合唱団訪問記:宇都宮室内合唱団ジンガメルさん その1

 

 

 

<「合唱団訪問記」説明>



このブログ「原動機 -文吾のホワイトボード」の前に
「文豪の部屋」というHPを開いていたのですが。
http://alpin.lolipop.jp/

その中の「演奏会感想」と「合唱団訪問記」の初期の記事が
リンク切れで読めなくなっているんですね。
HP管理人yoshiに問い合わせるとデータは残っていたので
送ってもらいました。

15年ほど前の、文章を書き始めの頃で
いま読むと「…うわっ」と。
恥ずかしさで変な汗が出て震えてくるのですが。

まあ文章はともかく、
ある意味貴重な資料かもしれないと思い直しまして。

とりあえず「合唱団訪問記」の第1回から
文章はまったく当時のままで公開してみます。

連日更新の予定です。

 

 


取材先の「宇都宮室内合唱団ジンガメル」さんに
深い感謝を。



HP公開日 2001.7.11

 

 

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「合唱団訪問記」

 第1回「宇都宮室内合唱団ジンガメル」さん。

 <その1>

 

 


 えーと、突然始まりました「合唱団訪問記」。
 このコンテンツは文吾が訪れた合唱団の様子を、
独断と偏見で記していこう、という勝手なコーナーです。
(・・・スイマセン)


 記念すべき第1回目は宇都宮の合唱団。
 宇都宮、と言えばふつう「餃子」が有名ですが、
合唱人は違いますよね。

 そう、今回は「宇都宮室内合唱団ジンガメル」さん!!
のトコロへおじゃまさせていただきました。


 5月の、とある土曜日。
 JR宇都宮駅からバスで数分。栄えている場所で降りる。

 「?」
 
 ・・・練習会場がわからない。
 いや、前もってジンガメルさんのHPで
練習場所を確認してから来たのだが
「目印となる」ビル、が持ってきた別の地図には書いていないのだ!

 困ったなー・・・と思って歩いていると
たまたま見つけた立て看板に、目的のビルの名前がっ!!

 おーラッキー♪
 手持ちの地図と、立て看板の地図を照らし合わせる。

 なんとか理解して、落ち着いて立て看板全体を見ると・・・

 バリっバリ


 「えっちなお店」のカンバン!!

 (・・・えーと、宣伝文句はとても書けません)

 ハタから見ると
 「風俗店への行き方を手元の地図で熱心に検討している男」
 ・・・にほかならない。

 ち、違うんだ~~!!・・・と、
心の中で絶叫しながらその場を走り去る。
(どーりで行き交う人が、こっちをアヤシイ目で見ると思ったよ~。ふう)


 ようやく目的の場所を見つけ(中央公民館)、練習会場に。
 18時から練習開始、と知ってはいたが
迷ったために少し遅れてしまった。

 おー。すでに何人かの人が体操を始めている。
 ほとんどの方がジャージかスウェット姿。
 そのうちの団員のお一人に
 「突然ですが、
  練習を見学させていただけないでしょうか?」
 …と尋ねる。
 (急に休みになったので、連絡ができなかったのだ・・・)

 快く了承をいただく!
 中に入ると練習会場は、学校の教室をちょっと広めにした印象。
 床は板張りで、窓が広く、6階なので眺めもいい。

 団員の女性から、合唱団用の名刺をいただく。
 「おお!このお名前は!!」
 名古屋にいる際、この方にジンガメルさんについて
見学に関することなどをメールで質問したのだが、
その答えが

  「見学に来られたからといって、
   入団を強制するものでは全くありません。
   団員も見学者の方がいらっしゃると励みになりますので、
   ぜひとも見学にいらして下さい」


 ・・・という内容の、丁寧で誠実な文に心ひかれたのだ。

 やっぱり不安なんだよね。練習見学って。
 上記の文で感心するのは
 「入団を強制しない」「来てくれるだけで嬉しい」
 という2点が、見学者の不安を打ち消し、
 「行ってみようかな」という気にさせると思うのだ。


 さて、練習内容。
 最初の15分間は体操。
 その後に、さまざまな演劇的エチュードが行われる。

 「練習場所を歩き回って! ただし足音は立てないで!!」とか
 「ふたり一組になって、『鏡』になって!!」

 (向かい合わせで、お互いの相手のマネをする)
 ・・・など、中学校の先生だという、女性団員が的確な指示を与えていく。

 18時25分になって、四つんばいになり、
片手をなにかに差し伸べ顔を上げる、というポーズのまま
ようやく初の声出し(笑)。

 他にもあぐらの体勢や、体を横倒しにした状態、で発声。
 最初の、練習会場を歩き回っている時から
 「胸郭は下げないで! 声が落ちるからっ!!」
 ・・・という指示が何度もなんども飛んでいたのが印象的だった。


 18時45分から、6/9に行われる演奏会の最終ステージ
 「海の神が自ら歌った謡」
 (知里幸恵「アイヌ神謡集」による。寺嶋陸也作曲)
 ・・・の通し練習。

 いわゆる、演出が入るステージ、ですね。
 こーれは、やっぱりかなり面白かった!

 全く失礼なコトを言って、
個人個人の動きは、そうレヴェルが高いものではないのだが
(って、運動神経切れてるワタシに、言う資格は全くナイんですけど…)
加藤直、というプロの演出家に指導を受けているせいか、
動きにムダがなく、視覚的に非常に効果あるように思えた。

 動くひとりひとりが「目的があって」動いている、というか。

 そのせいか、見ていて「サムく」なることもなく
 (スイマセン。
 文吾、演出付きステージって時々この症状が出るんです…)
最後まで、とても興味深く、楽しく見る事ができた。

 練習の間も、指揮者と並んで、演出担当の団員の方が
指示を出していたのも印象深かったし。

 全部で40分ほどの通し練習だったのだが
観ていて少しも「飽き」を感じさせなかったのはスゴイ事だと思う。


 そういえば今日は、
音楽監督の栗山文昭氏が来る予定なのだが、
「合唱団-Kyo-」(元・OMP)とのベルギー演奏旅行から
なーんと「昨日」(!)帰って来たばっかりなので
ひょっとしたらムズカシイかも・・・。
(栗山氏の練習は、数ヶ月に1回、ぐらいらしい。
 演奏会が近いと回数も増えるそうだ)

 と、団員の方に言われたのを思い出していると
ひょっこり

「大柄な音楽監督」の登場!

 

 

 

<その2、へつづく>