませんね!


今年、オルバーンのリズムが
「歌姫」の脈拍や鼓動のリズムに感じられるような熱さを期待してしまいます。