「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2015」(その3)

 

 

 

<観客賞のお知らせ>


今年で3回目になる観客賞のお知らせです。

昨年の観客賞:室内合唱部門
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2014/12/23/095451
昨年の観客賞:混声合唱部門
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2015/01/03/180439




今回、室内合唱と混声合唱に加え
「大学ユース部門」「同声部門」の全部門で行うことにしました。



参加資格:「大学ユース部門」「室内合唱部門」
     「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
      それぞれ全団体を聴いていること。


投票方法は2つあります。


1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
「大学ユース部門」「室内合唱部門」なら
それぞれハッシュタグ 

#大学ユース15 
#室内合唱15 

を付けて
22日室内合唱の部終演(予定16:44)から
審査発表の17:30までに
良かった2団体を書いてツイート。



「同声合唱部門」「混声合唱部門」なら
それぞれハッシュタグ 

#同声合唱15
#混声合唱15 

を付けて
23日混声合唱の部終演(予定17:59)から
審査発表の18:50までに
良かった2団体を書いてツイート。

その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
(3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします!



ツイート投票の例:

コール・●● 熱い演奏に燃えました!
合唱団▲▲ 密なアンサンブルと笑顔が良かったです。#室内合唱15 

 

 

 

 

 

 

ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。




いかがでしょうか?
発表は後日、このブログで発表したいと思います。
みなさんのご協力あっての観客賞。
たくさんのご投票をよろしくお願いします!




さて、室内部門、前半最後の2団体です。
今回は・・・濃いですよ!


 

 

 

 

 

 

 

 




5.京都府・関西支部代表

アンサンブルVine

(混声24名・4年連続出場・57回大会以来11回目の出場)
(※上の団名リンクは伊東さんのHP
「~目をひらく 耳をすます つぶやく~」内のものです)

 



もちろんどの団体も素晴らしいんですが、
初めて全国大会を聴く大学生などは
特にこのVineさんの演奏は絶対聴き逃すなかれ!

「勝負」のはずのコンクールで
これだけ楽しいステージができるんだ?!
…とちょっと衝撃を受けるかもしれないですよ?

アンサンブルVineさんは
観客賞では当然のように毎年上位で
昨年は2位。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2014/12/25/062109
 

コンクールの8分30秒を
「自分たちのステージ」にしていましたね。


その自分たちのステージで
激戦区を勝ち抜いて、
そして全国でも金賞という評価を得るのが凄いな…と。
狙ってもなかなかできるものではないから。

などと、「Vineさん独自の路線」を突き進みながら、
しっかり評価も人気も獲得しているのが凄い!



今年のアンサンブルVineさんの課題曲はG1
Super flumina Babylonis 
(Giovanni Pierluigi da Palestrina 曲)


自由曲は
Canticum Novum (Ivo Antognini)
Magnificat  (Ēriks Ešenvalds)
"Mieliteko-sarja"よりMieliteko
(Jukka Linkola)

スピード感あるCanticum Novum、
熱く歌い上げる印象のMagnificat、
そして複雑なリズムの楽しさ Mieliteko

今年も3曲3様、
個性きらめくVineさんらしいステージが
繰り広げられるはず!と楽しみです。




指揮者の伊東恵司さんにお話をうかがいました。

 

コンクールにユーモアとセンスを!と唱えながら、
コンクールの活動をしてきています。
スピード感やしっとり感を組み合わせるのが
このところの定番になっており、
そろそろマンネリ、ワンパターンなのですが、
ワンパターンと言われるくらいに
個性としての同じ型を貫いてきたかったので、
今年も同じ型にしました。


ロマン派とか他のジャンルはやらないの?と
言われたことがありますが、
私の師匠はロマン派がもっとも得意であって、
私も他方で、チャイコフスキーや
リヒャルトシュトラウスと格闘する合唱団
(「なにわコラリアーズ」のことです=
 5月7日西宮にて演奏会)があり、
ほかにも、宗教音楽を中心とした
「葡萄の樹」の地道な活動や
「みやこキッズハーモニー」がありますので、
自分の活動地図の中ではVINEの活動は
このパターンでと思っているだけではあります。


伊東さん、ありがとうございました。
さて、今回の特別企画「我が団のこの人!」
Vine団員のふじもりさんに書いていただきました。

 

 

VINEのこの人…やはり、
テノールのTさんについて語らねばならないでしょう。
ハーモニーの座談会で
「ときどきちょっとテナーが飛び出る」と
書かれたこともありますが、このパートは3人!

Tさんのうたは、とても伸びやかで自由で
(ときどき自由すぎて…笑)、
この方と歌うと、さすがだなと唸らされますし、
幸せになれます。

そして、発想が…
今回、自由曲の3曲目で、
フィンランドのKalevala(カレワラ)の一節を
テキストとする曲を歌うのですが、暗譜が大変…
そしたらTさん、語呂合わせで
こんな覚え方を考えてくれました…!!


