「遠い町から来た話」


ショーン・タンの作品はこのブログでも「ARRIVAL」を紹介したけれど
今回の「遠い町から来た話」は「ARRIVAL」以上に素晴らしい!



遠い町から来た話

遠い町から来た話


ホームステイに来た小さな交換留学生の置き土産「エリック」、
街をうろつく不気味な潜水夫「壊れたおもちゃ」、
「あなたは考えたことがあるだろうか?誰かが書いた詩のその後について」
…「遠くに降る雨」などなど全15編。




「彼らは大昔からここにいた。
 誰も覚えていないくらい昔、草や木が刈られ、
 家々が立ちならぶずっと前から」
『棒人間たち』  





自分のではない体験のはずなのにどこかで見たような懐かしさ、
途方もないイメージを呼び起こすその物語と絵。
それは、幼い頃に胸を弾ませながら開いた絵本を思い出させます。




「行って、この目で確かめようじゃないか。
 謎につつまれたその遠い町に、
 正式な調査旅行に出かけることにした。」
『ぼくらの探検旅行』





読み終わるのがもったいないので、
私は夜寝る前にベッドで一編ずつ読み、
長い息を吐いた後本を閉じ、眠りにつく。
そんな、幸せな読書の日々でした。



「遠い町から来た話」、本当にお勧めします。