全国大会あれこれ

 

 





●印象に残った大学2団体


自分で
「11月のイヴェントレポートを3月や4月に…」
などと書いたくせに
昨年11月の高松での全国大会。
大学の部で印象に残った2団体の感想をこの2月に。

 

 


都留文科大学合唱団


前評判が高い団体で(ぜんぱくさんもファンだとか)
自分は初めて聴いたんですが、評判通り!
課題曲の「夜もすがら」始まりから掴まれましたね。
(高松で聴けた中では
 この都留文さんと会津混声さんの「夜もすがら」が
 個人的に大変好みでした)
非常に丁寧にフレーズを作っている印象で。
そして男声は14人と全団員50名の約3分の1なんですが
課題曲ではソプラノを活かすBGMとして
アルトと非常に融け合った響きを作っている。

自由曲の
エセンヴァルズ「大海の一滴~マザーテレサに捧ぐ」では
表現のヴァリエーション、
音楽の進め方、そして集中度に本当に感心しました。
少ない男声も無理をすることなく、
しかしちゃんと主張している。
後半のソプラノソロと合唱の呼応する表現にも
唸らされました。

女声が衣装にショールを使っているのと
音楽性の豊かさにまるで学生合唱団じゃ無いような印象も(笑)。

他大学と比較し、私の感想では、
頭ひとつ、いや、ふたつは音楽が抜けているのでは?と。

どんな練習をされているんでしょうねえ。
指揮者の清水雅彦先生の趣味の良い音楽が
全面に感じられた優れた演奏でした。





もう1団体は

 


首都大学東京グリークラブ


都留文科大学の次に出てきた男声、なんと13人!
大学部門はもちろん、室内部門を併せても最少人数です。

正直、聴くまでは少しナメていたのもあったんです。
ステージの前の方へ一列に並び…。
しかし、信長先生の「うたを うたう とき」、
第一声からの上質な響きに「おっ!」と。

ゆっくり、しずかに、そして丁寧に・・・
13人全員で聴き合い、一心に集中して、
ひとつの音楽を届けようとするその姿にこみ上げるものが。

自由曲の「どちりなきりしたん」でも
音の合わせ方、重ね方に感心。
そして指揮者無しのアンサンブルでは
平坦に流れがちな音楽も、
要所要所の表現の変化に光るものがありました。

一緒に聴いていた大学合唱経験者の男性2人は
後の飲み会で目を潤ませ
「良かった! 良かった!」と激賞していました。
「価値ある金賞! 
 首都大学グリーが金賞で本当に良かった!」と。

大学合唱団、特に男声が人数を減らす中、
首都大学グリーのように人数が少なくても
こうしてとても立派に、
聴く人の胸を打つ演奏ができるということは
何か非常に励まされるというか、
素晴らしいことだなあ、と思います。


 (2月8日:追加)

 首都大学グリークラブさんの動画でこんなものを教えていただきました。

 


首都大学東京グリークラブ 三年間の軌跡 (独唱・りんごよ) - YouTube

 

こ、これは・・・。

あの高松にいた人はもちろん、

いなかった人も絶対観て下さい!!

 

 

 


うたを うたう とき(信長貴富「新しい歌」より)/首都大学東京グリークラブ - YouTube

 

 さらに東京都大会の演奏も!

いやあ、この上質なハーモニーと語り口・・・いいわぁ。

 

 

 

 

 

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●しおりさんの好きな光景

 


全国大会が終わって数日後、
MODOKI団長のしおりさんから
こんなメールをいただきました。
しおりさんのご承諾を得ましたので
編集の上、ご紹介します。



 

さて、余談ですが
昨日のコンクールでの私が好きな光景が2つあって
1つは、MODOKIメンバーを前に
やまちゃん(※文吾注:山本啓之さんです!笑)
指揮をしているところ。
2つめは、演奏後に写真撮影に向かっているときのこと。
写真撮影が1階の外で行われていて、
1つ前の団体が下から上がってきて
MODOKIが下に降りていく。


つまり、階段の端と端ですれ違ったようになるんだけど…。
MODOKIが外に出たころには、すっかり日も暮れて
肌寒くなってたの。
そんな中、シェンヌさんの女性は袖なしのドレス…。
「うわぁ、袖なしのドレスは寒そうだぁ」
「大変だよねぇ」と言いながら下での写真撮影を見てました。


シェンヌさんの撮影が終わり、
シェンヌさんは上に
MODOKIは1階に降りていくとき。
すれ違いながら、
「お疲れ様でしたぁ」って、声が上がり始めたんですよ。
そしたら、そのうち
「お疲れ様でしたぁ」って言いながら拍手をしながら
すれ違い始めたんです。
MODOKIメンバーもシェンヌさんも…。
階段で、お互いに拍手しながらすれ違うのって
初めて見た光景で、びっくりもしたんだけど
なんかいいなぁ、こういうのも・・・って思いました。


人によっては、
「コンクールって、なんだかんだ言っても争ってるわけじゃん。
 それなのに、そんなのって偽善的じゃん」
と言われるかもしれないけれども
それでも、嬉しくなったんんだよね。

どっちが始めたとかはよくわからんのだけど
拍手に拍手でこたえてくれるのが
嬉しかったんだよね。
差し出した手を握り返してくれたような
そんな感じでした。
文吾さんにも見せたかった。
たまたま、写真撮影の場所が外だったから
少々声を出したりしても怒られなかったからとか、
(ホールによっては怒られるんですよね)
いろんな偶然が重なった結果の光景だったんだろうけど…。

 

 


しおりさん、ありがとうございました。
文中にもあるように
コンクールはやはり争いなことは否定できないのですが
それでもこうしてお互いを認め合ったり、
讃え合ったりする一面も確かに存在するんですよね。

しおりさんの見た素敵な光景。
私も見たかった!




(全国大会あれこれ、いつかに続く…)