---------------------------------------------------------------
Mieleni minun tekevi
三重 例に見ぬ(ん) 手(て)警備。

aivoni ajatele vi
相棒に 綾(あや)テレビ、

lahteani laulamahan
ラテ兄(あに) ラウラ魔畔(まはん)

saahani sanelemahan
左派(さは)兄(にい)さん 寝れまへん(はん)
---------------------------------------------------------------

…どちらにしろ呪文…笑
こんなユニークなメンバーのいるVINE。
今年もVINEらしい演奏がお届けできたらと思います!!



ふじもりさん、ありがとうございました。

語呂合わせ・・・?と思わないでもないですが(笑)
Vineの演奏から感じられるある種の自由さの理由が
少しだけわかった気がします!


 

 

 

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(※昨年の全国大会でのヒトコマだそうです)

 

 

 

 

そして伊東さんへ、
最後にお伝えしたいことなどは…との問いには

 

 

 

努力して、練習して、張り切ってしっかり演奏、爽やか振る舞う。

 

 


伊東さん、ありがとうございました。
「コンクールにユーモアとセンスを!」
まさに、Vineさんのステージそのままですね。
今年もコンクールという舞台に
爽やかな風を巻き起こして欲しいと思います!



 

 




さて、室内合唱部門前半最後の団体。
私のお気に入りの団体が2年ぶりに登場です。



 

 

 

 

 

 

 

 

 


6.栃木県・関東支部代表


ルックスエテルナ

(混声17名・2年ぶりの出場・第65回大会から3回目の出場)

 



2年前に出場時は自由曲に15世紀の作曲家、
ギヨーム・デュファイの作品を演奏された
ルックスエテルナさん。


今年の課題曲はG1
Super flumina Babylonis 
(Giovanni Pierluigi da Palestrina 曲)


そして自由曲は
"Missa Ave regina coelorum"より「Credo」
作曲:G.Dufay



…と今年もデュファイ!
(ちなみに3年前の初出場時もデュファイでした)
課題曲は16世紀の作曲家パレストリーナ。
自由曲に15世紀の作曲家の作品をコンクールで選ぶ意味は?
指揮者の内田等先生にお答えいただきました。

 

 

まずはじめに、
私たちはルネサンス合唱音楽のアマチュア広報係だと
勝手に思い込んでいます。
極めて稀に、現代曲や邦人物をやることもありますが、
99%くらいはルネサンス音楽を歌っています。

課題曲にG1を選んだのも、
そういった団の方針、団員の趣味指向によります。
しかもパレストリーナのSuper fluminaと来れば、
われわれがこれを取り上げないわけはありません(笑)。

また、Super flumina=バビロン捕囚の地が今、
イスラム国その他の紛争によって泥沼状態にあり、
今年は戦後70年という年であり、
さらには全国大会開催地が
原爆が投下された長崎であるということ。

合唱人として、この年にこの曲は
歌っておきたいという思いが少なからずあります。

演奏にあたっては、
表現が決して大袈裟になることがないように留意しつつ、
心の中に秘めたる炎が見え隠れするような雰囲気が
出るように歌っています。
テンポもゆったりめ。
もしかすると、
「すっきり解決!」的な音楽を求めている方には
物足りなくお感じになるかもしれませんが、
sus pendimusの冒頭は怒りでなく
絶望をまず表現するなど、
自分たちが求める音楽を追究したいと思います。




自由曲のデュファイ。
デュファイの最高傑作とも言うべき
"Missa Ave regina coelorum"。
その中でも超難曲のCredoを選曲しました。
はっきり言って、全国大会を目前にしてもなお、
手の内に入りきった感じは全くありません(;´∀`) 
ただ、歌っていて面白くて面白くてたまりません。

私はルックスエテルナで
デュファイの全てのミサ曲を歌いたいと考えていますが、
その延長線上でこの曲を選曲しました。
実は(文吾さんもいらっしゃってくださった)
今年の5月に行われた当団のコンサートで、
このミサの全曲を宇都宮市の松が峰教会で演奏しています。

デュファイの音楽は、
ポリリズムを含めリズムが多様であり、
通模倣様式の前段階として模倣はあるけれど、
各パートの旋律の動きはほとんど予測できない
危うさ=楽しさがあり、
オケゲムほどではないけれど、
技巧的に難易度が高い部分があり歌い甲斐があって、
楽しくて楽しくて仕方ありません。

そんなデュファイの音楽を
みなさんにもっと聴いて欲しい、歌って欲しい。
そういう思いで、
コンクールではありえない選曲と言われることもある
デュファイの音楽を今年も選曲しました!

 

内田先生、ありがとうございます。

はい、内田先生が書かれているように
5月に栃木・宇都宮松が峰教会へ聴きに行きました。
とても素晴らしい、「体験」とも呼ぶべき演奏会でした。

ルックスエテルナ教会コンサート ルネサンスの響き 感想
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2015/05/20/214402



「ルネサンス合唱音楽のアマチュア広報係」を自称される
ルックスエテルナさん。

2年前の出場では観客賞で2位。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2013/12/15/165236

「ルックスエテルナさんの演奏でデュファイに出会う」
まさにそんな演奏でしたね。
デュファイってこういう音楽なんだな、と
しっかり伝えてくれました。


当時の私の感想のようにデュファイの魅力を
きっと伝えてくださると思います。


さて、ここでルックスエテルナさんの「我が団のこの人!」
ご紹介しましょう。


 

ルックスエテルナの顔といえばアルトの大塚さん!
団創設の時からルックスエテルナを支えてくれています。
団創設の頃はソプラノの要でした。
そして今ではアルトだけでなく
ルックスエテルナの要(気づけば男声の音域まで歌っています)。
お姉さんのようなお母さんのような(あっ怒らないで・・)存在です。
支えてくれているのは歌だけではありません。
毎週練習の後には必ず練習レポートを書いてくれ、
休んだ団員のフォローも欠かさないのです。
もちろん女子会を盛り上げてくれるのも大塚さんです。
女子限定プランの低価格に優しい笑みを浮かべながらも
どんどんグラスを開けていく豪快さも大好きです。
当団の演奏をお聴きになる際は、みなさん、ぜひアルトにご注目を♪


ありがとうございました。
大塚さんはルックスエテルナさんの顔であり
要でもある方みたいですね。
みなさん、長崎のステージではアルトに注目!(笑)


 

 

 

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(※松が峰教会演奏会の写真とのこと)

 

 

 

 



ふたたび内田先生へ、
この全国大会に対する意気込み
(もしくは目標や志)がありましたら…には
 

 

私たちは「室内合唱の部」に出場します。
「室内合唱」とは何かにとことんこだわって演奏します!
今回は17人で演奏する予定です。
20人を超えるとちょっと人数が多すぎかなと感じるのが
「室内合唱」だと考えていますが、
24人の団体に声量や迫力で負けないよう、
しっかりとアンサンブルを鍛えていきたいと思います。

 

 

室内合唱部門は始まって3年目ですが
大ホールでやることの意味や
審査基準の問題など、
まだ制度として確立していない印象があります。
そんな中でも「これぞ、室内合唱!」という演奏を
ルックスエテルナさんにはしていただきたいですね。

さらに、聴く人に伝えたいことがありましたら…には

 

 

私たちの演奏はとっても拙いのですが、
ぜひ、ルネサンス音楽のすばらしさを感じていただき、
もっともっとルネサンスを歌う合唱団が増え、
ゆくゆくは私たちと
ジョイントコンサートをしてくださる合唱団が
現れることを期待しながら(笑)、
長崎ブリックホールで歌います♪

前回(二年前)も言いましたが、
私たちが初めてコンクールに参戦した年は、
県大会で銅賞でした。
次の年、運良く関東大会に駒を進めましたが最下位でした。
そんな私たちですが、
志を高く持って努力をした結果、
今年も全国大会に出場することができました。
そうした活動が実って、
今年5月に行われたコンサートでは
たくさんのお客様がお越しくださいました。
聴いてくださる聴衆がいるって本当に素晴らしい。
音楽をやる者にとって、
こんなに素晴らしいことはありません。

コンクール、賛否両論ありますが、
参戦する団体の皆さんは勇気をもって取り組んでください!

 

内田先生、ありがとうございました。
コンクール参加については
昨年、私が書いた

コンクールへ出場するかどうか迷う
地方の某一般合唱団への架空の飲み会話
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2014/05/13/080442

…でも触れましたが
「志を高く持って努力をした結果」
ルックスエテルナさんのように
全国大会へ進めるまでの団体に成長されることもあること。

そして、松が峰教会での演奏会のように
コンクール以外でも大変優れた成果を残されていること。
その時の私の感想から、今回コンクールでも演奏される
デュファイの感想を抜粋しましょう。

 

ダンスと書きましたが
現代にも通じる要素を多分に含むデュファイのこの曲。
宗教曲として神を敬いながらも、
主体である人間の血は脈々と打ち、
顔はほのかに上気し、足はステップを踏む。
そう、この曲のルックスエテルナさんの演奏は
神様とダンスしているような、そんな演奏だったのです。

 


「歌っていて面白くて面白くてたまりません」
「楽しくて楽しくて仕方ありません」

内田先生が語られる、そんな喜びにあふれた、
神様とダンスをしているようなデュファイ、
きっと聴けると思います。うーん、楽しみだ!






(明日に続きます)